最大節約法とは? わかりやすく解説

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最大節約法

同義/類義語:最少突然変異系統樹
英訳・(英)同義/類義語:parsimony method, maximum parsimony method

生物分子系統樹作成する方法一つで、進化系統計算するときに塩基アミノ酸置換数を最小にするような最大節約原理基づいて系統樹作る。そのための計算機プログラムとして、MEGA知られている。
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最大節約法

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/31 16:55 UTC 版)

最大節約法(さいだいせつやくほう、英:Maximum parsimony)は、生物の系統進化を示す系統樹を推定する手法の一つ。ただし、系統樹を作製するための確率論的または決定論的なアルゴリズムは多数あるが、最大節約法はその答を求めるためのアルゴリズムではなく、複数の候補の中から最適な系統樹を選択するのに使う方法である。最大節約法においては、最も少ない変化の数で説明できる樹形が最適樹として扱われる[1]


注釈

  1. ^ より厳密には、形質状態aからbへの遷移に伴う「コスト」である。コストは進化回数の他に、形質状態の遷移確率のある関数値として定義されることがある[5]
  2. ^ ただし、形質の変化が生じておらず原始形質が全ての内群で保存されている場合や、内群のうち1つの節でのみ派生形質が出現している(固有派生形質)場合、これらの形質状態は類縁関係の推測に役立てることはできない。このため、必ずしも全ての形質において計算を行う必要はない[1]

出典

  1. ^ a b c d e 隈啓一、加藤和貴「実践的系統樹推定方法」『化学と生物』第44巻第3号、2006年、 185-191頁、 doi:10.1271/kagakutoseibutsu1962.44.185
  2. ^ a b c d e E・O・ワイリー、D・シーゲル=カウジー、D・R・ブルックス、V・A・ファンク『系統分類学入門 分岐分類の基礎と応用』宮正樹訳、文一総合出版、1992年、69-71頁。ISBN 978-4829930168
  3. ^ a b c d e f g h i j 松井求「分子系統解析の最前線」『JSBi Bioinformatics Review』第2巻第1号、2021年、 30-57頁、 doi:10.11234/jsbibr.2021.7
  4. ^ a b c 高松進「分子系統学の基礎」『植物防疫』第59巻第3号、2005年、 64-69頁。
  5. ^ 三中信宏最節約法に基づく分子系統樹推定:系統樹の森の探検」第19巻Special Issue、1998年、 doi:10.5691/jjb.19.S49
  6. ^ a b c d 長谷川英祐. “第7章 進化と系統 -進化の歴史を再現する-”. 北海道大学大学院農学研究院・大学院農学院・農学部. 2021年10月23日閲覧。
  7. ^ a b 益子理絵、山田真介、山名早人「分枝系統樹構成法に関する最新技術動向」『情報処理学会第65回全国大会講演論文集』第1号、2003年、 233-234頁。
  8. ^ 三中信宏分子系統学:最近の進歩と今後の展望」『植物防疫』第63巻第3号、2009年、 192-196頁。


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