体力の構成要素のうち全身持久力の指標です。運動中に体内(ミトコンドリア)に取込まれる酸素の最大量を示し、有酸素性能力や有酸素性パワーとも呼ばれています。
1923年に、HillとLuptonによって定義づけられ、スウェーデンの生理学者であるAstrand(1952)によって広く世界に普及しました。測定法には、直接法と間接法があります。直接法は、自転車エルゴメーターやトレッドミルなどを用いて最大努力での運動中に採気された呼気ガスを分析し、1分間に体内に取り込まれる酸素の最大量を算出します。一方、間接法では、最大努力までは行わず、心拍数や運動負荷などから最大の値を推定します。男性20歳代の平均値は、体重あたりで40ml/kg/min程度ですが、エリート長距離選手の最大酸素摂取量は90ml/kg/minにも達します。心血管系疾患の罹患率や死亡率とも関連するなど、全身持久力としての体力の評価値としてはもちろんのこと、健康を表す指標としても重要であると考えられます。
さいだい‐さんそせっしゅりょう〔‐サンソセツシユリヤウ〕【最大酸素摂取量】
最大酸素摂取量
【英】:Maximal Oxygen Uptake,VO2max
最大酸素摂取量
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/01/20 23:33 UTC 版)
最大酸素摂取量(さいだいさんそせっしゅりょう、英: VO2 max, maximal oxygen consumption)とは、漸増運動で測定された酸素消費の最大量のこと[1][2]。通常は、モーター付のトレッドミルで計測される。最大酸素摂取量は有酸素運動能力を反映し、長時間の最大限下の運動持久力を決める重要な要素である。名称は V = 量(volume)、O2 = 酸素、max = 最大限(maximum)に由来する。
最大酸素摂取量は単位として、毎分リットルなどの絶対量、もしくは、mL/(kg・分)などの体重に対する相対量を使用する。後者の単位は、持久力競技のアスリートの能力を比較するのによく使われる。しかしながら、最大酸素摂取量は一般的に、種内であるいは動物種間においても体重に対して線形に変化するものではなく[1][2]、それ故、体の大きさが異なる場合に比較する場合は共分散分析などの適切な統計処理を行うべきである。
最大酸素摂取量の計測

正確に最大酸素摂取量を計測するには有酸素エネルギー系に十分な負荷をかける必要がある。一般的な体力測定において、トレッドミルや自転車エルゴメータを使用して、段階的に負荷を上げていき、呼吸量・酸素・二酸化炭素の量を計測する。負荷を上げていっても、酸素消費量が変化しなくなったときが、最大酸素摂取量である。
Fick 方程式
最大酸素摂取量は Fick 方程式により定義される。
最大酸素摂取量と同じ種類の言葉
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