同形形質と相同形質の区別
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/05 03:07 UTC 版)
「同形形質」の記事における「同形形質と相同形質の区別」の解説
同形形質のうち、特に近縁な分類群で生じる同形形質は、系統推定を困難なものにする。系統推定に用いられる最大節約法や最尤法は、分子系統解析における多重置換を過小評価する傾向にあり、ある特定の塩基やアミノ酸が二回以上変異した場合にそれを検知できないことがある。これは最大節約法において顕著で、この手法では多重置換が全く考慮されていない。このため、同形形質により誤った類縁関係が推定されてしまうことも多い。 クラディスティックな解釈によれば、ある形質の分布が、好ましい系統仮説に基づいて共通祖先の形質で説明できない場合、すなわち問題となっている形質が系統樹上の複数のポイントで生じる(または消える)場合に、同形形質を確認できる。 DNA配列の場合、配列が長大であるため同形形質は多く見られる。観察された同形形質は単にランダムなヌクレオチド置換が時間をかけて蓄積された結果である可能性があり、適応主義的な進化論的説明を必要としない可能性もある。
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