隠密御庭番衆
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/09 14:22 UTC 版)
「るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-の登場人物一覧」の記事における「隠密御庭番衆」の解説
御庭番と呼ばれた実在の幕府組織をモチーフに描かれているが、上記の四乃森蒼紫と巻町操含め、以下もすべて架空の人物。配下たちの通称は能楽、狂言に用いる面の名に由来する。[要出典]キネマ版では維新後に解散したとされ、直接登場はしないものの、一コマだけ蒼紫・翁・操・般若・式尉・火男・癋見が描かれている。『北海道編』では葵屋の面々は全員所帯を持っているとのこと。 柏崎念至(かしわざき ねんじ) 声 - 北村弘一(テレビ版)、大木民夫(新京都編) 演 映 - 田中泯、京 - 阿部裕 京都探索方。通称「翁(おきな)」で、劇中では一貫してそう呼ばれている。普段は料亭兼旅籠「葵屋(あおいや)」を営む。身長165cm、1819年(文政2年)9月生まれ。京都府出身。乙女座、血液型AB。趣味:情報収集。特技:観光案内。 操の育ての親。一人称は「ワシ」。普段はスケベな好々爺だが、志々雄一派と対立する剣心に対して強引に協力を約束するなど、時に操にも通ずる我が儘な一面も見せる。ただし剣心の胸中も察しており、彼が葵屋を巻き込みたくないという想いを抱えていることにも気づいていた。葵屋が襲撃された時は「せくしいこまんどぉ」なる武術で侵入者を撃退していた。驚いた時などは「ひょ」と声を発する。かつては御庭番衆最恐と呼ばれており、志々雄一派の隠密部隊の手に釘と蝋燭を突き刺し拷問するなど、普段のおおらかな顔の裏には歴戦の忍らしい恐るべき残忍性を隠し持つ(本気を出すとサリーちゃんのパパのように髪と髭が逆立つ)。戦闘においても先代御頭と互角に戦えた実力の持ち主で、修羅と化した蒼紫との戦いでも「先代の技は通用しない」として二本のトンファーを駆使して優位に立っていた。しかし「蒼紫の技」を完全には防げず、トンファーの片方を切断され、技を防げなくなったところへ「回転剣舞六連」の前に敗れる。このため十本刀との戦いには直接は参加せず、葵屋の中から指示を飛ばすという役割を担っている。先代御頭の死後は次期御頭最有力候補に挙げられたが、若き世代への期待から蒼紫を御頭に推して京都探索方に志願。 『北海道編』では剣心からの電信に返事を出そうとして長文の手紙を書くが「文字数が多いほど料金がかさむ」と、お増に突っ込まれていた。 アニメでは翔伍に殺害された元キリシタン弾圧の急先鋒である人物たちの死体に描かれた文字を見て、かつて隠れキリシタンが使っていた大陸の文字に由来する文様であることに気付く。また、黒騎士団編以後は操を迎えに行かせるべく東京へ蒼紫らを遣わした。 デザインのモチーフは『CYBORGじいちゃんG』の壊造時次郎。それを公表した登場人物製作秘話で描かれた翁のラフ画ではサングラスを持っていた。 名前は新潟県柏崎市に由来。完全版第22巻の再筆:年齢を感じさせない鍛え抜かれた肉体となり、その衰えぬ力と老兵としての技量を表したかのように巨大鋼鉄製トンファーと様々なギミックを仕込んだ機械仕掛けのトンファーとを使用する。褌姿。作者いわく「男のロマンが満載」。 実写映画版:基本的に原作に準拠した設定で登場。しかし原作と違い蒼紫との勝負に敗れ、床に就いていた後は、衰弱した身体で出歩き蒼紫の行き先を先読みし待ち伏せをして仕込み刀で斬りかかるも一蹴されてしまう。即死は免れるも、剣心と蒼紫の戦いを見届けた後に死亡。 武器 仕込み杖 通常時の得物。分割して中の鎖を引き出し、振り回して使用。 トンファー 本気を出した時の得物。鋼鉄製。実写映画版では先端に刃が仕込まれている。一部のゲームでは操も使用する。 技 円殺轟鉤棍(えんさつごうこうこん) 間合いを詰める反動を利用して、勢い良く回転させたトンファーを相手に叩きつける。 般若(はんにゃ) 声 - 野島昭生、鈴置洋孝(PS維新激闘編) 演 宝 - 煌羽レオ / 日和春磨、松 - 寒川祥吾 密偵方の上位隠密。身長166cm、体重55kg、1855年(安政2年)6月生まれ。出身地は貧しい農村であること以外は詳細不明。双子座、血液型A。尊敬する人物:四乃森蒼紫。一人称は「私」。 幼少時代に口減らしのために親に殺されかけ、生き残って放浪していたところを蒼紫に救われる。密偵方だけあって第一の任務は諜報工作であるため、いかなる顔にも変装できるようにと、自分で顔面の肉と皮膚を剥ぎ、鼻を落とし、頬骨を砕いて顔面に徹底的な改造を施している。その為、素顔はゾンビを彷彿とさせるグロテスクな外見になっている。だが、本人いわく「変装には便利だから気に入っている」とのこと。般若の面は、素顔そのものを隠すためのものだが、戦闘においても視線を隠すので「先読み」の妨害にも使える。剣心との2度目の戦いで、仮面が破壊された。 密偵方であると同時に蒼紫仕込みの卓越した「御庭番式拳法」の達人で、伸腕の術に加えて鉤爪を使うなど戦闘技術にも長けている。操の世話役。基本的に女性に対しては礼儀正しく振る舞うが、仲間内や男相手にはぶっきらぼうな態度になる。 観柳邸のエントランスにて剣心と対決。伸腕の術で一時優位に立つが、破られた後は鉤爪で立ち向かうも剣心の一刀には及ばず敗北。その程度では蒼紫には勝てないことを告げながら気絶した。その後、左之助、式尉と合流。左之助には警戒されたが「勝負がついた今、寝首を掻くような真似はしない」と告げたことで信用を得た。 似たような境遇である恵のことは気にかけていたが、般若にとって優先すべきなのは組織のことなのであえて見て見ぬ振りをしていた。 最期は蒼紫を救うため囮となり観柳の回転式機関砲の前に散る。死後、蒼紫によって彼以下4人の亡骸から首を切り取られ(アニメでは死体を丸ごと回収されている)、ある樹海に般若以下4人の御庭番衆の墓が建てられたが、人誅編終了後に蒼紫・操の手によって京都に改めて葬り直された模様。京都編にて操が鎌足との戦いで意識を失いかけた時は、幽霊となって操に声をかけ、蒼紫が帰ってくることを告げた。 アニメ版では登場の場面がさらに増えており、恵を救うべく襲撃して来た剣心を雇おうと交渉を持ちかけた観柳の近くにいたのは原作では蒼紫だが、アニメ版では般若である。さらに恵が観柳を殺そうとしたところで恵の短刀を奪ったのは原作では蒼紫だが、アニメではこちらも般若になっている。原作では観柳が回転式機関砲を持ち出した際に不意撃ちで蒼紫の両足が撃たれているが、アニメでは的になったのは般若であり、蒼紫が咄嗟に庇って撃たれるという展開になった。 モチーフは『エレファント・マン』と『蜘蛛男』で、性格上のモチーフは新撰組の山崎燕、デザイン上のモチーフはガイコツである。完全版第3巻の再筆:マジックミラーの面で敵を惑わす(素顔は変わらず)。猫手型の爪を主武器とし、蒼紫譲りの小太刀を奥の手に持つ。般若の面は本来女性を表すため、中性的な細身の体型となった。 技 伸腕の術(しんわんのじゅつ) 赤と黒の横縞模様の刺青で、腕を短く見えるよう錯覚を起こさせる。このため、相手からすれば攻撃時に腕のリーチが伸びたように見える。完全版の再筆では、さらに伸脚の術も使用している。 式尉(しきじょう) 声 - 中田和宏、大塚明夫(PS維新激闘編) 演 映 - テイ龍進、宝 - 真那春人、鳳華はるな(代役)/ ゆめ真音、松 - 祝陽平 本丸警護方の上位隠密。身長195cm、体重100kg。1843年11月生まれ。鹿児島県出身。蠍座、血液型B。特技:腕立て伏せ。一人称は「俺」。 元々薩摩藩の隠密だったが、城内の調査のために江戸城に侵入した際に蒼紫(当時13歳)に倒され、それを機に御庭番衆に入る(顔にある十字傷はその時のもの)。元々筋力に恵まれており、それを御庭番衆に伝わる秘薬によって強化した。般若が剣心に敗れた後、階段の踊り場で左之助と対決。当初は有利に戦いを進め、左之助を勧誘し秘薬による強化を持ってすれば自分以上に強くなれると述べる。しかし拒否され、脳天に強烈な拳打を打ち込まれて敗北。左之助も気絶してしまい、共に意識を取り戻したがもう戦意はなく、そのまま左之助、般若と共に剣心たちに合流する。その後、般若と合流し蒼紫を観柳の回転式機関砲(ガトリングガン)から守るため、自分の身体を盾にして庇う。自分の肉体が機関砲に勝ることを証明し、蒼紫の役に立てたことを誇りながら戦死した。 技らしい技はないものの頭突きによる攻撃を主体に使用していた。 アニメでは対決までの展開が異なっており、恵が脅迫されたことを知った左之助が観柳邸の前で彼女をいさめた際に登場。原作通りに左之助に敗れたが、その隙を突いて恵は癋見に連れ去られてしまった。また薬で肉体を強化したのではなく自分で鍛えたものになっている。 モチーフは実は左之助。デザイン上のモチーフはこれといってないが、筋肉描写はアメコミを参考にしている。完全版第3巻の再筆:筋肉がさらにもり上がって肉体全てが武器という野獣のような外見になる。奥の手となる牙が強調されている。普段の武器である巨大鉄球はさらに大形化しトゲも付けられている。 火男(ひょっとこ) 声 - 飯塚昭三、小村哲生(PS維新激闘編) 演 宝 - 久城あす / 汐聖風美、松 - 竹部匠哉 中位隠密。身長190cm、体重120kg。1848年7月生まれ。熊本県出身。蟹座、血液型O。好きな食べ物:明太子。一人称は「俺」。 火術使いで、直情的な性格をしている。身体が肥満体なのは胃に火炎放射用の油袋を仕込むため。補給のための樽も背負っている。神谷道場を襲撃した際に剣心、左之助の両名と対決。左之助相手には火炎放射の不意打ちで優位に立つが、剣心にはあっさりと破られる。トリックのネタを見破った左之助の特攻により油袋を引きずり出されてしまい、ならば素手でと殴り掛かるが左之助の拳には遠く及ばず敗北した。その後は癋見と共に床に臥せっていたが、観柳が機関砲を用いたことで危機を察知し戦場に駆けつけた。蒼紫を守るべく捨て駒になり、観柳の回転式機関砲によって戦死する(原作では頭部を撃ち抜かれるが、アニメでは胴体を撃たれる)が、樽に潜んでいた癋見の攻撃につながる。完全版第3巻の再筆:油のタンクと、火炎制御用マスクを装備した外見になる。火打石ではなく手にした松明にマスクを通して霧状にした油を吹きかけ炎を放つ。なお、このデザインはキネマ版でも流用された。 技 火炎吐息(かえんといき)、極大火炎吐息(きょくだいかえんといき) 腹に仕込んだ油袋で油を通し、火打石と上下二本だけ残った前歯で着火して火炎を吐く。強化版は極大火炎吐息。 癋見(べしみ) 声 - 松野太紀 演 宝 - 透真かずき / 眞ノ宮るい、松 - 早川一矢 下位隠密。身長130cm、体重30kg。1848年5月生まれ。東京府出身。牡牛座、血液型A。特技:射的・尾行。一人称は「俺」。 非常に身軽で音も気配もなく周囲に潜むことを得意とする。剣心も殺気を感じるまでは存在を感知することができなかったほど。恵の監視を行っていたところ逃げられてしまい、観柳の配下と共に追跡している最中に剣心、左之助と対決。左之助の友人たちを攻撃したことで怒りを買い、二人の同時攻撃で顔面を潰されてあっさりと敗北した。般若に助けられた後は、火男の補佐的な役割で神谷道場襲撃に加わり、半ば逆恨みで恵を毒殺しようと毒殺螺旋鏢を放つが弥彦に阻止された。 観柳邸での闘いで火男の樽に潜んで奇襲をかけるが、一歩及ばず観柳の回転式機関砲の乱射を受けて戦死。火男共々、一芸だけにしか秀でていない自分たちを見捨てずにいてくれた蒼紫に心服していた。 アニメ版では彼が放った螺旋鏢が回転式機関砲を詰まらせ、逆転のきっかけとなる。 下品なチンピラのような言動だが、前述の通り蒼紫に対する恩義や忠誠心は強い。アニメ版では恵奪還の任務に失敗したことで観柳の部下二人は始末されたが、癋見に関しては蒼紫に庇われていた。完全版第3巻の再筆:通常の螺旋鏢(全て毒殺螺旋鏢)入れを兼ねた巨大螺旋鏢に乗る極端な矮躯、草食動物の如く両側を見られる目という人間離れしたデザインになっている。 「小心者で体が小さい」という点が、小さいもの好きの一部の読者に好かれたのか、「癋見かわいい」という評価も寄せられたらしい。技 螺旋鏢(らせんびょう)、毒殺螺旋鏢(どくさつらせんびょう) 螺旋状に溝が掘られた、ライフル弾のような鉄製の鏢を指で弾き撃つ。曼荼羅葉の毒を塗った毒殺螺旋鏢(どくさつらせんびょう)もある。 黒尉(くろじょう) 声 - 茶風林 演 映 - 小久保丈二 葵屋従業員。普段は「黒(くろ)」と呼ばれている。体は大柄で髪は短髪。手にはめた籠手輪手裏剣(こてわしゅりけん)を扱う。般若や操と同じく「御庭番式拳法」の使い手でもあり、志々雄配下の一般兵の精鋭程度なら軽くあしらえる位の実力はある。 アニメでは黒騎士団編で再登場。操・白尉と共に真田忍軍と戦う剣心たちに加勢するも、手傷を追わされて戦線離脱を余儀なくされる。完全版第22巻の再筆:鉢巻の色が黒に変更され、鉢巻の端を顔の左側に垂らしている。頭頂部の髪にはパーマがかかっており、より呑気そうな外見に。 白尉(しろじょう) 声 - 木内秀信 演 映 - 佐藤滋 葵屋従業員。普段は「白(しろ)」と呼ばれている。体はやせ形。籠手輪手裏剣を扱う。般若や操と同じく「御庭番式拳法」の使い手でもあり、志々雄配下の一般兵の精鋭程度なら軽くあしらえる位の実力はある。 アニメでは黒尉と同様黒騎士団編にて再登場するが、共に手傷を追わされる。その後は霊薬捜索に向かう剣心たちを見送った。完全版第22巻の再筆:こちらの鉢巻も黒尉同様のアレンジがされている。 増髪(ますかみ) 声 - 中尾友紀 演 映 - 江田結香 葵屋従業員。普段は「お増(おます)」と呼ばれている。髪の毛は常に束ねている。円形手裏剣を扱う。般若や操と同じく「御庭番式拳法」の使い手でもあり、志々雄配下の一般兵の精鋭程度なら軽くあしらえる位の実力はある。敵に対しても優しいが、従業員の中ではしっかりした方で、宴会で酔っ払う翁を叱り付けていた。 アニメでは翁に命じられ、蒼紫・近江女と共に京都から東京に居着く操を迎えに来たことがある。その際、操と近江女に加え薫や恵、妙や燕と共に女性陣同士の談議に花を咲かせていた。またアニメでは近江女と同様、比古清十郎に一目惚れしていた。完全版第22巻の再筆:鉢巻の向きが上記2人と同様になり、髪にややウェーブがかかっている。 近江女(おうみめ) 声 - 尾小平志津香 演 映 - 別府あゆみ 葵屋従業員。普段は「お近(おちか)」と呼ばれている。普段は髪の毛を結っているが、戦闘の時には解き、垂らしている。くの字手裏剣を扱う。般若や操と同じく「御庭番式拳法」の使い手でもあり、志々雄配下の一般兵の精鋭程度なら軽くあしらえる位の実力はある。比古清十郎に一目惚れし、側に付き添っていた。 アニメでは蒼紫・増髪と共に京都から操を迎えに現れた。完全版第22巻の再筆:上記メンバーと鉢巻の向きが同じになっており、髪型が右分けのセミロングに変更。
※この「隠密御庭番衆」の解説は、「るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-の登場人物一覧」の解説の一部です。
「隠密御庭番衆」を含む「るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-の登場人物一覧」の記事については、「るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-の登場人物一覧」の概要を参照ください。
- 隠密御庭番衆のページへのリンク