怪異の専門家
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忍野 メメ(おしの メメ) 声 - 櫻井孝宏 怪異の専門家。『化物語』「こよみヴァンプ」「つばさファミリー」「こよみストーン」「こよみフラワー」「おうぎダーク」「つばさスリーピング」に登場。「まよいキョンシー」でも直接の出番こそないものの、手紙の書き手という形で彼の語りに章が割かれている。 怪異を調べて日本全国を放浪する謎の30代男性。自称:妖怪変化のオーソリティー。塾の廃墟ビルに無断居住し、暦達に怪異への対処法をアドバイスする。サイケデリックなアロハシャツ一枚にぼさぼさの金髪という格好をしており、一見うさん臭いが、自称通りの実力者であり、その守備範囲は作中に登場する専門家の中でも最も手広い。誰かに肩入れをすることは無く、あくまで「中立者」、バランサーとしてことにあたっている。文明というものを嫌い、機械音痴で、感電することを恐れ携帯電話を使えないほど。 自らが戦闘を行うことはほぼ無いが、春休みの事件の際には暦に襲いかかった凄腕の吸血鬼ハンターを3人まとめて止めており、実は戦闘力もかなり高いことが窺える。 信条は「自分は助けない、相手が自分で勝手に助かるだけ」であり、「助ける」という表現を嫌い「力を『貸す』」という言い方をする。同様に別れの言葉も嫌う。軽薄かつ皮肉屋で、軽口が絶えない上にどこか見透かした風である。口癖は、話し相手が攻撃的な意見を出した時に言う「元気がいいなぁ、何かいいことでもあったのかい?」。泥舟によると、子供相手に格好付けたがる所があり、暦からもロリコン疑惑を抱かれている。 「つばさキャット」で暦達の街を去り、「かれんビー」以降はほとんど登場しないが、町に滞在していた時期は忍に対して怪異についてのあれこれを一方的に語り聞かせていたらしく、『偽物語』以降忍はこの時メメから聞かされた話を暦に伝え聞かせている。 「おうぎダーク」にて、実は南極にいたことがわかり、翼の尽力により扇と対峙した暦の前に再び姿を現した。 神道系の大学の出身。伊豆湖の後輩で、泥舟や余弦とは同級生にして同じサークル(オカルト研究会)に属していた。アロハシャツはその当時から着ていたらしい。余弦によると、サークル始まって以来の天才と言われ、「周りに女子とかはべらして、誰よりちゃらちゃらしとった」とのこと。泥舟や伊豆湖からは「適当な奴」と評されているが、実力は認められている。扇は彼の親族を名乗っているが、泥舟によると天涯孤独らしい。 貝木 泥舟(かいき でいしゅう) 声 - 三木眞一郎 「偽物の怪異」を専門とする詐欺師。初登場は「かれんビー」。「かれんビー」「ひたぎエンド」のメインキャラクター。 漆黒のスーツとネクタイに身を包んだ、抑揚のない口調で話す壮年の男。会う人間にことごとく「不吉」と評される。メメほどではないものの怪異の専門家としての高い能力を持っているが、怪異の存在を信じていない。本人の言うところの偽物の怪異を二度利用している。事実は半分しか告げないことをポリシーとしている。口癖は話し相手や自分への反省として言う「今回の件から○○(教訓を得るべき者を指す)が得るべき教訓は」。まとまった金が手に入ると金遣いが荒くなるタイプ。ただしかさばる物は持たない。 仕事の性格上一定の住居を持たず、戸籍も売却済み。放浪生活をしているのはメメと同じだが、メメが廃墟を選ぶのとは対照的にシティーホテルに滞在するのを好む。 仕事(詐欺)の際にはわざわざA4サイズのノートを購入し、周辺の地図を似顔絵イラストを交えて入念に書き込み綿密に計画を立てる。万が一覗き見されても解らないように隠語を使い細かく書込み、詐欺の進行状況の確認の為読み返しては悦に入ったりする。熱が入ると数冊にも及ぶが、仕事が終わると全て破棄してしまう。 撫子達中学生の間で「おまじない」を流行らせた張本人。火憐に悪と罵倒された際それを否定もせず誇りもせず、当然のこととして受け入れていた。自分の正義や目的を掲げる一般的な悪役とは異なり、金を稼ぐための手段の中で楽なものが詐欺だっただけの「ただの悪党」でしかなく、必要とあらば年下であるひたぎ達にあっさりと折れるなど、前述のようにプライドや理念ではなく徹底して実利を取るタイプだが、非常に負けず嫌いで、逆境に燃える一面もある。 戦場ヶ原一家を詐欺にかけた最初の一人であり、夫妻の離婚を促した張本人。ゆえにひたぎにとっては恨み骨髄の相手。 メメ、余弦とは大学の同級生で同じサークル(オカルト研究会)に属していた。性格的な問題からか、メメや伊豆湖のことは苦手としていたらしい。しかしメメについては「ひたぎエンド」の冒頭で大親友である(嘘の可能性もある[要出典])と語っている。また中高では陸上部だったらしく、全力疾走の駿河に余裕で追いつける走力をもち、その走法を「貝木ストライド」とよんでいる。しかし、砲丸投げが専門だったとも言っている。 「ひたぎエンド」では、ひたぎの依頼で暦とひたぎ、忍を撫子から救うために伊豆湖の忠告を無視し、単身、撫子に挑んだ。 その後、「おまじない」による呪い返しによって蛇切縄に呪われた中学生に襲われた描写があるが、前述のポリシーによって「ひたぎエンド」は嘘を織り交ぜながら語られているため真実は不明。また、アニメ版の「こよみデッド」では頭を包帯でぐるぐる巻きにしている泥舟らしき人物が写っている。 遠江や伊豆湖とは旧知で、「するがデビル」で大学時代、遠江に憧れの感情を抱いていたことを語っており、駿河のことも好意的に見ている。 影縫 余弦(かげぬい よづる) 声 - 白石涼子 京都弁をしゃべる女性の陰陽師。「つきひフェニックス」「よつぎドール」「こよみナッシング」に登場。「つきひフェニックス」「よつぎドール」「こよみナッシング」のメインキャラクター。 外見年齢は20代後半くらい。髪型はショートカット。「やり過ぎるということがないから」という理由で、不死身の怪異を専門とし、「怪異転がし」の異名を持つ。不死身の怪異を殺せればそれで良く、報酬などには興味がない。場の空気や人の心情を読むということができないが、基本的に悪意はない。良くも悪くもナチュラルでマイペース。 地面の上を歩けない呪いを受けており、暦と初対面の時はポストの上にいた。面倒な術式よりも格闘術の方を好む自称「日本初の武闘派陰陽師」であり、人間の状態で限界まで力を高めた暦が何もできないまま削り殺されかけるほどの実力者(その暦によると、素手でビルを解体できるほどらしい)。暦達から「暴力陰陽師」と称されている。 メメや泥舟とは大学の同級生で、同じサークル(オカルト研究会)に属していた。前述の天然さから伊豆湖とはそりが合わなかったようで、「つばさタイガー」「しのぶタイム」「しのぶメイル」にて彼女から酷評されていた。正弦のことは余接の件で対立して以来、とことん嫌っている。 「こよみナッシング」で行方不明になるが、伊豆湖によると「消された」とのことである。「おうぎダーク」にて実は扇によって北極に飛ばされて扇の張った結界によって、暦の町に戻るに戻れなくなっていたことが判明。飛ばされていた間はホッキョクグマを相手に武者修行していた。 斧乃木 余接(おののき よつぎ) 声 - 早見沙織 余弦につき従う憑藻神の童女。初登場は「つきひフェニックス」。「つきひフェニックス」「しのぶタイム」「よつぎドール」「こよみシード」「つきひアンドゥ」「まよいスネイル」「まよいスネイク」「よつぎバディ」「よつぎシャドウ」のメインキャラクター。 オレンジ色のドロストブラウスとティアードスカートに、光沢のある黄色い長靴という出で立ち。また、アニメでの結びと飾りが、うさぎの耳と目のようにも見える帽子については、原作の本文中では全く描写されていない。 一人称は「僕」で、登場初期は「僕はキメ顔でそう言った」という台詞を語尾に付ける特徴的な話し方(語尾とは裏腹に基本的には無表情)をしていたが、「まよいキョンシー」以降は言うのを止めている。「ひたぎエンド」では、喋るたびに「いえーい」と言いながら横ピースをするのが癖になってしまい、我慢しようとしても堪えきれずにいた。 普通の人間ではなく、人間の死体をベースにした一種の付喪神である。忍によると「余弦の式神的存在」で、余弦のことを「お姉ちゃん」と呼ぶ。伊豆湖立案の下、メメ・泥舟・余弦・正弦らによって製作された。その際に死者を蘇生させる禁忌に触れたことで製作に関わった全員がそれぞれ何らかの呪いを受けている。名字の「斧乃木」の「木」の部分は、「貝木」の「木」から取られている。人差し指をハンマーの如く巨大化させたり、驚異的な跳躍を行うなどの自身の体を爆発的に肥大化させる「例外のほうが多い規則(アンリミテッド・ルールブック)」という技を使う。 基本的には表情に乏しく平板なしゃべり方をするが、怪異である性質上、出会った人間の影響を受け性格や口癖などが常に変化している。 「つきひフェニックス」での惨敗以後、忍を恐れるようになる。その実力差は思い知ったようで直接的な攻撃行動に出ることはないが、忍が潜んでいる暦の影をわざと踏んだり、忍のことをしばしば「後期高齢者」「忍姉さん」呼ばわりしたりするようになる。忍はその呼ばれ方を嫌がっており、呼ばれると高圧的に挑発で応じることが多いが、暦に悪戯を仕掛ける時のみは意気投合し協調性を見せる。 「よつぎドール」後、伊豆湖と余弦の指示で、人形として阿良々木家で世話になることになり、ファイヤーシスターズの部屋に置かれることとなる。火憐と月火の部屋が別々になってからは監視の目が減ったためか気を抜いてしまい、度々動いている様子を月火に目撃されてしまっている(つきひアンドゥ)。その結果、撫子と深くかかわることとなり、彼女が怪異関係の仕事に絡むきっかけとなった。基本的に他人に辛辣な態度をとることが多いが、撫子に対してはやたらと甘い。 臥煙 伊豆湖(がえん いずこ) 声 - ゆきのさつき 怪異の専門家。臥煙ネットワークと呼ばれる専門家の組合を纏めており、ネットワークに所属していない専門家は活動が難しくなっている。メメ、泥舟、余弦、正弦の大学時代の先輩。遠江の妹で、駿河の叔母。初登場は「つばさタイガー」。「こよみデッド」「しのぶメイル」「おうぎダーク」のメインキャラクター。 年齢は30歳を超えているはずだが、10代にも見える女性。小さな身体にXLサイズという服装は着崩しているものの、うまく着こなしている。自分の行動を逐一説明するような違和感のあるしゃべり方をする。基本的に自分の都合優先であり、独特の馴れ馴れしさがあったため後輩達からは苦手にされていた。翼を優に超える知識や洞察力を持ち、「私は何でも知っている」が口癖。姪・駿河とは家庭の事情から疎遠であり、「しのぶタイム」で暦と取りつけた約束により、「しのぶメイル」にて彼の仲介で駿河と対面した。その際駿河には「忍野の妹の忍野伊豆湖」と名乗り、叔母であることを隠した。機械音痴であったメメとは違い、計5台の携帯電話やスマートフォンを所持している。八月に初代怪異殺しが自らの血肉から作った甲冑を回収しており、「こよみデッド」「おうぎダーク」ではそこから鋳造した妖刀・心渡と夢渡(ゆめわたり)のレプリカを所持していたが、後に忍に返された。 その後、「裏で活動していた専門家業を、公の組織に移行する」という考えのもと、風説課の設立にも関わっている。 手折 正弦(ており ただつる) 声 - 子安武人 不死身の怪異の専門家。「人形使い」の二つ名を持つ。「よつぎドール」「まよいヘル」に登場。 小柄で華奢な体躯の男。余弦と異なり、私怨で不死身の怪異を専門としている。臥煙伊豆湖のネットワークに属していないはぐれ者で、不死の怪異に対して美的好奇心を抱いている。仕事の際、千羽鶴ややっこさんなどの折り紙を好んで使う。「何者」かの意志によって動かされることにうんざりしたため、自らの意志によって余接の「例外のほうが多い規則」で死亡した。 「まよいヘル」にて、人間としての正弦はすでに前に死亡していたことが明かされた。伊豆湖のネットワークから外れるため、自分の魂の器となる人形をいくつか制作したのち、自らを怪異化した。本人によるとあの世とこの世を行き来して、それこそ悠々自適に生活しているとのことだが、暦の推測によると何らかの制限が存在している模様。 ドラマツルギー 声 - 江原正士 キスショットの右脚を奪った吸血鬼ハンター。「こよみヴァンプ」「つばさスリーピング」、「そして」に登場。 53人の同胞を持つ同属殺しの吸血鬼。特殊な吸血鬼を相手取ることが多い。筋骨隆々の規格外の巨体をしており、伸びきった髪をカチューシャでまとめている。キスショットによるとエピソード、ギロチンカッターと比べて「物分かりのよい」人物。吸血鬼の変身能力で自身の両腕を2本のフランベルジェに変えて武器として扱う。吸血鬼の中では回復力が弱い部類らしい。暦を自分より強力な吸血鬼ハンターになれると評価して勧誘しようとしたり、自分と同じ元人間の吸血鬼として、どこか暦を案ずるような雰囲気もある。忍野の仲介により、キスショットの右脚を賭けて暦と決闘。歴戦の技で追い詰めるが、キスショットに与えられた能力に暦が順応し始めた時点で勝利することを諦め、降伏した。その後、メメを探して放浪していた翼とドイツで邂逅し、一時期行動を共にしていた。暦が直江津高校を卒業した後も、翼と怪異退治の旅を続けており、日本に立ち寄った際に再び暦を勧誘した。ブラック羽川から語尾が移っている。 エピソード 声 - 入野自由 キスショットの左脚を奪った吸血鬼ハンター。「こよみヴァンプ」「つばさタイガー」「しのぶメイル」に登場。 人間の父と吸血鬼の母をもつハーフ。ハーフゆえに吸血鬼の弱点はないが能力も半分である。線の細い体と三白眼と白ランの姿。両親がそれぞれ同族から裏切り者として殺されたことで吸血鬼を毛嫌いしてハンターをしているが、吸血鬼を嫌う人間も嫌っている。口癖は「超ウケる」。外見に大きく反して年齢は本人によると6歳(8月時点、9月生まれ)で、これは彼の吸血鬼側の親の特性に由来するとのこと。体を霧に変えるタイプの変身能力に特化し、吸血鬼としての弱点を持たないという利点から巨大な銀の十字架を武器として扱う。ドラマツルギーの次に、直江津高校の校庭において暦と決闘。得意の霧化能力で暦の攻撃を無効化し優位に立つが、こっそり様子を見に来ていた翼を攻撃し、重傷を負わせたことで激昂した暦に殺されかけ、敗北を認めた。 その後も仕事を続けており、「しのぶメイル」で伊豆湖からの依頼で初代怪異殺し相手に暦と共闘した。 ギロチンカッター 声 - 大塚芳忠 キスショットの両腕を奪った吸血鬼ハンター。「こよみヴァンプ」、「人として」に登場。 怪異の存在を否定している宗教の大司教。神父の様な身なりをしており、常に丁寧語で話すが、自身を神と同一視しているため慇懃無礼。使命感が強く、人質をとるなど、卑劣な手段を厭わない。口癖は「神、つまり僕はこう仰っています」。特定の武器を持たないが、吸血鬼ハンターの3人の中で最強とされる。 ドラマツルギーとエピソードを雇ってキスショットを襲撃した。三度目の決闘で「神」として暦に挑み、敗北した後はメメとの契約に応じて一度は手を引いた。キスショットが自殺志願者で放っておいても自滅することは理解していたが、自身を生かした暦に「キスショットを殺し人間に戻ること」はできないと判断し、「人」としてキスショットの前に姿を見せ、暦がキスショットを殺す決断が出来るようにするため彼女に挑み食料となり、キスショットと暦が一旦決別する引きがねを作った。 初代怪異殺し 声 - 小山力也、神谷浩史(少年) 吸血鬼・キスショットの1人目の眷属。本名・死屍累 生死郎(ししるい せいしろう)。「こよみヴァンプ」「しのぶタイム」にて忍の回想で登場していたが、「しのぶメイル」で本人が登場した。 代々妖怪退治を生業とする一族の末裔で、多くの家臣(いずれも怪異の専門家)を引き連れ、神を演じていたキスショットの前に現れた。人物像について、忍からは「専門家としての能力は高いが想定外のことに弱い」と評されている。 怪異を殺す妖刀「心渡」のオリジナルと、心渡で斬った怪異を再生する小太刀「夢渡」という、神刀の域に達する2本の刀を所有していた。「くらやみ」に家臣を皆殺しにされた挙句に自身も殺されるも、孤独感に苛まれたキスショットにより蘇り吸血鬼となった。しかしこのことでキスショットが実は「神」ではなく吸血鬼であることを知ることとなり、「くらやみ」の事件をキスショットの仕業と誤解し、彼女を憎悪して数年後に太陽の下に飛び出し自殺した。このことによりキスショットは死に場所を求めるようになる。なお、自殺する前に「心渡」のレプリカを作成しており、現在はキスショット(忍)が所持している。 灰となっても生存し続けて400年後の現在、北白蛇神社で怪異の材料となる「よくないもの」をよせ集め、「まよいキョンシー」での忍の来訪をきっかけに復活する。「よくないもの」を吸収しているため、過去に町で起こった怪異譚に関する知識を全て持ち、怪異たちの「もどき」や合成獣を作る能力を得ている。 「しのぶメイル」にて学習塾後の廃ビルで鎧武者の姿で暦らの前に現れエナジードレインを駆使して、体を復元し、知識や能力などを吸収する。キスショットとの仲直りの為に二人目の眷属である暦と一騎討ちを行い、敗北し忍に食べられて消滅した。
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