一騎達の後輩(劇場版以降)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/08 06:15 UTC 版)
「蒼穹のファフナーシリーズの登場人物」の記事における「一騎達の後輩(劇場版以降)」の解説
一騎達の1学年後輩にあたる。また、年齢的にはカノンもこちらの年代に含まれる。1期時点ではパイロット候補生だったが、劇場版で正規のパイロットとなる。教官役の剣司が自信を持たせるためにわざと手を抜いていることを見抜けず剣司を侮る態度を取ったり、変性意識の影響もあり相互に助け合うことをしなかったりと、その未熟さは剣司らを悩ませるも、劇場版での過酷な実戦を経て、『EXODUS』の時点では引退した一騎や剣司らに代わる主力パイロットとなる。なお、1期で広登が衛からゴウバインのヘルメットを貰った際、その場には他に4人の候補生(里奈を除く)が待機していたが、芹と暉以外の2人については不明であり、その後は登場しない。 西尾 里奈(にしお りな) 声 - 白石涼子誕生日:2132年4月20日 / 星座:牡牛座 / 血液型:B型 / 家族構成:祖母・西尾行美、弟・西尾暉 【1期】 暉の双子の姉。西尾行美の孫娘。翔子の後任としてCDCオペレータを担当し、同世代では最も早く戦いに接することになり、一騎の帰還後はパイロット候補生にも選ばれるなど本編への登場も最も早い。真矢のことを先輩として慕うだけでなく盆踊りで一緒に踊りたがったり、乙姫へ過剰なスキンシップに走ったりするため、芹に「女好き」と呼ばれたりもする。翔子の死に様を噂から知ったため、彼女を侮辱するとも取れる発言をし、一時真矢に怒りを向けられる。芹を通じて乙姫と友達になり、芹と共に彼女の最期を見届ける。 【劇場版】 蒼穹作戦後に建造されたファフナー「マークノイン」の搭乗員となる。その後、暉と共に「ゼロファフナー」に搭乗。第二次蒼穹作戦では剣司、咲良と共に敵本拠地への奇襲を担当する。変性意識としては「不安」「怯え」、そしてそれを誘発する敵の存在に対する攻撃性が発現する。 暉が戦うことには否定的で、本人に怒りをぶつけたりもするが、それは高齢の祖母に加えて弟までいなくなったら誰も帰らない家でひとりぼっちになってしまう、という弟への愛情と恐怖の裏返しでもある。 当初、訓練で剣司が自信を持たせるために手加減していたことに気付かず侮蔑するような態度を取るが、実戦においてはコクピットをフェストゥムに鹵獲された際に剣司に救出されている。 【EXODUS】 中学、高校を卒業し、普段は西尾商店で店番をしている。もっとも本人はアルヴィス勤務を希望しており、やる気はあまりない。自覚はないが島の少年たちの間でアイドル的存在となっており、後輩の彗からも好意を寄せられているが全く気づいておらず、行美に呆れられている。一方で自身は命を救われた剣司に想いを寄せており、後に剣司と咲良の結婚を知った際には少なからず動揺している。1期から劇場版までは長髪を三つ編みにしていたが、本作ではばっさりと切り、暉とよく似た髪型になっている。 パイロットであることへのモチベーションは低いが、続く後輩たちのために続けなければならないという責任感は自覚しており、自身の命を軽く扱う彗に剣司から受け継いだ「互いに守りあって皆で生きて帰る」という言葉で叱咤する。 過去2度にわたる島の消滅や占領という危機に見舞われたことで人類軍に対して強い不信感を抱き、詳しい事情を知らないとはいえ外界との接触を絶つ島の姿勢への疑念を口にしたビリーに掴みかかる。そのために暉の派遣部隊への参加には反対で、ナレインらエスペラントのことも信用していない。 戦闘の中でSDP「増幅(アクセル)」を発揮、マークザインと同様に武器を同化することによる莫大なエネルギー増幅現象を起こす。新同化現象として嗜眠症が発生、ファフナー搭乗時以外に強烈な睡魔が発生するようになる。入浴中や階段の上り下り時など、嗜眠症によって生命の危機に瀕することもあるが、そのたび彗の引き寄せるSDPが勝手に発動し難を逃れている。また嗜眠症中は、一騎や剣司ほどはっきりではないものの、夢の中で島のミールとクロッシングしており、のちの広登や暉の死も誰に知らされるまでもなく感知している。 帰還した暉と脱出行の過酷な状況と広登の希望について語りあい、ウォルターとの出会いも知る。しかし、広登の死に関しては気付いていながらも、暉を気遣いそれを伝えることは出来なかった。暉の消滅後は二重の意味で形見となったお守りを持っている。 第三アルヴィス上陸作戦以降はゼロファフナーに再搭乗、ゼロの兵器出力や同乗者SDPを増幅させる役割を担う。第三アルヴィス上陸では暉とともに搭乗、アマテラスとのコンビネーションによってウォーカーを撃破、嗜眠により操縦不能に陥るも、暉が接続を解除し自ら同化の負担を引き受けたことで生還すると共に、暉からお守りを託される。第四次蒼穹作戦では彗と同乗、SDP増幅や同化負担の肩代わりなど、作戦の要である彗のサポートに徹する。最終的には広登・暉が戦死、芹が竜宮島とともに封印されたため、同期ではただ一人生還することとなる。 【THE BEYOND】 暉が残したお守りを首から下げて第五次蒼穹作戦に参加する。しかし、セレノアがクロッシングに侵入したことで同化されて機体のコントロールを奪われ、完全に同化される前にフェンリルによる自爆を敢行する。暉に謝罪して死を覚悟するが、彗のSDPでコクピットから引き寄せられて九死に一生を得る。 2年の間に彗との関係が進展し、彼を下の名前で呼んでいる。 西尾 暉(にしお あきら) 声 - 梶裕貴誕生日:2132年4月20日 / 星座:牡牛座 / 血液型:B型 / 家族構成:祖母・西尾行美、姉・西尾里奈 【1期】 里奈の双子の弟。ほとんど出番がなく、里奈やクラスメイトの近くに映っているだけである。設定では、両親がファフナーの起動実験で消滅して以来、失語症で口がきけず、里奈だけは話さずとも彼の思っていることが理解できたとのこと。また、真矢も話さずとも彼の思っていることが理解できたとのことで、真矢に恋心を抱くようになった。 【劇場版】 失語症であることが明確に描写されるが、里奈は理解者である一方で確執も見られる。長らく両親の死を受け入れられず、里奈の話では玄関の明かりをつけたままにしたり灯籠を流すのも拒んでいた。 芹や広登らと共に、ファフナーのパイロット候補に選出され、蒼穹作戦後に建造されたファフナー「マークツェン」の搭乗員となる。変性意識によって、ファフナー搭乗後に言葉を取り戻していく。冷静に任務をこなす一方でフェストゥムを撃破することに喜びを覚え、「もっと多く来襲したほうが良い」とまで口走り、真矢にたしなめられる。 フェストゥムによる同化を通して、会えると思った両親に会えなかったことから両親の死を受け入れ、里奈との関係も改善される。その後、里奈と共に「ゼロファフナー」に搭乗。第二次蒼穹作戦では敵本拠地への奇襲攻撃に参加する。 【EXODUS】 里奈と共に高校を卒業し、喫茶「楽園」で調理を行っている。仕事の動機は真矢目当てでもあったが、当の真矢が溝口との航空訓練で不在なことを残念がっている。また、真矢が好意を寄せている一騎をライバル視している。総士と違って真矢を譲る気はない、ということを総士本人に対して口にしており、その意志は強固である。 里奈とは対照的に人類軍との協力には好意的であり、世界を見たいという意志の元で派遣部隊に参加する。広登に協力して取材活動のカメラマン役を引き受ける。しかし、大量のフェストゥムの襲来から、ナレインの側に裏切り者がいるかもしれないという疑念と共に戦いの中で死に対する恐怖を吐露し、里奈の反対を聞き入れなかったことを後悔する。 その後の脱出行でも自分の無力さを嘆き、希望を見出していく広登からの励ましを受けるが、その広登が人類軍に撃墜されてしまい、その死に気付いていながらも受け入れられず、第二次脱出行にも広登の捜索やアルゴス小隊への復讐のために同行。引き続き広登に替わる旅の記録を担うが、毎日のように出る死者、人間同士の凄まじい憎しみ、同化現象拮抗薬の枯渇、そして愛する真矢が人殺しに手を染めていく姿を目の当たりにし、広登とクロッシングで会話する錯覚に見舞われる。加えて真矢と同じでありたいと共に人を殺すことに安らぎを求めるようにまでなる。 精神的に疲弊する一方でウォルターと交流を持つようになり、彼が過去に島を爆撃した事実を知り激昂するも、彼の人柄を知って島への移住を提案するなど複雑な感情を抱く。ウォルターとの交流を通して広登の希望が正しかったと悟り、「広登と共に竜宮島の平和を世界に伝えたい」という願いを胸に抱くようになった。最終的に同化現象は末期寸前まで進行、竜宮島合流時には結晶化で動けなくなるに至るが、間一髪で島から救援に来た里奈と剣司に救助される。 竜宮島帰還後は、久しぶりの自宅で冷めた食事を手にしながらも命の暖かさを実感、旅の記録や里奈との会話で自分の願いを回顧し、同化現象でボロボロの体ながらも最後の「希望」に到達するまで戦い抜く決意を固める。のちに里奈と同じ『増幅』のSDPを発現し、第三アルヴィス上陸作戦では再び里奈と共にゼロファフナーに搭乗、新同化現象による嗜眠で戦闘不能となった里奈の接続を解除して単独でゼロを駆り、アショーカを同化しようとするベイグラントのフィールドを防ぐために単独で過剰な負荷を引き受けることで、同化現象により結晶化・消滅する。消滅の間際、ようやく広登の死を受け入れ、広登とウォルターのねぎらいを受けた最後の表情は安らかなものであった。 暉がシュリーナガルの少女から受け取ったお守りは、クロッシングでの別れの際に里奈へ託される(嗜眠中の里奈の夢として描写され、実物は目覚めた後に剣司から手渡されている)。 立上 芹(たてかみ せり) 声 - 福圓美里誕生日:2132年7月8日 / 星座:蟹座 / 血液型:A型 【1期】 地上に出た乙姫が最初に出会い、最初の友達になり、また彼女の人格を定義づけることになった少女。基本的に相手を呼び捨てする乙姫が「ちゃん」付けで呼ぶ数少ない人物である。 中学校の生物部員で、特に昆虫がお気に入り。他の部員とは違い罠を使わず、観察を終えた昆虫は帰すなど優しい性格である。一方で、敵(フェストゥム)に情報を流したとして乙姫が史彦に詰問された際は、真正面から彼に抗議して乙姫を庇うなど気丈な一面を見せる。 後にファフナーのパイロット候補生としてアルヴィスに入る。里奈と共に乙姫の最期を見届ける。 【劇場版】 蒼穹作戦後に建造されたファフナー「マークツヴォルフ」の搭乗員となる。変性意識としては命を奪うことに対する忌諱から、「罪悪感」およびそれを誘発する攻撃者への「激しい怒りの衝動」が交互に発現、ファフナーで武装を無視しての頭突き攻撃を繰り出して保を驚かせる。 島の防衛中にフェストゥムが何かを訴えていることに気づき、後に「いたい。たすけて。」と泣いていることを悟り、変性意識もあり号泣した後、それまでに倒したフェストゥムの墓を山に作るようになる。彼女の嘆きは後に広登もそれを悟り、広登自身もフェストゥムとの相互理解を意識していくことに繋がる。 その後、乙姫の人格形成を含め彼女と最も多く接した理由から、史彦からの頼みでコアの負荷を軽減する代替者を引き受け、戦線を離れてワルキューレの岩戸に入る。意識体となったことで乙姫と再会し、コアが成長期を乗り越えた際に本当の別れとなる。 【EXODUS】 同級生たちの中では成長が最も顕著で、里奈とは逆に髪を伸ばしている。進路は新たなコア(この時点では乙姫と呼んでいた)が再び岩戸を出た際に彼女の世話をするため、特殊医療とドクターコースを掛け持ちし、彼女の「伯父」である総士とも交流が深まっている。一方で同期との交流が減ったため、これを心配した広登に連れ出されてアルヴィス広報部の番組制作の手伝いもしているが、里奈があきれるほど番組の数は多く、酷い目にあうこともあって、時折苦言を呈している。また実家の鈴村神社で巫女を務めており、新任のファフナーパイロットにお守りを手渡す以外に剣司と咲良の結婚式では里奈、織姫と共に巫女として立ち会う。 一騎と総士の島外派遣の際に、新たなコアに生まれた日が七夕であることにちなみ"織姫"と名付ける。 戦闘の中でSDP「同化」「再生(リバース)」を発揮、周囲を同化することで、戦いで大破した機体と致命傷を負った自分を再生、ファフナー搭乗時には事実上不死身の存在となった。新同化現象はSDPと同じく、日常時においても体に触れる物全てが同化現象を引き起こす形で発現、戦闘時以外は隔離措置が取られるなど不遇な立場に置かれる。しかし、織姫が触れている間は同化が抑えられ、同化で済む食事も織姫に食べさせて貰うことでかなう。 第三次蒼穹作戦以降は、新同化現象によって普段まともに食事がかなわなくなった関係から変性意識に変質が見られ、フェストゥムの命を食べたい(同化したい)という強い欲求を発揮し、レヴィンソードで突き刺した相手を同化するほか、ショットガンホーンでワームスフィアを展開するなど敵を同化して食事をする感覚を得る。 第四次蒼穹作戦直前に広登の死を知るが、それを乗り越え総士と共に織姫に見送られて戦場へ立つ。プランデルタ実行に伴い、織姫を守るため独断で竜宮島へと戻ったことで、アルタイルや澄美とともに島へ封印され、海中で長い眠りにつくこととなる。 一騎が総士と深い縁があるように、芹も乙姫の最期を見届けるほか、コアの代替者など深い関わりを持ち、総士にもその点を指摘されている。転生した総士と何度も出会うことを一騎が誓ったように、彼女もまた転生を繰り返す乙姫の側にいる選択をする。 堂馬 広登(どうま ひろと) 声 - 佐々木望誕生日:2132年12月15日 / 星座:射手座 / 血液型:A型 【1期】 里奈や芹のクラスメイトの男子で、東京でスターになる夢を持っていた。進路相談のための三者面談に端を発した放送室占拠事件を経て、アルヴィス歌謡部門担当に抜擢される。乙姫とも仲が良く、里奈や芹と一緒にいることが多い。 父親は食堂を経営している。後にパイロット候補生となり、衛からゴウバインのヘルメットを貰う。それ以来メットを持ち続け、蒼穹作戦開始時にもメットを手に一騎たちの出発を見送る。 【劇場版】 衛の搭乗していた「マークフュンフ」に、ゴウバインのヘルメットを着用して搭乗する。変性意識は衛と同様に、ヘルメットによるものが大きい。 島を守るために壮絶な最期を遂げた衛への尊敬から来るスタンドプレーを、剣司やカノンに咎められることも多いが、剣司が救出した里奈のコクピットブロックを託されたことから仲間を守ることを強く意識するようになる。第二次蒼穹作戦では操の操縦するマークニヒトからカノンを守り、島を取り込もうとしたミールのフィールドから身体を張って島を守りきる。 【EXODUS】 高校を卒業し、第二種任務としてアルヴィス広報部に所属する。竜宮島のアイドルを自称し、特撮番組でゴウバインになったり、怪しいSP番組のレポーターになったり、果ては歌謡スターやニュースキャスターに扮するなど、竜宮島のテレビ放送においてあらゆる番組に登場する。研究に没頭するあまり周囲との交流が減った芹を心配するがゆえ、番組作りに無理やり巻き込んでいるが、あまりに多くの番組を作りすぎているために芹を含め友人からは呆れられている。竜宮島でインタビュー番組に応じたナレインからは、ジャーナリズムが生きていると感心されている。芹との関係については、姉だけでなくビリーやアイにも恋人と思われているようであるが、本人は照れながらも否定している。 有事の際は、ファフナーパイロットとしても戦う。第1話での出撃時、ゴウバインのヘルメットを後輩である美三香に譲った。目立ちたがりは変わらないものの、同時に周囲を鼓舞する好青年に成長しており、変性意識の影響もみられなくなっている。以前は見下していた剣司のことも劇場版での戦いを通して衛と同様尊敬するようになり、パイロットを続けることへの責任感も自覚しているとともに、「フェストゥムとの相互理解」を望むようになっていく。 シュリーナガルとそこのミールの様子を記録するべく、取材特派員とパイロットを兼ねて、「みんなにとっての希望を持ち帰る」という約束を芹と交わした上で派遣部隊に参加する。ロードランナーとの戦闘後も惨状を記録し、暉と対照的に島の外を見たことを後悔せず「互いに憎み合っていては人間もフェストゥムもいなくなる」と暉を諭している。脱出行でも合流のために事態を割り切るビリーを見て、人類軍が戦ってきた厳しい状況を理解しながらも、同時に危機的状況下で支え合う人たちの強い姿の存在から精神的に成長を遂げていく。そして、「自分が知る平和を世界に伝える」使命感を持つと共にその過酷さとやりがいを実感する。 しかし、その志から交戦規定アルファのもと現れたアルゴス小隊を真っ先に出迎えたがゆえ、ダスティンにコクピットを狙撃され戦死する。焼け残った遺体の一部はマークフュンフとともにアルゴス小隊に回収されたが、溝口がヘスターとの交渉の末に奪還し、竜宮島へ無言の帰還を果たす。 カノンは広登の死をSDPで見ており、里奈は睡眠中に広登の命の分のゴルディアス結晶の成長を感じ取っている。暉も派遣部隊の中では真っ先に気付いていたが、両親の時と同様に受け入れることが出来ずにいた。 第二次脱出行でその死を受け入れたくないあまりに疲弊した暉が、クロッシングで会話をする錯覚をしていたが、その志は暉に強く刻まれ、暉を通じて里奈にも伝えられる。消滅の間際に暉の見た走馬燈でウォルターと共に暉をねぎらった後、クロッシングで里奈に別れを告げ、暉と共に旅立っていく。
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