調査・新発見型
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「探偵!ナイトスクープ」の記事における「調査・新発見型」の解説
日本全国アホ・バカ分布図 「アホ・バカ分布図」を参照 1990年1月放送の依頼「アホとバカの境界線を探せ」に始まる、全国地域の「馬鹿」に相当する方言を収集するプロジェクト。きっかけは「関西では『アホ』、関東では『バカ』と言うけれど、その『アホ』と『バカ』の境目はどこ?」という依頼。 全国の主要都市を調査し、「アホ」と「バカ」の境界に『たわけ』(名古屋周辺)が発見された、などが北野誠探偵によってとりあえず報告された。しかし、上岡局長(当時)が「では、『たわけ』と『バカ』の境界線はどこなんですか。きっちり調べなさい」と言ったことから、再度、視聴者からの情報投稿や全国の市町村の教育委員会への方言のアンケート調査など、大規模で本格的な調査を行うこととなった。その結果が1991年5月放送の特別番組「全国アホ・バカ分布図の完成」にまとめられた。 実際に詳しく全国の地域を行脚、調査をしてみると、京都を中心とした、同心円状に離れた同じ距離の違う地方で同一の方言が使われていたことが判明するなど、方言周圏論の検証例として国語学上大変貴重な調査結果を出すことができた。この放送内容は後に日本方言研究会でも取り上げられるなど、大きな反響を呼んだ(「馬鹿」・「阿呆」「蝸牛考」の項目も参照)。 投稿から調査・研究がなされ、発表されるまでの過程は、その結果とともに、松本修プロデューサーによって『全国アホ・バカ分布考―はるかなる言葉の旅路』(太田出版、新潮文庫)に余すところなく収められ、後にビデオ化までされた(現在は廃盤)。 1991年日本民間放送連盟賞テレビ娯楽部門最優秀賞受賞・第29回ギャラクシー賞選奨・第9回ATP賞グランプリ受賞。 調べてくださいシリーズ 1991年頃から始まった。探偵は越前屋俵太。市井の人々からさまざまな意見を引き出すコーナーで、インタビューに終始するものである。始めの頃は、上岡に「ただインタビューしてるだけやないか!」と強烈な批判を浴びていたが、そのたびに俵太探偵が、「町の人の意見を引き出すことも重要」と説得し、次第に上岡も認めるようになった。テーマは依頼者が決め、過去には「雪」「こだわり」「東京の人々」「働く人」などさまざまなテーマで放送された。俵太探偵が降板したと同時に、このコーナーも消滅したが、インタビューに終始する似たような形式のVTRは現在でも放送されることがある。 枚方VS寝屋川 どっちが都会か? 1994年10月7日放送。探偵は北野誠。京都在住の依頼者が「京阪電車の中で、枚方市と寝屋川市のどちらが都会か?」という論争をしているのを聞いて、枚方市民と寝屋川市民は常にこのような論争をしているのか調べてほしい、という依頼。寝屋川市民からは「(枚方市民は)クサい」という声があった一方で、枚方市民からは「(寝屋川市民は)ガラが悪い」という声が出るなど、市民間では大論争に発展した。しかし、ラストシーンではその論争を聞いていた高槻市民から「目くそ鼻くそ」と言われてしまった。大阪人のノリの良さがうかがえる依頼。なお、この日の顧問だったキダ・タローは「兄が住んでいる」という理由で寝屋川市を推していた。 林先生のお料理 依頼の中には「コレを料理したらどうなるのだろう」「新食材発見!」などの調理に関するものも多数あり、その場合には林裕人(2009年5月までは林繁和)辻学園日本調理師専門学校主任教授 → 大阪府洋菓子協会副会長の出番となる。「母乳でお菓子を作る」という依頼で初登場。「いやだ、受けたくない」「できるわけがない」「料理人がする事と違う」等と断ろうとするが、探偵達が断らせてくれないのが常で、拒否する林に対し探偵が「できないから逃げているんだろう」「大したことないな」「所詮はただのおっさんだな」「違う料理の先生に頼むからいいわ」といった類の挑発をふっかけて、なにくそとばかりに林が「(俺に)できない事なんてないわ」「じゃあ、やってやる」と引き受けるという流れも一つのお約束になっている。 ドブガイ料理(服部緑地産巨大シジミとして持ち込まれた、DVD Vol.6 〜巨大シジミ発見!?篇に収録)やウミウシ、巨大ナメクジ、ジャンボタニシの卵、異臭を放つオオマリコケムシ(数万個の個体がコロニーを成し、寒天質の分泌液をもつ)、果ては(チャップリンの「黄金狂時代」ばりに)フェラガモの革靴といった無茶苦茶な素材の依頼でも「これでメインがドブガイじゃなければ」といわれるほど見事な料理メニューに仕上げ、「等身大サイズのチョコレート」、「子供の足を食材で再現」といった無理難題や、「マンホールの蓋でワッフル」(DVD Vol.13に収録)、玩具の「ママレンジで料理」(DVD Vol.13に収録)、「登り窯で巨大フランスパン」といった無茶苦茶な道具や施設を使っても「弘法筆を選ばず」、素晴らしい腕前を披露している。口も達者なため人気は高く、番組の顧問としてもしばしば出演するようになった。林はこの番組で認知度を爆発的に上げることにもなり、関西地方を中心に単独でレギュラー番組を持つことも増えた。なお、林の起用については2008年夏の特番で、初登場時に裏番組『料理の鉄人』が視聴率で当番組を追い上げており、それに同じ料理人で対抗する狙いがあったことが明かされた。 30代の女性はピンク・レディーを踊れる? 2001年2月9日放送。探偵は間寛平。2000年の大晦日に放送された『第51回NHK紅白歌合戦』に復活出演したピンク・レディーを見た依頼者から、「30代女性は、みんなピンク・レディーの曲に合わせて振りまねができるのか」という依頼が来た。間探偵が各地の商店街で調査したところ、最初は嫌がっていた女性たちが、ピンク・レディーの曲が流れ始めると自然に体が動き出し、完璧に踊れることが実証された。中には一度も一緒に踊ったことがない女性同士が、見事にミーとケイに分かれて踊ってしまうなど、この世代の女性たちが如何にピンク・レディーに熱中していたかを窺わせる場面もあった。DVD Vol.7に収録。なお、このとき同時に「30半ば - 40半ばの男性はヌンチャクが使える?」という依頼も放送された。 赤ちゃんが泣き止む 2001年11月30日放送。探偵は立原啓裕。「赤ちゃんがタケモトピアノのCMを見ると突然泣き止むので、他の赤ちゃんも泣き止むのか調べてほしい」という依頼があり、数十人の赤ちゃんに試した結果、大半の赤ちゃんが泣き止むことが立証された。なお、この後「何故泣き止むのか?」という追加の調査も行い、踊り、ピアノの音などさまざまな要素を試した結果、原因は財津一郎の歌う声質が、ちょうど赤ちゃんの好む領域の声質であるのと、音が鳴り出すタイミングと止むタイミングが最も赤ちゃんの注意をひくものである、ということである。DVD Vol.5 〜養老の星 幸ちゃん篇に収録。 そして2006年4月28日放送分では、タケモトピアノに次ぐ赤ちゃんが泣きやむCMとして、キユーピーの「たらこパスタソース」のCMソングで泣き止むことも立証された。両方とも放送後、ネットや口コミで広がり、関東の全国区の番組で紹介された。その後、両方とも「タケモトピアノの歌」・「たらこ・たらこ・たらこ」という曲名でCD化されている。また「タケモトピアノの歌」を元にタカラトミーが鈴木松美(日本音響研究所会長)と共同制作したCDが、赤ちゃんがすぐに泣き止むものとして『がっちりマンデー!!』(2007年4月29日放送)で紹介された。なお、このように取り上げられた楽曲が後に大ブレイクというパターンの元祖は1998年放送の「おさかな天国」を取り上げた放送である。 携帯電話からエーアイアイ!? 2006年8月4日放送。探偵は竹山隆範。依頼者の主人が持つ携帯電話のカメラシャッター音の一つに、「撮ったのかよ!」と男性が叫ぶものがある。しかし、依頼者の2人の子供たちは「エーアイアイ」と聞こえると言い、最初はそう聞こえなかった依頼者も「エーアイアイ」と聞こえるようになった。なぜそう聞こえるのか、原因を調べて欲しいというもの。日本音響研究所所長の鈴木松美までもが登場する本格的な調査となった。この時の依頼に使われていた機種はNTTドコモのSH902iである。DVD Vol.12に収録。 関西人シリーズ 主に小ネタとして使われる一発ネタで、いわゆるあるあるネタの元祖とも言える。「関西人は鉄砲を撃つフリをするとノリで死んでくれる(刀で斬るフリをすると死んでくれる)」「関西人は大げさな表現を『ウソォ』と尋ねる」「関西人はテキトーに話をあわせる」「関西人は『関西電気保安協会』をCMの節なしでは読めない」など多数。この中で、関西人以外に同じようなもので「○○世代は」というものもあり、前述のように「30代女性はピンクレディーのUFOの振りが完璧」「同じく30代男性はヌンチャクが扱える」などといったものである(顔までそっくりな人も現れた)。 御堂筋全国都道府県調査 2008年7月11日放送。探偵は松村邦洋。依頼者が長崎県出身で、先日淀屋橋で道路交通量調査のアルバイトをしていたところ、ふと町を行く人の中に、自分と同じ長崎県の人がどれだけいるか気になり、さらに地方出身者がどれだけいるのか気になったので、一定の時間内で御堂筋を通る人々に調査を行うことになった。松村が御堂筋を約3往復して、47ある都道府県のうち39の都道府県の出身者を抽出することができた。しかし、局長の西田の出身地である福島県を含む東北地方の県出身者は一人も現れなかった。 北海道と沖縄では体重が変わる!? 2008年11月7日放送。探偵は石田靖。愛媛県に住む依頼者の妹は現在、静岡で下宿中。その妹が同じ日に計った体重が、愛媛と静岡で違うと言い出した。静岡から愛媛に帰ると体重が減り、静岡に戻ると体重が増えるらしい。南下すると体重が減り、北上すると体重が増えると考えているようである。そこで北海道の最北端の宗谷岬と沖縄本島最南端の喜屋武岬に行き、“としゆきくん”(人形)を用いて同じ条件で計量した。結果は沖縄で計量した結果のほうが約300グラム軽くなった。これは遠心力と重力の働きによるものである。 新種の魚、発見!? 2010年5月14日放送。探偵は田村裕。鹿児島県に住む24歳の依頼者が坊津でダイビング中に、ひざ下ぐらいの浅瀬で変な泳ぎ方をしている魚を発見。怪我をしているのかと思い大事に捕獲して近くの水族館に行き、専門家の方に魚の種類を聞いたが「こんな魚は見たことがない」と言われた。その日のうちに魚は死んでしまったためホルマリン漬けにしてもらったが、誰に見せても「見たことがない」と言うので、新種の魚かもしれないので調べて欲しいという依頼。そこで長崎県にある西海区水産研究所に持ち込んで調べてもらったところ新種ではなく、ナガチゴダラという深海性のタラの稚魚であった。しかし、今まで大人の標本しか見つかっておらず卵から稚魚にかけての子供の時期は謎であったため、依頼者はナガチゴダラの稚魚を標本として世界で初めて発見したことが判明。また調べた研究者は偶然にも学生時代から稚魚を探し求めており、依頼者が撮った生存時の写真とともに学術的価値があるとして実際に「南日本から得られたナガチゴダラの浮遊稚魚の記載と生時における体色の特徴(※記述は英語 : Description of a Pelagic Juvenile Specimen of Gadella jordani (Actinopterygii: Gadiformes: Moridae) from Southern Japan with a Note on the Color in Life.)」という題で論文を書いて発表した。また、Acknowledgments(謝辞)の部分には依頼者と田村探偵、そして番組名が記載されている。 葉っぱに浮き出た謎の文字!? 2011年6月3日放送、探偵は長原成樹。ある女性からの依頼。5月のある日、部屋の観葉植物に謎の文字が浮き出ていることを発見した。その文字は2月のカレンダーに依頼者自身が記入した文字とそっくりであるが、依頼者自身も家族も覚えがないという。長原成樹探偵が専門家を招集。植物学的見地から植物館の館長、光学的見地からプロカメラマン、さらには超常現象的見地から大阪スポーツ新聞 超常現象担当記者を招集して意見を求めたところ、いったんは大スポ記者の「宇宙からのメッセージ説」に傾きかけた。しかし最後に細胞学的見地から博士号をもつ専門家(肩書は大阪大学大学院 工学研究科 生命先端工学専攻 細胞動態学領域研究員)に意見を求めたところ、「カレンダーに文字を書いた時に、観葉植物の葉がカレンダーの裏側に挟まっていることに気が付かず、ボールペンの筆圧で書いた文字の部分だけ、葉の細胞組織が死んで文字が浮き上がったのではないか?」と推測した。「宇宙からのメッセージ説」を強硬に唱える大スポ記者が抗議し、「これは大阪大学と大阪スポーツの対決だ」として徹底検証を主張。大阪大学大学院で検証を行うこととなった。2月のカレンダーの文字記入部分の裏側から葉の成分である葉緑素が検出され「大阪大学 対 大阪スポーツ」は大阪大学に軍配が上がった。
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