禁じ手とは? わかりやすく解説

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きんじ‐て【禁じ手】

読み方:きんじて

相撲囲碁・将棋などで、禁じられている技、または手。用いると反則負けとなる。相撲では、握りこぶしで打つことや頭髪故意につかむことなど。囲碁では、劫(こう)の状態で、1回待たずにすぐ一目取り返しにいくことなど。将棋では、二歩(にふ)・打ち歩詰めなど。禁手

一般に使ってならないとされる手段・方法禁手。「公的資金による株価対策市場ゆがめるとされる


禁じ手

作者永瀬隼介

収載図書Dojo道場
出版社文藝春秋
刊行年月2004.7

収載図書Dojo道場
出版社文藝春秋
刊行年月2007.2
シリーズ名文春文庫


禁じ手

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/13 01:34 UTC 版)

禁じ手(きんじて)は、スポーツゲームなどにおいて、安全性、公平性を確保するために設定された禁止事項のことである。分野によっては禁手反則とも呼ばれる。

スポーツの禁じ手

格闘的なスポーツに多く、目つぶしなど、主に受けた相手が試合後も障害が残る行為を禁じ手にしている。

サッカーの禁じ手

サッカーでは危険行為全般を禁じ手としており、レッドカードを出されて即時退場処分になるなど重い処分が下される。

プロ野球の禁じ手

プロ野球では、打者の頭部への故意のデッドボールなどが禁じ手とされている。

バスケットボールの禁じ手

バスケットボールでは審判選手等への暴言暴力などの危険行為などが禁じ手とされている。

相撲の禁じ手

大相撲の勝負規定では、以下の行為が禁止されている[1]

  1. 握り拳で殴ること
  2. 頭髪(まげ)をつかむこと
  3. 目またはみぞおちなどの急所を突くこと
  4. 両耳を同時に両手のひらで張ること
  5. 前立みつ(前ぶくろ)をつかみ、また横から指を入れて引くこと
  6. ノドをつかむこと(ただし、のど輪はこの限りでない)
  7. 胸、腹をけること
  8. 一指、二指を折り返すこと

これらを実行すると自動的に反則負けとなる[1]。相撲の地方巡業などで、これら禁じ手・反則を実演する初っ切りが観客に紹介されている。

引き技の流れの中で出てしまうこともある髷掴み以外は、実際に取り締まられることがほとんどない。 2020年には指折りを疑う物言いがあったこと自体がニュースとなった[2]。力士達の道徳心や相撲を取り巻く価値観、いわゆる相撲道によって自主的に規制されている[3]。ちなみに相撲教習所では、大相撲の力士には相撲道を含めた基本教育が施される。

東京大学相撲部OBで現部長、法学者の新田一郎は、「禁手の少なさ、制約の緩さは、法化された相撲規則の顕著な特徴である」と指摘し、「規則上は種々の関節技はもとより、顔面への頭突き、膝・肘・掌底による打突やハイキックなども許容される余地がある」と述べており、相撲雑誌では特に「頭を蹴る」ことが禁じ手として制定されていない点に触れる記事もある[4]

雷電爲右エ門は余りの強さ故に張り手、鉄砲(突っ張り)、鯖折りを禁じ手にされていたという言い伝えが存在する。そのほか、旭道山は自身の張り手の威力が強すぎるため、自ら張り手を封印したこともある。

なお、小学生または中学生のアマチュア相撲大会では危険防止のため、反り手(居反り撞木反り掛け反り襷反り外襷反り伝え反り)、河津掛け鯖折りおよび極め出し極め倒し禁じ技として制定している。また、アマチュア相撲全般では選手本人の肩幅の外側から相手の顔面を張ることを張り手と定義してこれを禁止している[5]

格闘技の禁じ手

格闘技はルールが多様化されているが、柔道、レスリング等の組技系の格闘技では、その乱取り形式の試合においてはすべての打撃技が禁じられている。逆に打撃系格闘技では投げ、関節技、絞め技はほとんど禁止されている。

金的、目潰し(サミング)、かみつきは、すべての格闘技に共通する禁じ手である。裏を返せば、禁じ手にされている攻撃はそれだけ相手に与えるダメージも大きいともいえる。このため、故意に禁じ手を繰り出す選手もいる。

頭突き肘打ち、倒れた相手を蹴る行為は、一部の競技では有効であるが、禁じ手にされているケースが多い。

ボードゲームの禁じ手

いくつかのゲームには、ルールで定められた禁じ手が存在する。禁じ手を打った(指した)場合、即座に負けとなるのが一般的である。

連珠の禁じ手

連珠ではゲームの性質上先手が有利である(禁手を一切設けない場合は先手必勝の方法が発見されている)ため、先手に束縛を加えることで公平に勝負できるようにしたものである。ハンディキャップの一種。

禁手は黒(先手)のみに設定され、三三、四四、長連が禁手となり、自ら打っても、相手に打たされてもその時点で負けとなる。このため、白番に限って黒に禁手を打たせて勝つ戦法がある。但し、黒が禁手を打ち白が黒の禁手に気づかずに次の手を打った場合は対局を続行させることができる。白はいずれも打つことができ、長連ができても勝ちになる。黒が五三三、五四四、五長連など五連と禁手が一手で同時にできた場合は黒の勝ちとなる。

将棋の禁じ手

将棋では二歩打ち歩詰め行き所のない駒の打ち込み(最上段の桂馬香車歩兵、上から二段目の桂馬)、連続王手の千日手は禁手であり、公式ルールではこのような手は指摘された時点で負けとなる。

囲碁の禁じ手

囲碁においては自殺手やコウをすぐ取り返すことは禁じ手である。

比喩的な用法

スポーツやゲームのように明確な規則で禁じられたものだけでなく、「使うべきでない」とされる手法についても「禁じ手」と呼ばれることがある[6]

脚注

  1. ^ a b 『大相撲ジャーナル』2017年7月号 p72-73
  2. ^ 禁じ手「指折り」か?史上初の「珍」物言い”. 日刊スポーツ (2020年7月27日). 2020年7月20日閲覧。
  3. ^ 参考:新田一郎『相撲のひみつ』(朝日出版社)。
  4. ^ 『相撲』2018年3月号 p.29-31
  5. ^ 公益財団法人 日本相撲連盟 審判規定
  6. ^ 「禁じ手」の意味 - goo辞書(デジタル大辞泉)、2014年9月16日閲覧。

関連項目


禁じ手

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/07 08:29 UTC 版)

ウィザードリィ外伝 (漫画)」の記事における「禁じ手」の解説

鳳龍虚空斬 「禁じ手」の一つで、対象と共に周囲空間をも切り裂く空間切り裂く部位大きければ対象異空間弾き飛ばす事もでき、切り裂く空間が1箇所のみならば実質防御不可能の斬撃となる。 第一部使用した際は、制御失敗して空間を斬り過ぎたため、愛刀の「一文字」は砕け散りショウ達は150年もの未来へ飛ばされる事となった。 第三部で「景光」を用いて使用した際には辛うじて制御成功したものの、刀身に鬆(す:にできる穴や隙間)が入ってしまい、だんだんと刀へ気が通らなくなる事態を招く結果となった鳳龍地裂斬 「禁じ手」の一つで、文字通り気を大地にぶつけ、一帯大地ごと切り裂く技。 「宙歩(リトフェイト)」を使わなければ確実に自身も技の威力巻き込まれ多く致命的事態陥る羽目となる。 「復讐鬼の城」最終話ショウが、異形の者自分ごと討つよう懇願するギル決意応える形で放った鳳龍核撃斬 「禁じ手」の一つにして魔術師攻撃呪文との複合剣技呪文複合剣技は、本来単数あるいは少数対一の技である侍の剣技にあって例外的に桁外れ大量殺戮を可能とする技であるが故に悪鬼羅刹の技として忌み嫌われている。 その中でも、最強攻撃呪文爆炎」と併せて行使される本技は、一度目の寺院襲撃駆り出されていた約5000人のコウエン側の兵士及び傭兵を、一撃元に倒す威力見せつけた。 また、技を繰り出す際に刀身が技で発生した高熱溶けて制御利かず後方寺院にまで威力が及ぶこととなった

※この「禁じ手」の解説は、「ウィザードリィ外伝 (漫画)」の解説の一部です。
「禁じ手」を含む「ウィザードリィ外伝 (漫画)」の記事については、「ウィザードリィ外伝 (漫画)」の概要を参照ください。

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禁じ手

出典:『Wiktionary』 (2021/11/27 05:52 UTC 版)

名詞

(きんじて)

  1. 囲碁将棋などで、禁じられていて、行えば反則負けとなる手。
  2. (相撲) 相撲で、禁じられていて、行えば反則負けとなる行為
  3. 使ってはならない手段

発音(?)

  • キ↗ンジテ、キ↗ンジ↘テ

関連語


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