祓魔塾生
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/02 02:13 UTC 版)
宝ねむを除き、全員初登場時15歳(高校1年生)。 杜山 しえみ(もりやま しえみ) 声 - 花澤香菜 / 演 - 中島愛里(2012年)、富樫あずさ(2014年)、前田希美(2016年)、松岡里英(2017年) 本作のヒロイン。祓魔塾生の少女。3月6日生まれ。雪男が贔屓にしている祓魔師用品店の娘。正十字学園高等部1-B所属(2学期より)。三賢者の一人であるシェミハザの血筋を代々受け継ぐ巨人の末裔でもある。 人見知りが激しい赤面症で、天然かつ世間知らずでおっとりとした性格だが、芯は強い。生まれてこの方着物しか着たことがなかった。雪男とは彼が祓魔師になった当時からの知り合いで、彼に「雪ちゃん」という愛称をつけた。家が用品店ということもあり、植物や薬草の知識は豊富だが、独自に名付けた名称で覚えているため、本来の名前を覚えておらず、塾の筆記試験の点数は低かった。もう一度正式名称で覚え直してからは満点を取っている。料理は不得意でほぼ草の味しかしないが、食べると強力な魔除け効果を発揮する。例外的にハーブティーを淹れるのだけはうまい。着物ではわかりにくいが、スタイルは良い。 大好きな祖母から聞いていた「天空の庭(アマハラのにわ)」に行くことを夢に見ていたが、外出している間に祖母が事故死してしまい自分のせいで祖母を失ってしまったと後悔する弱みに付け込まれ、「山魅」に寄生された。魔障を受けて足が不自由になり、母と仲違いをしてしまっていた。だが燐や雪男の尽力により開放され、歩行機能を取り戻し母親とも和解することができた。 小学生の頃にいじめにあったのが原因で中学時代まで病弱だったため、学校もまともに通えていなかった。燐との出会いがきっかけとなり、自分を鍛えるために正十字学園の祓魔塾に入ることになる。医工騎士と手騎士の素質を持ち、緑男(グリーンマン)の幼生を使い魔として使役している。入塾直後は自分のことで手一杯だったが、燐の苦悩などを目にしたことで人間的にも徐々に成長していく。高校には通っていなかったが、雪男に密かに勉強を教わり、2学期から正十字学園に中途入学する。 奥村兄弟から恋愛的な好意を寄せられている節があり、両名には友人としての好意しか持っておらず朴にどちらが好きか問われた際に「私にはまだ恋愛は早い」と発言していたが、ある依頼の際に燐から告白されたことで意識し始める。恋愛感情自体を理解できていなかったが出雲に勧められた少女漫画を読んで恋愛の勉強をし、周囲に追いつけていない自分が異性と交際するには早すぎると考えて燐の告白を断った。自分が本当に祓魔師になりたいのかどうかで悩み、一度は試験を受ける決意を固めたものの母親からある話を聞いたことで、通塾と受験を取りやめ家業を継ぐことにした。雪男がイルミナティに寝返った直後、心臓を取り戻して暴走する燐を止めるために森を作り出し、それから間も無く聖座庁の者達に連れられ、出雲に別れを告げて天庭の斎宮へと連れて行かれる。そして教導霊となった祖母の指導で1年半相当の修行を積む。 勝呂 竜士(すぐろ りゅうじ) 声 - 中井和哉、高木礼子(幼少期) / 演 - 友常勇気(2012年)、伊阪達也(2014年)、 山本一慶(2016年・2017年) 祓魔塾生の少年。志望称号は竜騎士・詠唱騎士。正十字学園高等部特進1-A所属。明王陀羅尼宗不動峯勝呂寺若座主。 京都の由緒ある寺の息子で、京言葉を話す。廉造と子猫丸には「坊(ぼん)」とよばれている。長身でガタイがよく、不良じみた外見(金のメッシュ入りの髪、耳に複数のピアスなど)をしている。それとは裏腹に、成績優秀で真面目かつ努力家。雪男同様、奨学金を得て正十字学園へ入学し、両親の反対を押し切り祓魔塾へと入った。 記憶力が良く、塾での成績は優秀。感情的になりやすい面があり、初期のころは燐や出雲とよく衝突していた。高い記憶力から詠唱に頼りすぎるという悪癖もあり、子猫丸から「ワンパターン」と指摘されたこともある。竜騎士としての訓練も受けており、出雲編からは実戦でのバズーカ砲の使用許可を得ている。 明陀宗座主血統の家に生まれ、「青い夜」の生き残りである達磨を父親に持つ。青い夜以降、竜士の生まれ育った寺は「祟り寺」と呼ばれ衰退してしまった。そのため、サタンを倒し寺を再建することを志している。達磨の行動や態度に反感を持っていたが、全ての秘密が明らかになった後、達磨から使い魔・伽樓羅を受け継ぐ。 正十字学園祭の夜に明らかになったイルミナティの宣戦布告と、廉造の裏切りに誰より衝撃を受け、いざという時は彼との心中も辞さないほど深く苦悩する。しかし燐の励ましに心を落ち着け、イルミナティ因縁の地である島根の稲生へ旅立つ。廉造が祓魔塾に復帰してからも完全には信用することができずにいるが、対話を重ねるうちに本質は変わっていないと安堵も覚えている。 不浄王編以降門徒がそれぞれの道を歩むようになり、「門徒を再びまとめる」という目標とそれに付随する打倒サタンの野望を失い、座主の血筋にある者として今まで行ってきた努力が意味をなさなくなったのではないかと懊悩し続けていたが、出雲編後に講師として赴任してきたライトニングの才気に惚れ込み弟子入りを志願する。ただし、ライトニング自身が物を教えることが苦手なので普段はマネージャーのような仕事をしながら近くで技術を盗むような形となっている。なお、弟子入り以来髪を短くして髪色も黒に戻している。弟子入り後はだらしのないライトニングの世話を焼きながら、彼の助手として日本支部に隠された秘密に迫っていくことになる。調査の中で人が死んでしまったことに心を痛めながらも師のブレーキになろうとしていたが、思いがけず「青い夜」の真相などの重大な事実を知ってしまう。 志摩 廉造(しま れんぞう) 声 - 遊佐浩二 / 演 - 渡辺和貴(2012年)、前内孝文(2014年)、才川コージ(2016年・2017年) 祓魔塾生。志望称号は詠唱騎士→騎士・手騎士。正十字学園高等部1-C所属。明王陀羅尼宗志摩寺若律師。 明陀宗僧正血統である志摩家の五男坊で、7人きょうだいの6番目。髪をピンクめいた茶髪に染めている。京言葉を話す。詠唱騎士志望だが記憶力は悪いため経典はあまり覚えておらず、戦闘時はキリク(錫杖)を使う。幼少期の所業から明陀育ちの幼馴染たちからも少々他人行儀に扱われており、他の塾生たちと同じく名前ではなく名字で呼ばれている。 飄々とした性格で、面倒臭いことを嫌う。自他ともに認める女好きで、髪を染めたのも女子はピンクが好きだと考えたため。虫が大嫌い。燐ほどではないが勉強は苦手。普段はおちゃらけているようだが腕は本物で、一廉の祓魔師しか扱えない筈の明王級の悪魔を使役するなど、潜在能力は計り知れない。燐の素性を知った後も、出雲同様普通に接する。幼いころに孤児となりそれ以来養育してもらった恩を感じている子猫丸と異なり、明陀宗の絶対的な上下関係に倦んでおり、明陀(を含む宗教)に纏わる全てを忌み嫌っている描写が度々ある。 その正体はメフィスト配下の密偵。正十字学園に入学する少し前に勧誘を受け、二重スパイという形でイルミナティ諜報員として組織に所属、出雲の監視として正十字学園にスパイとして派遣される。この事実を知るのは家族とメフィストのみ(後に塾生も知ることとなる)で、詳しい任務内容については今やメフィストに限られる。学園祭の際、組織から出雲の拉致を命令されこれを成功させる。そして自身の正体を祓魔塾生達に明かした後、「これからは人を殺す覚悟を持たなければならない」と自身を連れ戻そうとする燐に言い放ち正十字騎士団から離反。やがて出雲を取り戻しに研究所に侵入した祓魔塾生達を迎え撃った。 出雲編後、イルミナティからの指示で双方のスパイとして学園に帰還、祓魔塾にも復帰する。ただし、経緯が経緯であり復帰後も真面目な回答を避けているため他の塾生たちとの関係はいまだにギクシャクしているが、様々なしがらみにとらわれずに自由にふるまえる現状を楽しんでいる。また、自分の将来についても再考するようになり、詠唱騎士志望をやめ騎士と手騎士を目指すことを決めた。 スパイとして奔走しつつも、ライトニングが明陀の家族である勝呂を利用しているのではないかと疑い釘をさすような発言もする。そのライトニング本人には監視されている模様。雪男が騎士團を裏切った時には一緒にイルミナティの元へ向かった。 三輪 子猫丸(みわ こねこまる) 声 - 梶裕貴、小岩井ことり(幼少) / 演 - 丸山隼(2012年)、丸若薫(2014年) 、土井裕斗(2016年・2017年) 祓魔塾生の少年。志望称号は詠唱騎士。廉造と同じく、竜士の父親の弟子。正十字学園高等部1-A所属。写経愛好会に籍を置く。明王陀羅尼宗三輪寺若僧正。 明陀宗僧正血統である三輪家の現当主。「青い夜」で身寄りを失っており、自身を引き取ってくれた竜士の寺に対して恩義を感じている。 状況把握・指揮能力に長けており、まとめ役としての能力が高い。竜士からは参謀向きと評されたため、学園七不思議編以降は騎士團の祓魔記録を自分用にまとめた悪魔ごとの戦闘データの分類をはじめ、出雲編以降、悪魔の画像情報から弱点や致死節を検索できるアプリを作るためにシステム開発の勉強を始めた。近接武器として独鈷を所持している。 小柄な体型(背の低さを気にしている)と坊主頭、大きい眼鏡が特徴。心優しく温和な性格。風呂好き。おとなしく見えるが、行動力はある。京言葉を話す。猫好きで、マイ猫じゃらしを常に携帯している。また、写経愛好会の部長に誘われる形で塾生の中では唯一正規の方法で学園祭のダンスパーティーに参加した。 竜士同様、廉造の裏切りに狼狽えショックを受けていたが、「幼い時分から見てきた志摩を信じる」と己を奮い立たせ、イルミナティの因縁の地である島根の稲生へ旅立つ。京都の一件で廉造が不浄王に立ち向かった姿を見ていたため、彼の復帰後は信用する姿勢を見せている。年始に雪男が裏切った後は、サタンに折られた降魔剣を修復するため京都へ戻る。 神木 出雲(かみき いずも) 声 - 喜多村英梨 / 演 - 鉢嶺杏奈(2012年)、はねゆり(2014年)、加藤雅美(2016年)、大久保聡美(2017年) 祓魔塾生の少女。正十字学園高等部1-A所属。 平安時代の貴族のような眉(まろまゆ)が特徴。手騎士の才能を持ち、一度に上級の白狐を2体召喚することができる。 自信家で気が強く、他人を見下す辛辣な言動が目立つ。だが根は律義で、ツンデレの気がある。本人は隠そうとしているが、猫をはじめかわいいもの好き。幼い頃から悪魔が見えていたことを隠さなかったために周囲から気味悪がられていたが、そんな彼女に唯一話しかけた朴が初めての友達となった。しえみに「お友達になって欲しい」と言われても内心ではそれを認めず、自分の要求に反抗しないことを理由にパシリとして扱っていた。陰口を言われ孤独だった経験から燐の素性を知っても敬遠せず普通に接していた。朴のことは大事に思っていたらしく、朴が塾を辞めるときには動揺し、しえみに対する態度を指摘されたことで嫌われたと誤解していた。 悪魔との混血の血筋を持つ島根の稲生大社の神職の家系の出身。母・玉雲と妹・月雲の三人家族(母子家庭)で暮らしていたが、本家の妾腹の立場故、父を含む本家筋の人々からは冷遇され、また母が精神的にも頼りない女性だった為、人一倍の独立心を持ち馬鹿にされまいと強気な振舞いをするようになった。 母が愛人としての立場を自覚せず、父である本家の当主への色欲に狂ったことが原因で母に九尾が取り憑き、絶体絶命の危機に陥りイルミナティに救われたことから、エリクサーの実験体として人質の身となる。母の代わりの実験体としてストックされている立場であり、祓魔師を目指したのは手騎士の資格を取得することで神降ろしの儀式が可能となり、自分が母の身代わりとなることで妹を実験体にさせないためであった。九尾に取り憑かれた母に攻撃され、自分を助けようとしたイルミナティのマリアが目の前で殺されたりと壮絶な過去から、他人を頼り信用することを恐れている。 しかし、外道院の実験が進み手騎士の資格を取得しなくても強制的に神降ろしが可能となったことでイルミナティに攫われ囚われの身となる。監禁場所から逃走を図り廉造と交戦した折に幼少期からの親友だったミケとウケを喪い(後に生存が判明)、自棄になって救出に来た燐の手を払いのけてしまう。そして適合率が低下していたにもかかわらず九尾を自身の肉体に憑依させることとなり、暴走状態となるが母に救われる。母との死別を乗り越え、外道院を倒すことを決意した際、意識が変わったこともあり、印章紙なしでの悪魔召喚を成功させた。九尾による暴走直前に塾生たちに親愛の情を抱いていることを自覚し、いろいろと吹っ切れたこともあって以前より人当たりがよくなった。 第一回人気投票では本誌で発表されたものとファンブックで発表された組織票無しのものと、どちらもヒロインのしえみを退けて女性キャラクターでトップに立った。 宝 ねむ(たから ねむ) 声 - 代永翼、井上剛(パペット) / 演 - 樋口裕太(2017年) 祓魔塾生の少年。パペットを使い、腹話術で話す。塾生たちの輪には加わらず、言葉もまともに発しない。高慢な性格で毒舌家。志望称号は手騎士。 あらゆる人形を召喚し操ることができる「傀儡師(パペットマスター)」。本人曰く、称号こそ持っていないが、並の祓魔師のレベル以上の実力を持つという。 大手玩具会社「宝ホビー」の社長子息。燐たちより1学年上級だが、正十字学園・祓魔塾へは2年から編入してきた。なお、タカラグループはメフィストの持ち物(の一つ)である。
※この「祓魔塾生」の解説は、「青の祓魔師」の解説の一部です。
「祓魔塾生」を含む「青の祓魔師」の記事については、「青の祓魔師」の概要を参照ください。
- 祓魔塾生のページへのリンク