天城家
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天城 高雅(あまぎ こうが) / コウガ 声 - 宮野真守、甲斐田ゆき(子供時代) 世界的な大企業アマギコーポレーション社長令息で、次期社長となることを周りから期待されている。容姿端麗・成績優秀・スポーツ万能である。火事の際の親子救出劇をきっかけに、女子中高生を中心としたファンが急増、まるで芸能人やアイドルのような人気を誇る。幼少時に熱中したアニメ『銀河超人アルファス』に憧れ、正義の味方になることを夢見続けていた。その恵まれた潤沢な資金や環境を存分に使い、夢を実現させようとする。ただし、中学時代の彼の行動には「正義を行う」ために「正義の味方になる」のではなく、「正義の味方になる」ために「正義を行う」という因果の逆転が見られ、小葉からはその正義感に対して疑問をもたれていた。それは、大企業の後継ぎとしての重圧と孤独に苛まれ続けたために、大好きなヒーローであるアルファスへの依存と憧憬を強めていった結果である。 中学時代に連続放火事件の犯人を捕まえてヒーローになることを夢見て現場に勇んで乗り込むも、その惨状に立ち竦み、更に出会ったジンによって自身の無力さを痛感させられる。ジンが助けた親子を自分が助けたことにされ、一躍時の人となるが、その件と直後に小葉に「褒められたいだけに見える」と指摘されたことで以降は正義について苦悩するようになり、そこを中田二郎らに付け込まれることになる。その後の二郎事件から生還したものの右手を失い、以降は義手を使用している。1章では私立虹華学園中等部3年。3章で高校生となり、本格的にアルファスプロジェクトを始動する。 青年に成長してからは非常に正義感が強く、自分の持つ正義を貫くことを善しとするが、それが良くも悪くも純粋で融通が利かない。如何なる悪にも立ち向かう力強さを持つ一方で、空気の読めない発言でデートを気まずい雰囲気にしたことも。ジン曰く「こいつの正義バカは筋金入り」。しかし同時に二郎事件の凄惨な経験が精神に大きな爪痕を残し、心に闇を抱える結果となっており、やがて物語終盤の悲劇へと繋がっていく。 アルファスとして初めての実戦にて、ジンと再会。その後、ZETについて知った後はジンを「本物のヒーロー」として自身の目標とするようになる(アニメではZET化したジンを「ゼットマン」と呼ぶことがあった)。アルファスの性能を以てしても敵わないプレイヤーの強大さを知ったことでより力を渇望し、同時にジンへの憧れを強めていくが、正義についても更に苦悩するようになる。そしてアマギタワーでのテロの際、早見の策略によって蟲を付けられ、更には早見の配下によって新たに開発されていた未完成のアルファススーツを身に着けてしまったことにより、スーツから投与される薬と蟲の作用によって戦闘能力の向上と引き換えに徐々に正気を失う。ついには二郎事件による心の闇が爆発し、正義感が暴走。二郎や早見の思い描いていた通りの「冷徹なヒーロー」と化してしまい、ジンと敵対することになる。 正義のためならどんな犠牲も厭わないほどに豹変した彼を、ジンは「ただのクソヤロー」と罵倒し、激突する。そこから第一話冒頭のシーンへと繋がる が、敢えて悪の汚名を被ろうとするジンの姿に一郎のことを思い出し、同時に蟲が死んだことで正気を取り戻す。事件後、記者会見にてアマギの真実と自身の罪を打ち明けた後に服毒自殺しようと考えるが、ジンに拉致され、ブレインスキャナーで記憶(豹変する前後からの記憶全て)を消された。世話役として送り込まれた陰禅からジンが母を殺したと告げられ、以後、アマギ社長兼アルファスとしてエボルと戦う道を歩む。しかしジンが母を殺した件については、ジンに記憶を消された事実と証拠の不自然な程の多さから疑惑を抱いており、ジンを見つけ出して真実を問い質すべく行動している。 アニメ版では小学時代からジンと知り合いという設定となっている。出会ったのはジンがひったくりを退治した時(原作では第一話で描かれているシーン)。また、二郎事件で右腕を切断されることもないため、義手は使用していない。二郎事件も高校時代に発生するため、放火事件の後は小葉の指摘に受けたショックで「正義」に迷っていたが、早見の立案したアルファスプロジェクトを受けて再び正義と向き合う決意を固める。ジンと決別する結末は原作同様だが、蟲や記憶消去の件は無く、直前に起きた二郎事件と、連続する惨劇によって精神的に追い詰められたことが原因となっている。事件の首謀者達はおろか両親に花子と、正義の為に次々と手を血で染め、「暴きの輪がある限りジンはプレイヤーを呼ぶ」とジンと相対した際には悪そのものの形相と化していた。しかしジンの圧倒的な力で捻じ伏せられ、佐山や光鎧に諭されたことで冷静さを取り戻した。三年後にはアマギ社長兼アルファスとしてエボルと戦っているが、エボルの勢いが衰えていることからジンもどこかで戦っていると認識する。 天城 小葉(あまぎ このは) 声 - 花澤香菜 高雅の妹。小学時に母と一緒に炊き出しのボランティアに参加し、そこでジンと出会い、憧れを抱く。中学時に街で襲われかけていたところをジンに再会し助けられ、ジンのことを「天使くん」と呼ぶ。高校時代には再び母と共に炊き出しのボランティアに参加し、その際にジンと再会。以降、知人になっている。 中学時代にコウガに半ば強引に連れ出された火事現場にてジンのペンダントを拾い、高校進学後にジンと再会して以降も返せずにいたが、意を決して返しに行った際に海老蔵に襲われて瀕死の重傷を負わされる。ジンとコウガに助けられて一命を取り留めるが、コウガが敢えてブレインスキャナーを使わせなかったことで事件の記憶は残り、心に傷を抱えることになる(首にも傷跡が残っている)。さらにその後の事件で屋敷が爆破され、以降は鈴木のアパートに身を寄せる。 ジンに好意を抱いてはいるが、それを口には出せず自分の気持ちにも素直になれないため、未だ伝えられずにいる。とは言え周知の事実ではあるのでよく指摘されるが、その度にムキになって否定している。ジンと花子が付き合っていると一応は認識しているが、ジンへの想いは変わっていない(ジンが屋敷を訪れた際にはわざわざ小綺麗な服に着替えてきたほど)。 兄であるコウガについては嫌っているわけではないが、彼が隠し事が多いことから信用しきれておらず素直に接することができずにいる。また、兄のかつての「純粋ではない正義」には疑問を抱いており、彼に振り回されつつそれを指摘することがあった。母が祖父に折檻を受けて以来、天城家にもアマギにも良い感情は無く、母と兄だけが家でのオアシスであった。 大晦日に炊き出しのボランティアをしていた際、鈴木らテログループによって母共々拉致され、アマギタワーのテロに巻き込まれる。そこでジンの正体を知っても尚、陰禅からジンを庇い、それがジンが自我を取り戻すきっかけとなった。しかし直後にコウガが豹変。ジンに兄を止めるように懇願する。一連の事件によって家も両親も失い、兄とも「会いになんか行かない」と決別。ジンが皆を助けるために戦っていた一方、自分は何もできなかったと悔やみ、看護師を目指して勉強を始めた。 1・2章では私立虹華学園中等部の2年。3章以降では高校生。5年後には片田舎の小さな医院で新米看護師として働いている。 アニメでは小学時代に既にジンと親しくなっている。また、当時からコウガに無理やりパトロールに連れ出されていた。中学以降の設定は原作から多少前後しており、炊き出しのボランティアは原作ではやっていなかった時期である中学時代から行なっている。ジンとも不良グループの溜まり場ではなく炊き出しをしていた公園で再会する。一方で、アニメではジンは炊き出しには参加していないため、以降は磯野兄弟戦前までジンとは会っていなかった。また、磯野兄弟に拉致された時は舟に襲われている。エピローグではジンの行方を気に掛けつつ明美と共にボランティアを続けている。 本作は女の子がメインの作品ではないため、魅力的になり過ぎないように小葉の胸は小さめにしたと桂は語っている。 天城 光鎧(あまぎ みつがい) 声 - 飯塚昭三 アマギコーポレーション会長であり創業者であり前社長。高雅と小葉の祖父。自身の夢の実現のためにN・E・Tプロジェクトを組織させた人物。自社の開発したプレイヤーの逃走に強い責任を感じており、Z・E・Tプロジェクトをはじめとし、プレイヤー絶滅を使命として全人生を捧げている。機密のためであれば無実の人であろうと「消す」ことへのためらいはなく、目的のためには手段を選ばない冷徹さを持っている。本人の言によると、妻をも人体実験に利用して廃人にさせたらしく、その際は激しく動揺したものの霧島に「必要だった」「大いなる一歩」と告げられた事で興奮し、それを境に「人でなし」になったと言う。かつてはアマギの人間がホームレスと関わる事を許せず、ボランティアをしていた葉子に折檻を喰らわせた事がある。現在ではそのような感情は無く、折檻の件も悔いてはいるが、その所為で未だ小葉には恐れられている。 ジンの協力を得てからは徐々にその感情に変化が現れ、ジンには人としての幸せを掴んで欲しいとも思うようになり、穏やかな性格に変わっていく。同時に孫であり、アルファスとしては我が子でもあるコウガにも協力を惜しまなくなるが、芝木がエボルの本部から逃げてきたことで再びZET覚醒に乗り出し、再び冷徹さを表面化させ始める。 実はZET覚醒という共通の目的の為に密かにマスターと契約を結んでいた。エボルのカリスマを生み出すというマスターとは逆にエボル殲滅を目的としているため、マスター側の裏をかいて行動していた。しかしそれもマスターには見抜かれており、終盤にて黒服Aによってエボルの本部へと拉致される。伝説の13人の前に突き出され、清造に真実を告げられると霧島の生存を確信し、自ら「人でなし」に戻る事を宣言。再びマスターと手を組むようになる。 アニメではマスターと接触する事は無く、アマギタワーのテロではジンが去った後に現れ、コウガを諭した。 天城 清造(あまぎ せいぞう) 声 - 広瀬正志 アマギコーポレーション社長。光鎧の息子で高雅・小葉の父。厳格な性格で、コウガ曰く「選民意識の塊」。身体能力も優れている。二郎にはプレイヤープロジェクトの首謀者と名指しされているが、本人の弁ではN・E・Tプロジェクトの存在を知っている程度でありプレイヤープロジェクトは存在も知らなかったと言う。しかし鈴木の台詞では、過去に大勢の人間を人体実験に利用するよう指示し、多数の犠牲者が出たとのこと。その中に鈴木の婚約者もいたため、鈴木からは並みならぬ憎悪を向けられることになった。 その実態は人体実験の指示者でこそ無いものの、エボル組織のスポンサーであり、彼らが人間社会に溶け込んで行動できるように全面的に支援していた。実際はN・E・Tプロジェクトはおろか、プレイヤープロジェクトも把握しており、地下コロシアムも加部ではなく清造の発案であったことも示唆されている。加部に連れられて地下コロシアムに赴き、初めて培養液の中のプレイヤー(後のマスター)を見た際に知性を感じ、彼らに意志と自由を与えるべく暗躍していた。マスターに光鎧との「契約」を持ちかけるように促した張本人でもある。 アマギタワーのテロに際して死んだと思われていたが、それを利用して自身の存在を抹消。マスターのパートナーとしてエボル組織に加わろうと目論んでいたが、マスターにとっては人間である上に私欲の塊である清造は対等な存在にはなり得なかった。その為、自身の株を上げる為に苦し紛れに明美を人質に取ってジンを殺そうとするも、灰谷に手首を切り落とされ、更にジンに殴り飛ばされた。その後の生死は不明。 アニメ版ではコウガによって射殺される。 天城 葉子(あまぎ ようこ) 声 - 久川綾 清造の妻で高雅・小葉の母。小葉の幼い頃に炊き出しのボランティアに参加したことが光鎧にばれて折檻を受け、このことが小葉の祖父に対するトラウマの原因となっている。これ以降も隠れてボランティアに参加しており、コウガの救出時にはこのために連絡がつかなかった。コウガのことを叱ったことがなく、それがコウガを不安にさせていた。2章において離婚、もしくは離婚に繋がる内容を切り出したようであるが清造は離婚を拒否しており、3章以降は別居中で、鈴木のアパートに暮らしていた。そのことがコウガには「自分達を捨てた」と認識されている。 ボランティアの最中に鈴木等に小葉共々拉致され、アマギタワーのテロに巻き込まれる。豹変したコウガを諭すが、テロ首謀者の一味である鈴木を助けようとした事と、「悪い事をした自分を叱って欲しい」と言うコウガの願いに応えなかった為、息子によって撃たれて死亡。これがコウガの暴走の決定打になってしまう。 アニメ版では別居しておらず、コウガとの仲も比較的に良好である。清造を庇ってコウガに撃たれ、小葉に看取られながら息を引き取った模様。
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天城家
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/03 05:17 UTC 版)
天城綾子:草笛光子 順三郎の妻。世話好きな性格で下宿している教師たちの間では母親的な存在。若いころに学生演劇をやっていたこともあり、青空の良き相談相手になっていた。 自宅を広大夫婦に譲るにあたってはそもそも同居することを念頭に置いていたようで、順三郎と二人でのマンション暮らしになったことや敦子の母・加代の出現でその立場を喰われた格好になってしまったことで脹れていた。 天城育民:太川陽介 順三郎と綾子の一人っ子で高校生。やや不良っぽい現代っ子だが広大とはウマが合う。第2シリーズでは一浪の後東京農業大学に合格する。 スペシャル第1作にも出演しているが、その時は既婚で恐妻家であり、夫婦ゲンカの末に実家に一時逃げ帰ってきた設定になっていた。 川瀬(天城)みね子:二階堂千寿 第2シリーズから登場。もとは早くに両親を亡くし北海道・礼文島で叔母の世話になっていたが、登校拒否となったところを広大に救われる。 叔母の再婚に伴い広大を頼って上京、校長宅に下宿し若葉台小学校へ転校、5年4組で風見玲子の教え子になる。最終回で順三郎・綾子夫妻の養女になる。 スペシャル第1作では成長した彼女と交際していた青年・宮脇亮太(松村雄基)との結婚問題が主題のひとつになっている。 当初は順三郎夫妻から反対されて北海道に駆け落ち、あわや遭難という事態になって広大らに救助される、その後亮太が失踪してしまうなどの紆余曲折あったものの、最終的には礼文島に渡って漁師となったのち広大を頼って一緒に上京してきた亮太と東京で再会、その人となりを順三郎が認めて快く結婚を許され、亮太とともに礼文島へ帰ることになった。 天城信吾:横内正≪第2シリーズのみ≫ 順三郎の実弟であり塾の経営者で、順三郎と教育問題で対立する。
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