乱崎家
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乱崎 凶華(みだれざき きょうか) 声 - 藤村歩 本作の主人公。乱崎家の「母親」。本名はキョウキァ=エアエリアエア(「凶華」は本名の当て字で、漢字辞典で調べて最も自分にふさわしい字を選んでつけたらしい)。自称20歳だが、猫耳と猫の尻尾を持った小学生にしか見えない。他人の思考、中枢神経に介入し操作する「携帯電話」という特殊能力を使う。ただし相手が気を失っていたり、拒絶していたりすると効果がない。主な機能は、通話・メール・ハッキングなど。 性格はネコそのもので気まぐれで、常に傲岸不遜の態度で人に接する。独裁的・非常識・誇大的で、かつナルシストでもあり、トラブルや自分が主役のお祭り騒ぎをこよなく愛し"宴"と称して様々な騒ぎを起こし強引な手口で事件を解決へと向かわせる。「頼もしいことにこの凶華様は全知全能だぞ!」とたびたび発言し、凶華が騒ぎに介入する際の決め台詞になっている。 家族に対する愛情は深く、滅多に表現しないが、凰火に対しては恋愛感情を抱いている。そのため、嫉妬心が強く、凰火が自分以外の女性と話したり、ほめたりすると過剰に反応する。恋敵である死神三番に対しては過剰な対抗心を持っているが、それ以上に喧嘩するほど仲がいいような関係である。真夜中に凰火の布団へ潜り込んだこともあるが、「あいつにもかわいいところがあって」寝たふりをされたようである(しかし、凰火が必要以上に他人に踏み込むことをさけているためと考えられる)。そうした行為をしながらも子供の作り方は「よく知らない」という。 狂乱家族計画に参加する以前は地下帝国・シャングリラで唯一神と崇め奉られており、いまだ地下帝国民からは神として信仰され、そのように育てられたため、本人も神を自称している。常に傲岸不遜の態度で人に接するのはこのためである。地下帝国民からは"バッカーキョウキァ"(=「我が君キョウキァ」)とも呼ばれる。 「魔族」と呼ばれる精神生命体の先代女王ヴァネッサ・エルドラゴンが「破壊神」と呼ばれる月香の妹、SYGNUSS(シグナス)の肉体に取り付きその精神を封印、その際にヴァネッサとしての記憶を同胞の魔族から奪われ、赤ん坊のまま山奥に捨てられたところを地下帝国シャングリラで神として育てられた結果、キョウキァとしての人格が形成され、現在の「凶華」がある。凶華自身は記憶がない事に大きなコンプレックスを抱いていた。“ヴァネッサ・エルドラゴン”が取り付いている影響で“SYGNUSS”の身体は成長しないため身長も低く、胸も“洗濯板”と呼ばれてしまうほどに小さい(凰火曰く、可愛らしいモノ)。それを気にして、普段は怠惰な生活を送っているにもかかわらず、朝晩欠かさずバストアップ運動を行っているらしい。自称20歳なので度々タバコを吹かし、酒を飲んでいる(アニメでは一度も無し)。2か月で自転車に乗れるようになった「天才」と自称している。猫舌。拾四さつめで身体が中学生程度に成長、拾伍さつめでは子供を出産した。 同じファミ通文庫10周年企画でアニメ化された『まかでみ・WAっしょい!』でも1シーン登場(新規書き下ろしではなく、アニメで使用された映像)している。 乱崎 凰火(みだれざき おうか) 声 - 近藤孝行 乱崎家の「父親」。本名も乱崎 凰火。27歳。大日本帝国政務執行機関直属超常現象対策局対策一課行動部隊長。冷静な性格で、状況判断力に秀でており、眼鏡かつ朴念仁で、乱崎家の貴重なツッコミ役。普段は穏やかで凶華のハチャメチャには振り回されてばかりいるが、堪忍袋の緒が切れると一転して凶華も恐れるほどに冷たく怖くなる。凶華が度を過ぎた行動を取るたびにキツいお灸を据えて懲らしめているが(ネコミミを引っ張るなど)、凶華を心から女性として愛しており、その想いは彼女の正体を知っても揺らぐことがなかった。 当初はデータで物事を判断したり家族のピンチにもリスクを考えてから動く慎重派だったが、凶華に一喝され「父親」という立場を自覚し積極的な行動力を持つようになる。恐らく乱崎家一の苦労人。乗り物好き。 視力が悪いわけは、平塚雷蝶に訓練中、怪我をさせられたのが原因だった。雷蝶曰く「誰にでも公平なあなたの心を拙者への憎悪でいっぱいにしたかった」らしい。 3歳の頃に両親を事故で亡くしたため、両親の職場だった超常現象対策局で霧岬知紅(死神三番)と共にDr.ヘルや花山厳一郎に育てられた。友達のいない寂しい子供時代を過ごしたらしい。この事故で全ての記憶と、愛する人を失う恐れから感情を失い、「どうしてそんなに無ばっかり集めるんだろうと思うような」無表情・無感情・無感動で、凶華に出会うまでは誰も愛せなくなっていた。 実は、『紅』シリーズ計画(≪紅茶≫の人格・肉体のバックアップを作る計画)の唯一の試作品。両親は事故で亡くなったと言われ、3歳よりも前の記憶はそのときに失ったとされてきたが、両親はおらず、初めから3歳ごろの肉体を持って誕生した。 乱崎 銀夏(みだれざき ぎんか) 声 - 藤田圭宣(現:織田圭祐) 乱崎家の「長男」。本名は黄桜 銀一(きざくら ぎんいち)。23歳。極道の家系に生まれたが、幼い頃、初恋の相手である黄桜乱命という少女が父親に殺されたのをきっかけに、ひたすら男らしくあれというその教育方針に反発するようになり家出、オカマバー「ビルゴ」で働いて生計を立てている。店でナンバーワンの売れっ子で、源氏名は「ぎんぎつね」。乱崎家の中では凰火含め数少ない常識人で、かなりの美青年。普段は女性的な口調で話し物腰もなよなよとしているが、いざという時には毅然とした男らしい口調と態度になり、その迫力は鬼となっていた姫宮千子を恐れさせるほどであった。千花の過剰な愛情表現に辟易しその対応に悩んでいるが、彼女を冷たく突き放すことも出来ないで居る(彼女に対して好意はあるがそれは妹としてであり、異性・恋愛対象とは見ていない)。原作拾参さつめで乱命に告白し、結ばれる。 名前に数字が入っているのは、名前に数字を入れるという姫宮家の兆子と悲恋があった父、黄桜洒門が兆子との子供であると思おうとしてつけたためである。 拾伍さつめで書かれた6年後では、世界的な女優になっている。未だに乱華と千花のどちらかを選べていない。 乱崎 帝架(みだれざき ていか) 声 - 安元洋貴 乱崎家の「次男」。本名はシャクヤ。7歳(しかしライオンの平均寿命は30年程のため、人間の平均寿命を90年と仮定しても人間換算ではかなり年上)。1人称は「我輩」。全ての動物と意思疎通が出来る「褐色皇帝」の最後の血族。大日本帝国最西端通常名称サバンナで暮らしていた。含蓄のある物言いを好み、哲学者のように難解かつ高尚な思考を持つ。優歌に懐かれていて、クッション代わりにされたり「もふもふ」と称され、戯れられることもしばしばある。誇り高い性格であるが、凶華や優歌の行動によってその尊厳を冒されつつある。鈍感で、幼なじみのマダラが雌(雄に変装していたが)であることを本人に明かされるまで気づかず、マダラがそのあと必死のアプローチを図るも、気づかれないことも多く周り中から「鈍感」と言われている。一応悩んではいるようである。 拾伍さつめで書かれた6年後では、マダラと結婚し子供が生まれていて、サバンナで暮らしている。 乱崎 雹霞(みだれざき ひょうか) 声 - 広橋涼 乱崎家の「三男」。本名は黒の十三番(くろのじゅうさんばん)。3歳。元々は「閻禍の肉片」を利用されて作られた陸戦型の「世界最強」の生物兵器で、Dr.ヘル・Dr.ゲボック・去渡去彦の3人による共同作品。鷹縁結子を殺害させられた後、研究所を完全に殲滅し、3年間の眠りについていた。顔が無い為表情は分かりにくいが、子供のような純粋な性格で、趣味はTVを見ることとゲームをすること。当初は研究所時代の記憶が封印されていたが、産みの親の1人である去彦との再会などによってほぼ完全に思い出したようである。また、家族や鷹縁切子などとの交流をきっかけに人間らしい感情も芽生えつつある。また、去彦からは「ロベス」(昔、去渡が可愛がっていた金魚の名前)とも呼ばれていた。 拾五さつめで書かれた6年後では、小学生になっている。一度習ったことは忘れないので、勉強がおもしろく、できるらしい。ボギークイーンと同居しており、切子・ボギークイーンとの間にラブコメが発生しているらしい。 乱崎 千花(みだれざき ちか) 声 - 戸松遥 乱崎家の「長女」。本名は姫宮 千子(ひめみや せんこ)。白髪で、老成した雰囲気の17歳。本当は閻禍の子供ではない(全く閻禍のDNAを持っていない)が、凶華の「携帯電話」の能力で不正な検査結果に導き、原作第2巻以降に家族入りすることになった。優歌とは実の姉妹で、彼女と同様心に深い傷を持つ。幼い頃に自分を救ってくれた銀夏に想いを寄せていて、歪んだ愛情表現をもって彼に接している。人外だらけの乱崎家の中では比較的常識人だが、やはりどこかずれたところがある。凶華曰く「サド巨乳」「ドS」。不本意ながら、私立五重必殺学園というお嬢様学校の番長でもあり、同性から「お姉様」と呼ばれ異常に慕われている。巨乳の持ち主でスタイルが良いゆえに、胸のない凶華からは嫉妬の込もったセクハラ発言を受けることもある。前述のように乱崎家に入る資格が無い上、優歌を虐待していたという過去もある事からどこか他人行儀な面がある。凶華のことを普段は「猫さん」と呼んでいるが、原作第3巻では初めて「お母さん」と呼んだ。最近は、凰火を「お父さん」と呼び甘えることもあり、打ち解けてきているようである。優歌同様に「まったく」を副詞として多用する。 拾伍さつめで書かれた6年後では、神聖合衆国の公務員になっている。車や飛行機、宇宙船の運転免許を取得している。 乱崎 優歌(みだれざき ゆうか) 声 - 花澤香菜 乱崎家の「次女」(原作第1巻では長女)。本名は姫宮 零子(ひめみや れいこ)。9歳。元の家族には一族で一番年下の子どもの役割とされている「孤独人形」として虐げられ、虐待を受けていた過去を持つ。自殺未遂、いじめ、虐待、入院など、その過去は暗いが、「普通」というもののない「姫宮」という鬼の一家で育ったため、普通であろうと努め、天然で無垢、穏やかで優しい性格をしているが、家族を傷つけようとするものには「黒優歌」という顔を見せることもある。乱崎家では最も平凡で「すぐ忘れてしまいそうな」外見と性格をしている。「さっぱり」を副詞として多用する癖があり、本来は否定的な意味で使用するこの言葉を誤った用法でよく口にしている。帝架の毛皮を気に入っていて、1日1回もふもふをしないといけないくらい依存している。 乱崎家ではみんなに可愛がられており、癒しの存在となっている。 拾伍さつめで書かれた6年後では、高校生になっている。背中の虐待のあとを隠すために伸ばしていた髪を切っており、将来は「自分のように傷だらけになる子供を救いたい」「壊れかけの家族を修復する仕事につきたい」と語っている。 乱崎 月香(みだれざき げっか) 声 - 佐藤利奈 乱崎家の「三女」(原作第1巻では次女)。本名はWARAVE(ワラビー)。正式な年齢は不明だが、かなりの年齢であることは確かである(少なく見積もっても千歳以上)。普段は体力を消耗しないためにピンク色のクラゲになっている。対策一課行動部部長が釣り上げ、ふざけて検査にかけた結果、閻禍のDNAを持っていることが判明した。飄々とした性格で、色の変化で感情を表現する(黄色は喜び、赤は怒り等となっている)。クラゲであるにもかかわらず寿司などの高級料理しか食べず、料理の最もおいしい部分しか食べない(触手の先端から取り込んで吸収する。ただしアニメ版では触手を使い人間で言えば口のあたりから摂取している描写もあった)、文字を書くことが出来る(しかも達筆)、海水を吸って巨大化する。 実はクラゲは仮の姿で、本来の姿は十二単を纏った美女。クラゲが裏返ってこの姿に変わるらしいが毎月5日にしか本来の姿にはなれず、それ以外の日には少女の姿で現れることもある。月齢に関係しているらしい。OASIS(オアシス)の故郷でもある星「海」で唯一、奇跡的に自我を持ち生まれた生命体。己の生命体の核を細かく砕いて「水」をつくり、神として暮らしていたところ、突然強欲王に求婚され、彼を恐れ1000年間逃亡していた。なお、SYGNUSS(シグナス)は、誰にも会わない「海」での孤独を癒すために死のうと思い、その機能をつくったもので、「宝」であり、妹である。強欲王が地球に来た「災厄」の対処をする際にその力を使い果たし、原作第9巻の冒頭では赤子として家族の世話を受ける。 拾伍さつめで書かれた6年後では、強欲王と結婚し、宇宙に新婚旅行に行っている。アンドロメダ星雲は果物がおいしいらしい。 乱崎 乱華(みだれざき らんか) 乱崎家に迎えられ名を変えた本名「黄桜乱命」である。千年前の月香の地球への衝突に巻き込まれた被害者の一人であり、楽園で魔族にとりつかれ、不老不死となっている。黄桜の初代から「乱」、二代目から「命」の字をもらって「乱命」だった。今の名前は千花が名付けたもので、「華」は千花が可愛い字がなく困っていたときに凶華が使えばよいと言ったため、使われることになった。原作13巻で銀夏に告白された。千花いわく、「乱」が2つも並ぶ物騒な名前らしい。銀夏と結ばれてからは性格が可愛らしくなったようだ。家族に加入してからは凰火のことを「お父ちゃん」、凶華のことを「お母ちゃん」と呼ぶ。 拾伍さつめで書かれた6年後では、世界中を旅している。銀夏が女優になったことは知らなかった。 乱崎 十周年(みだれざき でぃけいど) 凰華と凶華の子供。乱崎家が出来て十周年の時に生まれたために凶華がお披露目したので、十周年という名になった。成長して行くに従ってある人物にとてもよく似ていると言われるようになる。幼少期はバラバラに暮らし始めた家族の元を転々とし、10歳時には乱崎家の実家に住んで、同居している小紅と共に小学校に通っている。番外編「狂乱家族だった、僕たちへ」では優歌と千花の配慮で別の名前を貰ったが、その名前は明らかにされていない。
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