フィルム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/04/18 02:12 UTC 版)
特性
- ガスバリア性
- フィルムが常温の気体を透過させる性質。単位:ml/m2・day・Mpaまたはfmol/(m2・s・Pa)で表示され、対象のガスとしては二酸化炭素、窒素、酸素で評価されるのが一般的。JIS K-7126およびASTM D1434-82で規定される。
- ガスバリア性が低いということは逆にガスの透過・発散に優れていることを示し、野菜の包装用フィルムでは鮮度保持のために二酸化炭素に対する低ガスバリア性が機能として求められる。
- 透湿性
- フィルムが水蒸気を透過させる性質。単位:g/m2・day・40℃,90%RHで表示され、JIS Z-0208、JIS K-7107、ASTM E96-94で規定される。
- 保香性
- フィルムが香りの成分を透過させず維持する性質。ガスバリア性とはほぼ相関するが、必ずしも一致しない。また、香りの成分とフィルム素材の相性によっても効果が異なる。例えば、保香性が高いとされるPETフィルムとPCフィルムについて、バニラ香料は前者が高く後者は低い。これがしょう油の香り成分ではまったく逆の結果となる。
製品リスク
- カール
- フィルムが反り、またはひとりでに巻いた状態になる現象。多層フィルムや剥離ライナーと貼り合わせたフィルムでは成型後の各材料に残留した応力や熱収縮の差異で生じやすい。これらを予防するには製造時の張力(テンション)を調整して対応する。また、単体でも吸湿などによりカールが生じることがある。また、キャスティング機の温度設定でもカールの極性を変化させることができる。
- ピンホール
- フィルムに角や突起を当てたり、折り曲げたり摩擦させたりするなどの外的な力が加わると生じる微細な穴。
- ブロッキング(Blocking)
- ロール状で保管されているフィルムの層が固まってしまうトラブル。経時変化や劣悪な保管状況などにより発生することがある。
取引単位
- 嗹(れん)
- 包装フィルム業界で使われる独特の単位。面積500 m2を1嗹とし、基本的にフィルムの幅を問わない。
- ^ “「粘土の合成」”. 材質・材料研究機構 物質研究所 山田裕久. 2008年5月22日閲覧。
- ^ 参考文献より
- ^ “押出ラミネートとは”. 株式会社ウインテックス. 2022年1月6日閲覧。
- ^ “CNET Japan”. 液晶画面とセロファン. 2008年5月22日閲覧。
- ^ “FUJIFILM | 業務用製品 | 放送・映画 | 映画用フィルム”. 2008年5月22日閲覧。
- ^ “コダック 映画関連製品-製品情報”. 2008年5月22日閲覧。
- ^ “財団法人大田区産業振興協会”. モノづくり見聞録No.16. 2008年5月22日閲覧。
- ^ “透明フィルムが無線IP電話を救う?”. 日経BPnet. 2008年5月22日閲覧。
フィルムと同じ種類の言葉
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