チームヴァシュロン
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「エンド オブ エタニティ」の記事における「チームヴァシュロン」の解説
「チームヴァシュロン」は闘技場のランキングから。序盤はヴァシュロン、中盤はゼファー、終盤はリーンベルにスポットを当てながらストーリーが展開されていく。4階層のエベルシティの一軒家(この辺りでは立派な家)に居を構える。 メンバーの中ではヴァシュロンが最も強く頼れる男とされている。ゼファーはだんだんヴァシュロンに追いつき始め、生意気なだけの小僧から頼れる男の顔になっていく。当初は足手まといでしかなかったリーンベルも努力を実らせ強豪カーディナルを相手に一歩も引かず戦うほどに成長した。 ゼファー(Zephyr) 声 - 下野紘 本作の「ゼファー編」の主人公。17歳。「運命に抗う少年」。無口で何事に対してもそっけない態度を取るが、自分がからかわれた時はあわふためいたりなど子供らしい一面を持つ。不器用ながらも根は優しい。妹のコッシェ(声 - 山名枝里子)がいる。次第にペーターと仲良くなっていき、互いに友情を育む仲となる。未成年のため酒は飲めない(無理に飲んだが直後に吐き出してしまった)。背伸びしたい年頃のようで、ヴァシュロンと共にアダルトな映像を見て興奮することもある。 成長速度はHPとウェイトはヴァシュロン以下、リーンベル以上。いわゆるバランス型。鍛えれば中盤からは二挺MGで前線に立って活躍ができる。 戦闘スタイルは、地味でありながら洗練された技巧を見せるヴァシュロンとは対照に、感情をむき出しにした嵐のような苛烈な攻撃を主体とする。銃の構え方も前傾姿勢となっており獣が獲物に飛び掛る様を想起させる。そのため、ヴァシュロンからは「デタラメな撃ち方しやがって」や「お前、敵一人倒すのに何百発撃つつもりだ!」と突っ込まれている。 しかし、「本能のみ」で戦う苛烈な攻撃は、元カーディナル・ラガーフェルドを一騎討ちで撃破したほどの力を持つ。歴戦のカーディナル・アントリオンからも「聞きしに勝る殺気だ」と恐れられた。 幼少から孤児としてクランク神学校に引き取られていたが、誰に対しても心を開こうとはせず、常に反抗的な態度を取り続けたため大人たちから異端視されていた。更に、当時の神学校では洗脳ともいうべき徹底した宗教教育が施行されており、意にそぐわぬゼファーは大人たちから敵視され「親の顔が見てみたいもんだ。そうか、親はいなかったな」など、罵倒を受けていた。 神の存在を信じない自分に教典を渡そうとよく話しかけてくる少女がいたが、彼は「神に祈っても何も変わらない」と祈ること自体を無駄な行為と拒否。同時に孤独な自身を「救われるべき人間なのに救われないのはなぜ?」と考えていた模様。 その後、当時15歳前後だったゼファーは礼拝中に二挺のマシンガンを持ち出して周囲の人間を次々と殺害していった。そして、感情を持たない神が存在するならば自分を罰するはずだと言い、「自分が生きている=神など存在しない」と神学校の教えを徹底的に否定してみせた。 更なる殺戮を行うゼファーだが、よく構ってきた少女が引き止めに入る。「そこをどいて」と言うゼファーだが、彼女は頑なに神を信じ、決して道を開けないという姿勢を見せたために殺害してしまう(さすがに彼女まで殺すのは躊躇っていたらしく、殺害の寸前に腕と声を震えさせていた)。 少女を手にかけた後は恐慌状態に陥り、依頼を受けて制圧に来たヴァシュロンと一戦を繰り広げ、圧倒的な実力差でねじ伏せられ、脳幹に二発の弾丸を打ち込まれた。しかし、それでも死なず、カーディナル・ラガーフェルドを検死官としてヴァシュロンの手で処刑が行われたが、それでも死ななかった。 そのため「神が彼を無罪とした」と見なすしかなく、無罪となった(世間的には死んだということになっている)。後にこれは、神=ゼニスによる「聖刻」の効果だと描写される。皮肉にもゼファーが生きていることは神の存在の証明になってしまった。このことが後にラガーフェルドの暴走を招く。 現在はヴァシュロンに引き取られ、共にPMFとして活動している(理由は明言されておらず、更生させるためにカーディナル・テレサも協力した模様)。戦闘台詞ではヴァシュロンを誤射した際に「まだ恨んでんのかよ!」といわれる。 その後、物語開始の2年前に飛び降り自殺を図った実験体20号(リーンベル)を救う。このことを聞いたテレサは、自分の知るゼファーとの違いに驚いていた。 PMFとして活動する中、今でも自分が犯した神学校の殺戮事件は心の重荷になっていた。当月を迎えるたびに元気を失っていた。そこへカーディナル・ラガーフェルドと再会する。殺された子供たちの復讐を胸に、一騎討ちをしかけてくるラガーフェルド。苦戦の末撃破し、ラガーフェルドの口から当時の真実が語られる。 自分によく話しかけてきた孤児の少女こそが(明言されていないが)妹だと知り、自分が孤独でなかったこと、そして自らの手で唯一の肉親を殺害したことを知る。驚愕した一瞬を突き、ラガーフェルドに反撃されるも、リーンベルに助けられる。 ラガーフェルドは倒れたが、引き換えにゼファーは強烈な自殺願望を抱くようになってしまう。しかし、リーンベルに叱咤され、励まされ、だんだんと「彼女を幸せにしてあげたい」と考えるようになっていく。屋上にて、彼女を幸せにしたら死のう、と口にするが直後にリーンベルに殴られた。なお、この際、発言を聞いたヴァシュロンが屋上から降りたすぐ後にリーンベルが登場しているため、彼が告げ口をしたと思われる。殴られた理由が「幸せにしたら(=プロポーズ発言)」と「死のう」のどちらであるかは不明。 リーンベルとの偽装結婚式でお互いの気持ちを知り、両思いに近い間柄となる。だがその幸せを打ち砕くように、リーンベルの命(クォーツ)がサリヴァンに握られていることを知る。だがサリヴァンはロエンに銃殺され、リーンベルの命ともいえるクォーツの所在を知る方法が潰されてしまう。サリヴァンは「私が死ねばリーンベルのクォーツは砕けるようになっている」と死の直前に語っていた。彼が倒れた今、ゼファーの憎悪はロエンへと向けられた。 ロエンと話がしたいというリーンベルを守るべく、ゼファーはバーゼルの中核である大聖堂に乗り込む決意をする。肌身離さず持っていた経典は持っていかず、ゼファーが手にしたのは運命を切り開くための拳銃だった。 ロエンとの最終決戦後、撃つのをためらうリーンベルに変わって彼を銃殺するが、その瞬間聖刻が発動。「自分と同じ」ロエンを殺すことができず、ラガーフェルドと同様の感情を抱くことになる。殺したい相手を殺すことができないゼファーは納得のいかない様子だったが、リーンベルに支えられて大聖堂を後にする。 隠しダンジョン「チョイポリス」の最深部にて、サリヴァンと対峙した際は冷徹な態度で挑むが、戦闘直前では不老不死の彼に対して「死ぬまで殺してやるよ!」と激情を爆発させていた。銃弾が尽きるまでの激戦となり、サリヴァンもまた肉体限界を超えて戦闘不能となる。去り際に「また会う時があるかもしれない」とサリヴァンに述べられ、返答してゼファーは「そのときは、きっちり殺してやるよ」と言い残した。 身分を越えて友達となったペーターが死んだ時は、さすがのゼファーも悲しんでいた。後に、彼の死因がクォーツの破損だと知り、リーンベルも同じように死ぬかもしれないと知った時はユリスにつかみかかり、「お前学者だろ!なんとかしろよ!」と食って掛かっていた。 普段は口数も少なく、陰気な態度が感じられるが戦闘では別人のように豹変する。敵を「遊び相手」「オモチャ」と呼んでおり、殺すことを「壊す」と言うなど、ややメンタルに異常が感じられる発言を出す。事実、わかりにくいが攻撃の際には狂笑を浮かべているシーンもある。 ヴァシュロンとの初戦では、空中移動しながら二挺マシンガンを乱射していたが、すべて見切られてしまっていた。爆発で生じた隙を突いてヴァシュロンの背後に回るが、飛び散ったガラス片にゼファーの姿が一瞬だけ映ったためかわされてしまった。当時は14〜15歳でありながら、戦闘に関して秀でた才能を見せており、今ではリーンベルから「すごいんだね」と素直に尊敬されている。 他作品では『PROJECT X ZONE』および『PROJECT X ZONE 2:BRAVE NEW WORLD』に登場。リーンベルと共に驚異的な跳躍力をネタにされている。 リーンベル(Reanbell) 声 - 遠藤綾 本作の「リーンベル編」の主人公。21歳(終盤で22歳になる)。「運命を克服する女」。ゼファー、ヴァシュロンと共に暮らしている新米PMFである女性。メイクや服装、髪の色を変えて変わろうとしている。デフォルメチックなブタ顔がプリントされたTシャツを好んで着ている。 成長率はHPもウェイトもフルスクラッチなどもメンバーの中では最低であり、序盤ではスクラッチダメージを与えるアタッカーよりもハンドガンでの削り役が向いている。ボディラインは貧弱(ガリジャーノン談)で胸は無く、服を着替える度に胸の大きさが変わるという事実がある。 戦闘スタイルは、師とも言えるヴァシュロンとゼファーの間を取ったような動きを披露する。正確に相手を狙いながらも動きは派手で、空中や着地した際に回転しながら攻撃する。ムービーでの銃の構え方がヴァシュロンと酷似しており、攻撃方法もゼファーのような荒々しさを見せることも。 ヴァシュロンたちと出会う前は悪戯好きで明るく、表情豊かな少女だった(今がそうではないと言うわけではないが、それに輪をかけて)。彼らと共に暮らすようになってからは、気の強い部分が育ち、助平なことを考えたヴァシュロンへ鳩尾への蹴りや裏拳を喰らわす、ゼファーの頭を思い切りフライパンで殴るなどの過激な行動をとる。同時に不安になると、とことん悲観的になってしまうという弱い部分も持つ。自分の貧乳を気にしているらしくヴァシュロンやガリジャーノンにそのことを指摘されると怒り出す。 基本的に笑顔を絶やさない前向きな性格で、少し危なっかしい所もあるが普通の女性である。悪戯好きな一面を持っており、過去に恩師であるユリスの顔に落書きしたりしていたことがあり、再会した後日も、しっかりと落書きしていた(顔に渦巻きとか書いている)。ただし保護者であるヴァシュロンにはそういうことはしておらず、まるで兄のように頼りにしている描写が多々ある。 ヴァシュロンから「おれより料理は上手くなってくれよ」といわれたことから、あまり料理は得意でない模様(そもそも過去の環境からして、する必要も余裕もない)。 その正体は「実験体20号」。ゼニスと人間の寿命に関する研究に他の19人の子供たちと共に実験体として利用されていた。やがて彼女は恩師のユリスによって連れ出されるが、ロエンによって見咎められ、ユリスだけが研究所へ残された。ユリスと引き離される際に、彼の手帳を拾い上げる。それを見たことで自分が20歳になったら死ぬ実験体だという真実を知った。 自分が20歳を迎える直前に飛び降り自殺を図り、その際にゼファーに救われる(この時、聖刻が現れたため生き延びる)。しかし、自分が死ぬ日であろう20年目の午前0時を告げる鐘が鳴っても自分が死んでいないことに気づき、前向きに生きることに決める。「変わること」を決心し、ヴァシュロン、ゼファーと共にPMFとして働くようになった。以後はヴァシュロンの元で居候として住み着く。しかし、内心では「自分は幸せになれない」と考えており、死ぬことを前提とした実験体だった過去を思い起こすことに恐怖を抱いている。 実験に使われた新生児は、バーゼル内の人間の寿命を司る結晶「クォーツ」との(新生児の死とクォーツの粉砕の関係を確かめる)照合のため、毎年一人ずつ死ぬよう設定され、新生児のクォーツは割れ続けたが、彼女の歳(二十年目)にクォーツが割れることはなかった。しかし、サリヴァンの欄に記載されているように、そのクォーツは既に何者かによってすり替えられていたものであり、本物の彼女のクォーツは「お医者のおじいちゃん」によって、後述の通り彼女自身の右手に埋め込まれていた。 自分たちが実験体であるにも関わらず、一人の人間として扱ってくれていた学者であるユリスを「先生」と呼び慕っていた。また、「お医者のおじいちゃん」なる人物から優しくされていたと、ゲルシーとの戦いで語っている。 やがて、ゼファーとヴァシュロンから勇気を得て、過去と向き合うようになる。実験体として育てられたに過ぎないが、自分たちに人間として接して切れた恩師ユリスを信じ、彼の元へ赴き、再会。そしてもうひとり、自分を研究所から外に出してくれた人物、ロエンに会うために大聖堂へと乗り込む決意を固める。復讐のためではなく、自分を生きるためである。 エンディングでは、ゼファーとヴァシュロンのいる日常こそが幸せだと気づき、大草原にて太陽を見上げる。その掌に宿るクォーツが陽光を受けて輝き、リーンベルの瞳を青くきらめかせていた(このことからリーンベルのクォーツは彼女の掌に埋め込まれていることがわかる)。 その他『PROJECT X ZONE』および『PROJECT X ZONE2』にも登場。やたらとメイクにこだわっており、待ち合わせに遅刻したり、戦闘中にも気にしていたため「後にしろ」と怒られている。『ファンタシースターNOVA』にも登場しており、主人公が乗る戦艦に一緒にコールドスリープされていた。イベントをこなすことでパーティに加入する。そちらではヴァシュロンとゼファーを探している。 ヴァシュロン(Vashyron) 声 - 成田剣 本作の「ヴァシュロン編」の主人公。26歳。「運命を受け入れた男」。意外と三枚目の悪役顔な男性。自他共に認める歴戦の猛者で、報酬と引き替えに様々な依頼を請け負うPMFを生業とする。その実力は、単身でカーディナル・ジャンポーレ率いるアーミーの一隊と互角以上に戦えるほど。 HPが高いため前線で敵をひきつける役割に徹しており、またウェイトの上昇もメンバーで一番高め。成長率はパーティー随一。パーティーから外れる機会がなく、終盤では一人で戦うシナリオもあるので育てておいて損のないキャラクター(終盤付近で一度だけ外れるがその最中は戦闘が発生しない)。 ゼファーとリーンベルの保護者的な立ち位置にあり、3人の中で最も強いとされている。リーンベルには「私とゼファーでヴァシュロンに敵うわけないじゃない」と言われたが、ロエンからすれば彼も子供と同じである(設定資料より)。即ち一騎討ちでラガーフェルドを倒したゼファーよりも強く、彼がヴァシュロンを誤射した際には「これ以上やったらあいつ、マジギレするな……」と怒らせることを気にかけている台詞が出たり、ゼファーに対して「俺は野獣を繋ぐ鎖を持っている」と発言するなど。 リーダー的な存在のため、依頼や交渉などは大抵は彼を通して行われる。二人を引き取る前はそこそこ広い住居で一人暮らしだったが、現在では寝室にしていた部屋を二人に取られたためリビングのソファーで寝ている(ソファーで休むことが可能)。 強豪カーディナルすらも打ち破るほどの実力者故に、生きた伝説とも言える男だが、そうとは思えないほど自分に素直な性格で、助平で金銭欲が強く、小賢しい一面を持つ。 リーンベルにセクハラ的な発言をしたり、彼女を模した銅像のスカートの中に興味を示し、覗こうとした。他には、グラマラスなカーディナル・バーバレラの巨乳とリーンベルのささやかな胸(ヴァシュロンの脳内発言曰くバーバレラが「たわわなブドウ」に対しリーンベルは「枯れた土地」、英語版では「レーズン」)を見比べるなど(どちらもリーンベルから手痛い反撃を受けている)。ほか、バーバレラから「倉庫のワインを取ってきて欲しい」というの引き受け、倉庫に足を踏み入れた際に安物と高級ワインを発見。ラベルを張り替えてバーバレラには安物を、高級ワインは自分たちで飲もうと提案し、実行した(即バレしてその分、報酬が引かれてしまったためゼファーに怒られた)。 序盤でリーンベルから「ヴァシュロンにはお金が全てなんでしょう?」と言われるほど金に思考が左右されるタイプ。カーディナル・ジャンポーレの結婚式の妨害を依頼され(依頼人はジャンポーレの恋人の元カレ・シマーノ)、かつての依頼人であり有権者を敵に回すことも恐れず単身でスクエアガーデンに乗り込んでいった。 しかし、ゼファーとリーンベルが結婚式の護衛を任されており、ヴァシュロンは向こうの方が報酬がいいという理由で「俺はお前たちに負けたということにしよう」とあっさりと依頼を破棄した。その際、リーンベルから「プライドとかねえのかよ」とグレた口調で非難されたが、彼は即座に「ない」と返答している。 ほか、ペーターの管理下にある都市ペーティリアに乗り込む際、ためらわず番兵を叩き伏せたためゼファーも驚いた様子だった。 ガリジャーノンに美で勝負すべくリーンベルの顔に大きな花のフェイスペイントを施したり、住居の装飾に古い道路標識や看板があったり、風呂場のセクシーなドアプレートを自作していたりと、絵は上手いが美的センスは少々独特の模様(最初はガリジャーノンのセンスを否定していたが、後に彼の話を聞き本当に感心する。ただし決戦の際には現実から目を背ける彼の美意識を否定している)。 数年前までは元はカーディナルに所属する軍人(アーミー)の一員で、ビクトー隊長の部下だった。アントリオンの依頼で仲間とともにルキアの調査に赴くが、怪物(レベッカ)と遭遇。激戦を繰り広げ、部隊は壊滅状態に陥る。ビクトーは死に、そしてヴァシュロンもレベッカの追撃を受けて胸を貫かれてしまうが、同時に「聖刻」が彼女の身体に刻まれ、その時の衝撃で互いに相打ちとなる。サリヴァンに助けられ(素顔は描写されていないが、どうみてもサリヴァン)軍隊をやめてPMFとなった。ただ、なぜ自分が生きて帰れたのかはよく覚えていない。また軍隊を辞めた真意も不明。 後にアントリオンから再度依頼を受け、ヴァシュロンはルキアにて避けていた過去と向き合い、聖刻がどこに刻まれたのか、なぜ自分はあの激戦の中で生還できたのかをはっきりと思い出す。 よくゼファーをからかったり、リーンベルのことを「ちんべるちゃん」と呼んだりと、2人を子ども扱いしている節がある。しかし、ゼファーが決断を迫られた時には口出しをせず黙視し、彼自身に歩むべき道を決めさせていた。ただし、ゼファーが「リーンベルを幸せにしたら死のうかな」と口にした時には、リーンベルに告げ口して叱らせた様子。 金で敵味方関係なく動くヴァシュロンだが、仲間であるリーンベルのクォーツをサリヴァンから取り戻す時、そして彼女の付き添いとしてロエンのもとへ殴り込む際は「たまにはタダ働きもいいか」と損得を度外視し、情に動かされていた。師ビクトーの遺言である「肩を並べてこそ信用に足る。それができなきゃ足手まといだ」ということを忠実に守り、決してリーンベルを見捨てなかった。かつてない激戦の予感にヴァシュロンもどこか真剣な様子を1人見せていた。 戦闘では軍隊長ビクトー仕込の技を披露する。銃を両手で抱えて無駄なく駆け抜け、前転から飛び跳ねての銃撃や、堂々と直進しながらの銃弾を放つ。グレネードや火炎瓶をボールのように蹴り飛ばして標的にぶち込む。コミックス版ではグレネードによる攻撃が主体となっており、イラストでもそれを片手にしている。高い実力者として描かれており、気配を消して潜んでいた人物のことに唯一勘付いていた。 ゼファーとの初戦では二挺マシンガンの銃撃を紙一重でかわしながら蹴りを打ち込んだり、拳銃を手渡して気を取られた瞬間に間合いを詰め、一度渡した銃を奪って口内に突っ込むという技巧を見せた。なお、確実に殺す時は「脳幹に二発だ」ということにしており、ゼファーに対してもそうしていた。ゼファーいわく「地味な技ばっかじゃん!」。 早撃ちの速度も相当なもので、リーンベルの背中に銃口を向けたロエンに対し、即座に彼の足元を撃って「今更背中に銃を向けるのか?お前のやり方はフェアじゃない」と威嚇していた。その言葉はヴァシュロン自身にも当てはまっており、戦闘の際には「背中を撃つ趣味はない」と言う。 体術に関しても相当な実力者で、サリヴァンを刺殺しようと飛び掛ったゼファーを、それ以上の速度で追い越し、一瞬で腕を捕らえて押さえつけている。 ゲルシーとの戦いでは先に銃を抜かれているが、ヴァシュロンもゼファーも動揺した素振りはなく、銃口を向けられても余裕を見せていた。対照にリーンベルは慌てて銃を構えていた。 その戦いぶりは、元軍人ゲルシーから「ビクトーの面影が見える」と言われたほど。恩師ビクトーに対して敬意を払っているが、飽くまで「俺は俺だよ」とゲルシーの言葉を否定している。 ビクトーの妻であるテレサに対しては誰よりも敬意を払っているが、ビクトーや仲間たちを死に至らしめるきっかけとなったアントリオンには悪態をついている。しかし、大聖堂で彼が立ちはだかった時には「あんたと戦う理由はない」と述べており、ビクトーの死を理由にアントリオンを討つつもりはないと語っている。アントリオンから「ビクトーもテレサも、そしてこの私もお前が好きなのだ。何者にも縛られぬその生き方が!だからヴァシュロン、お前だけは私の手で倒さねばならぬ!」と胸のうちを明かされ、ヴァシュロンは最後まで戦うことを告げた。 最後の戦いの際、戦う気のないリーンベルの背中に拳銃を突きつけたロエンに「あんたの行動はフェアじゃない」と言うが、この台詞はたった一人でヴァシュロンたちと戦うつもりだったロエンにアントリオンが言った言葉でもある。このことからビクトーだけではなく、しっかりとアントリオンの影響も受けていることがわかる。 その他『PROJECT X ZONE』および『PROJECT X ZONE2』にも登場。こちらでは女性陣を積極的にナンパしたりと本作では見られなかった一面が垣間見られる。性格も相変わらずで、そのスケベさで本来ならクールなキャラクターたちをツッコミ役に変貌させている。
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