『スペクトルマン』時代(第40話 - 第63話)
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「スペクトルマン」の記事における「『スペクトルマン』時代(第40話 - 第63話)」の解説
ガス怪獣 メタノドン 第40話・第41話登場。 ゴリが、食用ガエルを改造して作り上げた怪獣。首の周りに襟巻きが付いていて、これで敵を威嚇する。箱根付近の沼に潜んでいたが、沼に落ちた健二少年を助けたことから、彼と友達になる。健二の吹く草笛に反応し、その曲に応じて踊ったり、大人しくなったりする。怪獣Gメンの攻撃を危惧した健二の指示で沼を離れ、人気のない場所に身を隠した。デザインは高山良策が担当。 溶岩怪獣 マグマザウルス 第40話・第41話登場。 メタノドンが健二少年と仲良くなったことにたまりかねたゴリが、地底から出撃させた怪獣。武器は口から出す火山弾。頑丈でスライスも効かない。戦いの第1ラウンドでスペクトルマンを疲労させ、譲二に戻らせるも、譲二が傍らの火薬庫を爆破させたため地底に逃れる。その後富士火山帯に火を着けて同火山帯の火山を次々と噴火させ、再出撃するが、メタノドンに邪魔された挙句、共倒れとなった。着ぐるみはゼロンの改造。 太陽マスク 第42話・第43話登場。 ラーの変装。毎日勉強着けにされる子供の心を利用し怪獣を作るべく、石田五郎少年(演:高野浩幸)とその親友を呼び出し、「子供たちの味方」と騙してテングドンやカバゴンを作らせる。だがカバゴンを改造中に、五郎たちがカバゴンが学校を壊して満足だったこととカバゴンを操るには脳に苦痛を伴うため再度の協力を拒否され、激怒して本性を現した。 幻想怪獣 テングドン 第42話登場。 太陽マスクに騙された五郎たちが、自由を奪った大人たちへの恨みを晴らそうと、怨念を電磁波に変えて作り上げた怪獣。武器は手に持つ団扇で、学習塾を破壊して暴れた。電磁波なので実態が無く、瞬間移動が可能。 先生怪獣 カバゴン 第42話・第43話登場。 再度五郎たちを利用し、五郎たちに「分子分解装置」を与え、担任の阿部先生(演:阿部進)を変貌させた怪獣。顔と胴体に口が有る。学校を破壊して暴れるが、スペクトルマンが装置を壊したため撤退。ゴリによりダムの湖底で100万Vの電流を与えられ強化された。ゴリの命令により、言うことを聞かない五郎たちの脳からイメージを奪って廃人化した後に再出撃する。体から電流を放射しているためにスペクトルマンも近づけなかったが、スペクトルマンにより高圧電線に触れさせられ、体内に電流がスパークし元の阿部先生に戻った。その後Gメンに救出され、阿部先生と、廃人と化していた五郎たちは共に病院送りとなった。「カバゴン」という名は、阿部先生役の阿部進のニックネームに由来する。 宇宙吸血鬼 キュドラー 第44話・第45話登場。 宇宙の凶悪な犯罪者で、宇宙を逃走中バル遊星人の攻撃で宇宙船を失い、地球に来た。白髪の紳士に化けて蓼科に住み、夜な夜な女性の生き血を吸っていた。最後はバル遊星人の呪文によって、彼が造った十字架に阻まれ、串刺しになった。 宇宙警察パトロールGメン パル遊星人 第44話・第45話登場。 キュドラーを追って地球にやって来たが、顔が醜いので譲二に結託を依頼、だが地球の汚染された大気のため長生き出来ず、命を賭けて十字架を造ると、譲二に渡して絶命した。 なおこの44話と45話には、ゴリとラーは全く登場しない。 宇宙両生類 ガマ星人 第46話・第47話登場。 ヌマ星に住むカエルのような宇宙人でゴリの配下。ゴリの手引きで地球に現れると、Gメンの一員である加賀の故郷である里見村の村人の一部を殺害し、村人に化けていた。そしてゴリの命令で東京に送り込まれ、ガマガエルを怪獣化させて攻撃しようと企んだ。変身後は上から見ると正体が分かるのが欠点。首領格のガマ星人の声は飯塚昭三で、これが声優として初の特撮作品である。 デザインは高山良策が担当。造形物は頭部のみが10体分用意された。 ガマガエル怪獣 第46話・第47話登場。 ゴリの配下として暴れる怪獣。劇中では2匹登場、1匹目は加賀・柳田・譲二がガマ星人たちを攻撃中、その1匹が誤って怪獣化するが、フラッシュに破れも、譲二は一時過労状態となる。2匹目はGメンと防衛隊が里見村に現れたため、全ガマ星人とガマガエルを孵化装置で合成し誕生、力が戻らないスペクトルマンを襲うが、塩分が弱点だということを見抜かれ、海に沈められて死滅した。2匹は、全く同一の着ぐるみを使用している。 巨大犬怪獣 ボビー 第48話登場。 大脳生理学の権威・堂本博士(演:有馬昌彦)によって、IQを増進する「IQPS」という薬剤を手術で投与された犬のボビーが、怪獣化したもの。当初は、因数分解も理解できる天才犬として話題になっていた犬だったが、手術にはゴリの細工が加えられていた。ボビーは次第に凶暴化していき生肉を食べるようになり、さらに人間を襲って脳髄をむさぼるようになった。そして遂に、巨大化して怪獣へと変貌してしまった。 巨大化後のボビーは、頭に2本の角が生え、爪が鋭くなった。黒かった体毛も、体質が変化したせいか茶色になっている。性格は大変凶暴であるのだが、時折尻尾を振る仕草も見せる。 ボビーを弟のように可愛がっていた三吉青年は、ボビーを殺さないでくれとスペクトルマンにすがり付くが、願いも空しくスペクトルマンとボビーとの対決となる。噛み付き攻撃で応戦するボビーに、スペクトルマンはネヴィラスライスを繰り出し、その両腕を切断。投げ技で留めを刺した。 天才怪獣 ノーマン 第49話登場。 頭が良くなりたいと願う三吉青年(演:鶴田忍)が、堂本博士のIQを高める手術を受け、突然変異で怪獣化した姿がノーマンである。三吉は「7+8」の計算もままならない状態だったが、手術によって大天才となった。しかし、この手術にはボビーの時と同様の手が加えられており、怪獣の姿へ変貌するようになる。しかし、怪獣化は一時的なもので翌日には三吉の姿にもどる。 そのため、怪獣になってしまうことに苦悩し再度の怪獣化を防ぐ研究を始める。そして、蒲生の正体がスペクトルマンであることを見抜いていた三吉は、「また怪獣化してしまった時は殺してくれ」と頼む。 ノーマンの頭部は人間の脳そのものであり、色も紫と緑の斑模様で、グロテスクな造形となっている。体は白く、牙と、両手両足の爪が非常に鋭い。この牙と爪で人間を襲い、脳髄を貪る。 三吉の心はノーマンに支配され、全人類を廃人にするゲラニウム爆弾を完成させる。そして、三吉の抵抗も空しく巨大化、爆弾を手に暴れ回る。しかし、わずかに残っていた人間の心で爆弾の使用を阻止し、正体が三吉だと知っているため躊躇するスペクトルマンに「殺してくれ。人間として死にたいんだ」と懇願した。最後は、すれ違いざまのネヴィラスライスで斬られ、絶命する。その後、亡骸はボビーの隣の墓に埋葬された。第48話・第49話の前後編は、SF小説『アルジャーノンに花束を』の翻案である。プロデューサーの篠原茂は、フジテレビの別所孝治からの提案であったと証言している。脚本を執筆した山崎晴哉は、別所から『アルジャーノンに花束を』の小説を渡され、『アルジャーノンに花束を』を参考にして執筆したと証言している。 デザインは高山良策が担当。人間大でノーマンに変わる場面では三吉役の鶴田忍が着ぐるみの頭部を被って演じている。 宇宙の破壊者 イゴール星人 第50、51話登場。 ゴリの手引きで地球に来た宇宙人。廃坑の町・福岡県秋山町に現れ、秋山町の地下に存在するコバルトを採掘し、ブラックドラゴンに搭載させた。 ロボット怪獣 ブラックドラゴン 第50話・第51話登場。 イゴール星人の怪獣ロボット。地球を破壊すべく秋山町に出没し、にせスペクトルマンと戦う振りをして起爆装置を手に入れる。そして倒された振りをして地底に潜り、大量のコバルトを搭載して5分後に自爆させ、地球を破壊しようとしたが、スペクトルマンのビッグバックルで首を切られ、怪獣Gメンによって起爆装置は外された。 にせスペクトルマン 第50話・第51話登場。 イゴール星人のロケットをスペクトルマンに似せて改造したロボット。フラッシュやバックルといった本物と同じ武器を使用できる他、独自の武器として目からの催眠光線が有り、これでしげる少年以外の秋山町の住民を操って拉致した(住民はその後Gメンに開放)。やがてコバルトを搭載したブラックドラゴンが再出撃すると、自分も再出撃し、本物のスペクトルマンと戦い善戦するも、最後はスペクトルフラッシュで撃破された。着ぐるみは、第50話は本物のスペクトルマンの着ぐるみを流用(この回は本物は登場しないため)、そして第51話は、第33話まで使われた体色が茶系統の物(第34話以降は黒系統)を使用している。 原始怪獣 マウントドラゴン 第52話登場。 鈴鹿山中に出現。 麻酔で眠らされ、研究のためにトレーラーに載せられて東京に運ばれることに。途中休憩のため立ち寄った長島温泉で麻酔が醒めかけ、太田を飲み込んでしまう。当初は東名経由で東京へ向かうはずだったが鳥人の妨害でルート変更を余儀なくされ長野へ向かう。麻酔の補給のため長野支部へ到着したところに鳥人からエネルギーを注入され暴れ出す。スペクトルエースによって動きを止められ、スペクトルマンによって太田も体内から救出された。その後、再度東京へ運ばれるがスペクトルエースをあびていたため死亡。トレーラーでの運搬シーンは、車輌の荷台に実物大の張りぼてを乗せて岐阜市から松本市を実際に移動し撮影された。この撮影は、当時系列局が少なかったフジテレビの地方開拓も兼ねた企画であった。撮影にあたっては道路交通法上の問題があったが、プロデューサーの篠原茂が繋がりのあった俳優の芦田伸介を通じて自民党の議員を動かし実現に至った。撮影終了後、ロケーション先の遊園地の社長から撮影に使用した張りぼてを譲渡してほしいとオファーがあったが、うしおそうじは、譲渡後の破損などのトラブルを懸念して断っている。 暗黒星雲バンドの鳥人 ゴリの指令により、マウントドラゴンを目覚めさせるため上空にて機会をうかがう。マウントドラゴンを載せたトレーラーが長野支部へ到着したところにエネルギーを注入する。その後の行動は不明。 コンピューター怪獣 第53話・第54話登場。 M27番β星から地球にやって来た怪獣。母星へ帰るべく犬山村の地下でエネルギーを充填し、ゴリに保護された代わりにスペクトルマンを倒して、スペクトルマンのエネルギーも奪おうとした。目からのシグマX光線と巨大なアームが武器で、アームの衝撃力は戦いの第1ラウンドでスペクトルマンを記憶喪失にしたほど。その後、高倉健一(演:新井康弘)と高倉のり子(演:宮崎加代)の叫び声で記憶を取り戻したスペクトルマンと再び戦うが、母星が彗星との衝突で既に壊滅したと知ると、シグマX光線をのり子に浴びせて視力を回復させ、絶命した。造形物は、高山が制作した個人作品「かなぶんおやぶん」を撮影用に借り受けたもの。 枯れ草玉怪人 草人間 第53話・第54話登場。 コンピューター怪獣やゴリの手先として戦う戦闘員。犬山村を占領し、逃げようとする村民は皆殺しにし、高倉兄妹の両親も殺して、のり子の視力も奪った。枯れ草の玉に変形して移動する。 合成怪獣 巨大草人間 第53話登場。 草人間が合体した怪獣。蔓を伸ばして攻撃し、枯れ草の玉に変形して攻撃する他、その球から火を出して、火の玉になって攻撃する。最後は火を消され、スペクトルフラッシュで撃破される。着ぐるみの全身には、ホンコンフラワーがあしらわれている。 宇宙の暗殺者 キラー星人 第55話・第56話登場。 マーダラー三兄弟と共に地球に来た、悪辣非道な宇宙殺し屋。マーダラーやゴリの命令に従い、八坂村の村民を殺害する。最後はスペクトルマンと流星仮面によって、マーダラーと共に全滅。 夜の帝王 マーダラー三兄弟 第55話・第56話登場。 キラー星人の幹部的兄弟宇宙人。全員緑色の体をしており、首領格の長男は顔が茶色。かつて父がスペクトルマンに殺されたことが有り、その仇討ちと地球に現れ、さらにゴリの入れ知恵で流星仮面とスペクトルマンを戦わせ、止めを自らが刺そうとした。その一環としてGメンを人質に取るが、それに怒った流星仮面とスペクトルマンに倒された。 宇宙の一匹狼 流星仮面 第55話・第56話登場。 キラー星人やマーダラーの並ぶ宇宙の殺し屋だが、マーダラーたちとは正反対に卑怯なことは嫌う。スペクトルマンと戦うために地球に現れ、その矢先にマーダラーに襲われた始少年(阿部仁志)を助けたために始に慕われる。その後キラー星人やマーダラーをスペクトルマンと共に全滅させると、スペクトルマンと1対1の対決を行い、武器の流星フラッシュが外れたのに対し、自らはスペクトルフラッシュを浴びて倒された。だが外したのはわざとであることが判明するが、わざと外した理由は不明。悪人でありながら「執拗にヒーローと戦う」「卑怯なことはしない」という設定は、次作『快傑ライオン丸』のタイガージョーに受け継がれる。 宇宙の魔女 グレートサタン 第57話・第58話登場。演:三浦真弓。 サタン星の魔女。杖からの魔力と目からのビームが武器。かつて宇宙警察に捕まり、「一万年の眠りの刑」を受けて地球の洞窟に追放されるが、考古学者・影山博士(演:奥野匡)が偶然見つけ、「リサ」として育てるも、魔女と知って鉄格子の部屋に監禁した。やがて影山家の近所に来た青年画家・朝永(演:森烈)が魔女とも知らずに一目惚れし、譲二と共に開放するが、そこへ現れたサタン星人によって、朝永・譲二の前で魔女として復活、自分を監禁した影山博士を抹殺し、スペクトルマンと戦ったが、崖から転落してあっけなく死亡、その後を追って朝永も身投げした。 まぼろし宇宙人 サタン星人 まぼろし怪獣 ゴルダ 第57話・第58話登場。 グレートサタンの用心棒的怪獣。グレートサタンの杖からの光線から現れる。武器は2本の角からのビームと背中の燐粉。さらに体内には猛毒が有り、噛まれた者は必ず死ぬと言われ、スペクトルマンも第1ラウンドで噛まれるが、譲二に戻ると川の水で毒を洗い流して難を逃れた。第2ラウンドではグレートサタンが転落死すると急激にパワーが低下し、ビッグバックルとスペクトルフラッシュの2段攻撃で撃破された。設定では杖が怪獣に変化したとされる。 兇悪宇宙人 ジェノス星人 第59話・第60話登場。 死んだ人間を凶悪な殺人鬼として蘇生させる悪魔の薬を使って殺人鬼を次々と作り出し、人類皆殺しをたくらむ宇宙人。霊柩車に乗って移動する。 殺人鬼軍団 第59話・第60話登場。 ジェノス星人の悪魔の薬によって凶悪な殺人鬼として甦った死人たち。ジェノス星人の意のままに操られ、ナイフやマシンガンなどの凶器を使って殺戮を行う。全員「ジェノサイド」という合言葉を発する。 人殺し怪獣 ドクロン 第59話・第60話登場。 死体を集めて生み出された凶悪な怪獣で、スペクトルマンの力を逆用して自分の力にして優位な戦いを展開する。本話を執筆した高久進は、『悪魔くん』に同名キャラクターがいたことを意識せずにネーミングを流用したと証言している。 奴隷宇宙人 ミゲル星人 第61話登場。 奴隷からの解放を条件にゴリの手先になり、遊園地を本拠地として地球侵略を開始する。その手始めとして遊園地に遊びに来た子供たちを怪獣変身機によって、次々に怪獣に変えていく。 チビッコ怪獣 キートット 第61話登場。 遊園地に遊びに来ていたユキオ少年(演:松原和仁)が、ミゲル星人の手によって怪獣変身機で変身させられた怪獣。怪力の持ち主で岩をも軽々と待ち上げ、時速60キロで空を飛ぶことができる。怪獣ショーに紛れ込んで怪獣Gメンのメンバー抹殺を命令されるが、少年の心が残っていたために母親の説得で自我を取り戻し、最後は怪獣変身機の逆利用によって元の姿に戻ることができた。本編では一度も呼称されなかったが、次回予告ではナレーターによって名前を言われている。 再生スモッグ怪獣 モッグス2 第62話登場。 デサイトマンを作っている最中にスペクトルマンが現れたため、時間稼ぎとスペクトルマンがフラッシュを放つ秒数(2.5秒)の確認のために基地内に保管されていた怪獣の中から出撃した。性能は再生前と同じ。 基地内には、他にもボビーやゴルダが保管されていた。 サイボーグ怪獣 デサイトマン 第62話・第63話登場。 ゴリが作り上げた、怪獣の決定版というべきサイボーグ。スペクトルフラッシュに対抗するためにボクシングの世界チャンピオン・ピストン木戸口(演:根岸一正)の脊髄を身体に埋め込まれ、素早く強烈なパンチを繰り出す。 スペクトルフラッシュと同様の光線を放つことができ、スペクトルマンとの対戦で同時にフラッシュを放つが、スペクトルマンがジャンプし回転しながらフラッシュを放ったためフラッシュに勢いがつき(ゴリ談)、0.1秒早く攻撃を受けてしまい倒される。
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