『スペイン国境での王女の交換』
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「マリー・ド・メディシスの生涯」の記事における「『スペイン国境での王女の交換』」の解説
『スペイン国境での王女の交換』は、1615年11月9日にマリーの息子ルイ13世とスペイン王女アナ、娘エリザベートとスペイン王太子フェリペとの間で挙行された二重結婚が描かれている。フランスとスペインは互いに若き王女を嫁がせた。介添えしているのはおそらく結婚の神ヒュメナイオスである。王女たちの頭上では2人のプットが婚姻のたいまつを振りかざし、西風の神ウェンティが春を告げる暖かい風とバラの花びらを振りまいている。「国民の幸福 (Felicitas Publica)」を擬人化した神が、豊穣の象徴であるヤギの角から王女たちに黄金のシャワーを浴びせ、その周囲では蝶の羽をもったプットが輪になって飛び交っている。画面下部には河神と海神たちが2人の花嫁に祝意を捧げている。河神は壺に右腕を預け、真珠の宝冠を被ったネレイスが花嫁たちに真珠の飾り紐と珊瑚を婚礼の贈り物として差し出し、トリトンが婚礼を祝福してほら貝を吹いている。 この二重結婚はフランスとスペインの関係強化を意図した政略結婚であり、フランスとスペインの国境を流れるビダソア川の浮島で行われた。互いに右手で握手する2人の王女を、擬人化されたフランス王国とスペイン帝国が介添えしている。画面左側のスペインのヘルメットには、その象徴であるライオンの飾りがあり、右側のフランスはフランスの紋章であるフルール・ド・リスが刺繍された衣服を身にまとっている。当時スペイン王女アンは当時14歳で、フランス王女エリザベートは12歳だった。故国スペインに別れを告げるかのようなためらいを見せるアンに、擬人化されたフランスが優しく左手を差し伸べている。擬人化されたスペインも、エリザベートに左腕を差し伸べている。
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