『スペクテイター』の登場人物
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「スペクテイター (1711年創刊の定期刊行物)」の記事における「『スペクテイター』の登場人物」の解説
『スペクテイター』で用いられた特徴的な表現の一つは、架空の解説者であるミスター・スペクテイターが登場することである。本紙の第一号は彼の生い立ちの説明にあてられている。ミスター・スペクテイターは寡黙な性格で、主に顔の表情によって意志疎通を図ろうとする。彼はその謙虚な人柄を以って社会を広く駆け回り、「スペクテイター(観測者)」としての使命を全うする。彼はロンドン市民たちの習慣、癖、そして無作法について意見を述べる。また自身について、文章における饒舌さと日頃の寡黙さを対比させた皮肉を述べている。 『スペクテイター』の第二号では、ミスター・スペクテイターの近しい友人からなる「スペクテイター・クラブ」のメンバーが紹介されている。筆者たちは同クラブの人物たちを脇役として登場させることで、実社会における場面やエピソードを描写した。人々が社会的立場に応じて持っているエートス(習性、特徴)を表現するために、クラブのメンバーたちは様々な地位、職業の者が登場する。もっとも有名なキャラクターはサー・ロジャー・ド・カヴァーリーであり、彼はアン女王統治下の英国の郷士である。彼は田舎の紳士の伝統的な価値観を体現し、愛嬌がありながらもどこか間抜けな人物として描写され、彼のトーリー党的な思想を無害で馬鹿らしいものに見せている。ウィル・ハニカムは放蕩者で、「通常男性が女性を楽しませる、その種の会話の準備が、いつでもできている」(第二号より)。『スペクテイター』廃刊直前で彼は結婚し、その際に改心している。クラブには他にも、商人であるアンドリュー・フリーポートや、将校や聖職者も所属している。
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