県立久勢北中学校
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「P2! - let's Play Pingpong! -」の記事における「県立久勢北中学校」の解説
前年の中学卓球県大会で、県下で無類の強さを誇り『覇王』と呼ばれていた王華学園を、当時まだ2年生以下だったメンバーで破り、優勝を果たした学校。それ以来、優勝の立役者となった岩熊・遊部・川末の3人は『破王』と呼ばれている。しかし、去年は部長であった岩熊の腕の怪我を理由に全国大会出場を辞退。今年は万全の状態での全国大会進出を目指している。 藍川 ヒロム(あいかわ ヒロム) 右・シェークハンド前陣異質攻撃型 主人公。県立久勢北中学校の1年生。容姿は、本人は「渋い」と呼ばれたがるのだが、「かわいい」と皆に言われてしまうショタタイプ(「小さい」と言われるのはかまわないらしい)。肉食で歓迎会のときも肉ばっかり食べていたがその割には背は伸びておらず、この当時の身長は蒔絵の半分位しかない。髪の毛が常にはねており、野球帽を被っていても髪の毛がはねていた。卓球部に入る以前は乙女や前園と共に少年野球チーム「美凪ワルキューレ」に在籍していたが、6連続失策をするほどの実力不足でチームから外れる。50m走が12秒3、体力診断の結果がオールE、カナヅチで泳げない、野球で思い切りバットを振ってもピッチャーゴロになるなど、極度の運動オンチ(運痴)。運動が出来ない代わりに絵を描く才能はあり、スポーツの絵を描くのが好きであるが、後述のずば抜けた動体視力のせいか躍動感のある絵が描けないでいた。負けず嫌いだが諦めが早い性格と運動オンチのため、スポーツをすることは諦めかけていたが、幼馴染みの乙女の助言をきっかけに運動部入部を決意する。運動部入部試験を12連続で不合格になった後、たどりついた卓球場での川末の姿に憧れ、卓球部への入部を希望して認められる。いまだ卓球の才能はほとんど開花していないが、根性だけは誰にも負けない(そのため、倒れるまで皆と走り続けたこともあった)。そして岩熊が過剰な練習の末に選手生命を絶ってしまったにもかかわらず、岩熊の強さにあこがれ、進んで激しい練習を望む。その誠意に押される形で蒔絵は卓球部コーチ再任を決意する。また川末へのあこがれから、体格面のハンデにもかかわらずカットマンになりたがっていた。しかし、サシャとの実力差に愕然とし、晶のアドバイスもあって自分に合うと言われた前陣異質攻撃型となり、蒔絵の教えた戦術を利用して地区予選で前園を相手に初勝利を納める。 シャワー室でアキラの裸を「見た」のに女の子と気付かないなどぼーっとしていることが多いが、実は相手がスマッシュする時のラケット面を正確に捉えられるほどの優れた動体視力の持ち主。また神経衰弱を早々に勝ち抜けたり、晶のブローチが少し前に見た写真に写っていた盾のリボンであると分かるほどの記憶力の持ち主でもある。表面がデコボコした卓球台でのレシーブ練習により、肩甲骨打法を習得し、岩熊のようなライジング打法ができるようになってきた。川末晶曰く兄(涼)より強くなるとのこと。ちなみに彼の持つ「スマッシュする時のラケット面を正確に捉えられる才能」に気づいているのはごく僅か(久勢北でも1人、王華でも晶だけ。150/hに達する柊のスマッシュも一度返したことがある)。また、この才能を持っていることをサシャに話したが、全ては判っていない様子。 最終回では日本屈指のプレイヤーとなっており、3年間の間に秀鳳の高槻、月代の藤山、元王華ドイツ校エース、ハインリヒ=フォンローゼンベルク(エリスの兄)を倒した。 モデルとなった人物は特にいないらしい。作者はヒロム本人に関し「僕の夢と希望が詰まったキャラ…にしては弱いですね。」とコメントしている。 早乙女 乙女(さおとめ おとめ) ヒロイン。県立久勢北中学校の1年生。職業:いじめっ娘。水泳部に所属。ヒロムとは幼馴染でよき理解者であり、ヒロムを(表向きは)いつも守っている。ヒロムのスポーツをしたいという思い、そして負けず嫌いな本質を見抜いており、「負けず嫌いはスポーツに向いている」という彼女の言葉が、ヒロムに運動部への入部を決意させた。ヒロムと異なり運動神経はよく、小学生の頃に「美凪ワルキューレ」の4番ピッチャーでもあった。父親が来ていた試合で大敗しエラーを連発したヒロムを泣きながら責めたが、後に考えを改めてヒロムに付きまとうようになる。強気な性格だが、それが原因で墓穴を掘ることもある。ヒロムの行動を常に観察し、それをインターネットのブログ『週刊少年ヒロム(旧OTOMEブログ)』で公開する事でアフィリエイトにより小遣い稼ぎをしている。王華との試合にもギャラリーの中にこっそり潜入するなど観察行動は徹底している。新入生歓迎会では、遊部の口車に乗って12歳とは思えないスタイルのバニーガール姿を披露した。ヒロムにトキメキらしいが真相は不明。父親と高級レストランで食事するシーンが描かれている。また、父親は非常に厳格な人物である様子。 最終回では、ヒロムに黙って留学していたらしく、ヒロムの応援のため一時帰国していた。身長は高1で168cm。 彼女のモデルとなった女の子がいるらしいが、詳細は不明。 岩熊 鉄男(いわくま てつお) 右・シェークハンド前陣速攻型 県立久勢北中学校の3年生。久勢北中学卓球部主将。2年前まで弱小だったどころか廃部寸前だった久勢北中学卓球部を、一躍卓球の強豪校に変えた立役者。去年、覇王・王華を破った「破王」の1人。ヒロムの入部当時は負傷のため部活に出てきておらず、1年の歓迎会後に合流した。卓球部復帰のおりには、なぜか本物そっくりな熊の着ぐるみを着て登場し、1年生を驚かせた。人の話をあまり聞かないで勝手に物事を進めがち(そのため早乙女のことをマネージャーだと勘違いしている)。 生まれつき速筋の割合が多く、巨体とは裏腹に俊敏な動きで相手の球をライジングで打ち返すプレースタイル。卓球は『気合』というのが持論。また、卓球を始めた理由はリトルリーグの先輩からの誘いである。その後、手違いで組まれた練習試合で王華学園の相馬光樹に完敗し、他の部員も部を去ったが、当時1年生だった川末らを部に誘い、王華へのリベンジの為に蒔絵に教えられた3年分の練習カリキュラムを1年で終わらせるほどの猛練習をひたすら積んだ。しかしその過剰な練習が祟って肘に重大な故障をかかえ、選手生命を絶たれてしまう(だが、他の部員に対しては自分の怪我よりも新歓コンパを大事にしており、それより大事なことはないといった軽口もたたいていた)。その後ケガは回復した模様(高3までに肘を三度潰して三度復活した。そのため遊部は「本当に人間か?」と思っている)。 ちなみに、頭のタオルは常に巻いているわけではなく、卓球を始める前および引退後は巻いていない。 川末 涼(かわずえ りょう) 右・シェークハンドカット主戦型 県立久勢北中学校の2年生。卓球部部長で新入部員たちの入部試験を引き受けていた。去年、覇王・王華を破った「破王」の1人。卓球にはかなりの情熱をもっており、それゆえに誰に対しても厳しい態度をとる。ヒロムのことは気にかけており、自分のラケットを与えたり、練習メニューの考慮に頭を悩ませたり(授業中にそれをしていたが、先生の質問にも答えることができていた)、試合の後ヒロムが自分の実力のなさを悔やみ落ち込んでいるところを励ましたりもしている。親は川末総合病院を経営している。乙女からは『川末っち』、蒔絵からは『川坊』と呼ばれている。卓球は『技術』というのが持論で、自らも技巧的なプレースタイル。しかしこのカット主戦型というスタイルは本来の自分に適したスタイルではない。その理由は、生まれつき筋繊維の数が人より少ないから(常人の約7割)。そのため非力であり、同じスタイルであるカットマンを相手にするとどうしても力負けし勝つことができない(王華の監督の城島もこのことを見抜いており、『身に合わぬ袈裟を着ている』と評し彼をスカウトしなかった)。小学生の頃、王華の城島監督が視察に来た試合で晶に負けた悔しさから感情的に晶を突き飛ばしてしまい、カットマンとしての才能に限界を感じ卓球を辞めるが、後に卓球を再びやり始め久勢北に入学してからは晶とすれ違うようになっていた。眼鏡をかけている(卓球をプレイ中は外している)描写があり、視力が悪い様子。 3年後は王華学園のユニフォームを着ていることから同校の高等部に入学した模様。しかし、キャラは変わってしまった。 作者が所属していた卓球部に彼のモデルがいたらしい。 遊部 遊(あそべ ゆう) 右・ペンホルダードライブ攻撃型(片面) 県立久勢北中学校の2年生。関西弁を話す卓球部主将代行。川末とは違って温和な性格で人あたりは柔らかく(上述のように乙女にバニーガールの扮装をさせたり、通りすがりの解説役と称するなど)妙な面もあるが、試合においては冷徹な一面も見せる。新歓コンパにおいては宴会部長の肩書きを自ら任じ、練習方法にも工夫を凝らす。去年、覇王・王華を破った「破王」の1人。本来のプレースタイルはドライブ攻撃型だが、普段は体力温存のため、ブロック主体の速攻型を取っている。県下No.1のドライブマンであり、バックハンドドライブを決め球とする。卓球は『感性(センス)』というのが持論。実は王華からスカウトされたのだがそれを断り、久勢北に来た。王華中との練習試合後、引退する岩熊から次代主将に任命されチームを牽引する。姉(運転免許取得者)がいる。眼鏡をかけているが、本人曰く、「素の目つきが悪い」から(視力は0.8らしい)。3年後は身長188cmで、眼鏡をかけていない。P2杯の時、相馬光樹とフルセットの末勝利をおさめた。 作者が所属していた卓球部に彼のモデルがいたらしい。 眞白 裕也(ましろ ゆうや) 左・ペンホルダードライブ攻撃型(両面) 県立久勢北中学校の1年生。去年の市大会のカデットの部(中学2年生以下の部)で小学生ながら準優勝し、天才と呼ばれている。色男を自認するなど少しナルシスト的面もある。小学生の時は地元の卓球場で練習をしていた。ヒロムの一生懸命努力する姿勢や、勝負への真剣さを認めており、卓球での世話役になっている。フェイントや裏面打法、常人より広い肘の可動範囲を生かした「サイドワインダー(横這う蛇)」と呼ばれる真横にバウンドするシュートドライブなど、多彩な技を持つ(だが、裏面打法とサイドワインダーは肘への負担から蒔絵に使用を止められている)。乙女から『ましろん』と呼ばれている。王華との練習試合に出場するため、レギュラーとして選ばれた山雀と練習試合を行い、圧倒的な実力を見せつけ勝利しレギュラー枠を奪取したため反感を買うが、試合中に山雀は思いなおし梟宇達とも後に和解した(練習試合では敗北)。 母親とは死別しており、その後は眞白家の養子に入った。幼い頃に離婚していなくなった父親は王華の卓球部監督の城島であり、かつて大会出場を優先して母親の葬儀にすら来なかったため、特に城島と王華(特に当時期待の新人だった相馬と鰐淵)にも強い憎しみを抱いている。そのためいつも他人と接するときは心に「仮面」をつけていたが、ヒロムに見透かされ、本気で人とむきあえるようになった。 3年後では父親と和解しており、千佳と付き合っている。また、そばかすは消えており、かなりのファンを持つ。 山雀 輔(やまがら たすく) 右・シェークハンドドライブ攻撃型 県立久勢北中学校の2年生。他人の背中を叩く癖を持っている。身長が低いが、それを馬鹿にした者を得意の運動神経で倒していた。新歓コンパの練習では体の捻りを大きく使った強力なパワードライブを見せて1年生を驚かせた。王華との練習試合において念願のレギュラーメンバーに選ばれるが、直後にレギュラー落ちしていた眞白に惨敗しレギュラー枠を奪われる。最初は眞白が負ければいいと本気で望んでいたが、思い直し先輩として鼓舞激励した。割と心が広い人間のようで、後に眞白が謝罪した際も不器用ながら受け入れており、地区大会の一回戦で梟宇と共にダブルスで出場した時も、緊張で負けていた所を眞白の発言で緊張が解け勝利した。 岩熊の引退後、岩熊の夢を継ぐつもりで頭にタオルを巻いてみたが周囲からは「変」「海賊の下っ端みたい」と不評だった。実家は銭湯を経営している。身長は161cm(高2) 梟宇 周二(きょう しゅうじ) 右・シェークハンドカット主戦型 県立久勢北中学校の2年生。新歓コンパの練習ではカットのキレで1年生を驚かせた。王華との練習試合では、眞白の強引なやり方に不満を抱き、レギュラーを奪われた山雀の分まで戦う決心をするが、王華の1年生・柊十吾に完敗。自信をなくし、一時は卓球部を辞めようとするが、結果的には部にとどまる(遊部曰く「詭弁で説得されて戻ってきた」そうだが、戻る切っ掛けが欲しかった、というのが真相の様子)。地区大会の一回戦では山雀と共にダブルスで出場し緊張しながらも辛勝する。彼が着用しているTシャツ及び自宅の部屋に貼ってあるポスターのデザインには、1980年前後にアメリカ西海岸で活動していたハードコアバンド"BLACK FLAG"のレコードジャケットが使われている。妹が一人いる。前髪で目が常に隠れているが、最終回で目が描かれているコマがある。 久遠寺 真悟(くおんじ しんご) 県立久勢北中学校の1年生。去年のホープス(小学5、6年生の部)3位の実績を持つ。お寺の住職の息子。カット主戦型と思われ、実力は眞白に「さすが」と言わせるほどであるが、合宿で疲労で倒れてしまい数日リタイアしていたことから他メンバーと差が開き、レギュラーから外されてしまった。 植芝(うえしば) 県立久勢北中学校の1年生。アトラスSCに所属していた。下の名前は不明で、登場時は眞白に『植芝 ナントカ』と地味な扱いで紹介されている。ベジタリアンである。最初の合宿ではこむら返りの怪我を負う。久遠寺とともにプールでの水中卓球の日に練習を休んでいたため、同じく大会前の合宿で数日リタイアしてしまう。 先輩(せんぱい) 右・シェークハンド 県立久勢北中学校の2年生。本名不詳。第一話から最終話まで登場しているが名前が明らかになっていない先輩。去年の県大会で梟宇とダブルスを組んでいた(県大会で正式な部員で無かった山雀が助っ人に呼ばれていた試合に居合わせていた)。ちなみに人気投票では「糸目の先輩」でエントリーされていた。 沖野(おきの) 久勢北卓球部顧問。しかし顧問と言っても形だけであって周囲からは「置物」沖野と呼ばれていた。実際、王華との練習試合にも来ていなかった。眞白の話では王華との練習試合の前後に食い倒れで倒れたらしい。 蒔絵 薫(まきえ かおる) 倒れた沖野の代理で来た女性教師。ポニーテールの美人。男性口調。いつも口に(針灸用の)針をくわえているのが特徴。長身で、ヒロム(中学1年当時)の倍ほども背がある。ヒロム同様、髪の毛が一部はねている。久勢北中学の卒業生であり、自身も卓球経験者。他の教師の話ではかつては優秀な選手であり、かなり強かったという。付いたあだ名は「サバンナの風」。かわいいものには目がなく、気に入った男子生徒にはセクハラまがいの行為をする(主にヒロム)。指導態勢はいい加減で生徒に任せきり。一見すれば顧問として不適格とも取れる言動が多いが、やる気のない素振りを見せながらも物事を的確に判断している。過去、彼女は岩熊が1年生のとき久勢北卓球部のコーチであった。しかし王華との練習試合で実力差に絶望した当時の部員達の離反によって、卓球部は定員割れを起こし休部となったため彼女はコーチを解任されることになった(このときに一騒動あって、教員の一人が丸ハゲにされた)。適当な指導もコーチ解任を恨んでいるわけではなく、自分がいなくなったために1人で過剰練習をし、肘を壊してしまった岩熊に負い目を感じているため。ヒロムの「諦めたくない」という強い思いに岩熊と同じものを感じコーチ再任を決意する。岩熊がいうにはツンデレらしい。また、信じられない怪力の持ち主(怒って、そこに立っていた木を叩き折り、倒してしまいそうになった程度)。マッサージが得意。 3年後には結婚し子供が一人いる。
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