テレビアニメ第2期のストーリー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/19 11:35 UTC 版)
「新幹線変形ロボ シンカリオン」の記事における「テレビアニメ第2期のストーリー」の解説
キトラルザスとの戦いから数年後。オカルト好きの小学生・新多シンは、ジャーナリストを志望する姉・新多アユともに碓氷峠鉄道文化むらを訪れていた。旅の目的は旧丸山変電所に現れた宇宙人と見られる謎の影の正体を探ることであったが成果は得られず、荻野屋で昼食をとっていた。姉弟で「夢」について意見をぶつけているとそれを聞いていた走り屋に絡まれるが、居合わせた少年・碓氷アブトやカメラマン・明星アケノに助けられる。アブトは何かの呼び出しに応じて急いで場を後にするが、アブトの持つ小型ロボットに興味を持ったシンはアブトを追跡し、再び碓氷峠鉄道文化むらへと辿り着く。 一般には秘匿されていたが、碓氷峠鉄道文化むらの地下には『新幹線超進化研究所 横川支部』が存在しており、今まさに巨大怪物体の対応に追われていた。アブトは自ら強化・改造を担当したシンカリオンZ E5はやぶさで巨大怪物体と戦うために駆けつけるが、適合率の低さからE5はやぶさは起動できず悔し涙を流す。一方、アブトを追って格納庫に潜入したシンは、目の前のシンカリオンが数年前に謎の怪獣と戦ったと噂される正体不明の新幹線型のロボット「テツドウダー」の正体だと確信する。現場近くの一般人(アケノ)に巨大怪物体が迫るがシンカリオンは出動せず、業を煮やしたシンはアブトに「シンカリオンは世界を救うんじゃないのか」と詰め寄る。その時、アブトが持つ小型ロボット・スマットの計測器がシンの高い適合率を表示する。アブトは迷いながらも起動に必要なZギアをシンに手渡す。E5はやぶさで出動したシンは、アブトやスマットの助けも受けつつ巨大怪物体の撃退に成功する。運転士になれない悔しさを島に慰められるが、アブトは複雑な思いでE5を見つめていた。 正式にE5はやぶさの運転士となったシンは、E235ヤマノテとのZ合体にも成功して強化されて再来した巨大怪物体をも退ける。その後は同じく運転士となった大曲ハナビのE6こまち、戸隠タイジュのE7かがやきとも協力して巨大怪物体を撃退していく。戦いを通じて地下空間に「黒い結晶体」(「ブラックストーン」「クサビ石」などと呼称。以下「ブラックストーン」とする。)の存在が発覚し、敵対するテオティを名乗る集団で目的がこのブラックストーンの破壊であることが判明する。戦いの激化に備えて主要メンバーの大宮支部転属が決定されるが、そんな折にテオティのワダツミの横川支部への潜入を許してしまう。シンは辛くもこれを撃破するが、ワダツミは去り際に宣戦を布告する。シンたちは大宮支部へと転属し、中州ヤマカサの800つばめ、安城ナガラのN700Sのぞみ、嵐山ギンガの500こだまと各地にシンカリオンZやザイライナーの配備は進む一方で、開発のキーマンであったアブトは「父さんの手がかりを掴んだから会いに行く」と言い残して姿を消す。アブトが旅立ってから間もなく突然襲来した「闇の新幹線」(ダークシンカリオン)が現れ、シンカリオンZ3機を相手に戦いを繰り広げる。かつて異動を巡りめがね橋の上での追いかけっこでアブトが驚異的な身体能力で自分の頭上を越えて回避した時と同じ動きに愕然となり、ダークシンカリオンの運転士がアブトだと気づく。想像だにしなかったアブトの背信行為に大宮支部に激震が走る。特にアブトの手で作られたスマットは混乱してアブトの記憶を封じようとし、一時シンのE5はやぶさは適合率不足の状態となりZ合体ができない状態に陥る。シンの協力により、スマットはシンとともにアブトを取り戻す決意を固め、時を同じくして大宮支部を襲撃したワダツミの迎撃で再度Z合体に成功するとともに適合率上昇によりE5ヤマノテは覚醒する。これによりワダツミは撃退され、ワダツミは全身を赤い結晶に覆われ活動を停止する。 アブトは、父からのメッセージと考える予知夢に出て来るダークシンカリオンに乗り込んでテオティに潜入していた。テオティの内部を探るために実質的指導者・カンナギの命を受けてダークシンカリオンに搭乗し、苦痛を堪えながらもシンたちと何度か戦ううちに、カンナギたちが「ザガン」と呼ぶダークシンカリオンの開発者が父・トコナミであることに気づく。アブトがどうやって宇宙空間にあるユゴスピアに来たのか疑問に思いつつもトコナミは数年ぶりの再会に驚きながらも失踪したことを謝罪し、アブトにダークシンカリオンの「デビルモード」の危険性を説き、そのダークシンカリオンの力で地球とシラユキを守って欲しいと懇願する。トコナミはテオティであることや設計図などは思念波として送っていたことを告白するが、「闇の新幹線」については送っていないと語り、アブトが利用されてユゴスピアに来させられたと告げるもプライドの高いアブトは敵に踊らされたとは認めたくなくて必死に否定する。その時トコナミはアストレアの気配を察し、アブトにカンナギの危険性を伝えようとするも一時的に声を奪われ、父親を人質にされたアブトは地球に戻るよう命じられ地球上のテオティの基地に監禁され、ソウギョクを伴って現れたアストレアは顔の上半分を常に隠す仮面を外して素顔を見せ、今まで地球では地球人の女性に変身し、女性カメラマンの明星アケノと名乗りアブトや運転士たちを騙していたことを明かしアブトを絶望させる。地球に降りた際、彼らと会うことがあっても余計なことを口走ればかつての仲間を害すると告げ、また、生きて父親に会いたければカンナギに仕えろとアストレアは脅迫した。 テオティとの戦いにはブラックストーンが重要と考えた超進化研究所は、地下空間を調査するための機能を備えたシンカリオンZ ドクターイエローを開発していた。運転士には安城シマカゼが抜擢され、大宮支部周辺では上野と横川に地下空間が発見された。上野の地下空間に赴いたシマカゼはカンナギと遭遇し、カンナギは「ダークシンカリオンがある限りテオティは止められない」と言い残して姿を消す。シマカゼはこの言葉から横川に地下空間に向かったシンの身を案じたが、案の定シンの前にアブトが立ち塞がっていた。シンとスマットは対話を試みるが、声を奪われているアブトからの返答はなかった。無反応の様子から父親を人質にされているとは想像できないシンたちはアブトが洗脳されている可能性を考えて攻撃を決断するが、アブトの反撃によって追いつめられブラックストーンも破壊されてしまう。シンは救援に駆けつけたシマカゼによって救われるが、戦いの衝撃により地下空間が崩落し双方ともに撤退を余儀なくされる。この戦いでシンは自らの戦闘能力不足を痛感する。一方でアブトはデアボルの襲来の際に声を戻されテオティの民を護ったことで事情を知らない民に英雄視され、そんなテオティの民との交流で先住民族であり地球を離れざる得なかった事情を知り動揺する。自分たち親子を引き裂き不幸を齎したテオティに対して憎しみしかなかったが、カンナギはテオティが憎いアブトを民の善意を利用して憎しみを向けられぬよう雁字搦めにし、先住民族の不遇と地球帰還を願う姿を見せて同情を誘い2つの種族の板挟みで悩み苦しめ嘲笑する。アブトは守るべき民をも道具として利用し同情につけ込むカンナギの策略に嵌まってしまい、人質にされたトコナミとテオティの狭間で葛藤するようになるが、それすらもカンナギの悪意に満ちた思惑の内とは知る由もなかった。 さらなるドクターイエローの調査により、岩手県の遠野と香川県の大歩危に新たな地下空間が発見される。この2箇所にはヴァルトムの計略による巨大怪物体が出現し、大歩危にはハナビ、遠野にはタイジュが派遣されこれを撃退する。この時タイジュは遠野でキトラルザスの1人・ソウギョクと遭遇しており、超進化研究所では以前から各地で目撃されていたソウギョクがテオティに組していることを確信する。これらの作戦を相次いで失敗したヴァルトムは手柄を求めて自ら巨大怪物体化してシンカリオンとの戦いに臨むが、片腕を失う深手を負ったことで王からは後方転属を命ぜらる。ヴァルトムはこれを不服としてクーデターを起こして王家の力を奪い、偶然目撃したセツラを人質として連れ去り地球へと向かう。セツラの身を案じたアブトは地球へと急行するが、セツラを駆け引き材料にもならないと判断したヴァルトムは排除を試み、アブトの救助の手は及ばずセツラは爆発の中に姿を消す。激怒したアブトはヴァルトムに攻撃を仕掛けるが、天井の崩落により気を失う。 一方でソウギョクはスザクの叱責によりテオティとの関係性に迷いを抱くが、アストレアにより退路を絶たれて竜飛崎で自ら巨大怪物体化し、初出撃の月野メーテルとH5はやぶさによって撃退されていた。実は1年前の2021年1月10日に偶然ソウギョクの通信を傍受し、出水の指示で動向を探っていたため、当初は対話を求めるもアストレアの監視と圧力によりソウギョクは拒絶せざるを得なかった。H5に敗れた後はヴァルトムの下から爆発を偽装してセツラを救い出して大宮支部に送り届ける、ザイライナー 261ホクトのZコード探索に助言するなど、超進化研究所に協力する姿勢も見られる。セツラと出会ったシンたちはアブトのZギアにセツラを保護した旨のメッセージを写真付きで送信するが、目を覚ました直後の曖昧な状態で写真を見たアブトはシンたちがセツラを連れ去ったと勘違いし、筋違いの怒りを燃やし大宮支部を目指す。一方で超進化研究所の総司令長・出水シンペイは東京駅中央迎撃システムの発動を決定、シンカリオンZ全機の出動を命じる。両親もセツラも守れない自分自身に対する怒りと無力感によりトレランティアを暴発させたアブトは命じられるままにダークシンカリオンでの戦闘を繰り返し、心を喰らう特性により精神を侵食されダークシンカリオンの神経中枢との融合を遂げる。青みがかった銀の髪が黒く長くなり、額と両頬にピンクの光る紋様が出て、瞳は光る金色になり激昂すると赤くなり、アホ毛の赤みの強いピンクのメッシュは真紅に変貌した。カンナギのマインド・コントロールにより心のかなり深い部分まで支配された結果、正気を失いヒステリックで冷酷な性情となり「デビルモード」を解放するものの、集結したシンカリオンZ全機の連携攻撃と超Z合体により圧倒され、グランクロスの撃ち合いで意識を失う。その直後、突如現れた明星アケノが実はテオティのアストレアだという正体を明かしアブトとセツラを連れて姿を消す。 テオティへの対応が検討される最中、ヴァルハランとの戦いの後に時空間を越えて彷徨っていたヴァルドルがニヤマ高原スキー場近くに漂着する。ヴァルドルはヴァルトムによって暴走させられ光の機械神へと変形するが、我が子を救うためにトコナミが超進化研究所に遣いとして送ったセツラがもたらした情報によりZ合体に成功したH5ホクトによってヴァルドルは沈静化される。ヴァルトムを殺してでも阻止すべくカンナギに呼び寄せられたアブトは肩透かしだったが、カンナギを優先して「父さんと母さんを守るためなら俺は鬼にも悪魔にでもなる」と言いつつ真に自分を愛し心配するトコナミを蔑ろにしトレランティア暴発以降は親子関係は悪化するばかりだった。そんな矢先、大宮支部に所属していた頃の同僚だったキトラルザスのキリンのことをアストレアに問われ、トコナミは嫌々ながら情報を差し出とすことになったが、アストレアにより巨大怪物体化させられたキリンは不本意ながらも因縁のシンカリオンZに戦いを挑む。シンカリオンを熟知するキリンの攻撃に窮地に追い込まれるシンたちだったが、自分たちの機体を研究開発したザガンという人物がアブトの父親だとセツラに教えられ、今は無理でも必ずテオティとの対話を実現させ共存の道を見つけてみせると宣言しキリンは敗れる。キリンはかつてトコナミとの会話や八代の言葉を思い出し、これ以降は傍観者として地球の行く末を見つめることをシンたちに告げて超進化研究所の保護下に戻った。トコナミはアブトを取り戻そうとテオティとの和解と共存を目指すシンの姿に、息子を救う希望を見い出す。 セツラはテオティの本拠地が宇宙空間に存在する小惑星に偽装した超巨大宇宙船「ユゴスピア」である情報も提供する。ヴァルドルは桜島の地下に設けられた超進化研究所の実験線へと搬送され、技術班によって「超進化銀河鉄道ヴァルドル」へと改修。ヴァルドルによってユゴスピアに運ばれたE5はダークシンカリオンと闘技場で対峙、苦戦しつつシンの有利となるもヴァルトムによりトレランティアの力を注ぎこまれたアブトは激情のままにデビルグランクロスを放ち、E5は宇宙空間に放り出されてしまう。トコナミの依頼を受けたテオティの戦士によって救出される。アブトは殺したと思ったシンが生きていることを知り、彼に寄り添うトコナミの姿もあり怒りに燃える。損傷したE5はトコナミによって修理され再戦に挑み、トコナミに呼応したテオティの戦士たちの協力やヴァルドルによって届けられたヤマノテとのZ合体をトコナミの支援を受けて成功させダークシンカリオンを撃破、アブトは正気を取り戻しカンナギの呪縛から解放された。一方でトコナミは依然強硬な姿勢を続けようとするカンナギとアストレアを危険視し、アブトにシラユキを託して、宮殿へと侵入してユゴスピアから宮殿を切り離してカンナギたちとともに宇宙に去る。 アブトはシンたちとともに横川に戻り、シラユキに数年前の父の失踪の真相を語る。ダークシンカリオンの処遇はアブトに委ねられるが、トコナミを助けて親子3人の幸福な生活を取り戻すためにダークシンカリオンと向き合う決意を固める。指導者不在となったテオティでは、セツラやバフラムたちが中心となり民たちが自分たちの力で生活を立て直そうと団結していた。その一方で、ヴァルトムはワダツミの亡骸に関与して暴走させ大宮支部へと差し向ける。ワダツミの発する波動に一時アブトは干渉を受けるが、シンたち仲間との絆によって機体を「ダークシンカリオンアブソリュート」に超進化を果たし、ワダツミを撃破した。ワダツミを撃破するとヴァルトムが出現し「王になる者の顔を覚えておけ」と宣言して姿を消すと、アブトは各地のブラックストーンの状態確認を依頼し「アラバキ」の存在を語る。一方でカンナギはダークシンカリオンを悪用した侵攻作戦に失敗し、アブトを奪還され、トコナミにより姉とともに宇宙空間を漂流する屈辱に逆上し、禁じられた「敗者必滅」のコードを使用して地球へと戻りシンカリオンZ全機との戦いに突入するが、この機に乗じたヴァルトムが現存していた全てのブラックストーンを相次いで破壊、地中から巨大な腕が出現してカンナギを取り込んだ。 各地のブラックストーン所在地の周辺にはアラバキの各部位が出現し、シンカリオンZ各機が各地のアラバキに分散対応することが試みられるが、アラバキは富士山地下への集結を目指していると考えられた。富士山地下のアラバキ本体の前ではヴァルトムと、アラバキに取り込まれたカンナギが対面していた。ヴァルトムがカンナギに服従を要求するが、カンナギはヴァルトムの隙を突いて奪われていた王家の力を奪還する。アブトやシンが富士山に急行すると、そこにはトレランティアを暴発させたカンナギの姿があり、その様子を憂いたアストレアはアブトにカンナギを救うことを懇願する。アブトとの一騎討ちでカンナギは正気を取り戻すが、カンナギは禁忌のコードの副反応により暴走してしまう。カンナギはアブトを追いつめるも駆けつけたバフラムとカマルスに押さえ込まれ、アブソリュートグランクロスによりコードを粉砕されて救われ、カンナギとアストレアは悔い改めた。 その直後、アラバキが完全復活を遂げる。ヴァルトムは勝利宣言するが、アラバキの力を制御できておらずヴァルトム本人を飲み込み、富士山頂へと移動して旧火口から根を伸ばして地球の中心からエネルギーを吸収しようとしてると推測された。シンカリオンZによる一切の攻撃はアラバキには効果がなく、アブトはブラックストーンの近くにZコードを隠したトコナミに一縷の望みをかけ、宇宙空間を漂う宮殿区画に急行してトコナミを救出し心からの抱擁を交わす。一方で超進化研究所では塩分によってアラバキが脆い結晶化する可能性が発見されるものの、具体的な作戦の立案には至らなかった。そんな折、トコナミによりシンカリオンZに秘められた力を知ったアブトからの通信によってアラバキ討伐の作戦が立案される。Z合体を果たしたシンカリオンZ全機やテオティの戦士によってアラバキ討伐作戦が開始され、まずは塩を利用してアラバキが地中に伸ばした根が全て絶たれる。続いて2機のシンカリオンダブルZがアラバキを持ち上げ、トコナミがユゴスピアのアンカーを打ち込みアラバキは地表から引き剥がされ、そのまま宇宙空間に引っ張り出されたアラバキとの最終決戦の時を迎える。2機のシンカリオンダブルZによるグランクロスを受けてアラバキは爆散、太古から続く破壊神との決戦に終止符が打たれる。
※この「テレビアニメ第2期のストーリー」の解説は、「新幹線変形ロボ シンカリオン」の解説の一部です。
「テレビアニメ第2期のストーリー」を含む「新幹線変形ロボ シンカリオン」の記事については、「新幹線変形ロボ シンカリオン」の概要を参照ください。
- テレビアニメ第2期のストーリーのページへのリンク