落語家 首都圏・中京・関西圏以外に拠点を移した落語家

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落語家

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/23 23:45 UTC 版)

首都圏・中京・関西圏以外に拠点を移した落語家

上記の者は除く。また、吉本の「住みます芸人」として地方に赴任中であるだけの者は除く。

故人

落語家の叙位・叙勲・人間国宝

落語家として長期にわたり顕著な活動をみせた者に対して、日本国政府より叙勲や褒章が授与されたり、また近年では文化財保護の観点から、古典芸能を継承する落語家に対し、文部科学省より「重要無形文化財の各個認定の保持者」(いわゆる「人間国宝」)に指定される落語家の例がある。また、顕著な実績を残した落語家が死没した時には日本国政府より位階に叙されることもある。

  • 文化勲章は、2009年に上方落語の三代目桂米朝が受章しており、落語家では唯一の受章例となっている。
  • 旭日章は、長年活動し著名な実績を残した落語家(概ね70歳以上で協会役職経験者が目安)が、春または秋の叙勲時に旭日小綬章(2003年4月以前は勲四等旭日小綬章)を受章するケースが殆どである。後述の紫綬褒章の後に受章したケースのほか、旭日小綬章のみ受章したケースもみられる[注釈 27]。また、勲四等瑞宝章の受章者もみられる[注釈 28]
  • 紫綬褒章は、1961年に八代目桂文楽が落語家として初めて受章して以降、江戸・上方から2022年までの時点で21人が受章している。前述の三代目桂米朝は文化勲章よりも先となる1987年の受章である。比較的若年となる60歳代での受賞者も多い[注釈 29]
  • 「人間国宝」は、1995年に五代目柳家小さんが落語家初の指定となり、以降は三代目桂米朝(1996年)、十代目柳家小三治(2014年)、六代目五街道雲助(2023年)の4人が指定された。なお「人間国宝」は死没とともに指定が解除されるため、2023年の時点で指定されている落語家は六代目五街道雲助のみである。
  • 叙位は、従三位に三代目桂米朝、従五位に林家彦六、五代目柳家小さん、桂歌丸、十代目柳家小三治がそれぞれ死没日付をもって叙されている。

政治家になった落語家

2021年の時点で現役の落語家かつ現職の議員としては以下の人物がいる。

このほか、林家とんでん平札幌市議会議員(豊平区選挙区選出)を2003年から2015年まで3期務めた。三遊亭洋楽(2017年12月死去)も生前函館市議会議員を務めたことがあり、道議会議員と北斗市議会議員選挙に立候補したがそれぞれ落選した。また、柳家三寿(2020年6月死去)は2007年足立区議会議員選挙に、四代目桂右女助(筆名の「梅田うめすけ」名義)は2023年浦安市議会議員選挙に、入門前の笑福亭呂好[注釈 30]は2007年兵庫県議会議員選挙(宝塚市選挙区)にそれぞれ立候補したが落選した。

窓里(師:六代目圓窓)、らん丈(師:圓丈)、洋楽(師:五代目圓楽)は奇しくも六代目圓生の孫弟子であり、年代とキャリアも同世代。桂三発は町議会議員も務めた(市町村合併に伴い失職→市議会議員として当選)。

また、いなせ家半七(2023年5月死去)は、2003年4月の山口県議会議員選挙熊毛郡区に本名・無所属での立候補を予定していたが公示日前日に体調不良を訴え入院、出馬を断念している。なお、議員に立候補経験のある落語家のうちとんでん平・窓里・らん丈・半七(立候補断念)の4人は、1996年3月に同時に真打に昇進している。

国政では、立川談志1971年(昭和46年)の第9回参議院議員通常選挙全国区無所属で立候補し当選(1969年(昭和44年)にも衆議院選挙旧・東京都第8区に無所属で立候補し落選)。2021年(令和3年)現在では落語界唯一の国会議員経験者であり、のちに自由民主党へ入党し、1975年三木内閣沖縄開発政務次官を務めている(ただし、舌禍により在任36日で辞任している)。

月亭可朝は参議院選挙に2回立候補(談志と同じく1971年(昭和46年)第9回参議院議員通常選挙全国区に無所属、2001年(平成13年)第19回参議院議員選挙自由連合公認)していずれも落選している。四代桂小文枝も「桂きん枝」時代の2010年(平成22年)第22回参議院議員通常選挙比例代表区に民主党公認で立候補したが落選した。


注釈

  1. ^ 例として、立川談幸門下の立川吉幸・幸之進は落語立川流で二つ目に昇進していたが、師匠の談幸とともに落語芸術協会へ移籍した際は、吉幸は1年間、幸之進は2年間の前座修業を改めて課された。
  2. ^ 辞書に掲載されている形では二つ目だが、最近では二ツ目と表記されていることが多い。この表記については特に決まりが無く、人によっては二っ目二ッ目と仮名を小さく書く場合もある。
  3. ^ ただし、2012年2月26日放送のフジテレビ大日本アカン警察」で、六代目三遊亭円楽がゲスト出演した際に円楽一門による地方公演の密着取材VTRがあったが、円楽の弟子三遊亭楽大が当時二つ目でありながら鞄持ちなど付き人の仕事をしており、ケースバイケースになっている。
  4. ^ ただし、落語家時代の伊集院光(当時は三遊亭楽大)、現役の落語家では橘家蔵之助三遊亭とむ春風亭昇太桂竹丸古今亭菊丸三遊亭好青年などが前座の身分でありながらテレビ・ラジオに出演している。また、ミスiD2016ファイナリストに選出された林家つる子は、2015年夏の応募時は前座であった。
  5. ^ 例外として、落語三遊協会所属であった六代目三遊亭圓生が死去した際の二ツ目であった三遊亭旭生(後の三遊亭圓龍)、三遊亭梅生(後の七代目三遊亭圓好)などの例が挙げられる。圓生直門の前座・二ツ目の弟子は圓生の死去を受けて落語協会に復帰する事となったが、同時期に落語協会に復帰した圓生門下の真打(彼らの兄弟子となる圓彌生之助圓窓圓丈)の門下に直る事は許されず、師匠がいない落語協会預かりの身分として置かれる異例の状態となった。「圓生一門の事実上解体」とも言え「落語協会分裂騒動」を引き起こした圓生一門への制裁との見方がある(詳細)。
  6. ^ 基本的に自身の師匠以外では、入門時点で真打だった兄弟子は〇〇師匠、入門時点で二ツ目以下だった兄弟子の場合はその兄弟子が真打昇進後も〇〇兄さんもしくは〇〇さんと呼ばれる場合が多い。また、同じ師匠を持つ兄弟弟子でも上の方の兄弟子と下の方の弟弟子が大幅に年齢や経験年数が離れていると、弟弟子はその兄弟子に〇〇師匠と呼ぶのが通例である。女流の場合は入門時点で二ツ目以下だった姉弟子の場合は〇〇お姉さんや〇〇姉さんと呼ばれる場合が多い。
  7. ^ 例外として、初代林家三平が当時二つ目の身分であったにもかかわらず、林家珍平(三平の真打昇進と同時期に廃業し、俳優へ転向している)や林家こん平などを弟子にしている(林家こん平#来歴・人物も参照)。初代三平夫人の海老名香葉子によれば、こん平は既に「五番弟子」であったという[5]
  8. ^ 地上波の笑点で真打昇進披露口上が収録・放送されていないのは、落語協会は2020年3月から2023年3月昇進者までの計21人、落語芸術協会は2020年2月から2022年5月昇進者までの計11人(柳亭小痴楽を除く成金(落語家ユニット) メンバー全員+春風亭昇吉)、円楽一門会は2020年4月と2022年6月昇進者の計3人(三遊亭一太郎除)、落語立川流は2020年4月と2021年9月昇進の2名。なお、2019年9月に真打に昇進した柳亭小痴楽(3代目)は、披露口上収録当日に仕事のため欠席で録画コメントのみ、落語協会の真打のみの口上となっている。
  9. ^ なお、一太郎と同時に昇進した三遊亭好一郎三遊亭好楽門下)は、パーティー・披露興行などは通常と同じように開催されたが、笑点での紹介・口上は行われていない。
  10. ^ 例外として不祥事などのペナルティにより、香盤を下げられた実例がある。落語協会分裂騒動で旗揚げした落語三遊協会でトップであった三遊亭圓生が死去したことで事実上崩壊し、円楽一門を除いて落語協会に帰参する事となったが、このうち圓生、圓楽と共に三遊協会の中核を担っていたとされる六代目三遊亭圓窓だけが香盤を1枚下げられた例がある。
  11. ^ 当初は七代目橘家圓蔵五代目月の家圓鏡(後の八代目橘家圓蔵)一門、古今亭志ん朝一門も追従して離脱したが、関係者などの説得を受けて、三遊協会の旗揚げ前に脱退して落語協会に復帰した。
  12. ^ 例として、笑福亭鶴光は入門8年、笑福亭鶴瓶は入門9年、三代目笑福亭仁鶴二代目桂春蝶二代目桂枝雀は入門10年で、初めての弟子を取っている(それぞれ笑福亭學光笑福亭笑瓶笑福亭仁智桂昇蝶三代目桂南光)。
  13. ^ ただし、雷門獅篭(現:登龍亭獅篭)門下に2018年に入門した雷門獅鉄(現:登龍亭獅鉄)、2021年に入門した登龍亭篭二、獅篭の弟弟子である登龍亭幸福に2022年に入門した登龍亭幸吉はそれぞれ「前座」となっているので、落語家の身分制度の完全な否定ではない。なお、獅鉄については3年の修業の後に2021年11月に「年季明け」となってその披露興行も行われており、江戸落語と上方落語の双方の身分制度をミックスさせていると言える。
  14. ^ ただし、都の入門以前に林家パー子(初代林家三平門下、林家ペーの妻)も「落語家」の肩書で活動していた時期があり、厳密にいえば「女性初」ではなかったものの、本格的な女性プロ落語家という観点では都が初と言える。
  15. ^ 歌る多、菊千代のほか、林家きく姫川柳つくし林家ぼたん柳亭こみち古今亭駒子弁財亭和泉三遊亭律歌蝶花楼桃花(香盤順)。
  16. ^ 桂右團治橘ノ杏奈春風亭鹿の子(2023年廃業)、三遊亭藍馬(香盤順)。落語芸術協会客員となった東方落語(東北弁落語)真打の六華亭遊花(落語芸術協会仙台事務所所属、芸協としては三代目三遊亭遊三門下)も含めると5名になるが、落語芸術協会としては遊花は「客員」扱いとなっている。
  17. ^ 落語協会との関係が深い講談協会所属女性講談師の一龍斎貞寿五代目宝井琴鶴一龍斎貞鏡が交互で出演した。
  18. ^ 故人となった惣領弟子の露の雅(2017年1月死去)以外、2023年現在で門下の現役の女性噺家は露の眞露の紫、露の瑞(元桂雀々門下)、露の棗、露の陽照、露の庚(一門プロフィールには未掲載)がいる[16]
  19. ^ このほか、文生の弟子の桂きん治(当時:二ツ目、現:桂扇生)が師に従い移籍した。
  20. ^ 芸協入会時点で当時の香盤は真打の最下位に列された。
  21. ^ このほか、談幸の弟子の立川吉幸立川幸之進(どちらも当時:二ツ目)が師に従い移籍したが、吉幸・幸之進は一定期間の前座修業を課されている。
  22. ^ 入会から2年間は準会員、その後2017年1月に正会員となるも香盤は別枠とされたが、2019年6月より通常の香盤に組み入れられた。
  23. ^ 風間杜夫森末慎二(金メダル亭慎二)、山田隆夫(鈴々舎鈴丸)、にしゃんた友近テリー伊藤(林家テリ平)、生島勇輝田代沙織(父は桂歌春)、荻野アンナダイアン吉日などのほか、かつて立川流Bコースとして名を連ねていた高田文夫(立川藤志楼)、ビートたけし(立川錦之助/立川梅春)、ミッキー・カーチス(ミッキー亭カーチス)など。また、医師でもあった立川らく朝(2021年死去)は、当初は志らくの客分の弟子であったが正式に入門、前座から修業し真打になっている。
  24. ^ 本人の著書「借金2000万円返済記」(ISBN 9784893086396)と「快楽亭ブラックの放送禁止落語大全」(ISBN 9784862480217)に除名された経緯が詳細に記されている。
  25. ^ 瀧口雅仁(オフィスぼんが)著『噺家根問』ISBN 978-4779112973 参照。なぜ岡山かも記述してある。
  26. ^ 「八十八」は米朝の俳号であり、系譜上で初代は米朝となり、宗助は二代目の扱いとなる。
  27. ^ 十代目桂文治三代目三遊亭圓歌五代目三遊亭圓楽桂歌丸など。
  28. ^ 八代目桂文楽五代目古今亭志ん生八代目林家正蔵(後の林家彦六)、六代目三遊亭圓生春風亭柳昇など。
  29. ^ 桂三枝(現:六代目桂文枝)、桂文珍立川志の輔春風亭小朝など。
  30. ^ 父は宝塚市長、衆議院議員などを務めた阪上善秀

出典

  1. ^ 関山和夫『落語名人伝』[要追加記述]
  2. ^ a b 立川談志『談志楽屋噺』(文春文庫、1990年)pp.43-45, pp.185-186
  3. ^ 立川談志『談志楽屋噺』(文春文庫、1990年)pp.189-190
  4. ^ 落語家の階級”. 落語芸術協会. 2018年6月18日閲覧。
  5. ^ 海老名香葉子さん、こん平さんの思い出を手紙に「天国で師匠!と言って甘えていることと思います」 - サンスポ 2020年12月22日
  6. ^ この時出演した新真打は、(落語芸術協会)桂翔丸柳亭明楽春風亭吉好、(五代目円楽一門会)三遊亭とむ改め錦笑亭満堂、(落語立川流)立川こはる改め立川小春志
  7. ^ 次期上方落語協会会長に笑福亭仁智さん…桂文枝さんの後任「大事に継承したい」 - 産経ニュース 20218年4月26日
  8. ^ らくだの寝床:東海らくご事情「なごや雷門」淘汰か進化か(愛知) - まいまいクラブ・2012年5月10日
  9. ^ a b 日本初の女性落語家 客に「女が落語やるなんて気持ち悪い」 - 週刊女性PRIME 2016年3月20日
  10. ^ 談志一門初の女性「立川こはる」が乗り越えた男尊女卑の壁”. smart FLASH. 光文社 (2019年10月8日). 2019年10月8日閲覧。
  11. ^ 落語協会の5人の新真打ちが抱負 150人が門出祝う - スポーツ報知 2018年8月29日
  12. ^ 令和6年 春 真打昇進決定 - 一般社団法人 落語協会 2023年4月1日
  13. ^ 落語協会、12年ぶり抜てき真打ち 次世代ホープの林家つる子、三遊亭わん丈が来年3月昇進 - スポーツ報知 2023年4月1日
  14. ^ 結成2年半、女性落語家グループ「落語ガールズ」の団結のパワー - 鶴田智 - 論座 2020年6月7日
  15. ^ 【PRESS RELEASE】浅草演芸ホールで「桃組」公演開催 主任は寄席のプリンセス・蝶花楼桃花 東洋興業株式会社のプレスリリース - PR TIMES 2023年1月26日
  16. ^ 露の都一門 - 露の都 公式サイト
  17. ^ 『NHK新人落語大賞』桂二葉、女性初の栄冠 歴史を塗り替え「ものすごくうれしい」 - ORICON NEWS 2021年11月23日
  18. ^ 寄席演芸家年鑑は、2023年版は「東都」のため上方芸人の記載は無い。
  19. ^ a b 瀧口雅仁 (2007). 噺家根問 雷門小福と桂小文吾. 彩流社. pp. 11-100. ISBN 9784779112973 
  20. ^ 登龍亭一門に新しい風 名古屋落語史上、最多に - 読売新聞オンライン 2021年9月23日
  21. ^ 東都寄席演芸家年鑑 「三遊亭はらしょう」の項. 東京かわら版. (平成31年1月1日). p. 236. "「フリーの演芸家 落語」の項目に掲載されている。" 
  22. ^ 渡辺美紀. “林家きなこ 「入門の経緯」”. 10倍伝わる話し方 渡辺美紀. 2020年9月18日閲覧。
  23. ^ 映画「二つ目物語」(林家しん平監督)に、落語協会事務員役として出演している。
  24. ^ 佐藤友美 編『東京かわら版 2023年7月号 一行情報』東京かわら版、2023年6月28日、114頁。ISBN 9784910085357 
  25. ^ 2022年落語協会「謝楽祭」動画に出演している。
  26. ^ 春の新メンバー発表!”. 神田連雀亭. ameba blog (2019年3月1日). 2019年5月5日閲覧。 “<フリー>三遊亭はらしょう(ドキュメンタリー落語)”
  27. ^ 宮原勝彦 (2020年7月29日). “「二つ目」落語家、北九州に拠点 「古里でファン増やせ」師匠後押し”. 西日本新聞. https://www.nishinippon.co.jp/item/n/630345/ 
  28. ^ 5代目柳家小さん 『咄も剣も自然体』[要追加記述]






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