人情噺とは? わかりやすく解説

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にんじょう‐ばなし〔ニンジヤウ‐〕【人情話/人情×噺/人情×咄】

読み方:にんじょうばなし

落語で、世情人情主な題材したもの。「芝浜」「文七元結」など。


人情噺

作者織田作之助

収載図書織田作之助作品集 1
出版社沖積舎
刊行年月1999.12

収載図書織田作之助作品集 1
出版社沖積舎
刊行年月2008.8


人情噺

読み方:ニンジョウバナシ(ninjoubanashi)

作者 織田作之助

初出 昭和17年

ジャンル 小説


人情噺

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/07/31 16:02 UTC 版)

人情噺(にんじょうばなし)とは、落語の演目の中のひとつのカテゴリである。一般には親子夫婦など人間の情愛を描いた噺を指しており、「大ネタ」と呼ばれる長い噺が多い[1]。人情噺を最初に演じたのは朝寝房夢羅久だといわれている。

概説

落語は、狭義ではサゲを伴う「落とし噺」(滑稽噺)と理解されることもあるが、実際の演目には人情噺、怪談噺なども含まれる。ただし、その人情噺の定義も広義と狭義とに分かれる。

3代目桂米朝は自著『落語と私』において人情噺の定義をかなり狭く捉えており、講談などにおける「世話物」(町人の世界を題材とするカテゴリ。武家を扱った「時代物」に対する)を、講談のように説明口調で口演するのではなく、(登場人物になりきって)感情を入れながら喋るもので、一席では口演し切れない長編が多いとしている[2]。つまり、米朝は「人情噺」を町人世界を描いたサゲの存在しない噺と定義し、サゲのある「落とし噺」と区別しているのである[2][注釈 1]

広義の「人情噺」においては、構成は落とし噺同様マクラ、本題、サゲから成り、一席で完結するものも含まれる。題材は(米朝見解による)狭義の人情噺同様、町人の世界を舞台にするが、親子愛、夫婦の情愛、江戸っ子ないしは浪花っ子の人情、身分違いの悲恋など情に訴えるものを扱い、おかし味だけでなく感銘を受けるストーリーの展開になっている。くすぐりやサゲで笑いを取るが、全体的にはほろりとさせられる噺である。また、なかには『笠碁』のように、飾り気のない、人のどうしようもない感情を存分に描く、一風変わった作品もある。

明治期に東京から大阪に移った2代目三遊亭圓馬5代目翁家さん馬が人情噺を上方で演じ、伝えた。

代表的古典作

代表的な演目には、サゲのないものでは続き物の長編が『牡丹燈籠』(一般には怪談噺に位置付けられる)、『塩原多助一代記』、『真景累ヶ淵』、『安中草三』、『双蝶々』、『ちきり伊勢屋』、『業平文治』、『怪談乳房榎』、『お富与三郎』、一席物は『文七元結』、『三井の大黒』、サゲのあるものでは『芝浜』、『子別れ』(『子は鎹』はその後編)、『紺屋高尾』、『唐茄子屋政談』(上方の『南京屋政談』)、『お直し』、『鼠穴』、『富久』、『火事息子』、『柳田格之進』、『鰍沢』などがある。

近年作

昭和には有崎勉(初代柳家金語楼)作『ラーメン屋』、3代目桂米朝作『一文笛』、平岩弓枝作『笠と赤い風車』などの新作人情噺が創作された。この動きは平成になっても3代目三遊亭圓丈らにより受け継がれている。

近年では、6代目三遊亭圓生5代目古今亭志ん生初代林家彦六がそれぞれ人情噺の名人とされた。また5代目古今亭今輔も新作派と目されていたが、レベルの高い人情噺を演じていた。近年では桂歌丸立川談志5代目三遊亭圓楽がそれぞれ人情噺を得意としている。

脚注

注釈

  1. ^ 桂米朝『落語と私』はもともと中高生を対象に書かれたもので、1975年(昭和50年)にポプラ社で発行したものが初刊である。

出典

参考文献


人情噺

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/07 21:23 UTC 版)

上方落語」の記事における「人情噺」の解説

落とし噺狭義落語)と並んで江戸落語の軸を成す人情噺(狭義の人情噺。内容講談近くサゲがない。「牡丹灯籠」、「文七元結」、「真景累ヶ淵」など)は、上方落語には存在しないと言ってよい。広い意味での人情噺に含まれるとされる立ち切れ線香」、「ざこ八」、「大丸屋騒動」などは落とし噺である。ただし、「鬼あざみ」のように例外的にサゲつかないネタもある(講釈から移植されたものなど)。この差異に関して上方では浄瑠璃確固たる地位築いていたので、落語が人情噺を受け持つ必然性薄かったからだろう」と桂米朝述べている。 東西交流の進む現代では、人情噺を上方風演出口演する落語家がいるので「上方には人情噺はない(少ない)」という原則崩れつつあるが、総体的に上方演目落とし噺中心である。

※この「人情噺」の解説は、「上方落語」の解説の一部です。
「人情噺」を含む「上方落語」の記事については、「上方落語」の概要を参照ください。

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