化け狸
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/25 13:50 UTC 版)


化け狸(ばけだぬき)は、日本に伝わる狸の妖怪である。人間をたぶらかしたり、人間の姿に化けたりすると考えられている。妖狸(ようり)や古狸(こり、ふるだぬき)、怪狸(かいり)などとも称される。
概要
野山に棲息している狸(たぬき)たちが人間を化かしたり不思議な行動を起こしたりすることは、史料・物語または昔話・世間話・伝説に見られ、文献にも古くから変化(へんげ)をする能力をもつ怪しい動物・妖怪の正体であると捉えられていた一面が記されている。広く認識されている最古の例としては、奈良時代に編まれた『日本書紀』(推古天皇35年)に「春二月、陸奥有狢。化人以歌。」(春2月、陸奥国に狢あり。人となりて歌をうたう)という記述があり[2][3]、次いで『日本霊異記』[4][5]、『宇治拾遺物語』[2]、『古今著聞集』[6]など平安時代から鎌倉時代にかけての説話にも「狸」という漢字で示された獣が話に登場している。
江戸時代以降は、たぬき、むじな、まみ等の呼ばれ方が主にみられるが、狐と同様に全国各地で、他のものに化ける、人を化かす、人に憑くなどの能力を持つものとしての話が残されている[2][5][7]。狢(むじな、化け狢)、猯(まみ)との区別は厳密にはついておらず、これはもともとのタヌキ・ムジナ・マミの呼称が土地によってまちまちであること・同じ動物に異なったり同一だったりする名前が用いられてたことも由来すると考えられている[4]。関西ではまめだ(豆狸・猯)、東北地方ではくさい、くさえ(くさいなぎ[4])などの呼ばれ方もあるが、いずれも動物としての呼称と共通したものである。文章表現としては漢語を用いた妖狸(ようり)や怪狸(かいり)、古狸(こり)などの熟語も存在する。
人間を化かすほか、化け狸の大きな特徴にはふくらませた腹部を叩いて腹つづみを鳴らす(狸囃子)、巨大な陰嚢を用いて人間を襲ったりする、などが挙げられ、いずれも江戸時代から狸の特徴として絵画や物語などを中心に確認できる。大きな陰嚢については「狸の金玉八畳敷き」[8]という狸全般に関する慣用句から発生したものと考えられている。『本朝食鑑』巻11(1697年)の狸の項目[9]にも「化ける」行動を含めこれらの挙動が記載されており、狸がこのようなことをすると考えられていたことを確認することができる[10]。八畳敷きの陰嚢を畳敷きの座敷や大きな寺院とみせて人を化かそうとするが、そこに煙草の火あるいは針などを落とされて狸が失敗をする話[11]は昔話として日本各地で明治から昭和前期にかけても広く採取されている。
狸が人間を化かす話は京都・大阪・江戸などの都市部や各地の城下町では狐による話と同様に親しまれた。沖縄県や島嶼部(南西諸島、伊豆諸島)を除くほぼ日本全国各地に昔話や伝説が存在するが、佐渡島(新潟県)や淡路島(兵庫県)、四国には狢・狸に関する伝説が近世から特に数多く記録され、残されている[12]。
他の変化との関係
化ける動物の代表格として並び称されているものに狐(妖狐)がある。「狐七化け狸八化け」ということわざでは狐よりも狸のほうが人間を化かす腕が一段上であると俗にいわれている[13][14]。何をもって基準としているのかは定かではなく、定説ははっきりしていない(狸と狐が入れ替わったりもする)。狐は人を誘惑するために化けるのに対し、狸は人をバカにするために化けるのであり、化けること自体が好きだからという説もある[5]。
「狸」(リ)という漢字は、中国ではヤマネコを中核とするネコのような中型哺乳類の漠然たる総称として用いられていた。日本にはヤマネコに相当する動物がいないため、古代から中世にかけて知識人らによってタヌキ、野良猫、イノシシ、アナグマ、イタチ、ムササビといった動物が文献によってまちまちに「狸」という漢字に当てはめられたと見られている。そのため、『日本霊異記』の話に登場する「狸」という漢字には「ネコ」(『日本霊異記』興福寺本)という訓もある。平安時代(10世紀ころ)の文献『本草和名』や『和名類聚抄』においては狸・狢・猯はそれぞれの訓に分かれ、猫(ねこ、ねこま)とも別項あつかいされているが、『本草色葉集』(1284年)、『壒嚢鈔』(1445年)では依然として「狸」に「ねこ」と訓がつけられている箇所があったりと、漢字そのものが指し示す動物の範囲が曖昧だった歴史がある[4]。
信仰
佐渡の団三郎狸、徳島県の金長狸・六右衛門狸、香川県の太三郎狸、愛媛県松山市のお袖狸などのように、特別大きな能力や神通力を持つと考えられた狸は寺社や祠などが造営され、民間からの祭祀や信仰の対象にもなっている[12]。現在確認されるその多くは江戸時代末期から昭和初期にかけて整備されたもので、霊験などが話題となり「流行神」といえるかたちで民間に大きな人気を得たものもある。
各地の狸の例
狸(狢や猯とも呼び習わされる)が化ける話は日本各地に伝わっている。全国的には人間に化けた話、寺の僧に化けた話、大入道やのっぺらぼうなどの妖怪に化けた話、狸囃子などといった不思議な音を起こした話、呼び掛けながら人の家の戸を叩いた話、金玉八畳敷の話などが知られる。とりわけ四国などでは狸に関する伝承が多く確認されており、さまざまな話や霊験、妖怪が他の土地以上に狸と結びつけられて語られていた。
江戸時代末期から大正・昭和初期にかけて大きな勢力をもった名のある狸としては、団三郎(新潟県佐渡島)・芝右衛門(兵庫県淡路島)・太三郎(香川県屋島)などをはじめとして、寺社にまつられ信仰の対象ともなっている狸も数多い。ほかには八百八匹の眷属(八百八狸 はっぴゃくやだぬき)を従えていたとされている隠神刑部などが江戸時代末期以後、講談を通じてよく知られていた。
- 文福茶釜(ぶんぶくちゃがま)
- 狸囃子(たぬきばやし)
- 発生源をはっきりつかむことも確かめることも出来ない不思議な太鼓やお囃子の音。江戸(東京都)では、本所七不思議や番町七不思議のひとつなどにも数え挙げられており、深夜にどこからともなく太鼓の音が聞こえてくるものを「狸囃子」といった。童謡『証城寺の狸囃子』は證誠寺に伝わる伝説を元に作られた。
- 宗固狸(そうこだぬき)
- 袋下げ(ふくろさげ)
- 竹伐狸(たけきりだぬき)
- 負われ坂(おわれざか)
- 大阪府南河内郡。夜にある坂を通ると「おわれよか、おわれよか」という声がするので、気丈な男が「負うたろか負うたろか」と言うと、松の株太が乗りかかった。家に帰ってナタで割ろうとすると、古狸が正体を顕わして詫びたという[16]。
- 死霊に化けた狸(しりょうにばけたたぬき)
- 重箱婆(じゅうばこばば)
- 赤殿中(あかでんちゅう)
- 徳島県板野郡堀江村(現・鳴門市)。夜中、タヌキが赤いでんちゅう(袖のない半纏)を着た子どもに化けて背負うことをしつこくねだる。仕方なく背負うといかにも嬉しそうな様子で、その人の肩を叩くという[19]。
- 傘差し狸(かささしたぬき)
- 首吊り狸(くびつりたぬき)
- 小僧狸(こぞうたぬき)
- 坊主狸(ぼうずたぬき)
- 白徳利(しろどっくり)
- 徳利ころがし(とっくりころがし)
- 徳島県美馬郡岩倉村字田上[19]。徳利に化けて坂道などを転がって行き、人に本物の徳利が転がっていると思わせる[19]。欲深い人などが、拾おうとして追いかけると、谷へ落とされたり、溝へはまらせられたりする[19]。
- また、香川県多度津地方には、徳利回し(とっくりまわし)または徳利転がり(とっくりころがり)という怪異が伝わっており、二升徳利を回す様な音を立てて転がってくるといわれる[20]。狸の仕業かは不明だが、実際に徳利が転がるのではなく、音のみの怪異とされる[20]。
- 兎狸(うさぎたぬき)
- 打綿狸(うちわただのき)
- 軍隊狸(ぐんたいたぬき)
脚注
- ^ 『和漢百物語 月岡芳年』(町田市立国際版画美術館、1991年)107-108頁
- ^ a b c 日野 1926, pp. 105–139
- ^ 村上他 2008, p. 15.
- ^ a b c d 中村 1990, pp. 209–220
- ^ a b c d 多田 1990, pp. 235–240
- ^ 中村 1990, p. 33
- ^ 佐野他 1980, p. 184
- ^ 金箔を作る際、狸の皮を併用することでよく伸びる、と言う話が金玉(陰嚢)が八畳敷きの如く伸びる、と話が転じたとする説
- ^ 島田勇雄訳注『本朝食鑑』5巻 (<東洋文庫> 平凡社、1981年) 304-305頁
- ^ 中村禎里『狸とその世界』(朝日新聞社、1990年)
- ^ 関敬吾『日本昔話大成』第7巻(角川書店、1979年) 107-112頁
- ^ a b 宮沢光顕『狸の話』有峰書店、1978年、226-230頁。 NCID BN06167332。
- ^ 藤井乙男『諺語大辞典』(有朋堂、1910年) 304頁
- ^ 立石憲利 「兵庫県南但馬の民話―養父・朝日敏雄の伝承―」(日本民話の会 『聴く・語る・創る』第12号 2005年)11頁
- ^ 大藤時彦他 著、民俗学研究所 編『綜合日本民俗語彙』 第3巻、柳田國男監修、平凡社、1955年、1354頁。 NCID BN05729787。
- ^ 大藤時彦他 著、民俗学研究所 編『綜合日本民俗語彙』 第1巻、柳田國男監修、平凡社、1955年、308頁。 NCID BN05729787。
- ^ 能田太郎「玉名郡昔話 (3)」『昔話研究』1巻4号、三元社、1935年8月、25頁、 NCID AN00407060、2014年9月13日閲覧。
- ^ 加藤恵「県別日本妖怪事典」『歴史読本』第34巻第24号(通巻515号)、新人物往来社、1989年12月、331頁、 NCID AN00133555。
- ^ a b c d e f g h i j 笠井 1927, pp. 41–49; 笠井 1974, pp. 261–263
- ^ a b 村上健司『妖怪事典』毎日新聞社、2000年、241頁。
- ^ 三宅周一「妖怪語彙」『民間伝承』4巻11号、民間伝承の会、1939年8月、2頁、 NCID AN00236605、2014年9月13日閲覧。
- ^ “愛媛県”. 2022年2月26日閲覧。
参考文献
- 笠井新也『阿波の狸の話』郷土研究社〈郷土研究社第2叢書〉、1927年4月20日。 NCID BA32905530。 OCLC 673357782。NDLJP:1187452。
- 佐野賢治他 著、桜井徳太郎 編『民間信仰辞典』東京堂出版、1980年1月。 ISBN 978-4-490-10137-9。
- 多田克己『幻想世界の住人たち』 IV 日本編、新紀元社〈Truth In Fantasy〉、1990年12月1日。 ISBN 978-4-915146-44-2。
- 中村禎里『狸とその世界』朝日新聞社〈朝日選書〉、1990年4月20日。 ISBN 978-4-02-259500-3。
- 日野巌『動物妖怪譚』 下、中央公論新社〈中公文庫〉、2006年12月(原著1926年)。 ISBN 978-4-12-204792-1。
- 村上健司他 著「妖怪となった狐と狸」、講談社コミッククリエイト 編『DISCOVER妖怪 日本妖怪大百科』 VOL.07、講談社〈KODANSHA Official File Magazine〉、2007年10月25日。 ISBN 978-4-06-370037-4。
外部リンク
化け狸
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「ゲゲゲの鬼太郎の登場キャラクター」の記事における「化け狸」の解説
八百八狸(はっぴゃくやだぬき) 『妖怪獣』に登場。日本の狸妖怪の中でも強大な化け狸一族。姿は服を着て直立歩行する狸そのもので、腹鼓を打つ外見こそユーモラスだが実態は凶暴な人食いの怪物。高僧・天海上人の護符により四国山中の地下に封印されていたが、ダム開発工事の影響で巣窟を塞ぐ岩から護符が剥がれたことで復活。地上に狸王国を築き、人類を奴隷・食糧として支配しようとしたが、鬼太郎たちとの激戦の末に再封印される。自分たち以外の妖怪すら敵視しており、支配下に置いた人間たちには狸以外の妖怪を讃えることを重罪として厳しく取り締まった。 アニメ第5作ではアニメ化されなかったが、刑部と団三郎が妖怪四十七士に名を連ねており、当初は八百八狸の話が描かれたうえで和解する予定だった。[要出典]アニメ第6作では名無しが護符を剥がしたことで復活し、圧倒的な戦力を背景に一度は人間の政権を奪って支配下に置くが最終的には失敗し、自由の身になった人間たちによって政権ごと追放される。刑部狸(ぎょうぶだぬき) 声 - 富田耕吉(第1作)、柴田秀勝(第3作)、仲木隆司(第4作)、堀内賢雄(第6作) 八百八狸の長。巨大な僧形の化け狸。高い知性と抜群の統率能力を持ち、配下の八百八狸の大軍勢、蛟龍(こうりゅう)や大なまずといった妖怪獣を縦横に操る。妖怪獣や触れた物全てを石に変える巨石・要石(かなめいし)を操る念力、特定の人物に毛を植えつけ、苦しめたり支配する呪術を用いる。 アニメ第5作では隠神(いぬがみ)刑部狸の名で、妖怪四十七士の愛媛県代表。原作の数珠を持った姿ではなく、太鼓を首から下げた水木しげるの妖怪画に近い姿で登場。 蛟龍(こうりゅう) 巨大な妖怪獣。一反木綿の説明では「70年(アニメ第6作では700年)生きた蛇が蜃気楼の中で産んだ卵が孵り、地下で数百年育った後に天に昇って蛟龍になる」という。本作では巨大な目と大きく裂けて鋭い歯が並ぶ口を持ち、全体の形は蛇や龍というよりデフォルメされた類人猿にも見える。目からは蜃気楼を起こす光線を出す(アニメ第3作ではジェット機を消滅させてしまう光線となっている)。『妖怪獣』にて刑部狸に操られて登場。アニメ第6作では、全体から強力な衝撃波を発し広範囲に渡り建造物を破壊し、自衛隊を返り討ちにしてしまった。口から火球を吐く。鬼太郎に倒された後、亡骸に残っていた妖気は名無しがまなに呪いをかけるための材料にされた。1985年の劇場版ではぬらりひょんの配下として登場。 大なまず(おおなまず)/ なまず神(なまずがみ) 地底湖に住む巨大なナマズの姿をした妖怪で巨大地震の元凶とも言われる。『妖怪獣』で登場。富士山の人穴に大昔から置いてあった要石によって封印されていたが、八百八狸によって解放された。蛟龍が鬼太郎に倒されたことで刑部狸が狸城護衛のために急遽東京に召喚しようと念力で動かし、地中を移動して五千年ぶりに地上に出現した。陸上でも直立して活動可能で不死身の生命力を有しており、あらゆる近代兵器を受け付けない。口からは熱風や熱戦を吐き、それにより地面を温めることで一種の巨大な竜巻を発生させたり、自由自在に地震を起こしたりする。アニメ第1作では目から破壊光線を発射し、長い髭を器用に動かすこともできる。アニメ第4作の名称は「なまず神」。 玄蕃狸(げんばだぬき・第1作)/ シルクハット狸(第3作)/ タキシード狸(第4作)/ 団一郎(だんいちろう・第6作) 声 - 野田圭一(第1作)、千葉繁(第3作)、増谷康紀(第4作)、落合福嗣(第6作) 刑部狸の側近の一匹で理知的。原作では名が出ない。江戸時代に封印されたはずだが、どこで手に入れたのか復活時点からタキシードとシルクハットを着用。 アニメ第6作では三兄弟の長男。葉巻を愛用しており、葉巻カッターを鳴らす癖がある。シルクハットは武器にもなる。本気を出すと凶暴かつ屈強な姿に変身する。長男でありながら、戦いの最中に弟を見捨てるなど冷たい部分がある。 お富狸(おとみだぬき・第1作)/ 着物狸(きものだぬき・第4作)/ 団二郎(だんじろう・第6作) 声 - 坪井章子(第1作)、田中一成(第4作)、高戸靖広(第6作) 刑部狸の側近の一匹。女性的な日本髪と着物を着た姿だが、鬼太郎が邪魔者と見るや即座に殺そうと提案するなど残忍で好戦的な性格。原作では名が出ず、第3作には登場しない。よく「おたんこなす」という悪口を口にする。 アニメ第6作では三兄弟の次男。武器は簪。 団三郎狸(だんさぶろうだぬき・原作・第1作)/ 団十郎狸(だんじゅうろうだぬき・第3作)/ 鉢巻狸(第4作)/ 団三郎(第6作) 声 - 北川国彦(第1作)、西尾徳(第3作)、川津泰彦(第4作)、ボルケーノ太田(第6作) 伝承では日本三名狸の1匹として知られているが、本作では刑部狸の側近の一匹。気性が荒い。 アニメ第5作では団三郎ムジナの名で、妖怪四十七士の新潟県代表。第6作では三兄弟の末っ子。 飛脚狸 声 - 大塚芳忠 第3作のみに登場。飛行兵姿の伝令役。 狸カメラマン 声 - 土門仁 第4作のみ登場。狸内閣設立の記念写真を撮影。 たぬきアナウンサー 声 - 蟹江俊介 第6作のみ登場。黒羽織を着て政権奪取後のテレビニュースを担当(第4作でも狸の1匹がニュースを担当したがノンクレジット)。 あしまがり 声 - 富田耕生(第2作)、池水通洋(第3作)、半田裕典(第6作) 「あしまがり」とは四国の方言で「足にまとわりつく」という意味。本作では『妖怪あしまがり』(単行本では『妖怪花』に改題、初アニメ化第2作5話)に登場。太鼓を持った狸の姿をした妖怪で、無類の大酒飲み。取り込んだ者を消化してしまう雲状の気体生物を飼い慣らしており、持っている太鼓で操ることが出来る。なお、第3作のみ「あしまがり」という名前は自主規制配慮で[要出典]「用心棒(の狸妖怪)」という名前しか出なかった。妖怪花の生息地を開発しようとした人間側(アニメ第3作45話では妖怪花と共存していた業者を乗っ取ったぬらりひょん)に雇われ、開発を止めようとする鬼太郎と闘う。 第6作では63話に登場。人を襲うのが大好きな残忍な性格の妖怪という設定で、太鼓を使って黒雲を操る。黒雲は意思を持って動き、獲物を中に取り込んで同化してしまうほか、強力な雷を放ち、複数に分裂して別行動も可能。ある地方の笹薮に棲み付き人を襲っていたため、笹の花の精・星華によって洞窟に閉じ込められていたが、そこに訪れたぬりかべを利用して復活。星華への復讐を目論むが、鬼太郎に敗北して消滅する。 狸ばやし(たぬきばやし) どこからともなく聞こえて来る狸の腹鼓。本所七不思議の妖怪の一つで、日本全国に伝わる音の怪異。 原作「狸ばやし」ではねずみ男が音源を探って掘り当てると、瓢箪に封じられていた大狸が復活して暴れ出す。ねずみ男や鬼太郎も、狸を瓢箪に封じ込めるのに失敗して逆に閉じ込められた。さらに狸は目玉おやじを呑み込むが、脳操縦されて鬼太郎たちを解放し自分から瓢箪に入る。入りきる前に尻から出た目玉は鬼太郎たちに瓢箪を元通り埋めさせた。 アニメ第3作108話では、伝承通りに本所七不思議の一員として音だけ登場。鬼太郎を誘い出し、その隙に朱の盤が目玉おやじをさらった。 竹切り狸(たけきりだぬき) 声 - 草尾毅(第4作)、松山鷹志(異聞妖怪奇譚)/ 演 - ブラザートム、星野亜希 原作「竹切り狸」に登場。親類である万年竹の復讐のために、やまこを利用して鬼太郎を狙うが敗北する。 アニメでは第4作に登場。刑部狸のやり方に反対して鬼太郎達に協力した。目玉おやじからは竹藪で竹を切ったり人間に悪戯をするのが好きな気の良い狸妖怪と評されている。実写映画『千年呪い歌』では高尾山に住む夫婦が登場。ゲーム『異聞妖怪奇譚』では鬼太郎の前に立ちはだかる悪役として何度か出ている。 ふくろさげ 声 - 青野武(第3作)、徳丸完(第4作) 原作『ふくろさげ』(アニメ第2作20話)に登場。洞窟内の壺に隠されていた不定形の妖怪。近付く妖怪のエネルギーを貪欲に吸収するため、大昔の妖怪達によって封印されていた。2人組の泥棒が隠し場所の地図を盗み出し、彼らと組んだねずみ男が開封したが半分エネルギーを抜かれ退散。人間には忠実で、どんな所にも穴を掘って通れる力があるため、泥棒達はそれを利用して金庫破りを繰り返した。エネルギー補給のためにねずみ男の紹介で鬼太郎を誘き出して吸収を図るが、鬼太郎の膨大なエネルギーを無理に吸収してふくろさげは破裂した。 第3作では第27話登場。葉の帽子を被った狸のような姿という水木氏の妖怪画に近い姿に描かれている。携える袋は獲物に被せてエネルギーを奪う他、エネルギーを射出したり物を吸い込んだりもできる。また、相手に噛み付いて直接エネルギーを吸い取ることも可能。自分を封じた妖怪たちへの復讐を考えており、復活後は妖怪たちを次々と襲ってエネルギーを奪った。また、人間と妖怪との仲を裂くことを目的として、泥棒たちの悪事に積極的に力を貸していた。 第4作では欲望を持つ者を袋に取り込み消化する。本体は狸で袋は陰嚢。ぬりかべに袋を破られ、続いて中国風の甲冑と矛で鬼太郎と交戦したが、霊毛ちゃんちゃんこで妖力を奪われ豆狸に退化した。 妖怪だぬき 「妖怪ラーメン」に登場。額に十字型の傷らしき模様がある狸妖怪。大勢の狸仲間たちのボスとして、とある山の古寺で仲間と共に平和に暮らしていたが、人間に住処を追われ食べ物も奪われてしまったことで、何とか生きていこうと数年前に狸蕎麦の屋台を開いたが、現代ではカップラーメンの人気には勝てなかったため、その人気を落とそうと先祖代々伝わる「変身粉(化け粉)」を混入したカップラーメンを売り歩き、食べた人間を巨大なカップラーメンに変えてしまう。これが成功したことを知ったねずみ男から、鬼太郎をカップラーメンにして食べればより強い妖力を得られると唆されて実行に移すが失敗。事情を話して鬼太郎と和解し、カップラーメンに変えた人間を元に戻す還元剤を渡した。 絹狸(きぬたぬき) 声 - 小山武宏(第5作) 絹織物を着た狸の妖怪。 第5作38話初登場。妖怪横丁でもめんや(反物を売る店)を営んでいる。 「鬼太郎マガジン VOL.1」によればもめんやは当初一反木綿の店という設定だったが、放送が進むたびに「一反木綿の呑気な性格は経営に向いてないのでは」という意見が出て急遽スタッフが布に関する妖怪を探すことになり、絹狸が選ばれた。
※この「化け狸」の解説は、「ゲゲゲの鬼太郎の登場キャラクター」の解説の一部です。
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