腹鼓とは? わかりやすく解説

はら‐つづみ【腹鼓】

読み方:はらつづみ

《「はらづつみ」とも》

腹を鼓がわりにして打ち鳴らすこと。「(たぬき)の—」

腹一杯食べて満足し、腹をたたくこと。

《「十八史略五帝の「鼓腹撃壌(こふくげきじょう)」の故事から》天下太平衣食足り万民が生活を楽しむことをいう。鼓腹


腹鼓

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/12/04 00:01 UTC 版)

腹鼓(はらつづみ)とは、腹いっぱいに食べて満足した人が腹をのようにして打つ有様のこと。腹太鼓(はらだいこ)とも。

中国の歴史書である『帝王世紀』や『十八史略』には、の時代が太平で,食が足りて,民心が安定していたということを伝える故事として「鼓腹撃壌」の話を挙げている。

これに対して日本の説話では、が月夜に腹鼓を打って狸囃子を奏でる話がしばしば登場する[1]

狸の腹鼓の話は鎌倉時代の歌人である寂蓮が「人住まで 鐘も音せぬ 古寺に 狸のみこそ 鼓打ちけれ」(『夫木抄』・雑9・13046)という和歌があり、少なくてもこの時代までは遡れる。江戸時代国学者である津村淙庵の『譚海』には最乗寺にて雌雄の狸が戯れて飛び交った際に互いの腹を打ち合わせて鼓を打つような音を出していたのを見たとする人の証言を記している。また、井伊直弼作と伝えられる狂言『狸腹鼓』は狸の腹鼓を扱った作品である。他にも西沢一鳳が『皇都午睡』の中で知人の渓斎英泉(一筆庵主人)との狸囃子に関するエピソードを紹介している。木更津證誠寺にも狸囃子の伝説が伝えられ、大正時代童謡証城寺の狸囃子』として広く知られるようになった[2]。また、古い日本絵画などの芸術作品において、狸が腹鼓を打つ腹は元々平板状に描かれていたが、18世紀後期に丸く膨らんだ巨腹の狸像の絵画が描かれるようになり、19世紀には絵画だけでなく今戸焼信楽焼においてもこのスタイルの狸の置物が焼かれたことが世間に広まっていった。中村禎里はこうした丸みを帯びた巨腹の狸像が出来た背景として布袋像・達磨像の影響や禅僧文人画家の間で悟りを象徴する形とされた円形が愛された影響が及んだ可能性を指摘している[3]

なお、狸の腹鼓と猫又の舞を並べて、怪事が立て続けに起こる事を意味する「狸鼓を打てば、猫又舞う」ということわざも伝えられている[1]

脚注

  1. ^ a b 北村孝一 編『故事俗信 ことわざ大辞典 第二版』(小学館、2012年) ISBN 978-4095011028 P712
  2. ^ 小林祥次郎『日本古典博物事典 動物篇』(勉誠出版、2009年) ISBN 978-4585060666 P131
  3. ^ 中村禎里『狸とその世界』(朝日新聞社・朝日選書、1992年) ISBN 4-02-259500-0 P143-157

腹鼓

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/28 06:30 UTC 版)

林家扇兵衛」の記事における「腹鼓」の解説

2019年5月交友のある桂和歌ぽん東西噺家ユニット「腹鼓」を結成することを発表し同年11月大阪旗揚げ公演行った。 「腹鼓」は笑い満足していただく、「舌鼓ならぬ腹鼓」という意味で林家扇兵衛考えた2020年現在春に東京神戸秋に名古屋大阪での定期公演決定した

※この「腹鼓」の解説は、「林家扇兵衛」の解説の一部です。
「腹鼓」を含む「林家扇兵衛」の記事については、「林家扇兵衛」の概要を参照ください。

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「腹鼓」の例文・使い方・用例・文例

  • 腹鼓を打つ
  • が打つという腹鼓による囃子
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