劫とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 同じ種類の言葉 > 宗教 > 仏教 > 教義 > の意味・解説 

こう〔コフ〕【×劫】

読み方:こう

《(梵)kalpa音写劫波」の略。「ごう」とも》仏語きわめて長い時間古代インドにおける時間の単位のうち、最長のもの。

囲碁で、一目双方交互に取りうる状態。この場合一方で取られたあと、すぐ他方取り返すことのできない約束一目を争う。


ごう【×劫】

読み方:ごう

人名用漢字] [音]ゴウゴフ)(慣) コウコフ)(呉) キョウケフ)(漢)

[一]ゴウ

おびやかす。おどす。「劫略

きわめて長い時間。「劫火劫初永劫

[二]コウ

おびやかす。「劫奪

長い時間。「億劫塵劫(じんこう)」

囲碁で、石の取り方の一。「劫材」

難読億劫(おっくう)


ごう〔ゴフ〕【×劫】

読み方:ごう

⇒こう(劫)


こう 【劫】

仏教用語梵語カルパkalpa)の音略(劫波音写し波を略した語)。長時漢訳きわめて長い時間をいう。経論により異なるが、四〇立方大石を、天人一〇年に一度薄衣払い、石が摩滅しても劫は終わらないとか、四〇四方の城に芥子充満し一〇〇年に一粒ずつ取り出し全部なくなっても劫は終わらないとする。前者盤石劫、後者芥子劫という。また、三千大千世界擦って墨汁とし、千の世界一点だけ下していき、墨汁尽きるまで下した全部粉微塵にし、その一塵塵点劫といい、これを多く集めた三千塵点劫だとか五百塵点劫だとかの語もある。阿弥陀仏は十劫の昔に仏になったとするが、その十は実数ではなく、満数つまり久遠劫だとの説もある。非常に長い年月永劫とか広劫曠劫)とかいう。→ 四劫

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/26 16:59 UTC 版)

こう)は仏教などインド哲学の用語で、極めて長い宇宙論的な時間の単位。サンスクリット語のカルパ (kalpa कल्प) の音写文字「劫波(劫簸)」を省略したものである。


  1. ^ a b Wilkins, William Joseph (1913) [1882]. Hindu mythology, Vedic and Purānic (3rd ed.). Calcutta: Thacker, Spink & co. pp. 364-365. https://archive.org/stream/hindumythologyve00inwilk#page/364/mode/2up 
  2. ^ a b c Wilson, Horace Hayman (1864). The Vishnu Purán: a System of Hindu Mythology and Tradition. 1. London: Trübner. pp. 44-54. https://archive.org/stream/vishnupurnsyst01wils#page/44/mode/2up 
  3. ^ a b 渡辺研二 『ジャイナ教』論創社、2005年、159-161頁。ISBN 4846003132 
  4. ^ 『阿毘達磨大毘婆沙論』巻135
  5. ^ 『阿毘達磨倶舎論』巻12「所説三災云何次第。要先無間起七火災、其次定応一水災起。此後無間復七火災。度七火災、還有一水。如是乃至満七水災、復七火災、後風災起。如是総有八七火災・一七水災・一風災起。」
  6. ^ 『阿毘達磨倶舎論』巻12「此三災頂為在何処。第二静慮為火災頂。此下為火所焚焼故。第三静慮為水災頂。此下為水所浸爛故。第四静慮為風災頂。此下為風所飄散故。」なお静慮は禅に同じ
  7. ^ 『仏祖統紀』巻30・三世出興志第十四
  8. ^ a b 『大智度論』巻5・大智度初品中菩薩功徳釈論第十「劫義、仏譬喩説、四千里石山、有長寿人百歳過、持細軟衣一来払拭、令是大石山尽、劫故未尽。四千里大城、満中芥子、不概令平。有長寿人百歳過一来取一芥子去、芥子尽、劫故不尽。」巻38・釈往生品第四之上にも同様の説明が見えるが、「四千里」でなく「百由旬」になっている。
  9. ^ 『隋書』経籍志四「道経者(中略)所以説天地淪壊、劫数終尽。略与仏教同。(中略)然其開劫非一度矣。故有延康・赤明・龍漢・開皇。是其年號。其間相去経四十一億萬載。」
  10. ^ 『霊宝度人上経大法』 巻四巻https://www.kanripo.org/edition/HFL/KR5a0220/004#txt。"祖劫者、龍漢・延康・赤明・開皇・上皇也。"。 
  11. ^ 『雲笈七籤』巻4・霊宝経目序「夫霊宝之文、始於龍漢。龍漢之前、莫之追記。延康長劫、混沌無期。道之隠淪、宝経不彰。赤明革運、霊文興焉。諸天宗奉、各有科典。一劫之周、又復改運。遂積五劫,迨於開皇已後。上皇元年、元始下教。」
  12. ^ 『双槐歳鈔』巻六
  13. ^ 横手裕 『道教の歴史』山川出版社、2015年、89-90頁。ISBN 9784634431362 


「劫」の続きの解説一覧

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2015/11/12 12:51 UTC 版)

黒い裾」の記事における「劫」の解説

酒井劫。千代同じくはじめて酒井家代理として伯父葬儀の手伝いをする。千代とはここで出会う当初ひとりで座の賑やかさを製造するといったおっちょこちょいであったが、半年後にはおちつき見られ千代を驚かす。一時期千代を嫁にもらおうとしていたが、叔父酒井さんによって媒酌断られた。仕事家庭万事順風満帆であったが、戦後多数罪名発覚し姿をくらます

※この「劫」の解説は、「黒い裾」の解説の一部です。
「劫」を含む「黒い裾」の記事については、「黒い裾」の概要を参照ください。


出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/23 02:08 UTC 版)

星と旅する」の記事における「劫」の解説

狩人達の記号数字大きさそのままその生物強さを表す。

※この「劫」の解説は、「星と旅する」の解説の一部です。
「劫」を含む「星と旅する」の記事については、「星と旅する」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「劫」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ

出典:『Wiktionary』 (2021/08/12 01:46 UTC 版)

発音(?)

名詞

  1. コウ 仏教用語極めて長い宇宙論的な時間の単位サンスクリットカルパ (kalpa कल्प) の音写文字劫波劫簸)」を省略したもの。
  2. コウ囲碁において、交互に相手方の石一個取り返し得る形。

熟語


※ご利用のPCやブラウザにより、漢字が正常に表示されない場合がございます。
Copyright © KANJIDIC2 - the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group(EDRDG), used in conformance with the Group's licence. Copyright © 1991-2010 Unicode, Inc. All rights reserved. Stroke Order Diagrams(SODs) licensed from © Kanji Cafe.

「劫」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。



劫と同じ種類の言葉


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「劫」の関連用語

劫のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



劫のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
中経出版中経出版
Copyright (C) 2024 Chukei Publishing Company. All Rights Reserved.
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの劫 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの黒い裾 (改訂履歴)、星と旅する (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Text is available under Creative Commons Attribution-ShareAlike (CC-BY-SA) and/or GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblioに掲載されている「Wiktionary日本語版(日本語カテゴリ)」の記事は、Wiktionaryの (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、Creative Commons Attribution-ShareAlike (CC-BY-SA)もしくはGNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
漢字辞典
Copyright © KANJIDIC2 - the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group(EDRDG), used in conformance with the Group's licence.
Copyright © 1991-2010 Unicode, Inc. All rights reserved. Distributed under the Terms of Use in http://www.unicode.org/copyright.html.
Stroke Order Diagrams(SODs) licensed from © Kanji Cafe.
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2024 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2024 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2024 GRAS Group, Inc.RSS