仏祖統紀とは? わかりやすく解説

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ぶっそとうき【仏祖統紀】

読み方:ぶっそとうき

中国の仏教書。54巻。南宋志磐著。1269年成立釈迦(しゃか)に始まりインド中国の諸高僧伝記諸宗系譜を、天台宗立場から集大成したもの。統紀。


仏祖統紀

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/10/15 09:49 UTC 版)

仏祖統紀』(佛祖統紀、ぶっそとうき)は、中国南宋の僧志磐が、咸淳5年(1269年)に撰した仏教史書である。全54巻。天台宗仏教の正統に据える立場から編纂されている。

概要

本書は、南宋の景遷による『宗源録』や宗鑑による『釈門正統』の基礎の上に編纂されたものである。宝祐6年(1258年)から咸淳5年(1269年)の間の12年間を費やして編纂された。

構成

本書は、『釈門正統』が編年体によって叙述したのを受けて、紀伝体による叙述を行なった。

  1. 本紀(8巻)
    1. 釈迦仏伝(巻1-4)
    2. 西土二十四祖(巻5)
    3. 東土九祖(巻6,7)
    4. 興道下八祖(巻8)
  2. 世家(2巻)
    1. 天台宗旁出諸師略伝(巻9,10)
  3. 列伝(12巻)
    1. 天台宗諸師法嗣略伝(巻11-22)
  4. 表(2巻)
    1. 歴代伝教表(巻23)
    2. 仏祖世系表(巻24)
  5. 志(30巻)
    1. 山家教典志(巻25)
    2. 浄土立教志(巻26-28)
    3. 諸宗立教志(巻29)
    4. 三世出興志(巻30)
    5. 世界名体志(巻31,32)
    6. 法門光顕志(巻33)
    7. 法運通塞志(巻34-48)
    8. 名文光教志(巻49,50)
    9. 歴代会要志(巻51-54)

の5篇19科を立てた。

内容

本書が詳細に記述するのは、天台宗の伝法世系であり、兼ねてその他の各宗に渉っている。引用する内外の典籍は200種に近い。本書の欠点は、収録する名僧の間に往々にして僧名を記さず、山名、師号、寺名などによって代替し、徒らに後世の研究の困窮を増していることである。

その「志」中の「法運通塞志」(ほううん つうそくし、第34-48巻、全15巻)は、編年体の通史に相当する部分であり、『釈門正統』や、禅宗史書である『隆興仏教編年通論』などの先行書、代の『仏祖歴代通載』、代の『釈氏稽古略』などの後代の書と同様、仏教伝来以来の歴史を通観するのに便利な書物となっている。但し、代以前の部分に関しては、引用の誤りなども散見されるため、利用する際には、原典に当たって記述を確認する必要がある。

また、その中には、仏教のみにとどまらず、道教マニ教ゾロアスター教などの記事も含まれるため、天台宗史・中国仏教史のみならず、中国の宗教史の研究の上で、貴重な資料を提供している。

テキスト

大正新脩大蔵経』巻49「史伝部」所収本等の各種のテキストがある。但し、『大日本続蔵経』所収本は、全55巻であり、より初に至る記事が後人の手で増補されている。

翻訳

  • Thomas Jülch, Zhipan’s Account of the History of Buddhism in China, Volume 1: Fozu tongji, juan 34-38: From the Times of the Buddha to the Nanbeichao Era, Sinica Leidensia, no. 93, Brill, 2009. 34巻から38巻までの訳注研究。

参考文献




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