田倉家(佐賀)
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おしんの夫と義理の家族。 田倉 竜三(たのくら りゅうぞう) 演 - 並木史朗 おしんの夫。明治28年(1895年)生まれ。佐賀の旧家の三男。跡継ぎではないため独立し、東京で羅紗問屋を開業していた。 髪結いのおしんの評判を聞きつけ、つきあいのあるカフェの女給のために彼女を呼び寄せたのがきっかけでおしんと知り合った。加代とも面識があり帰郷した加代との連絡を取り持つうちにおしんに興味を抱き、やがて結婚に至る。 苦労しらずのお坊ちゃんだが、おしんや育ての親である源右衛門のことを誰よりも大切に思っている。 また、男の面子にこだわり、結婚後もおしんが髪結いや自分の商売に口出しすることを嫌がっていたが次第にその力を認め、共に事業の拡大に全力を注ぐ。 しかし関東大震災により事業財産の全てを失ってしまい、おしんと長男の雄を連れ佐賀の実家に戻る。 おしんが雄を連れて佐賀を離れた後も親子3人で暮らすため干拓事業に精を出していたが事業は台風によって失敗し、今度は満州開拓に乗り出そうとする。別れのために訪れた伊勢で魚の行商をしていたおしんを見て改心し、夫婦共に伊勢で働き魚屋店を構え一家を養えるまでになる。 戦時下には軍の仕事を引き受け羽振りが良く、戦争を嫌うおしんに反して積極的に戦争協力を行う。戦争への協力、また自身の息子や隣組の若者達を戦争に送り戦死させた責任を取り、おしんと家族のことを思いながらも昭和20年8月16日に自決した。 田倉 清(たのくら きよ) 演 - 高森和子 おしんの姑。神経質かつ昔気質の性格で、小作の娘ということからおしんと竜三の結婚に反対しており、佐賀ではおしんに辛く当たる。 おしんに野良仕事をやらせ、「家のことは、恒子(長兄の嫁)の仕事だから」と家事はさせなかった。おしんが佐和に髪結いをした時は、田倉家の恥だと激怒する。右手が不自由になったおしんが、台所も針仕事もできないとわかると一層疎んじるようになる。 それでも、おしんが死産した時はさすがにやりすぎたと反省し、一時的に和解するがおしんの家出で破綻。おしんからの手紙も破り捨て竜三たちにも見せなかった。 だが竜三が伊勢でおしんと共に魚の行商をし始めたころから、息子がいかにおしんを妻として慕っているかを考えて、その仲を認めるようになる。 竜三の自殺後に伊勢のおしんを訪ね、再び和解する。そして、竜三の骨の一部を持って佐賀に帰っていった。 また、佐賀でお墓参りをするおしんと圭の会話から現在は既に鬼籍に入っていることがわかる。 田倉 大五郎(たのくら だいごろう) 演 - 北村和夫(当初の予定では、佐藤英夫) おしんの舅で田倉家の当主。裕福な地主だが、有明海干拓や竜三の事業に金を出して失敗し、家計を危うくしている。奉公人の源右衛門とは共に育った仲で、その源右衛門のとりなしもあって竜三とおしんの結婚に賛成していた。佐賀に来たおしんに辛く当たる清をたびたび宥めるが、自分の事業の失敗のこともありあまり口出しできない。 なお、おしんが初子を迎えに東京を訪ねて来た頃には大五郎も清も既にこの世の人ではないことが、たか、健とおしんの会話で分かる。 また、佐賀でお墓参りをするおしんと圭の会話から現在は既に鬼籍に入っていることがわかる。 田倉 福太郎(たのくら ふくたろう) 演 - 北村総一朗 竜三の長兄で田倉家の跡継ぎ。父親の放漫な出資で田倉家が傾きかけたのを苦々しく思っている。佐賀に戻ってきた竜三とおしんにも当初は冷ややかな態度をとるが、おしんの働きぶりを見て次第に彼女を認めるようになる。 また、佐賀でお墓参りをするおしんと圭の会話から現在は既に鬼籍に入っていることがわかる。 田倉 恒子(たのくら つねこ) 演 - 観世葉子 福太郎の妻。長男の嫁として厳しい姑の清に仕え、何年も田倉家で身を粉にして働いてきた。 初めはおしんを厄介者と扱うような態度をみせていたが、同じ嫁としての立場からおしんに共感。おしんを陰ながら支援するようになり、おしんのために産着を用意した他、おしんが佐賀を出る時は見舞いに出た清の隙をついて雄を連れ出し、おしんに引き渡した。また清が破り捨てていたおしんからの手紙を拾い集めて裏張りし、後に竜三に渡したりもしている。 また、佐賀でお墓参りをするおしんと圭の会話から現在は既に鬼籍に入っていることがわかる。 田倉 亀次郎(たのくら かめじろう) 演 - 成瀬正 竜三の次兄。陸軍将校。終戦時の階級は中佐。妻(ひろ子)と子もあるが登場はしていない。帰郷した際、大怪我をしたおしんに応急手当をした。 伊勢で竜三に軍に魚を収める仕事を紹介し、雄には陸軍士官学校進学を勧める。 山根〔田倉〕 篤子(やまね〔たのくら〕 あつこ) 演 - 長谷直美 竜三の妹。おしんが田倉家に来る前に他家に嫁いでいるが、何かにつけて田倉家に戻り、清に甘やかされている。おしんと同時期に妊娠し、彼女が田倉家で出産することになったのも、おしんが長女の愛を死産する要因となった。その後、清はおしんへの償いとして、篤子の娘に「愛」と命名した。 今村 源右衛門(いまむら げんえもん) 演 - 今福将雄 田倉家(佐賀)の奉公人。竜三やおしんからは「源じい」と呼ばれる。田倉の本家で竜三の子守をしていた。竜三のお目付け役として一緒に上京し田倉商店の従業員として働く。 当初はおしんを貧しい小作人の娘ということで、田倉商店に転がり込んだおしんのことを快く思っていなかった。 だが家事全般はもちろん、読み書きやそろばん、お茶・生け花などが出来て気立ての良いところを知ると次第に彼女を認め、大五郎への手紙に竜三とおしんの結婚に太鼓判を押すほどになる。 田倉商会の工場落成の際は商会本店で雄の子守りをしていたが、関東大震災が発生すると本店の家屋が崩落。崩れてきた柱から雄を庇い、死亡した。 佐太郎(さたろう) 演 - 木内聡(老年期:平島武広〔第139話〕) 福太郎、恒子夫妻の子。 なお現代のパートにも登場しており、おしんに再会するも「見たことがある」と言うだけでほとんど忘れていた。 おしんも当時の辛い状況を考えて、話し合おうとはしなかった。 千代(ちよ) 演 - 藤田亜里早 福太郎、恒子夫妻の子。 千賀(ちか) 演 - 金子成美 福太郎、恒子夫妻の子。 平吉(へいきち) 演 - 服部賢悟 → 四元りょう 福太郎、恒子夫妻の子。 つぎ 演 - 有明祥子 田倉家(佐賀)の奉公人。 女中 演 - 荒井麻里子 田倉家の女中。
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田倉家(伊勢)
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おしんの子供たちとその家族。 田倉 雄(たのくら ゆう) 演 - 冨家規政(乳児期:伊藤毅→荻堂譲二、幼少期:山野礼央→槇浩、少年期:松田洋治) おしんの長男。大正12年(1923年)1月14日生。伊勢での行商時代にも母子ともに過ごし、誰よりも母を想う青年に成長。幼少期から家事に子守りにと母をよく手伝い、かまどでの飯炊きもできた。 県立中学時代、一時は陸軍士官学校進学を志すが、戦争を嫌う母の言葉、そして初子の言葉を受けて断念し、三高そして京都帝大文科(経済)へ進む。 初子とは相思相愛の仲であったが、学徒出陣の出征後に戦死する。戦友川村の話及び雄自身の手記から餓死であったことが発覚する。 田倉 愛(たのくら あい) 演 - なし おしんの長女。大正13年(1924年)秋、佐賀で出生直後に死亡。 田倉 仁(たのくら ひとし) 演 - 高橋悦史(幼少期:望月匡貴、少年期:内田慎一、青年期:山下真司) おしんの次男。昭和4年(1929年)10月生まれ。 雄や希望とは異なり、利かん気な一面があり、戦時中には親の反対を押し切り、家族の生活費を無断で持ち出して家出した上で特攻隊へ志願、出陣命令を受け実家に訣別の葉書を送ったが、鹿児島で待機中に終戦を迎えたことにより一命を取り留める。 雄と同様に母や家族を想う優しい一面もあるものの、全般的には他人を思いやらない自己中心的な傾向が強く、おしんを苦しめてきた。 戦後には田倉家の跡取りとしての意識を強く持ち、旧制中学4年修了だけで進学はせずにおしんと商売に精を出していたが、いつまで経っても儲からない商売と「ただの魚屋のオヤジ」の身分に飽き足らず、やがてセルフサービスの新しい商売の話を持ち出す。「スーパーたのくら」の経営に成功するが、大きな危機にぶつかる。 八代 希望(やしろ のぞみ) 演 - 野村万之丞(幼少期:大渕貴人、少年期:萩原等司、青年期:塩屋智章) 加代の忘れ形見。おしんの養子。仁と同い年で兄弟として育つ。実の子以上に親(おしん)思いである。 おしんは希望に加賀屋を再興させることが恩返しであると考え、姓は八代のままである。戦後は、中学(旧制の5年制)卒業後は進学せずに商売を手伝っていたが、やがて自身が商売に向いていないことを悟り、田倉の家を出て陶芸家の道を志す。 小学校入学時に自分が孤児であることを知ってのち、家族に妙な遠慮をするようになり、成人後も穏やかな性格が習い性となっているが、元々の気質は母親似で、おしんは圭に「小さい頃は大変だったんだから。…言い出したら聞かないところなんか、そっくりだよ、お加代さまに」と語っている。 田倉 初子(たのくら はつこ) 演 - 佐々木愛(幼少期:上中はるか、少女期:長島裕子、青年期:田中好子) おしんの養女。中沢健の遠縁。大正15年(1926年)生まれ、千人針の話から初子の生年が寅年であることがわかる。山形の小作の娘で、おしんと似た境遇で、幼くして死んだ娘の愛と年が近いため、おしんは娘同様に育て、高等小学校を卒業させる。仁や希望にとっては優しい姉、雄とは相思相愛の仲になる。 雄の戦死後、おしんに自分を縛らずに自由になり山形に帰るように諭されておしんの元を去ったが、実は雄の後を追い誰にも知られない所で死にたいためであった。だが結局死ねずにいたところ、声をかけられたアメリカ兵について行き東京でアメリカ兵相手の娼婦に身を落とし、伊勢の家に送金していた。昭和24年、おしんの説得で伊勢へ戻る。 再び田倉家の家事と商売を支え、一度は雄の戦友の川村からの求婚に、駅前の土地譲渡と引き換えに同意する意思を示したもののその川村が刺殺された。スーパーが軌道に乗りはじめ仁が経営を担うようになると経営方針の違う仁とおしんの間を取り持つようになるが、おしんと仁夫婦の同居の際に生活面の御礼として裁縫店を与えられ独立した。独身を通して実の母のように慕うおしんの面倒を見る。 道子の父・仙造が、小姑の初子を疎ましく思っていた道子の差し金で田倉家から追い出そうと36歳年上の男性との縁談を持ち込んだことがあるが、おしんは初子を殴り辞退させた。 田倉 禎 → 崎田 禎(たのくら てい → さきた てい) 演 - 吉野佳子(乳児期:野竹和子、幼少期:山下陽子、少女期:浅沼友紀子) おしんの次女(戸籍上は長女)。昭和11年(1936年)2月26日生まれ。誕生日が明らかでない登場人物が多い中、禎は2.26事件当日に生まれたとドラマ中に描写されている。 戦時中に家族の中で禎だけが学童疎開させられた。疎開先は竜三の工場の従業員の実家で、伊勢から片道三時間の場所であった。疎開先は農家で食べ物には困らないと聞いており、竜三は疎開先になかなか手に入らない物資や食料をできるかぎり届けていたにもかかわらず、疎開先に子供が六人いたことなどから、禎はろくに食事もさせてもらえず頭にトコジラミがたかっても放置されるなど冷たく扱われてしまい、勝手に無賃乗車で帰宅した。しかし、竜三に諭され禎は次の日に疎開先に戻った。 中学(新制)時代は進学にさほど関心がなく、学校から帰ると専ら家事の毎日だったが、自分の子供には学問をさせたいおしんの願いから、県立高校(新制)を経て名古屋の女子大学へ進学する。 大学では学生生活を謳歌していたが、帰省した際に新しい商売に踏み切ったおしん達が身を粉にして働いている姿を見て大学での日々に違和感を覚えて中退。 おしんの商売を手伝い、仁に勧められていた従業員の辰則と結婚。「崎田食料品店」を開き独立するが、スーパーたのくら2号店出店のため閉店する。 田倉家の末娘のためおしんたちが一番苦労した時期を知らないためかわがままで思ったことをすぐ口にしたりあっけらかんとした性格。 田倉 道子(たのくら みちこ) 演 - 浅茅陽子(青年期:田中美佐子) 仁の妻。旧姓川部。裕福な家庭で育った現代的な女性で、一人娘として甘やかされて育ったため家事が得意でない。 貧しい小作人の娘という境遇や人一倍働き者のおしんとはたびたび諍いを起こす。 結婚しても、同居生活や出産などでおしんたちと衝突を巻き起こし、耐えられないと決まれば実家に帰っていた。 中年期からは、おしんが彼女と距離を置きつつあったために、何事も問題無く通ってきたが、新舗開店時の家出で今までの鬱憤を含んで立腹。 しかし、おしんがいかに一族のために尽くしているかの姿を見て分かり合うようになる。 崎田 辰則(さきた たつのり) 演 - 桐原史雄(青年期:渡辺寛二) 禎の夫。仁の戦友で、アメリカのスーパーで働いていた経験を持つことから田倉商店の従業員として仁に招かれる。気さくな性格で商売の成功のため精力的に働く。 八代 百合(やしろ ゆり) 演 - 寺田路恵(青年期:丘山未央) 昭和27年、17歳の時に継母との折り合いが悪く実家を出て田倉商店に住み込みで働き始めた女中奉公人。良く働き控えめな性格で、おしんや初子からも可愛がられていた。 仁と関係を持つが、昭和30年、仁の結婚に絶望して田倉家を出、希望の陶匠のもとで働く。以後、二度と田倉家を訪れることはなく、仁とも生涯顔を合わせることはなかった。 おしんは百合を不憫に思っていたが、後に希望の妻となり、おしんは喜ぶ。しかし、息子・圭を産んでのち、新居を構え引っ越す前日に交通事故で急逝する。 八代 圭(やしろ けい) 演 - 大橋吾郎(幼少期:岩淵健) 希望と百合の一人息子。加代の孫。子供の頃、母の死によって一時おしんの下で生活していたことがあり、他の孫たちよりもおしんを慕っていて、おしんからも可愛がられていた。東京の一流大学に現役で合格し、山岳部に所属。大学の春休みに帰郷すると祖母のおしんが家出しており、思い出話を頼りに捜索に訪れた銀山温泉で見事おしんを見つけることに成功する。 おしんと血の繋がりがないことは知っていたが、それ以上のこと(奉公や実の祖父母のことなど)はこの時点では聞かされてはいなかった。その後、おしんが過去に過ごした土地を一緒に訪れ、おしんが今までひた隠しにしてきた人生を知ることとなる。 物語終盤に実の祖母である加代、おしんの師匠であるくにといった先祖たちを思って、加賀屋の再興を目指そうと思い立つ。 田倉 剛(たのくら たけし) 演 - 宮本宗明(少年期:玉野叔史) おしんの初孫。仁の長男。両親は家庭教師をつけるなど教育熱心だったが、出来はあまり良くなく、中学時代に名古屋でパチンコをして補導されている。スーパー田倉の営業部長。 「剛」の名は、道子の実家が選び、おしんの「竜三の竜の字をとって」という願いは無視された。これも嫁への不満の種となる。 田倉 幸子(たのくら さちこ) 演 - 影山真弓 剛の妻。 田倉 あかね(たのくら あかね) 演 - 鈴木美江(少女期:甲斐みどり) 仁の長女。あかねの交際相手は、父・仁も「将来の『たのくら』の片腕に」と見込んでいた男だったが、店の経営危機と共に去ってゆき、大失恋の痛手を味わう。その後、所詮彼は地位が目当てだったのだ、と己れに言い聞かせ、少しずつ立ち直る。 田倉 みどり(たのくら みどり) 演 - 川上麻衣子(幼少期:米沢由香) 仁の次女。名古屋の大学に通っている女子大生。 田倉 進(たのくら すすむ) 演 - 永山純一 剛の長男。おしんの曾孫。 芳枝(よしえ) 演 - 石田紀子 田倉家(伊勢 / 完結編・昭和43年)のお手伝い。 文子(ふみこ) 演 - 伊藤公子 田倉家(伊勢 / 完結編・現代)のお手伝い。
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