鬼籍とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 同じ種類の言葉 > 文化 > 道具 > 帳面 > 鬼籍の意味・解説 

き‐せき【鬼籍】

読み方:きせき

死んだ人の名死亡年月日書きしるす帳面過去帳点鬼簿


鬼籍

作者村上政彦

収載図書トキオ・ウィルス
出版社角川春樹事務所
刊行年月2000.3
シリーズ名ハルキ文庫


鬼籍

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/03 14:04 UTC 版)

ナビゲーションに移動 検索に移動

鬼籍(きせき)とは死者漢語で言う「」)のであり、仏教や民間信仰などで地獄閻魔大王の手元で管理されているとされる書類である。鬼録(きろく)、生死簿(せいしぼ)、閻魔帳(えんまちょう)とも呼ばれる。

概説

閻魔大王など、死者を裁く冥府の裁判官などが管理されているとされるこの書類には、亡くなった者の姓名・年齢などが記されている。また、生きている者の寿命がすべて記されているともされている。

ここでつかわれている「鬼」とは、日本において一般に想像される鬼(赤鬼や青鬼など)ではなく、死者の霊魂を指している。慣用表現としてつかわれている「鬼籍に入(い)る」という言葉は、鬼籍(閻魔帳)に亡くなった人の名と情報が記載されることを示しており、人が「死ぬ」という意味である。「鬼録に登る」も同義。また、日本では寺院で記録される過去帳(かこちょう)のことを鬼籍とも呼ぶこともある[1]

鬼籍などの登場する物語

寿命が尽き亡くなった者の姓名が記されているが、同姓同名の人間が似た土地、近い土地などに存在していたために冥府側で書類の不備が起き、本来の寿命とは違う人間が亡くなってしまったという内容の物語や説話が、中国や平安時代以後の日本の説話集などに見ることが出来る。誤って亡くなってしまった人間の鬼(たましい)は、遺体が処理されてしまうなどして蘇生することが出来ず、本来亡くなるはずであった人間(手続きがきちんとなされてこちらのたましいは冥府へ連れてゆかれる)の体に入って蘇生をし、自分の家へ戻ったり、その家族たちの間で騒ぎが起こったりするのが主な展開である。また、同姓同名による手違いではなく、自然発生的な不意の要因(事故や疫病など)で書類上の寿命よりも早い段階で亡くなってしまった者も、書類が優先されて現世へ帰されることになるが、同じく蘇生するための体が存在しなく、手ごろな遺体にたましいをうつされてしまう物語も多く残されている[2]

中国の小説『西遊記』第3回では、冥府にある書類として生死簿が登場しており、人間だけではなくあらゆる生物(十類)の寿命が書かれているとされ、孫悟空は自分の寿命が記されている箇所をで抹消して無効にし、不死の体を得ている[3]

同義語と類語

  • 点鬼簿(てんきぼ) - 過去帳のこと[4]。この「鬼」も死者の霊をさしている。
  • 質阻羅笈多(しつそらきゅうた) - ヤマ(閻魔大王)のもとで人間たちの善悪を記した書類を管理しているとされる役人、記録官。中国では司命(しめい)とも呼ばれる[5]
  • 冥籍(めいせき) - 冥界に存在する鬼(霊鬼)たちが登録されている戸籍。これをもとに転生などの執行が管理されていると考えられていた[6]

脚注

[脚注の使い方]
  1. ^ 過去帳』 - コトバンク
  2. ^ 澤田瑞穂『修訂 鬼趣談義』 平河出版社 1990年 106-130頁 ISBN 4-89203-181-X
  3. ^ 小野忍訳『西遊記』(1) 岩波文庫 1977年 83-87頁 ISBN 4-00-320201-5
  4. ^ 点鬼簿』 - コトバンク
  5. ^ 加藤咄堂『死後はどうなる』 大東出版社 1938年 40-41頁
  6. ^ 澤田瑞穂 『修訂 鬼趣談義』 平河出版社 1990年 131-133頁 ISBN 4-89203-181-X

参考文献

  • 川畑英毅『この日本語の意味がわかりますか?』 PHP研究所

関連項目

外部リンク


鬼籍

出典:『Wiktionary』 (2021/08/19 13:19 UTC 版)

名詞

きせき

  1. 仏教死者姓名などを記入する帳面

発音(?)

き↗せき

類義語

関連語

脚注


「鬼籍」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。



鬼籍と同じ種類の言葉


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「鬼籍」の関連用語

鬼籍のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



鬼籍のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの鬼籍 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Text is available under Creative Commons Attribution-ShareAlike (CC-BY-SA) and/or GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblioに掲載されている「Wiktionary日本語版(日本語カテゴリ)」の記事は、Wiktionaryの鬼籍 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、Creative Commons Attribution-ShareAlike (CC-BY-SA)もしくはGNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2024 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2024 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2024 GRAS Group, Inc.RSS