岩美重工
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/10 05:33 UTC 版)
昭和25年設立。日本最大の機械メーカー。船舶・海洋事業、原動機事業などの他、兵器開発に注力しており、「兵器のデパート」と呼ばれる世界でも有数の軍需企業である。社訓は「死は金なり」。企業序列第7位。通称『極東の死神軍団』。拳願仕合通算戦績111勝61敗。 絶命トーナメント中に行った賭けによりガンダイを傘下に収めており、2年後の『ケンガンオメガ』では拳願会での影響力を強めている。 ムテバ・ギゼンガ 声 - 楠大典 洪小虎を超える闘技者を求めた東郷とまりがついに探し当てた最強の殺戮傭兵。全身余すところなく刺青を入れた、いかにも恐ろしげな容貌の巨漢の黒人。43歳。 シエラレオネで起こった反乱軍のクーデターの鎮圧のため政府から雇われた際、完全武装した反乱軍を単身・素手で一発の銃弾にも当たることなく皆殺しにした逸話を持ち、『虐殺者(ジェノサイダー)』の通称に加え、「コンゴの死神」「伝説の殺戮傭兵」「アフリカの最強生物」「暗黒大陸の殺人マシーン」「非情の拝金戦士」などの様々な異名で恐れられる。かつて呉堀雄と戦ったこともあり、堀雄をして「正直、二度と戦いたくない」と言わしめた。出光とも面識があり、かつてドバイで護衛の仕事を受けたことがある。 非合理を嫌う性格で、傭兵らしく不用意に深追いしない、慎重かつクレーバーな戦闘スタイルが特徴。ウィークポイントを突き、無駄なく倒す戦法が基本で、効率よく相手を破壊するために急所や負傷箇所への攻撃をためらわずに行い、心理戦も巧み。あくまでも傭兵であるため徒手格闘に精通しているわけではないが、トーナメントの中で急速に格闘技術を培っており、2回戦ではボクサーを真似て戦場では使わない「フットワーク」を即席で使いこなし、機動力で相手の攻撃を空振りさせつつ、タッチボクシングのように負傷箇所を狙いダメージを蓄積させるという技能も見せた。ただ、「勝つこと」ではなく「生き残ること」が傭兵の本懐なので、リスクを避け、最も生き残る確率が高い方法を選択する。 実は過去の戦いの中で負った傷により完全に失明しており、現在は全盲である。だが、視力を失ってはいるものの、それ以外の感覚、特に嗅覚と聴覚が非常に発達している。ムテバ本人曰く「常人以上に視えている」らしく、心拍や呼吸を聞いて相手の心理を読んだり、聴覚と嗅覚で会場全体の様子を知覚してみせた。嗅覚の情報だけで対象の年齢や人種すらかなり正確に把握でき、面識があれば個人まで特定可能。盲目でありながら常人でも狙うのが難しい眼球を的確に狙う様は「名手」と評される。また、失明時の反省から、五感の一部を戦闘中に失うことがあってもそれ以外の感覚で戦闘を継続できるように訓練を積んでいる。なお、2回戦以降、岩美重工が開発した振動感知・赤外線感知など5種類のモードを使い分けられる義眼を提供されており、被験者第一号として仕合中に性能のモニタリングを行っている。 サップ風のコーディネートを好む伊達男でもあり、服のことになると話が止まらなくなる。また絶倫のようで、トーナメント開催地に向かう拳願号の船室内では、とまりにあてがわれた女たちを食い散らかしており、仕合の入場前にもつまみ食いとして女たちを食い散らかしていた。 とまりの「命の価値は不平等」と言う考えに同意し拳願仕合に参戦。彼女からは「テメーに勝てる人間はこの世に居やしねえ」と太鼓判を押されている。トーナメントを「戦い」ではなく「一方的な人間狩り(マンハント)」と称し、「狩りこそが我が人生」と嘯く一方で「快楽殺人鬼ではない」とも語っており、殺人をためらうことはないが無用な殺しは嫌う傾向にある。 トーナメント1回戦で目黒と対戦。開始直後に背負い投げを決められ、マウントポジションから首を締められる。目黒の柔道技術と急所攻撃にも一切怯まない特異体質に苦戦しつつも、睾丸を潰してマウントを解くと、目黒の醜悪さに嫌悪感と侮蔑の念を抱き、「殺処分」を宣言。気道を潰して首をへし折り、潰した右目を二本貫手で抉って脳を破壊することで、相手を殺害した。 2回戦ではマーヴェラス・セキと対戦。目突きを受け返されて以降は体格差もあって圧倒され、両耳を潰されるという痛手を負ったが、研ぎ澄まされた嗅覚を頼りに戦闘を続け、目突きを多用することで生じさせた意識の隙を突いて決定打となる「心臓抜き」を放つ。それでもなお立ち上がられ、一撃を食らわされたことで失明以来初めて「戦士」としての本能が疼くこととなったが、セキがすでに戦闘不能であることを察し、彼が貫いた「プロレスの流儀」に敬意を表して裏投げからの3フォールを決めて勝利を飾った。 クーデター時には「プロレスの授業料を働いて返す」として医務室に駆けつけ、雇い主には内緒で怪我人たちの窮地を救う。 3回戦では若槻と対戦。この頃には義眼にも慣れつつあり、相手の隠し球の1つである組み技を経穴を突くことでかわす一方で、圧倒的なパワーへの警戒から一進一退の攻防を繰り広げる。若槻が鼻を狙っていると考えたため、敢えて嗅覚を犠牲にして義眼による捕捉を開始し、一瞬の隙を突いて首筋に貫手を放つが目線の動きから目が見えていることを悟られており、筋肉によって受け止められ爆芯で右腕を破壊されてしまう。重傷とはいえ十分に戦闘続行可能だったが、傭兵としてのスタンスからこれ以上の継戦は本業に差し支えると判断し独断で棄権する。 仕合後にとまりから詰問され、追及をかわすために1回だけ無料で仕事を受ける契約を結び、会場を去った。 その後、アゼルバイジャンでの目撃情報を最後に消息を絶ち、『ケンガンオメガ』では休暇を取っていたが、対抗戦で活躍できる闘技者以外の強者を求めるとまりから接触を受け、出場を要請される。だが、試合が煉獄の「不殺」ルールだった場合は自分ではやりにくいと考えたため、コネを使ってユリウスを呼び岩美重工の闘技者として出場させることにした。報酬は美女と美味い酒の各1ダースで、ユリウスが勝てば追加報酬が出ることになっている。使用武術・軍隊格闘術 軍隊格闘術(サイレントキリング)の達人。急所攻撃、騙し、化かしを得意とし、ルール無用の戦いでは右に出る者はいない。古代中国の暗殺術や、経穴攻撃など中国医学にも通じている。 主な技 目突き ムテバの得意技。聴覚をもとに「位置情報」を把握し、的確に眼球を破壊する。さらに、その残虐性からインパクトが強いので、無意識に対処に注意を向けさせることで、「心臓抜き」の奇襲を成功させやすくしている。 心臓抜き 標的の肉体に外傷をつけないために古代中国などで使われた暗殺技術の通称。肋骨の下をくぐり抜けて心臓に直接軽く触れることでその鼓動を止めるという技で、力はそれほど必要ではないが胸部の筋肉が緩んでいなければ十分な威力は発揮できない。タフネスで知られるセキを一撃で戦闘不能に追い込むほどの威力を誇る危険な技。 洪 小虎(ほん しゃおふー) 破竹の快進撃を続ける中国拳法家。通称『四川の人食い虎』。29歳。「極意拳」という流派を修めており、脳内麻薬のコントロールを最大の奥義とする。それによって痛覚をシャットアウトできるため、痛みを無効化し、加減なしの強力な打撃を放つことができる。唯一の敗北は『滅堂の牙』との対戦によるものであり、『滅堂の牙』と対峙し、再起不能を免れた数少ない闘技者の一人でもある。以来、復讐の機会を待ち続けてその腕を磨いてきた。 拳願絶命トーナメント開催1か月前の拳願仕合において御雷と対戦したが、圧倒的な実力差を見せつけられ、両膝を蹴り砕かれ動けなくなり敗北。敗北を認めず砕けた膝で立ち上がるという驚愕の気概を見せるが、理乃の「おすわり」の一言で脳内麻薬の分泌を止められ、蘇った痛覚により完全に戦闘不能となる。 『ケンガンオメガ』でも現役で、関林、河野に次ぐ実力を持つ岩見重工派閥の戦力とされる。 東郷 とまり(とうごう とまり) 声 - 小林ゆう 兵器製造に力を注ぐ、岩美重工の女性経営者。26歳。奇抜な言動とは裏腹に確かな経営手腕を持つが、同時に「死の商人」「日本経済界の奇人」の異名を持つ危険人物としても知られている。凶相な上に言葉遣いも乱暴だが、檜山に女性としての危機意識を持つよう注意するなど、面倒見の良い一面も見られる。その一方で理乃にはすっかり玩具にされている。 拳願絶命トーナメント開催の1か月前、自社最強の闘技者である洪小虎を擁してゴールドプレジャーグループとの拳願仕合に臨むが、思わぬ完敗を喫してしまう。理乃への復讐を誓い、新たに見出したムテバを擁してトーナメントに挑む。 反権力主義の塊のような性格であると同時に超合理主義者でもあるため、利益のためにあっさり信念を捨てて拳願会長の座を目指す。同じ合理主義者であるムテバとは雇用主と闘技者という関係においてなかなか相性が良いが、彼の服に関する長話には辟易している。 技術の発展に関しても柔軟な思考を持っており、その想像力の豊かさはムテバをして「ロマンチスト」と言わしめる。彼に提供し性能試験を行なっている義眼も、幼少期に見たとあるSF映画を参考にしたものである。 ユリウスの敗北による東洋電力の求心力の低下、それによる乃木の台頭を危惧しガンダイを自身の傘下に加えようとするも、鹿野と対立(組むことに対してではなく、ガンダイが岩美重工の傘下に入ることを拒絶した)。2回戦で勝利した企業の軍門に下る賭けを鹿野と行い、これに勝利したことで拳願会での地位をさらに強固なものとする。 3回戦で契約違反でこそないものの勝手に仕合を棄権したムテバに激怒するも、「最強の傭兵への無料依頼権1回分」をもぎ取ったことで一応は矛を収めた。 『ケンガンオメガ』では拳願会の役員。組織内での発言力を増すため、対抗戦には関林と春男を出場させて2勝を確保する心算があったが、彼らの出場辞退により計画を変更。2年前のトーナメントで雇ったムテバに再び接触を図ったものの、彼から代理として指名された元東電闘技者であるユリウスを出場選手として送り込む。 湯梨浜 房枝(ゆりはま ふさえ) とまりの秘書。とまりの人命軽視主義を問題視している。とまりの付き添いでテロ鎮圧や新兵器のプレゼンをするために世界各地を飛び回っているため、非常に多忙。ネームドキャラにも関わらず地味な外見なのが特徴 ユリウス・ラインホルト 元東洋電力闘技者。詳細は「#東洋電力」を参照
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