パセリ パセリの概要

パセリ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/17 08:51 UTC 版)

パセリ
パセリ
分類APG III
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 eudicots
階級なし : コア真正双子葉類 core eudicots
階級なし : キク類 asterids
階級なし : キキョウ類 campanulids
: セリ目 Apiales
: セリ科 Apiaceae
: オランダゼリ属[1] またはオランダミツバ属[2]
Petroselinum
: オランダゼリ P. crispum
学名
Petroselinum crispum (Mill.) Fuss (1866)[3]
シノニム
和名
オランダゼリ[1]
オランダミツバ[2]
英名
parsley

特徴

二年草[8]カール・リンネはパセリの原産地をサルディニア島と主張したが、結論は出ていない[9]

草丈は30 – 60センチメートル (cm) で、さわやかな香りを持ち、鮮やかな緑色をしている。葉は濃緑色で表面に光沢があり、2 - 3回3出複葉をつける[8]

2年目の夏から秋に、60 cmほどの花茎を伸ばし、5 cm程度のセリ科特有の複散形花序をつける[9]。花序には、径2 - 3ミリメートル (mm) ほどの黄緑色の小さなが多数つく[8]。長さ3 mmほどの小さな果実は平たい楕円形または広卵形で、一般にはパセリの種と呼ばれている[9]

歴史

地中海沿岸南イタリアおよびアルジェリアが原産といわれる[8]古代ローマ時代から料理に用いられており、世界で最も使われているハーブの1つでもある[10]。地質や気候への適応性に優れ、栽培が容易なため世界各地で栽培されているが、乾燥には弱い。なお葉が縮れているものは人間の品種改良によって生み出されたものであり、自然界では不利になる形質である[11]

日本には18世紀末にオランダ人によって長崎に初めて持ち込まれたとされ、長崎で栽培されていた[8][10]。このため、「オランダゼリ」「洋ゼリ」などの名でよばれていた[12]。本格的に日本で栽培が始められたのは明治初年以降である[8]


  1. ^ a b 大場秀章(編著)『植物分類表』(第2刷)アボック社、2010年。ISBN 978-4-900358-61-4 
  2. ^ a b 米倉浩司『高等植物分類表』(重版)北隆館、2010年。ISBN 978-4-8326-0838-2 
  3. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Petroselinum crispum (Mill.) Fuss パセリ(標準)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2023年8月27日閲覧。
  4. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Petroselinum hortense Hoffm. パセリ(シノニム)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2023年8月27日閲覧。
  5. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Petroselinum crispum (Mill.) Fuss var. japonicum (Thunb.) H.Hara パセリ(シノニム)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2023年8月27日閲覧。
  6. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Apium petroselinum L. パセリ(シノニム)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2023年8月27日閲覧。
  7. ^ 松村明編 「パセリ」『大辞林 4.0』 三省堂、2019年。
  8. ^ a b c d e f g h 田中孝治 1995, p. 206.
  9. ^ a b c d ジョンソン et al. 2014, pp. 244–247.
  10. ^ a b 基金だより第175号”. 日本金属プレス工業厚生年金基金. 2019年12月2日閲覧。
  11. ^ 「かたち」と「はたらき」の生物進化-偶然か必然か(学術俯瞰講義) 第9回植物の<見かけ>はどう決まる:ヒトが選んだ姿塚谷裕一
  12. ^ a b c d e f g h 猪股慶子監修 成美堂出版編集部編 2012, p. 169.
  13. ^ a b c d e 板木利隆 2020, p. 250.
  14. ^ a b c d 金子美登 2012, p. 158.
  15. ^ a b c d e f 板木利隆 2020, p. 251.
  16. ^ 板木利隆 2020, p. 252.
  17. ^ a b c 板木利隆 2020, p. 253.
  18. ^ a b c d 田中孝治 1995, p. 207.
  19. ^ Phillips DH; Reddy MV; Randerath K (1984年). “32P-post-labelling analysis of DNA adducts formed in the livers of animals treated with safrole, estragole and other naturally-occurring alkenylbenzenes. II. Newborn male B6C3F1 mice”. Carcinogenesis 5 (12): pp. 1623–8
  20. ^ ハーブ大全 小学館 R.メイビー
  21. ^ ハーブ大百科 誠文堂新光社 デニ・バウン
  22. ^ 国立健康・栄養研究所 情報センター 健康食品情報研究室 パセリの項
  23. ^ a b c d e 健康食品データベース 第一出版 Pharmacist's Letter/Prescriber's Letterエディターズ 編 (独)国立健康・栄養研究所 監訳 (2006298285) 日本皮膚科学会雑誌.2006;116(6):945
  24. ^ 瀧井康勝『366日誕生花の本』日本ヴォーグ社、1990年11月30日、285頁。 


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