暴行被害事件の概要
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 02:23 UTC 版)
2019年1月8日、山口が動画配信サービス「SHOWROOM」で被害を告白した。グループの中に悪い事をしている人物がおり、メンバーの個人情報が流出していると、運営に訴えるも1カ月経っても対処してもらえないなどと訴えていた。それにより1月9日、山口が自宅玄関先で男2人から暴行を受けていたことをNHKが報道した。1月10日にNGT48劇場で行われた公演に山口も出演し、「この度はお騒がせして誠に申し訳ありません」などと謝罪をした。NGT48の運営会社であるAKSは、1月11日の新潟日報の取材に対して、現時点で新たに調査結果を発表する予定はなく、ファンへの説明や会見なども考えていない旨の回答をした。 山口は、Twitterの投稿でグループのあるメンバーが自宅の場所を教え、また、自宅に押しかけるようにそそのかしたことを明かしていたが、この点に関して運営側はコメントを出していない。また、オートロックのマンションに犯人が侵入できた理由も明らかになっておらず、山口は「メンバーが住んでいた向かいの部屋から男が出てきた」とも主張していた。 1月14日、AKSが会見し、「警察の捜査状況を鑑みていた」として対応が遅れたことを謝罪。第三者委員会を設置して調査することを表明した。3月22日、AKSは調査結果を受けて新潟市で記者会見を開いた。会見では、山口の訴え、とりわけ事件に関するメンバーの関与を否定、報告書では犯人グループと一部メンバーに私的交流があったことを事実認定しており、これが「証拠」に当たるのではという質問には、しどろもどろで「不問ということです」と答えるのみ、解決策は「とにかく、メンバーとのコミュニケーションをしっかり取る」という、具体性を欠くものだった。また、実際記載されていないのに、「挨拶も私的領域の接触、つながりであると報告書の中ではっきり指摘されている」と答えていたため、山口に「『繋(つな)がっているメンバーを全員解雇する』と私に約束しました」「報告書に記載もないのに繋(つな)がりには挨拶(あいさつ)も含まれるというのは勝手な解釈です。 他のファンには公表できないような、特定のファンとの私的交流を繋がりと言うのはメンバーのみならずファンの皆さんも認識していると思います」など反論された。告発時に主張していたメンバーの事件への関与については反論していない。 東京スポーツによると私的交流について、NGT関係者の話として、つながりメンバーの中に山口本人の名前が挙がっていることから、詳細な調査や処分ができなかったとしており、裁判では犯人自身もマンション内で直接会ってプレゼントを渡したことがあるなど、山口との間にも私的交流があったことを証言している。 第三者委員会には事件の証拠として複数の録音データ(いずれも事件当日のもの)が提出され、そのうち、公園での会話内容を録音したデータの一部が記載されると共に、報告書には事件に関与していたとして甲、乙、丙の3名について記載されている。甲は山口のファンで事件前から西潟のファン、乙は太野のファンで山口に最初に暴行し甲と共に逮捕されている。丙は西潟のファンで山口の帰宅時間に関わる情報をつながりのあるメンバーから聞き甲乙に伝えた男性。 第三者委員会報告会見では産経新聞から「(報告書にある「甲」「乙」「丙」と山口との)私的なつながりはなかったのか。」と問われ、松村取締役「そのように理解しております。」と答えている。。 NGTの関係者によると、事件について伏せていた理由は、犯人は山口にとっては多額のお金を投資してくれた太客で山口本人と顔見知りであり、犯人が山口と接触してから110番通報されるまで1時間の空白があり、通報したのは山口ではなくNGTの関係者で、新潟署の捜査員が駆け付けたとき、山口は犯人たちとマンション近くの公園で話をしていたことから事件性はないと判断したためだったと説明している。 第三者委員会の報告書によると、山口は公演の後、メンバーを送迎するためのマイクロバスに乗って帰宅した際、居住するマンションの3階の自分の部屋に入ろうとドアを閉めようしたところ、降車ポイントでメンバーに声をかけ、マイクロバスに山口が乗っていること、別のメンバーが乗っていないことを聞いた丙からの情報を元に山口の帰宅時間を計算し、向かいの部屋で待っていた甲乙の乙からドアを突然こじ開けられ顔を掴まれるなどの暴行を受けるも、山口は必死で乙を共用廊下に押し返しドアを閉めようしたが、向かいの部屋から出てきて乙を横によけた甲からも顔を掴まれるなどの暴行を受けた。顔を掴まれしばらく声を出せずにいた山口が悲鳴をあげると、甲が山口の口を塞いだが、エレベーターの止まる音がなり甲の勢いが止まった。そこで、山口は甲を押し返し山口も共用廊下に出て、しゃがんで泣き叫び警察に通報しようとしたが甲に阻止され(乙はエレベーターから降りてきて泣き叫ぶ山口の方に寄ってきた男性を静止してケンカしてるだけと説明)過呼吸になりながら泣き叫ぶ山口に対して甲は謝り、「メンバーにも相談して、メンバーに提案されて、やったことだから」、「こうすればまほほんと話せるよと提案された」とA、B、C3人のメンバーの名前を挙げた。その後山口は同じ階に住むEの部屋に行ったが、Eが不在だったため、犯人らに1階に下りるよう要求し、犯人らは1階に降りていった。山口は1人になるとメンバーのDとEに電話をかけ、他のメンバーの自宅マンションにいたDが5分で来れると言ったためDを待つことにした。Dはマネージャーに電話をかけた後、マンションに到着すると山口と合流し、Dの部屋から再度マネージャーに電話(スピーカーフォンで3人会話)をし、犯人らが名前を挙げた3人のメンバーの内の1人であるAが来ると言ってることから話を聞きたいことを伝えて、山口とDはマンションの外にいた犯人らと合流した丙とともに公園に移動した。公園で山口と犯人らがやり取りをしている中マネージャー3名が到着、それ以降は、マネージャーらも居合わせる中で、マイクロバスに移動する等して、事件の関与者等について、主に山口氏と甲との間でやり取りがなされた。その後警察が到着、翌日2018年12月9日、甲と乙は新潟警察署において暴行の容疑で逮捕されている(P4、P5、P8、P9)。 調査報告書は、甲、乙、丙ともAに連絡を取った事実は確認できず、実際にAは公園に来なかったことを指摘している。 後日この時の犯人たちとの会話の内容が公開されているが、犯人は最後に「いや、連絡、実際に取ってない。取ってるように、その……。(山口が)パニック、パニックになってて、その、男だけじゃ(山口と)話して、男とだけじゃ(山口に)怖がられて話してもらえないみたいな風に甲から聞いてたから、何かその、連絡取ってる……。」「本当のこと言う。それはG(3人とは別のメンバー)でしょ。それは普通にGで(電話で)呼んでたけど、さっき言った通り、何か(Gは)メンバーの家に集まっていたから(連絡が取れなかった)」と実際にはAではなく別のメンバーに連絡を取っていたと説明している。 デイリー新潮は、警察は任意でメンバーの携帯のデータを調べるなどしたうえで、「NGTのメンバーがファンと組んで事件を起こした証拠は出なかった」と今村支配人に報告していると報じている。 一つ間違えば深刻な事態が発生してもおかしくない事案であったにも拘わらず、AKSは大きな問題をはらむ事案であると判断せず、事件から1ヶ月経過の山口の告発まで山口やメンバーの安全の確保、その前提としての山口をはじめとする関係者からの事情聴取などを実施していないが(P33、P34)、その点についてNGT関係者は前述のとおり犯人と山口との関係性から事件性がないと判断したことと、過去にメンバーが住んでいた部屋から犯人の一人が出てきたため、山口が犯人とメンバーが繋がっていると思い込んでパニックになっていたことから、山口が落ち着くのを待つためだったと説明している。 第三者委員会報告書会見では朝日新聞に1月8日までの対応、山口告発後の1月8日以降の対応について問われ、松村取締役は「それはもうこの報告書にも書かれているように、私どものやはり、AKSのガバナンスの問題っていうことに尽きるかなというふうに思います」と回答している。報告書では、山口の告発後、事実上の更迭された前支配人今村悦朗が何らかの処分権限が認められているわけではないにもかかわらず「処分する」と回答するなど、その場しのぎの対応をしていたことが指摘されている(P33)。 全国紙社会部記者によると山口が「帰宅時間や住所を犯人に教え、家に行けと唆したのはNGTメンバー」という告発と同時にNGTメンバー4名のツイッターのフォローを外したため、ネット上では「メンバーが事件の黒幕では?」と大騒ぎになったという。メンバーがバッシングや誹謗中傷を受けたほか、殺害予告などの嫌がらせが集中する事態になった。NGTはメンバー1人の事件関与(山口がバスに乗っているかどうかを聞かれて咄嗟に回答してしまったメンバーがいたこと)を発表し、その翌日公演の中止を発表した。一正蒲鉾はNGT48から事情説明がなく、報道以上の事実確認はできていないとしながらも消費者の意見を理由にCM放映を見合わせた。またAKSの会見中に山口がツイッターを更新して反論し、両者の見解に溝があることが浮き彫りになったことの影響などからNGTの冠番組も休止・終了に追い込まれた。 NGTの中心メンバーだった荻野由佳は山口にSNSのフォローを解除されたり、山口を煽っていたともとれる投稿したと解釈が広がり、ツイッターやインスタグラムのコメントが誹謗中傷で埋め尽くされ、モデルを務めたコンテンツも批判が殺到し削除される事態になった。また荻野が更新したフォトログでメンバーに感謝の意を伝える際に、菅原りこと長谷川玲奈の名前を外している。特に、菅原は運営会社AKSの会見の際、「ただ真面目にアイドルをしていただけなのに…皆さんの笑顔が見たいだけなのに…悲しい…」とツイートしていることや、山口と仲が良いことから故意に外したのではないかとネットユーザーやファンから疑われ、批判が殺到した。また、加藤美南も山口らのNGT卒業公演の模様を伝える「情報ライブミヤネ屋」のテレビの前で「せっかくネイルしてるのにチャンネル変えてほしい」という揶揄するコメントを投稿をし、NGT内部での陰湿な山口いじめが表面化したものであるとして炎上につながった。山口はNGTファンからも「冤罪だったとしてもこの一連のイメージダウンは取り返しがつかない」「結局やってることはグループをメチャクチャにしてるだけ」 「酷いグループなら辞めればいいじゃん 山口はクズだよ」などと匿名掲示板やTwitter上で誹謗中傷されている。 これらメンバーと山口との関係が悪化していた理由について、山口がメンバー数人の処分を強く訴えたことで無実を主張するメンバーとの対立が深刻化し、告発後も個人名や証拠を示さずにSNSのフォローを外すなどあいまいな批判を展開したことで無関係のメンバーにまでバッシングが飛び火したため、山口のやり方に疑問を抱くメンバーが増えて、グループ内で孤立する結果になっていたことや、事件以前からグループ内で起きていた、グループ間の対立関係が想像以上に悪化していたこと(事件時の山口の所属はチームGで、事件への関与やつながり、山口への嫌がらせを疑われたメンバーは全てチームNIIIの所属。旧チーム体制を参照。)などを東京スポーツは報じている。 NGTバッシングの原因になったメンバーによる事件関与の疑いに関しては、第三者委員会の報告書では、録音データによると(P7)犯人が「そもそもあそこ、一部屋借りてて。」と、事件以前からマンション内に部屋を借りていたことを認めていることから、メンバーの協力が無くてもマンションに出入りしたり山口の部屋を特定することは可能であるとしており、犯人の供述、メンバーの供述、新潟警察署の捜査結果を検証した上で、山口がバスに乗っているかどうかを聞かれて咄嗟に回答してしまったメンバーがいたこと以外に、NGTのメンバーが犯人らとの間で何らかの共謀をして事件に関与した事実は認められないという結論を出している(P11)。 報告書は山口の帰宅時間に関わる情報を教えたメンバーについて、本件事件について何らかの共謀があったことを示すような犯人の供述はないとしていたが(P10)、週刊新潮では「そういう外で何かするとかよりは」「こうやれとか、別に向こうから俺に言ったわけじゃないから。」というメンバーがそそのかす供述があったことを犯人が供述していたことが報じられている。 報告書では事件の際、被疑者らが出てきた山口の向かいの部屋もマンスリーマンションとして募集がなされていることを確認できたとしており(P7)、そこに居住していたメンバーは事件が起こる数ヶ月前にマンションを退去済みであることを前提事実として提示しており(P4)、当時の早川支配人もメンバーは昨年7月に不動産屋立ち会いの元で退去し、メンバーの退去後にその部屋はウィークリーマンションの会社が借り上げていると警察が言っていたと聞いたと述べている。 報告書には山口が事件の2ヶ月前にあたる平成30年10月の握手会で「甲から『Cがお前の家に行けってめっちゃ言ってくるんだけど。』」と言われたと主張したとしているが、甲は事件後の山口とのやり取りの中で「Cは関係ない。」「Cは関わっていない」「このことをCに言ったりは全くしていない」とCの関与を全面的に否定していることが記載されている(P10)。 会見では産経新聞にこの件ついて問われ、松村取締役は「いや、これはまったく存じておりません」と回答、今後の調査について問われ、 松村取締役は「いや、(省略)いろいろと話し合いを続けていきたいなというふうにしか思っておりません。」と回答している。 報告書では山口氏の部屋番号などを知っていたことについて、甲は、「相当前にBか誰かに聞いたな。」、「握手会とかだから。」、「それはもう1年前とか。」、「最初どうやって知ったんだろう。」などと供述している。また、甲は、甲自身は直接Bと連絡は取っていないものの、「Bは知っているかもしれないけど。」、「B知ってんのかな。」などと発言して、Bが本件事件について何らかの事情を知っている可能性を示唆する供述をしている(P10)、 他にも甲が、山口氏の部屋の番号を知った経緯について、相当前に何人かのメンバーに聞いたと述べている(P22) 。 ただし裁判で甲は3年前の握手会で「プレゼントを贈りたいから住所を教えてほしい」と尋ねて山口本人から自宅の部屋番号を聞いたと主張しており、Bに聞いたとされる1年前の握手会より以前、事件の1年8ヶ月前にあたる2017年4月の写真イベントで山口と共に撮影した山口の部屋番号を指でかたどったツーショット写真を公開している。 その一方で報告書の中では、真意・信用性については確認が取れていないとしながらも、具体的な事実としてメンバーのつながりや関与に関する犯人の供述やメンバーのつながりの申告などを記載している。 山口の供述によると顔を掴んで押し倒そうとしたとなっているが、犯人男性は「ちょっとその声かけたんですけど。それでかなり驚かせちゃって。ぼくも焦ってけっこうその揉め合いみたいになっちゃって。」「お互いパニックになってたからちょっと押し合いみたいな感じになっただけでそんな押し入ろうとかは全然。」と、山口と話がしたかったために声をかけたにすぎず、家に押し入ったり襲うなどの意図はなかったと(P6)と暴行の意図については否定している。 事件の翌日には山口の部屋の玄関で警察による指紋採取も行われているが(P9)、この男性は後日不起訴になっている。犯人男性は山口側との間で示談があったことは否定しており、取り調べで手をスキャンされたり調べられたりしたが、弁護士から不起訴になったことのみ伝えられたと述べている。この点について第三者委員会の報告書では、不起訴処分の理由は明らかではないが、捜査を担当した警察官の言動からは、態様はともかくとして男性らによる山口に対する暴行の事実は認定されているものと思われると記載している(P7)。 自宅に暴漢が突然押しかけてきた際の恐怖たるや想像を絶するが、弁護士法人ALG&Associates執行役員の山岸純弁護士によると、『集合住宅の共用廊下で待ち伏せしていたファンの男性らが、帰宅してきたアイドルが彼らを見つけて騒ごうとしたので口をおさえた』『顔を手でつかんで押した』といった程度の暴行を理由に逮捕されたとのことであれば、『刑罰の謙抑性・補充性』の原則により、逮捕したという事実によって身体拘束された男性らが反省し、『もう二度とこんなことはしない』という態度を示し、検察官がこの反省を信用できると判断すれば、起訴・有罪にまではせず、通常は不起訴処分になるという。 運営がメンバーに対する処分を行わなかったことについて東京スポーツは「第三者委員会の調査で、ファンとの“つながり”を指摘された12人の具体的なメンバーの名前が挙がった。実はその中に山口本人の名前もあるんです。確たる証拠がある話ではないだけに、名前の挙がったメンバーを全員処分しようとするならば、公平性を保つために被害者である山口を調査せざるを得なくなってしまう。しかし、当然ながらそんなことはできない。それが今回はメンバーを“不問”と判断した要因にもなっている」というNGT関係者の話を載せている。 2019日5月19日報道、日刊スポーツNGT取材班の取材によると、 今村支配人が運営側から「(証拠がないと)メンバーを処分はできない」と伝えられたという情報もある一方で、今村支配人が事件詳細を運営側に正確に伝えてなかったといい、また、少なくとも数名は交際までは至らずともファンと個人的に連絡をとるなどしており、厳重注意、研究生降格、解雇など山口が納得するような何かしらの対応をとるべきだったとし、運営が「不問」を選んだのは今回の騒動で最大の悪手だったのではないかと評している。 2019年9月7日文春オンラインで「新潟県警が事件と関係ないと判断したメンバーの実名などはカットしている」とした上で、事件直後の録音データが公開され犯人から太野彩香、西潟茉莉奈の名前が挙がっていたことが判明した。特に、太野については、第三者委員会の報告書では事件の数ヶ月前にマンションから退去していて(P4)、彼女が住んでいた部屋は事件時にはマンスリーマンションとして募集がされていたことを確認できたとしているが(P7)、文春オンラインは「事件発生当時、A、B(報告書の甲と乙)は太野が当時住んでいた部屋から出てきた。第三者委員会報告書によると2018年夏に既に部屋を引っ越している。」と記載している。 犯人は事件直後に事件に関わっているとして、メンバーのAを呼んだと述べているが(P8)、録音データではさらに山口とDに対して「俺が悪いから。全員関わってる人間呼ぶから、それで謝らせてもらうから」「うん、知ってるメンバーも 」 などと供述している。ただし録音内では警察が来るまでにAや他のメンバーは登場しておらず、録音の最後で犯人は「連絡、実際には取っていない。」「メンバーの一人を呼んだけど連絡が取れなかった。」と述べている。 また「他のメンバーさんとかと...一緒に遊んだりとかちょっとご飯食べたりとか昔からしていて。その延長線で話していて、山口さんと話したいみたいな僕たちの間でなって...今まで関わってきたメンバーさんとかとちょっとどういうふうにやったらいいかなみたいに話してて」などとメンバーに山口について相談などしていたことをスタッフに供述してたいたことが明かされているが、第三者委員会は真意、信用性については検証できていないとしている(P6)。 同録音の中で山口は西潟と太野について「本当にクズ」と発言し、犯人たちが否定しているにもかかわらず、執拗に西潟と太野との「つながり」を問いただしており、とにかくこの2人を辞めさせることで頭がいっぱいという様子を見せていたことから、騒動が過熱していた当時は取材をしていた関係者の間からも「山口は敵対するメンバーを追い出したいだけ」という声も多く聞かれたという 山口は暴行事件の告発と同時に太野と西潟のツイッターのフォローを解除したことから「事件の黒幕ではないか」と大騒ぎになったため、二人は新潟署に携帯電話を預けて事情聴取に応じたことを告白したうえで、潔白を主張している。 新潟警察署は一部のメンバーに対して事情聴取をし、必要な捜査を行ったが、立件、送致はされておらず、デイリー新潮によると、当事の今村支配人に「NGTのメンバーがファンと組んで事件を起こした証拠は出なかった」と報告していると報じている。 山口卒業後、AKS提起による民事裁判では、被告(犯人)は陳述書の中で山口に問い詰められた際に自分達とつながっているメンバー8人の名前を口にしたことについて「事件に関与したメンバーの名前を挙げたものではない」と述べており、最終的に被告側が山口の承諾を得ずに自宅を訪問し、少なくともドアを引っ張り合うという形で暴行したことと、メンバーが事件に関与した事実はないことを認めたが、確たる客観的証拠も出てきてない中で、AKSは被告らを証人尋問することもなく、判決に至らないままメンバーへの負担を理由に2020年4月8日に和解している。 被告らはメンバーが疑いをかけられる原因になった向かいの部屋を昨年の7月から自分達が借りていたことを認めているほか、平成28年11月か12月に山口から住所を教わってプレゼントを郵送し、事件現場になったマンションの602号室を借りてからはダイレクトメッセージで連絡を取り、共用廊下やロビー等で待ち合わせをしてプレゼントを手渡したと主張し、証拠として山口本人の携帯番号を提示している。ほかにも山口からメンバー間の確執について聞かされていたなど具体的な証言を述べて山口とのつながりを主張し、もともと山口と親しい関係にあり、事件当日はダイレクトメッセージに返信してくれなくなったことについて直接問いただしに行っただけで、「暴行はなかった」として争う構えをみせていた。 AKS側は山口の証人申請も検討していたが、「本人の立場やプライバシーの問題、負担」などを考慮した結果断念しており 、和解交渉も裁判外でAKSと犯人側だけで行われ、AKS側代理人弁護士によると、素案は原告(AKS側)によって書かれるが、山口側に対し意見を求めるなどの連絡を取ることもしないと述べた 。また、男性側に山口についての主張の「 証拠を出してくださいと言っていたが、出てこなかった」と中日スポーツの取材に答えているが、前述のとおり被告側はつながりの証拠として山口の携帯番号を提示している。 和解条項では男性2人が他のメンバーの事件への関与を否定したほか、逮捕当時否認し不起訴になっていた山口に対する暴行の事実を認めているが、和解の内容は裁判所が「真実」として認定したものではなく、認定したのはAKSと犯人が合意したという事実だと産経新聞は報じている。小林英明弁護士は、実体的真実を認定する刑事裁判と違い、民事裁判で裁判所は原告と被告(山口は原告、被告でもない)が出した証拠をもとに判断すると指摘、原告と被告で双方が利益を得るために訴訟を起こすことがあると説明している。ただし本件では被告がこれまで否認してきた暴行の事実を認めたことで、新地検から再捜査される可能性が出てきたため、被告側にとって利益が出ているとは言えない状況になっている。また被告側が裁判の中で主張していた山口と自身たちの私的交流についても、裁判が和解に終わったことで、事実関係があいまいなままになっている。 山口がメンバーとの確執について漏らしていたとされることや、山口が事件直後に警察に通報せずにメンバーを呼び、公園で実行犯グループらと話をしていたこと、その会話の中で実行犯が否定しているにも関わらず執拗にメンバー2人のつながりを問いただし、事件が明るみに出たときに「メンバーが事件に関与している」と主張したことなどから、一部のマスコミの間からは山口の対応や犯人達との関係性に対して疑問の声も挙がっている。
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