その他の術師
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/13 07:56 UTC 版)
キャサリン・マクドナルド 声 - たかはし智秋 アメリカ合衆国における炎術師の名門マクドナルド家の娘。20歳前後。一人称は「私(わたくし)」。スタイル抜群の「絶世の美女」。基本は普通の敬語だが令嬢らしく「ですの、ですわ」というお嬢様口調も混ぜ、日本語にも長けている。なぜか綾乃のことは「神凪の巫女姫」と呼ぶ。普段はクールで自分勝手な美女だが、とあるハンバーガー屋と同じ苗字なのでそのことに触れられると途端に怒る。またかなり負けず嫌いで向こう見ず。「超解!」によれば、精霊獣を生み出す技術は一流だが制御が未熟なため実力は綾乃に劣ると記載されている。 主に天使型の精霊獣・守護精霊(ガーディアン)メタトロンを使役する。炎術師としてマクドナルド家が世界最強であることを証明しようと、来日して綾乃に挑戦、最強の証として炎雷覇を手に入れようとした。しかし、そんなことをすれば神凪厳馬が怒り狂って一族郎党焼き殺すと和麻に脅され、炎雷覇の奪取を諦めた。厳馬のことは「所詮は宗主になれなかった男」と考えていたが、和麻から彼の恐ろしさを教えられた。 初登場ではビル内の高級レストランを襲撃したテロリストたちを残らず始末し、一般人まで巻き添えにしたが「正義が執行された事実こそが大事」と述べ、周囲への配慮はまったくせず敵を倒すことだけを第一に考えていた。続いて「最強」の称号と炎雷覇を求め綾乃と対決する。 当初はメタトロンの戦闘能力と特性で綾乃を圧していたが、和麻のアドバイスにより「術式によって変質した炎を正常に戻せばいい」ことに気づかれ、メタトロンは崩壊。術式によって縛られていた莫大な熱量が解放されたことでビルが爆破され、その場は引き分けとなった。 綾乃との再戦のために雑魚妖魔の類を潰して回り、レベルアップを図っていた。あまりにも派手に暴れまわっているので和麻を連れた霧香から注意されてしまう。その際に和麻から「メタトロンでは絶対に綾乃に勝てないぞ」とコキおろされてしまった。一族の秘奥に侮辱を受けたキャサリンは和麻を「神凪綾乃に仕えたことで自分も強くなったと錯覚している非力な風術師」と見下し、一戦を申し込む。神凪綾乃のオマケ程度にしか和麻のことをみていなかったが、三度挑んで三度とも果物ナイフ一本でメタトロンを解体されて敗北する。 彼が神凪綾乃よりもはるかに強いことを知った後は、彼を雇って協力者にした。その際に手数で攻める方が綾乃との戦いに向いているといわれ、新たな精霊獣ウィスプを生み出した。辛くも引き分けに持ち込み、以後は和麻に惚れ込んでしまい、彼を実家に連れていって両親に紹介しようとした。アニメ版では14話、15話、16話と続けて登場。綾乃に敗れた後も警視庁特殊資料整理室と業務委託契約を結び、正式に日本で活動できる資格を得て再登場する(警察手帳に張られた写真は高笑いしている)。 アニメ版16話では「丸投げ温泉」に湯治に来ており、混浴のことを知らず和麻と鉢合わせして裸を見てしまう。通信教育では混浴のことまで習わなかったので「コンヨークってなんですの?」と疑問に思っていた。それを聞いた綾乃が動揺したのを見て、意味も分からず調子に乗って「和麻とコンヨークした」ことを強調しまくるという独自展開が描かれた。 アニメ版22話では暴走する和麻を止めようと戦いを挑むが、メタトロンは一瞬で破壊されその余波でキャサリンも吹き飛ばされ気絶した。この際一瞬だけパンチラしており色は白。 アニメ版ではラピスとヴェルンハルトを殺すために狂乱状態になった和麻を止めるべく交戦するが上述のように敗北。病院で入院していたが和麻のことで悩む綾乃の姿を見て「和麻にとって大切な今」になるように叱咤した。 精霊獣一覧 アザゼル 小型のドラゴン。口腔から無数の火炎弾を発射し触れた者を炭化させ、じわじわと肉体を破壊して嬲り殺しにする。対象の周囲にいる者にも被害が出るがキャサリンは「正義が行使された事実こそ大事」と考えているためまったく気にしていない。アニメではこのシーンはカットされている。 メタトロン 精緻な造形の男性型の天使。屈強な体格と炎の剣が特徴。スピードを活かした接近戦を得意とする。飛行能力も持つ。キャサリン曰く「マクドナルド一族が総力を結集して誕生させた最強の守護精霊(ガーディアン)」。ただしメタトロンが破壊されたらキャサリン自身は何もできなくなるという弱点がある。メタトロンの多重起動 切り札。メタトロンを二体同時に呼び出し、対象の前後を挟むようにして攻撃する。しかし脳が焼き切れてもおかしくない無茶な行動でもある。原作のみ使用し、綾乃にトドメを刺す寸前でキャサリンが気絶したため不発に終わった。 ウィスプ 炎の球体。和麻のアドバスによりメタトロンとは逆のコンセプトで生み出された。能力は身体を千切って投げるように炎を放つ。労力は少ないので一度に複数を呼び出すことができる。対綾乃用に考案されたもので、原作では全く通じなかったがアニメでは後一歩のところまで追い詰めた。 凰 小雷 (ファン シャオレイ) 6巻及び『ヒミツのカンケイ』の収録された遺稿に登場。凰家の娘。14歳。見た目は少年だが実は女の子。6巻から登場。 綾乃に似た向こう見ずで、激情的な性格の持ち主。反骨精神が旺盛で、自分より強い術者によく反発する(重悟は除く)。 風の神器「虚空閃」を所有しているが、登場したばかりのときは正当な継承者ではなかった。それでも和麻を動揺させる程度には力を引き出していたが、「あの小僧自体は大したことない」という評価をされており、才能よりも虚空閃によって引き出された力のほうが厄介だと話していた。 クリスティアン・ローエングラムとガイアに家族を殺害され、復讐のために神凪を利用しようと日本に密入国した。まずは綾乃の力量を測るべく、正面から堂々と姿を現しての真っ向勝負を挑む。だが、苦戦を予感し綾乃は和麻に勝負を押し付けてしまう。小雷も和麻の態度と綾乃の挑発に業を煮やし、一方的に彼を敵視して襲い掛かってきた。父の直接の仇であるガイアを特に怨んでいる。 復讐のために女であることを捨て「小雷」という男の名を名乗っている。理由は「女は男よりもあらゆる点で弱い」と考えているため。今では「俺」と自称しているが、過去の回想では「私」を用いている。本名は不明。 クリスティアンに胸を貫かれて瀕死の重傷を負うが、和麻によって虚空閃を継承させられ、一時的に増幅した生命力で一命を取り留める。目を覚ました後は、ガイアが倒されたこと、その背後にいるゴートの存在を聞き、「ゴートを倒すことは復讐よりも大事」と綾乃に話している。 以後は和麻の能力に目を付け、「俺のものになれ!」と告白。彼を夫として連れ帰り、政権を争う分家への牽制に利用しようとしている。いわゆる貧乳で、そのことに対してかなりのコンプレックスを持っている模様。激情的な性格だが、弄られ慣れていないため羞恥心にすぐ負けてしまい、言い返せず黙ってしまう。 基本的な戦法は、槍の長大な射程を利用し、相手を間合いに入らせないように攻め立てる。基本に忠実だが、それゆえに隙は少ない。しかし、相手を侮ってしまうこともあり、技を多く見せてしまうことからすぐに見抜かれてしまう。綾乃との二度目の対決では、術を用いない武器のみの決闘を行うが、あっさりと太刀筋を見切られてしまい敗北した。 他の技には虚空閃で強化された風を槍にして放つというものがある。刃という「面」ではなく、槍という「点」の力のため、貫通能力は相当に高く和麻の風の刃を破壊したほど。しかし、その威力を以ってしても父仇のガイアにはほとんど通じなかった。 必殺技は、最大で九つの風の槍を一斉発射する「穿牙・九連(せんがきゅうれん)」。ただし、この技の名前は過去の回想でかたられたものであり、和麻との戦いで使用したものであるかは不明(和麻戦では九つの風の槍を発射したとだけ描写されており、技の名前は語られていない)。和麻の風の刃を以ってしても、風の槍を打ち破るには5度の攻撃が必要であった。しかし、この技は螺旋状に放った風で削り取られ、攻撃力を持たないただの突風にされて和麻に破られてしまう。 なお、イラストレーターの納戸花丸は、ネタバレを避けるために小雷のイラストは男の子っぽく書いていたが、6巻発売後に描かれた一枚絵はその心配がないとのことで女性らしく描かれている。 技一覧 風の刃 威力は非常に高く、和麻の風の結界を一発で破壊し、また和麻でもこの一撃を破るのに5度の攻撃を必要とした。 風の剛槍(仮称) 和麻の風の刃を上回る威力の風の槍を放つ。虚空閃で直接相手を突くパターンと、穂先から放つパターンがある。 竜巻 和麻のダウンバーストに対して使用。穂先から生じた竜巻が周囲を蹴散らす。 穿牙・九連(せんが・きゅうれん) 過去の回想で語られた技の名前。作中で和麻に対し風の槍を九つ一斉に発射する技を見せているが、これがその技なのかは不明。和麻の風術で威力を削り取られたただの風に変えられて破られる。 李 朧月 (リー ロンユエ) 『煉君の受難』から登場。中国から来た道士の少年。通称:朧(ロン)。 飛浪に盗まれた宝貝(パオペイ)を取り戻すためと、報復として抹殺するため(どちらかと言えば後者が目的らしい)来日し、煉と知り合う。後に留学生として煉の同級生になる。流星錘や体術と仙術を組み合わせて戦う、かなりの戦闘能力の持ち主。また、陰陽道など他系統の術も使用する。仙人や導士は基本的に自分の力を高めるため「個」を大事にする傾向がある。そのため力を借りるというような行為を好んでいない。朧月も例外ではなく精霊術師を「所詮は精霊の奴隷」と考えている。 実は仙術における和麻の兄弟子で、外見は中学生だが、実年齢は百歳を超える。二人のこの関係は周囲には秘密らしい。修行時代、増長していた和麻を完膚なきまでに叩きのめしたことがあり、性格的にも和麻にとってはもっとも関わりたくない人物の一人。しかし煉によれば、二人とも性格や雰囲気がそっくり。現に利用できるものは何でも利用し、面倒ごとも平気で和麻に押し付ける。相手が降伏しても容赦なく殺すと宣言するなど和麻と似通った残酷さを持つが、相手を「弱者」と侮るため油断が生まれるのが欠点。弟弟子のことは「才能がある」と評価しており、老子の下できちんと鍛えたいという考えも持っている。一度は連れ戻そうとしたが成長した和麻を見て実力に納得し引き下がった。宝貝の精製なども行っており、風術に対する耐性をつけたコピーパペットを開発した。 煉のことは気に入っており和麻の兄弟子という素性は隠し、導士として互いに友人として接している。そのため芹沢達也や花音から物凄い敵視されていたが、二人と煉の仲を深めるという作戦を(面白がって)提案したため一時休戦となった。花音には少なからず本性や正体に勘付かれており、人前で見せる笑顔が「目が笑っていない」ので怪しいと思われ、不思議な力を垣間見せたことから煉と同じ術者ではないかと見られている。 基本的な戦法は、流星錘を操作して対象を爆砕する一撃を放つというもの。ほか、空間系の仙術にも長けており、自分が楊の「奇門遁甲」に引きずり込まれた際、和麻と綾乃を「自壊因子(面倒を押し付けただけ)」として勝手に引きずり込ませた。また、吸血鬼の体内に形成された漆黒の空間を切り開いて脱出に一役買っている。実力は恐ろしく高く、和麻も「本気でやらないと勝てない」と評したほど。 技一覧 空間干渉 煉と共に吸血鬼の体内に閉じ込められた際に使用。精霊の存在しない闇だけの空間をこじ開け、精霊を引き込んだ。また同作品では飛浪が展開した「奇門遁甲」に引き込まれる際、和麻と綾乃まで道連れにして引き込んでいる。 弱体化・消滅(仮称) 吸血鬼が潜む館で使用。不可思議な空間を自身の周囲に形成し、近づいた霊的な存在を弱体化させ消滅させる。実態を備える相手にはあまり効果がない。無理やり空間を抜けてきた相手も軽く手を押し当てるだけで消し去っている。 流星錘(りゅうせいすい) 吸血鬼が潜む館で使用。中国武術で使われる暗器。達人なら変幻自在に軌跡を変え、あらゆる武器の中で最も回避が困難だという。左右の袖に隠した水晶を紐の先につけて飛ばし、貫いた対象を爆砕する。威力を上げるために何かしらの手段を用いているらしい。 体術(仮称) 軽い身のこなしから繰り出す徒手空拳。ただの体術ではないらしくそれなりに手強い妖魔も一撃で血泥に変えている。 式神 飛浪の居場所を探す際に使用。相手の持ち物を一種の式神に変え道案内させる。仙術ではなく陰陽道の一種。作中では飛浪の矢文を折り鶴に変えて式神とした。 霞 雷汎(シア レイファン) 『煉君の受難』に登場。和麻や朧月の師匠。 風の精霊使いとして目覚め、重傷を負っていた和麻を救った無精ひげで総髪の男性。その後、和麻からの申し出を受けて彼を弟子にする。アーウィン・レスザールの儀式を止めようとした理由や、和麻を指導した理由など不明な点が多い。 日本生まれで姓は「八神」だったが、仙華した際に今の名前を名乗るようになる。和麻の去り際にかつての姓を授けた。和麻はこれを「もう二度と帰ってくるな」という絶交の証と考えていたが、朧によれば「キミは何もわかっていない」とのこと。 博打を打ち、酒を飲み、女を抱く。一見俗っぽい性格だが、実際は一切の生物がいない孤独な空間に何千年閉じ込められてもビクともしない精神の持ち主と和麻は思っている。実力は未知数であり「アーウィン・レスザールに確実ではないが勝てる」と言うほどの実力者で、和麻も畏怖している。 仙人は自身を高め、人間の限界を超えようとする者。そのため、集団や他者を必要としなくなる傾向にある。そのため、精霊との調和を行い、力を借り受ける精霊術師を見下す傾向にある。朧月も精霊魔術そのものの力は認めているようだが、精霊術師は「精霊の奴隷」と和麻に語り、仙人を志すように説得していた。
※この「その他の術師」の解説は、「風の聖痕」の解説の一部です。
「その他の術師」を含む「風の聖痕」の記事については、「風の聖痕」の概要を参照ください。
- その他の術師のページへのリンク