七つの大罪 七つの大罪の関連付け

七つの大罪

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/07 04:11 UTC 版)

七つの大罪の関連付け

1589年ドイツペーター・ビンスフェルト(英語: Peter Binsfeldは、罪と悪魔の関係を記した著作を著したが、その中で、七つの大罪も特定の悪魔との関連付けている。このような七つの大罪と悪魔との関連づけは、キリスト教の本質的な部分と無関係だが、通俗的なグリモワールにおいて引用されることとなった。

七つの大罪と悪魔の関連を最初に表現したのは、16世紀の版画家ハンス・ブルクマイアーである。これには、悪魔がそれぞれ自分の名の記されたリボンを手にしている姿が描かれていた。また、ブルクマイアーは傲慢を表す悪魔に孔雀の羽を与えている。中世には悪魔でなく動物の姿で表しているものも見られる。傲慢の獅子、嫉妬の蛇、憤怒のユニコーン、怠惰の熊、強欲の狐、暴食の豚、欲情の蠍である[7]

七つの大罪とそれに比肩する悪魔と幻獣と動物
大罪 対応悪魔 幻獣 動物
傲慢 ルシファー[注 2] グリフォン[要出典] 獅子孔雀[7]蝙蝠ペンギン
憤怒 サタン オーガ[要出典]ユニコーン[7]ドラゴン
嫉妬 レヴィアタン(リヴァイアサン) マーメイド[要出典] [7]土竜蜻蛉
怠惰 ベルフェゴール[注 3] フェニックス[要出典] [7]驢馬ナマケモノ蝸牛
強欲 マモン ゴブリン[要出典] [7]針鼠蜘蛛
暴食 ベルゼブブ ケルベロス[要出典] [7]リス
色欲 アスモデウス サキュバス[要出典]インキュバス 山羊[7]

プルデンティウス(348‐405以後)の「プシュコマキア(英語: Psychomachia」によれば、七つの大罪は、それぞれ次の美徳に対応しているという。


注釈

  1. ^ 七つの大罪において、その元の言葉はいくつかの日本語に翻訳することができるが、その一例としてenvyが挙げられる。envyは「羨望、嫉妬、羨み、妬み」等と翻訳することができる。それらは心理学領域では嫉妬(jealousy)と羨望(envy)という近似した、しかし異なる感情として議論されることがあるが、七つの大罪(七つの罪源)における元々の言葉はenvy(ラテン語のinvidia)一つであり、そうした議論とは無縁である点に注意が必要である。
  2. ^ 傲慢はベリアルとする説がある。
  3. ^ 怠惰はアスタロスとする説がある。

出典

  1. ^ a b c 『カトリック教会のカテキズム 要約(コンペンディウム)』207頁 カトリック中央協議会 ISBN 978-4877501532
  2. ^ 『中世思想原典集成3 後期ギリシャ教父・ビザンティン思想』p.38
  3. ^ a b c 倦怠と悲しみ-トマス・アクィナスのacediaについて松根伸治、2018年10月10日閲覧。
  4. ^ a b カトリック教会のカテキズム』 #1866(日本語版556 - 557頁) カトリック中央協議会 ISBN 978-4877501013
  5. ^ Catechismus Catholicae Ecclesiae_Articulus 8: Peccatum #1866(『カトリック教会のカテキズム』ラテン語規範版) ローマ教皇庁公式サイト
  6. ^ Catechism of the Catholic Church_Article 8 SIN_V. The Proliferation of Sin #1866(『カトリック教会のカテキズム』英語版) ローマ教皇庁公式サイト
  7. ^ a b c d e f g h フレッド・ゲティングズ 著、大瀧啓裕 訳『悪魔の辞典』青土社、1992年6月30日、288-289頁。 
  8. ^ バチカンが新しい「7つの大罪」を発表、リサイクルしない者は地獄行きに Gigazine 2008年03月11日
  9. ^ Recycle or go to Hell, warns Vatican”. 2014年10月30日閲覧。
  10. ^ ガンジーの言う「九つの社会的罪(Nine Social Sins)」とは?”. 2014年2月2日閲覧。


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