帰宅部
帰宅部
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/27 05:56 UTC 版)
帰宅部(きたくぶ)とは、クラブ活動(部活動)が強制されていない学校で、どの部活動にも所属していない児童・生徒を意味する俗語[1]。
概要
放課後の部活動が「強制」でなく「任意」とされている学校で、どの部にも所属せず、放課後に部活動をせずに帰宅するため、「帰宅部」と呼称される[1]。
何らかの部に所属しない理由として、
- アルバイトをするため[2][3][4]。
- 塾や予備校に通うため[2][3][5]。
- 学業に専念するため。
- 学校外での活動に参加するため[4]。
- 希望する部活動が学校にないため[5]。
- 校外のスポーツクラブ、クラブチームで活動したいため[5][6]。
- 家庭の事情[7]を優先するため。
- 様々な理由により、部活動をする意欲を喪失したため。
- 部活動に興味・関心が無いため。
などが挙げられる。
部活動に参加しないことで自由時間が増えることから、過剰な教育志向からの塾通いや[5][8]、生徒が非行に走ることを懸念する意見が出ているが、非部活参加者の非行や過度の教育問題との具体的な関連性は示されておらず、主観的意見に留まっている。そのような理由から、ほとんどの中学・高校で帰宅部を一切認めず、校則で何かしらの部活への参加を強制している(ブラック部活)。
また、少子化による生徒数の減少や[4][6]、生徒の意識の変化[6]、指導する教師の忙しさや指導者不足[6]が背景にあるとする報道もある。教員からは帰宅部の増加を歓迎する声もある[9]。
中学校では約7割の生徒が何らかの部活動に参加して[10][11](受験期の中3を除外すると約9割[11])いるが、この部活動の参加が校則で「強制」されているため不本意で参加しているのか、生徒自身の「希望」で参加しているのか内訳が明示されていない。
「帰宅部」にはそれに参加しない者という揶揄あるいは自嘲の意味合いもあるとされる[12]。1989年(平成元年)の学習指導要領改訂以降、部活動がカリキュラム内に組み込まれたため、ほぼ「必修」に近い形となっており[13]、多くの学校で部活動加入が強制となっている実情があるとされている[12]。一方で、2021年のスポーツ庁「全国体力・運動能力、運動習慣等調査」によれば、何らかの部活に所属していない生徒の割合は、中学2年生男子が16.5%、中学2年生女子で12.6%にのぼる[14]。ただし、部活動に所属していない男子の5割程度、女子の2割程度は、地域のスポーツクラブに所属している[9]。
「帰宅部」という言葉は1980年代後半から使用例が見られ[8][15]、読売新聞の解説記事では1986年(昭和61年)における流行語の一つとして「帰宅部」を挙げている[8]。また、1996年(平成8年)の産経新聞の記事では「『帰宅部』は死語になった」とも報じられている[16]。
学園漫画やドラマなどのフィクション作品においても、「帰宅部」が題材として用いられることもある(→#使用例)。
使用例
小説
- 『帰宅部ボーイズ』(はらだみずき)
- 『帰宅部のエースくん。』(ハセガワケイスケ)
- 『帰宅部!GO HOME』(川嶋一洋)
- 『ミカグラ学園組曲』(Last Note.)
漫画
ゲーム・アニメ
脚注
注釈
出典
- ^ a b “帰宅部(キタクブ)”. デジタル大辞泉/大辞林第3版(コトバンク). 小学館/三省堂(朝日新聞社). 2015年4月30日閲覧.
- ^ a b “目耳録 若者気質” (日本語). 中日新聞(夕刊、社会面) (中日新聞社): p. 11. (1992年4月14日)
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: CS1メンテナンス: 認識できない言語 (カテゴリ) - G-Searchにて2015年4月30日閲覧。 - ^ a b “高校生活 様変わり(2の1)*かつては野球 今ではサッカーにスノーボード*熱血指導なお健在*簿記、ワープロは激減(道北ワイド)” (日本語). 北海道新聞(朝刊地方、旭B) (北海道新聞社): p. 21. (2002年4月13日)
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: CS1メンテナンス: 認識できない言語 (カテゴリ) - G-Searchにて2015年4月30日閲覧。 - ^ a b c “いきいき学習NIE 高校生の部活動 "帰宅部"員増加 生徒数の減少 "球児の夏"を横目に 坂井農業高では部員集めに懸命 部員不足 運動部の微減つづく県内 全国平均を上回る 部活動加入率” (日本語). 中日新聞(朝刊、福井総合版) (中日新聞社): p. 21. (1997年7月19日)
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: CS1メンテナンス: 認識できない言語 (カテゴリ) - G-Searchにて2015年4月30日閲覧。 - ^ a b c d “断面/中学の部活、自由参加に/新要領前倒し、仙台でも導入増加/延びる放課後、親は心配/"帰宅部"わずか、学校安堵” (日本語). 河北新報 (河北新報社): p. ページ数不明. (2000年5月25日)
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: CS1メンテナンス: 認識できない言語 (カテゴリ) - G-Searchにて2015年4月30日閲覧。 - ^ a b c d “EYE/揺れる中学部活動(下)/指導教員不足、自主性尊重/地域クラブ、サークル広がる脱「部」の動き/生徒の気持ち複雑” (日本語). 河北新報 (河北新報社): p. ページ数不明. (2005年5月1日)
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: CS1メンテナンス: 認識できない言語 (カテゴリ) - G-Searchにて2015年4月30日閲覧。 - ^ 経済的な負担、家族に傷病者が居る、など。
- ^ a b c 吉川正義 (1986年12月31日). “流行語でつづる「'86プッツン回顧」(解説)” (日本語). 読売新聞(東京朝刊) (読売新聞社): p. 9
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: CS1メンテナンス: 認識できない言語 (カテゴリ) - G-Searchにて2015年4月30日閲覧。 - ^ a b “令和の部活事情「帰宅部が1番人気って本当?」「部活でサッカーやるのはカッコ悪い」イマドキ中学生の本音(沼澤典史)”. Number Web - ナンバー. 2022年11月25日閲覧。
- ^ “運動部活動の在り方に関する調査研究報告(中学生・高校生のスポーツ活動に関する調査研究協力者会議)” (日本語). 審議会情報. 文部科学省 (1997年12月). 2018年4月4日閲覧。
- ^ a b “3.小・中・高校生の特徴的な生活時間 (3)部活動の時間” (日本語). 第1回 放課後の生活時間調査-子どもたちの時間の使い方[意識と実態]. ベネッセ教育総合研究所. p. 14 (2008年). 2018年4月4日閲覧。
- ^ a b 武田砂鉄 (2017年8月28日). “「帰宅部は堂々と帰宅すればいい」ことを教えてくれる一冊” (日本語). 現代ビジネス. 講談社. 2018年4月4日閲覧。
- ^ 大塚玲子 (2015年9月22日). “なぜ中高の「部活動」は"強制"になったのか? 子どもたちも先生も疲弊している!” (日本語). 東洋経済オンライン. 東洋経済新報社. 2017年3月12日閲覧。
- ^ “<くらしの中から考える>部活動:東京新聞 TOKYO Web”. 東京新聞 TOKYO Web. 2022年11月25日閲覧。
- ^ 山岸駿介 (1986年9月11日). “高校新聞様変わり 「怒り」古びて「優しさ」 「反戦」は健在” (日本語). 朝日新聞(東京夕刊、らうんじ) (朝日新聞社): p. 3
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: CS1メンテナンス: 認識できない言語 (カテゴリ) - G-Searchにて2015年4月30日閲覧。 - ^ “日刊じゅく〜る 338号 様変わりする中・高部活事情” (日本語). 産経新聞(東京夕刊、塾2面) (産業経済新聞社): p. 6. (1996年8月20日)
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: CS1メンテナンス: 認識できない言語 (カテゴリ) - G-Searchにて2015年4月30日閲覧。
関連項目
帰宅部
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安藤 夏希(あんどう なつき) 声 - 木戸衣吹 本作の主人公。1年生。3組在籍。ネクタイは青のストレート、ソックスは白のハイソックス。花梨から「なっちゃん」と呼ばれている。 花梨に誘われて帰宅部を訪れるも、活動内容のバカバカしさに「もう帰っていいですか」と発言すると部員から「すごい帰宅精神(スピリット)の持ち主」などと褒められ、結局入部することとなった。部ではツッコミ担当。クレアの口伝で、2年5組からもつっこみの子として認識されている。しかし、風邪をひくとツッコミ過剰になり逆にボケになるという弱点もある。 ツッコミ故に普段の口調も割と激しく、態度もツンとしているが実はかわいいものが大好きで、クマのぬいぐるみに「チャッキー」と名付けて可愛がるといった一面もある。また、甘いものに目がない。 頭のてっぺんのアホ毛(本人曰くくせ毛だがくせ毛のレベルじゃないとも突っ込まれている)がチャームポイントで、帰宅部一同もアホ毛をネタに彼女をたびたびいじる。本人はコンプレックスに思っているが切っても他の毛が新たなアホ毛となり、繰り返すとその内ハゲる恐れがあるとあきらめている。髪もくせっ毛で、もしストレートパーマ等にしようものならアホ毛が直立して一層目立つとまたあきらめている。ちなみにパソコンの画像処理で写真の中のアホ毛を消去しようとしても原因不明のエラーを起こす。 「ロイド(路往人)」という中学2年生の弟がいる。普段は常識ある判断で学校生活を送っているが、家では一変して堕落しきった性格になり、時には理不尽に彼をこき使ったり、気に入らなければ逆エビ固めや手刀といった苛烈な攻撃を仕掛けることも。そして幼少期の刷り込みのため彼もそれに逆らうことはできず、いいように扱われてしまっている。 中学時代は本来の意味で帰宅部で家ではずっと姉として振る舞ってきたため、年上の先輩に甘やかされる現状を気に入っている模様。 なお、夏希と愛の中学は作者の作品である『マジカルロリポップ』の主人公達が通う中学と同じである(夏希の方が先輩にあたる)。なかでも長坂ステラとは小学校の地区班が同じだった関係で面識がある。 一番気が合うのは桜らしく、彼女からもらったヘアゴムを大切にし、家ではよく身に着けている。 名前の由来は「あんドーナツ」から。7月4日生まれ。 塔野 花梨(とうの かりん) 声 - 結名美月 1年生。3組在籍。ネクタイは青のリボンタイプ、ソックスは黒のパンティストッキング。夏希を帰宅部に誘った。 部活勧誘会でチュパカブラ(アニメ版ではアザラシ)に扮した桜たちの会話を楽しそうに思い入部するが、帰宅部がどんな部活かは理解していなかった。2年5組からはクレアの強烈な溺愛の対象と認識されている。 お菓子作りや裁縫が得意で、「女子力の塊」と称されることも。中学では家庭科部に所属しており、本来は高校に入学しても家庭科部に入部しようと考えていたが、料理部と手芸部の二つに分かれていたため、悩んでたところで帰宅部を見つけて決めた経緯がある。 天性の甘え上手で、帰宅部員の中では特に牡丹とクレアに甘やかされている。ドのつく純粋な性格の持ち主で、人の言うことをすぐ信じ、帰宅部の先輩たちを本気で尊敬し彼女らのような上級生に本気でなりたいと考えている。一方で時に毒のある発言をすることもあり、女子力の著しい欠落の見えた牡丹を「カス」と切り捨てたこともある。 夏目漱石の代表作も知らなかったが赤毛のアンや若草物語などはシリーズ全作読んでおり、また勉学の成績は中くらい。ただし本人曰く歴史は苦手とのこと。 その愛らしい容姿と天然っぽさで男子生徒からモテている模様。 帰宅部以外にも古橋愛とはお笑いコンビをくむなど仲がいい様子。 名前の由来は「かりんとう」から。2月生まれ。 道明寺 桜(どうみょうじ さくら) 声 - 小林美晴 「帰宅部」部長。 2年生。1組在籍。血液型はA型。身長163cm。ネクタイは赤のストレート、ソックスは白のニーソックスであり、その短いスカート丈とツインテールとを併せて、美少女もののヒロインとして自覚あるスタイルを重視している。が、ボケのためにヒロインとしての恥じらいを著しく欠いた行動をとることもあるなど、波乱万丈かつ臨機応変な性格の持ち主で、時と場合によっては言動が変わる。時々常識人な一面も見せ、意外にピュアな一面も。友人のひとり(おそらくはクレアのこと)がカードゲーム会社の筆頭株主で、ツテでカードゲームの超レアカードをもらって小学生相手に本気になるなど、大人げない面も(ちなみに小学生の間では「ペガサス女子高生」と呼ばれている)。根っからのリーダー体質の仕切りたがりであるが、その反面とても寂しがり屋で、仲間外れなどにされるとものすごく落ち込む。 牡丹やクレアと違い一般人だが彼女らとの友情は非常に濃く、「誰よりも大きな愛を持った人物」と認識されており、強い信頼関係にある。実際、一般人には避けられていた牡丹に対して普通の少女として接した人物は桜が初めてである。彼女らとはテレパシーのように、話すことなく相互の意思伝達も可能である。 帰宅部を設立したのも彼女で、友達と放課後の楽しい思い出を作ろうと考え設立した。 この作品は部長である桜の思い付きから始まるスタンスが多い。また、「裏サイト」においても、スレッドを建てるのはいつも彼女である。 その突飛な行動から教師からはあきらめ半ばに接されており、生徒会長からも問題児代表と評され、「グレネード乱痴気」という異名も駆る。 ニンジンとエリンギが苦手。 名前の由来は「道明寺」と「桜餅」から。4月生まれ。 大萩 牡丹(おおはぎ ぼたん) 声 - 相内沙英 2年生。1組在籍。ネクタイは赤のストレート、ソックスは黒のハイソックス。大きな白いリボンとそれにて結えているポニーテールがチャームポイント。萩月流古武術第十六代継承者で、熊をも赤子の手を捻るように倒す。水上を走ることができ、また、1キロメートル先の狙撃者の気配に気づき、狙撃されても弾き返すほどの頑丈な肉体(骨)を持っているなど現実離れしたパワースペックを持つ。重度のゲーマーであり、クレア曰くその腕前は「プロ級」でゲーム制作の協力をしたこともあり、やり込み武勇伝も多数ある。ただし萩月流の反応速度でコントローラーを扱うため数か月ごとに買換えが必要。何でもバトル物に変えたがる癖があり、ものごとの数字の桁が大きくなるほど何故か闘志が湧く。他にも工具のピンバイスを所持していたり少年的な嗜好をしており。女子力の低さを指摘されても少年力の高さを主張して切り返す。 中学の頃は曲もないのに作詞したがるなどロマンチズムな一面があり、日記にもポエムじみた文書で書くなど、若干中二病をこじらせていた。セーラー服よりブレザーの方が可愛いと今の高校を選んだ経緯がある。 自分に厳しく他人に優しい性格で、周囲から甘やかされている花梨に自立心を持ってもらおうと厳しく接しているつもりが結局甘やかし、また花梨が男子からモテるという話を聞いて、自分より強い相手じゃないと交際を認めないなど、花梨の「お父さん」的位置付けになっている。 世界と一つになりその流れを操る萩月流において、生まれつき世界と一つに繋がっていた異端の天才であり教えられることなく萩月流を極めた。 全身からだだ漏れしている殺気もあってか周囲から避けられ友達を作れなかった。桜が人生初の親友であり、桜の誘いを受けて入部した。異名は「漆黒の処刑台(ミッドナイト・マーダー)」。 名前の由来は「おはぎ」と「牡丹餅」から。また、「萩月流」の名も仙台銘菓「萩の月」から。9月生まれ。 九重 クレア(ここのえ クレア) 声 - 千本木彩花 2年生。5組在籍。ネクタイは赤のリボンタイプ、ソックスは白のロークルーソックス(折り返し付)。世界有数の財閥「九重財閥」の社長令嬢、金銭感覚などほとんど一般的考えからはずれている。彼女の制服も、指定の制服が安っぽいとパリのクチュールアトリエでオーダーメイドでそっくりそのまま仕立てたのを着ている(靴込みで計390万7千円)。エンツォフェラーリを所有している。茶道も嗜むが、使用する茶碗は曜変天目茶碗。クラスメイトから「ココちゃん」と呼ばれている。 お金持ちゆえの他人とずれた感覚で天然ボケな発言を多々する一方、ブラックな発言をすることもある。 1年生二人を溺愛しているが、とりわけ花梨を超過度に甘やかし、花梨を本気で妹にしたいと考えており、終生まで面倒を見るつもりでいる。花梨が男子からモテると聞いて男子たちを「虫」と称するなど、時々猟奇に似た言動を発する。 二人への行き過ぎた愛の結果、セクハラ的な言動をとることもあるが適当に流されながらも慕われている。 ピアノを弾くことができるほか、バイオリンも趣味としているがそちらは下手の横好きであり、聞くに堪えない怪音波を発する腕前(所謂しずかちゃん設定)。 お嬢様のため普段から高級な食事を摂っているが、作り方を間違えたカップ焼きそばを「おいしい」と評するなどその舌に関してはずれた部分もある。 中学までお嬢様学校で浮世離れした学校生活を送っており、せめて高校だけは友達と賑わいながら楽しい思い出を作りたいと一般校に入学。そこで父親から「放課後は決められた習い事をし、部活は帰宅部(本来の意味での)にすること」と条件を提示されたが、父親の想定外に存在した「帰宅部」に、以前より部活をやってみたかった彼女は入部した。 名前の由来は「エクレア」から。11月生まれ。
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