かりんとうとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 固有名詞の種類 > 製品 > 食べ物 > 料理 > 土産菓子 > かりんとうの意味・解説 

かりん‐とう〔クワリンタウ〕【花林糖】

読み方:かりんとう

小麦粉に卵などを加えて練ったものを細長く切り、油で揚げ黒砂糖白砂糖まぶした菓子


かりんとう

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/12/27 01:11 UTC 版)

かりんとう
100 gあたりの栄養価
エネルギー 477 kcal (2,000 kJ)
71.1g
糖類 69.6g
食物繊維 1.5g
19.3g
5.5g
%はアメリカ合衆国における
成人栄養摂取目標 (RDIの割合。

かりんとうかりん糖)は、小麦粉砂糖イースト食塩重曹などと共に練り合わせて棒状に成形した生地を、植物油で揚げ、黒砂糖白砂糖で作ったをからめて乾燥させた、和菓子の一種である。花林糖当て字で表現されることもある。膨化食品の一種。揚げ菓子の一つ。

庶民が慣れ親しんできた昔ながらの駄菓子である一方、高級和菓子で知られる老舗でも取り扱われる。現代日本では、胡麻の実抹茶大豆蕎麦粉ピーナッツ、各種の緑黄色野菜根菜等々、様々な食材や、卵殻由来カルシウム等を生地に混ぜたものが市販されている。また従来、植物油で揚げていた生地を焼き上げ黒砂糖で作ったをからめた、焼きかりんとうも市販されている。

歴史

起源については諸説あり、はっきりしていない。唐菓子を起源とする説によれば、奈良時代遣唐使によってもたらされた唐菓子(油で揚げた索餅もしくは糫餅)であり[1]古代上流階級に「捻頭(むぎかた)」の名で親しまれ、食された[1]という。江戸時代には関東にも広まり、天保年間には、江戸深川の山口屋吉兵衛が「花りんとう」の名で売り出して一気に評判を呼び、一時の江戸には200人の売り子が出た[1]と言われる。明治初期には東京浅草周辺から庶民の味として親しまれるようになった。なお、現代の中国には「江米条」と呼ばれるかりん糖に似た菓子がある。また、日本の愛知県津島市津島神社周辺地域(旧・尾張国海東郡、津島神社界隈)には「あかだ」「くつわ」と呼ばれる米粉を用いた油菓子がある。

南蛮菓子を起源とする説によれば、関連性を示す研究・文献はないものの、スペインにはペスティーニョスペイン語版と呼ばれる、かりん糖そっくりの菓子がある。兵庫県姫路地方のかりんとうは、姫路藩河合寸翁による経済振興策の一環として、長崎に菓子職人を派遣してヨーロッパの製菓技術を学んだ事によって誕生した[2]と言われている。

ギャラリー

地域差

関東のかりん糖は生地の発酵を長めに行い、比較的柔らかくて軽く、からめる蜜には白砂糖が用いられることもある。元々は上流階級の菓子として広まったもので、現在の高級なかりん糖の先駆けとなった。

一方、関西では硬めにこねた生地を用いるため、比較的硬めの食感を身上としており、先述の姫路地方で播州駄菓子(ばんしゅうだがし)と呼ばれるなど駄菓子として発達した。

東北地方ではバラエティに富み、岩手県の沿岸北部では棒状ではなく円盤状に成形した生地を揚げており、煎餅に似た形状が特徴である。秋田県では短冊状に加工したものがあり、味付けも味噌と砂糖をまぜたものを使う場合がある。宮城県では大崎市岩出山地区(旧・玉造郡岩出山町)の名物とされ、県内では袋だけでなく一斗缶に入った状態でも販売されている。

自家製のかりんとう

市販品のほかに家庭でも、食パンの耳を油で揚げ、砂糖や蜂蜜の汁に絡めて作るかりんとうがある[3]。食感は、どちらかというとラスクに近い[4]サンドイッチを作る際などに食パンから切り落とした耳を再利用できることから[3]、節約メニュー[4]、幼稚園児の弁当の裏技としても薦められている[5]昭和初期生まれの人々には、子供の頃の思い出のおやつとして、このパンの耳のかりんとうを挙げる人も多い[6]

脚注

出典

  1. ^ a b c 宮崎正勝『知っておきたい「食」の日本史』角川学芸出版〈角川ソフィア文庫〉、2009年、197頁。ISBN 978-4-04-406412-9 
  2. ^ 播州かりんとうとは - 常盤堂製菓ホームページ。2019年5月1日閲覧。
  3. ^ a b 丹阿弥谷津子他 著、NHKラジオ制作部「こんばんはラジオセンター班」 編『NHKおばあちゃんの知恵』飛鳥新社、1988年、43-44頁。ISBN 978-4-87031-056-8 
  4. ^ a b 3時のおやつ”. おさとうドットコム. 上野砂糖. 2012年12月1日閲覧。
  5. ^ 丸山千晶他 著、吉村太郎 編『決定版! 幼稚園のおべんとう裏ワザ大事典』辰巳出版〈タツミムック〉、2012年、80頁。ISBN 978-4-777-80987-5 
  6. ^ 小泉和子編『ちゃぶ台の昭和』河出書房新社〈らんぷの本〉、2002年、77-78頁。ISBN 978-4-309-72723-3 

関連項目


かりんとう

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/08 07:31 UTC 版)

セレモアホールディングス」の記事における「かりんとう」の解説

式典お茶請けとしてかりんとうを独自製造・提供をしている。かりんとうは店舗でも購入することが可能。

※この「かりんとう」の解説は、「セレモアホールディングス」の解説の一部です。
「かりんとう」を含む「セレモアホールディングス」の記事については、「セレモアホールディングス」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「かりんとう」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



かりんとうと同じ種類の言葉


固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「かりんとう」の関連用語

かりんとうのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



かりんとうのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
文部科学省文部科学省
食品成分値は文部科学省科学技術・学術審議会資源調査分科会報告「五訂増補 日本食品標準成分表」、 科学技術庁資源調査会編「改訂日本食品アミノ酸組成表」によります。 食品成分値を複製又は転載する場合は事前に文部科学省への許可申請もしくは届け出が必要となる場合があります。 連絡先:文部科学省科学技術・学術政策局政策課資源室 電話(03)5253-4111(代)
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのかりんとう (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのセレモアホールディングス (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS