煙ファミリー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/29 14:06 UTC 版)
煙をボスとする魔法使いの世界の巨大組織で、ホウキ(魔法使いの世界での乗り物)のブランドからラーメン屋に至るまで幅広い事業を展開している。組織の邪魔になる存在や、魔法や魔法使いを使ってあくどい事業を展開している組織、人物などを抹消すべく動いている。組織の構成員は掌に収まる程度の大きさながら強大な魔力を有するキノコを持っており、これがファミリーのメンバーである証明になる。 煙(えん) 声 - 堀内賢雄 煙ファミリーのボス。43歳。身長183cm、体重86kg。足のサイズ30cm。赤紫色の長髪を逆立てた独特の髪型をしている。 歯茎を剥き出しにしたようなデザインで、ケムリを吐くための開閉ギミックのあるマスクを着用する。この口元のデザインは煙ファミリーのシンボルでもあり、ファミリーに属している者のマスクは同じ口元をしていることが多い。 魔法使いの世界で絶大な力を誇る男。何もかもをキノコにする非常に強力な魔法を使い、組織のリーダーとしても周囲から慕われ恐れられるカリスマ。城とも呼ばれる広大な屋敷に数千人のファミリーとともに暮らしている。 魔法は直撃すれば生物・非生物を問わず、対象を一瞬でキノコと化して無力化できる。一度キノコを生やした相手はいつでも捕捉でき、相手がどこにいても相手からキノコを生やすことができる。また生やしたキノコから、遠隔操作で動かせるキノコのロボットであるキノコマンを生成することが可能。キノコマンを生成するだけで相手は養分を奪われ大きなダメージを受ける他、キノコマンは遠隔操作で戦闘・会話・偵察・胞子の拡散などが可能である。さらに、直接魔法はかけずに微細な胞子を飛ばし、相手の体内に入った胞子からキノコを発生させ相手を内部から破壊することもできる。 ケムリを生成する能力が著しく高く、ひとつの街全体を覆いつくしてキノコ化できるほど多量のケムリを放出でき、24時間以上続けてケムリを吐き続けることもできる。逆上すると我を忘れるのが欠点で、味方をも巻き添えにして周囲の全てをキノコ化するまでケムリを吐き続けてしまうこともある。 自身でもキノコの栽培、収集を趣味としている。「キノコしか食べない」と発言しているが、ジロール茸のパイ等、キノコが素材に含まれる料理であれば食べており、飲酒もしている。 かつて、十字目のボスによってファミリーの仲間たちが大量に殺されたことがある。十字目のボスと対峙した際には、ひとつの街が壊滅するほどのケムリを放ったが、十字目のボスを仕留めたという確信が得られず、その生死を確かめるために「時を操る魔法使い」を探している。ニカイドウが「時を操る魔法使い」であることを知り、彼女を自分のパートナーにするために執拗に付け狙う。しかし彼女のことは魔法使いとして尊敬しているらしく、無理に魔法を使わせようとはしなかった。自身のパートナーである彼女が契約者でもないカイマンを大切に思っていることを知ったときは怒りを露わにした。 新製品のモニター役を自ら務めたりするなどボスらしからぬ一面も見せる。敵対する相手を躊躇無く殺害するなど基本的に冷酷な男だが、大勢の部下達に自分の屋敷を開放して衣食住の面倒を見ていたり、また組織の下っ端である藤田の話も直接聞き、心や能井が危険に陥った際には単身駆けつけて守るなど、部下に対する面倒見は非常に良く、組織の長としての器を十分に持っている人物である。 ナルシスト気味な所があり、屋敷内には自身の彫像や肖像画が多く飾られている。また自身の半生を監督・主演で映画化しているが、能井曰くかなり脚色されているという。その映画の中では6年前の事件についても語られており、映画内では十字目のボスと互角に戦ったように描かれているが、実際は十字目のボスに対して終始劣勢であり、あわや殺されかけた時に十字目のボスが突然苦しみ出したため、難を逃れたという。 キクラゲを溺愛しており、世話を糞取りまでしたり、揃いのスーツを作らせたりするほどである。キクラゲに話しかけるときは、「○○でシュね」というような赤ちゃん言葉になる。 徐々に十字目のボスと対峙した際の悪夢に悩まされるようになり、無理矢理にでもニカイドウに魔法を使わせる覚悟を決めたが、その直後突然十字目のボス「壊」が屋敷に現れ、「ホールの雨」のような壊の力によって苦しみ、ケムリを吐く間もなく瞬殺された。 しかし、藤田、鳥太、ターキーらファミリーによる決死の努力により復活する。その後、恵比寿のつたない説明や魔法の解けたターキー人形の材料となった藤田達の体からファミリー達が自らの体を犠牲にしてまで自分を救ってくれたことを悟り、壊滅したファミリーの再建と壊の打倒を固く決意する。 心(しん) 声 - 細谷佳正、榎木淳弥(少年期) 煙の部下の掃除屋(殺し屋)。28歳。身長196cm、体重116kg。足のサイズ33cm。金髪碧眼の大男。 心臓を模したマスクと継ぎ接ぎだらけの腕が特徴。普段はマスクを後ろ向きに被っている。マスクをしていない時はメガネを着用している。ブラックスーツにスニーカーを合わせた格好をしている。釘抜き付きのハンマーを鈍器として操るほか、何もかもをバラバラに切断する魔法を用いる。魔法は金庫などに用いれば一撃で破壊できるほか、人間や魔法使いに対して使用すると、生かしたままでその肉体をバラバラにできる。 目の前で銃弾が連射されてからハンマーや魔法によって防御する、遠距離からのライフルによる注射器の射撃をすべて叩き壊す等高い戦闘能力を持ち、魔法抜きの生身の強さもカイマンの言うところの「魔法に頼ってばかりの弱っちィ奴ら」とは一線を画す。 「大事な命を無駄にするような奴は死ね」という信条を持っており、弱い相手との戦いは好まないが、襲ってくる相手には容赦しない。強者と戦うことには激しい興奮を覚える戦闘狂ぶりも見せるが、相手の尊厳を認めることは無い。煙の命令でカイマンの命を狙っている。一度カイマンを圧倒し首をはねとばしたものの逃げられ、再戦の機会を狙っている。 人間の父親と魔法使いの母親を持つハーフで、少年時代は父親と共にホールで静かに暮らしていたが、偶然魔法使いであることが露見し町内会に追われる事となる。魔法使いと結婚した裏切り者であるという理由で父親を殺した町内会メンバーに復讐した後、カスカベ博士の助けを得て町内会メンバー46人をバラバラにして魔法使いの世界へと移住し、煙に掃除屋として雇われる。 ぶっきらぼうだが義理堅い性格で、煙からも信頼されている。能井の裸を見て照れたりするなど、純情な一面もある。 能井とは数年来のパートナーで、そのコンビネーションは強力。パートナーの能井が修復系魔法であり、また最も前線で戦っているせいなのか、ほぼ無敗であるものの戦闘のたび死にかけている。そのせいか内臓が飛び出ても心臓を貫かれても動じない。 能井(のい) 声 - 小林ゆう 煙の従姉妹にして部下の掃除屋(殺し屋)。24歳。身長209cm、体重124kg。足のサイズ30cm。バストのサイズ104cm。銀髪で赤い瞳を持つ。 心のパートナーであり、彼を「先輩」と呼び慕っている。愛用の革ツナギとごついマスクを着けた姿では男性の巨漢にしか見えないが、実は女子ボディビルダーのような体格をした銀髪赤目の美女。男勝りのカラっとした性格でケンカが大好き。戦闘狂であり、一度負けている相手への対策を嫌がるなど戦いに関してはかなりの慢心が見受けられる。怪力の持ち主であり、脳天をチョップして魔法使いの肉体を真っ二つにしたり、相手の頭を掴んでコンクリートの壁に叩きつけてめりこませたりできるほどの腕力を持つ。魔法自体には攻撃力がないため、主に腕力を活かした打撃で戦う。 希少な修復系の魔法を使い、あらゆる物の傷を治し欠損部位をも再生させる。魔法の効果で自身の回復力も非常に高く、半身が消し飛んだり頭を撃ちぬかれたりしてもすぐに再生する。首にナイフが刺さった程度では動きも止められない。しかしその為に普段敵の攻撃をまったく避けない癖が付いてしまっており、魔法を封じられて窮地に陥る事も多い。 幼少時代、悪魔になるための試験を受けており、150kgの鎧を着て生活したり悪魔の蝙蝠にエサをやるなどの修行をしていた。その最終試験は、1年間魔法を使ってはならないというものだったが、爆らに襲われた際、身を挺して能井を守り致命傷を負った心を治すために魔法を使用。試験は失敗となるが、心を慕い掃除屋として心のパートナーになった。パートナーになった頃は、身体も小さく麗しい美少女だった。 煙は彼女のことを数少ない肉親として気遣っているようだが、彼女は一方的に煙のことを嫌っている。ファミリーの中でボスにぞんざいな口を利いて許される唯一の人物である。 藤田(ふじた) 声 - 高梨謙吾 煙ファミリーの下っ端の若い男。18歳。身長170cm。体重55kg。足のサイズ26.5cm。短髪で、シマウマのような独特の配色の髪をしている。 目元を覆う長い鼻つきのマスクをつけているが、心や能井のそれとは違い、悪魔製作のマスクではないようである。 パートナーの松村がカイマンに殺されたために仇を取ろうとカイマン打倒に燃える。ケムリを弾丸のように飛ばす魔法を使うが、ケムリを出せる量が少ないせいであまり役に立たない。非力ゆえに卑怯な行動に出ることもある。友人の追悼の意を込め、常に葬式用の靴を履いている。 恵比寿の面倒を見ていることが多く、殆ど保護者のような立場にある。記憶が戻った恵比寿が偽者に殺害された時には、ファミリーの禁忌を破って「黒い粉」を吸引し、強化した魔法で偽者を破壊。その後も彼女をキクラゲに生き返らせてもらおうと奔走した。 魔法は貧弱で肉体的な格闘能力も低く、ファミリー以外の魔法使いに襲われるとすぐに煙の名前を出したり、窮地に立たされれば自分より強い恵比寿や心を盾にするなどかなりの小物だが、物語が進むにつれ成長しつつある。真面目な性格であり、ぞんざいに扱われていても煙をはじめとするファミリーの面々を慕っており、消に「誰よりもファミリーを大切に思っている」と評価された。 恵比寿(えびす) 声 - 富田美憂 裕福な家庭の出身のパンク少女。紫色の髪と瞳を持つ。13歳。身長142cm、体重33kg。足のサイズ20cm。 カイマンの口の中の男からは、「オマエはオレのジャマをした」と言われた。髑髏のマスクを被っている。 カイマンに殺されかけていた所を藤田に助け出されたが、その際に顔の皮が剥がれ脳を損傷し自失状態になってしまった。能井の魔法で回復するものの、記憶がはっきりとしない内にゾンビ化してしまった。再び能井に治されるも、能井にゾンビの修復経験がなかったためか、記憶や性格などは正常に戻らず、言行が少しおかしくなった。後に記憶が蘇り、自称「冷静で寡黙な魔法使い」に戻るが、実家へ戻った際、恵比寿の失踪を悲しんだ両親が購入した恵比寿の偽者によって頭を両断、殺害されてしまう。藤田の尽力で能井に死体を修復してもらい、キクラゲに生き返らせてもらったものの、能井が傷を修復した際に、鳥太から貰った「いつも笑顔でいられる魔除けの髪留め」が頭の傷の中に入ってしまったため、情緒不安定・笑い上戸な性格となった。 爬虫類変化系の魔法を使うが、普段の状態ではケムリの量が足りず不完全な変身しかできない。「黒い粉」使用時、「ケムリがよく出るようになる高い栄養剤」使用時、「いつも笑顔でいられる魔除けの髪留め」が頭の中に入ってしまった状態など、何らかの補助を受けた状態であれば、高い殺傷能力を持つ完全な大トカゲに変身することができる。 幼年期から「黒い粉」を使い続けていたため魔法の性質が変化しており、恵比寿自身にしか魔法をコントロールすることができず、瓶詰めされた恵比寿のケムリを他者が使用すると凶暴化した大トカゲとなってしまう。 藤田のパートナーになると言うなど、藤田のことが気になっているようでもある。福山の魔法でパイにされた薬を食べ腹を壊している間にブルーナイトが終わってしまい、結局藤田とのパートナー契約は失敗した。 Fカップのブラジャーを身に着けたり、胸にパッドを詰めたりと、胸が小さいことを気にしている。 松村(まつむら) 声 - 奈良徹 藤田の元パートナーの男。20歳。小太り。藤田の物と似た目元を覆うマスクをつけている。 魔法の練習のために藤田と共にホールへ向かっていたが、カイマン達に発見され殺害された。 死亡する直前にドアを出現させて藤田を救っていたことから、藤田とのパートナーとしての仲は良好であったと思われる。 後に遺体が回収され、カスカベ博士によってフランケンシュタインのような人造人間として再生させられた。 これを発見した藤田によって魔法使いの世界に連れ戻されたが、暴れだした為に魔法で変身した恵比寿の手で蘇生が不可能なほどにバラバラにされた。バラバラになった肉片は藤田が樹脂で固めて持ち歩いている。 ホットドッグが好物。 キクラゲ 声 - 鵜殿麻由 犬のような猫のような山羊のような生き物。3歳。身長70cm、体重8kg。 極めて希少な、死者に生命を与える魔法を使う。魔法のケムリは一般に黒色だが、キクラゲのそれは白色をしている。 煙のペットではなく、あくまでファミリーの一員である。 筒状の両腕を持ち、鳴き声は「ンニャンニャ」。モノローグでは丁寧語で話す。人語はあまりよく理解していない。恵比寿と仲が良い。 首輪は防犯装置を兼ねており、キクラゲが身の危険を感じると周囲に刃を撃ち出す。 鳥太(ちょうた) 声 - 勝杏里 「魔法を解く」魔法使いの男。黒色で柔毛の生えた鳥の雛のマスクを被っている。身長194cm、体重91kg。足のサイズ32cm。 筋肉質の肉体を持つ男性であり上半身裸のファッションのことが多いが、言葉遣いなどはやや女性的。煙の事を愛しており、煙の怒りに触れ頭をキノコにされたときも「煙のニオイがする」とそのままにしていた。自称煙のパートナーだが、煙にはまったく相手にされていない。しかし煙が十字目のボスと相対した際、「お前なら安心してキクラゲを預けられる」と言われ、キクラゲの命を託された。 本人曰く「魔法を解く魔法を使うためか謎解きが好き」で、煙の場内で殺人事件があった際には見事な推理を披露している。 ニカイドウの頭にボウリングボールを落とす・毒入り茶を飲ませるなどしていじめる、ニカイドウの悪い噂を流す、悪魔大王に貢物を捧げてニカイドウの死を願うなど、煙のパートナーになったニカイドウのことを快く思っていない。 煙の死後、手足の骨を折って森の中で死に掛けていたところを十字目に発見され殺されそうになるが、トカゲに変身した恵比寿と、藤田の連絡を受けてやってきた消に助けられる。 ターキー 声 - 三木眞一郎 写真や人の記憶を基に「生命ある人形」を造り出す魔法使い。ローストチキンのマスクを被っている。魔法使いは基本的に漢字名を持つが、彼はあだ名で呼ばれている。 鴨肉やピザ生地を焼いて作る彼の人形は、オリジナルのいる場所か、死んでいるなら死体のある場所、死体もなければ死んだ場所に向かうという性質を持つ。 消(しょう) 何でも透明にすることが出来るケムリを使う小柄な魔法使い。頭全部を包帯でぐるぐる巻きにした風貌。ファミリー結成時からのメンバーであり、その能力を生かして以前は暗殺者として働いていた。現在はファミリーの幹部であるが、存在感が薄いために仲間からよく存在を忘れられてしまう。十字目のボスによる襲撃の際、メンバーの多くをその魔法で救い出した。 ギャングらしからぬ温厚かつ紳士的な性格の持ち主で、人を見る目もある。煙亡き後のメンバーをまとめ、煙の復活とファミリー復権の手段を模索する。
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