十字目の組織
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/29 14:06 UTC 版)
メンバーの殆どが魔法を使えない魔法使いで構成された組織。メンバーの多くは有能な魔法使いたちから「役立たず」と嘲笑され社会での居場所を失っていたという背景を持つ。構成員は証として両の瞼を縦横に走る精巧な十字の刺青を彫っている。前述どおり魔法が使えない者が組織の大半であるため、構成員は皆ナイフや刃物の扱いに長けている。 使用者のケムリの量を一時的に増やすが依存性を持つ麻薬でもある「黒い粉」を取り扱う唯一の組織であり、黒い粉の販売を主な資金源としていた。組織的にエリート魔法使いを数多く殺害しているため、煙ファミリーの最大の標的とされている。貧弱な魔法でエリート魔法使いたちと戦うために、幹部構成員の多くは魔法使いの身体のどの箇所を斬れば魔法が使えなくなるかを熟知している。 現在は黒い粉を製造する方法を唯一知っているボスが行方不明であり、黒い粉の作成にも失敗しているため、組織は衰退している。メンバーの共通点は組織の一員の証としての両の瞼を縦横に走る精巧な十字の刺青だが、ボスだけは刺青ではなく痣のようなものであり、血塗りのような歪な形状をしている。 壊(かい) 十字目のボス。生い立ちなど、その殆どが謎に包まれている。会川と同様、彼も(十字目のアザを除けば)魔法が解けたカイマンにそっくりの容姿をしている。大食漢である。黒い短髪で瞳も黒色。身長208cm、体重138kg。 十字目の一員によれば、エリート魔法使いたちの身体を使い、最強の魔法使いになることを目指している。その過程で煙の部下たちを大量に殺害したため、煙に狙われている。 2本のナイフを武器として操る。ナイフの達人で、大人数の魔法使いに襲われても、一撃も攻撃を喰らわず僅かな時間で全員を倒すほどの腕前である。6年前に心と能井、煙と戦った際も圧倒した。自らの意思により、魔法使いたちに空間が歪むような異様な不快感(頭痛や体中の痛み)を与えることができる。この不快感は真っすぐ立っていられないほどのものであり、魔法使いであれば魔法の行使が困難になる。能井は「毒ガス」と形容したが、この感覚は魔法使いにとっての弱点である「ホールの雨」に近いものであるようである。この現象が「雨」と同じく魔法の一種なのかは不鮮明。この不快感については他の魔法と違いケムリを用いている描写が無い。 長い間姿を消しており、そのため十字目組織は衰退していたが、突如煙の屋敷に現れ圧倒的な戦闘能力で煙を瞬殺、煙の頭部を持ち去り姿を消した。その後、煙の敵討ちと6年前のリベンジを果たすために現れた心と能井を、煙の魔法を使用して返り討ちにした。 栗鼠(りす) 声 - ソンド カイマンの口の中にいる男と、同じ顔をしている男。大男と形容されることが多い。まだら状の白髪で、瞳の色はブルーグレー。24歳。身長210cm、体重105kg。 物語開始時点ですでに死亡していたが、心達がアパートから見つけ出した生首から復元され甦った。のちに煙たちのもとから逃れ自分を殺した犯人を探し始める。 魔法使いの世界でも希少な「呪い(カース)」の魔法使い。大きな杭状の武器を用いて戦う。 黒い粉を服用しても全くケムリが出なかったため、十字目組織で得た報酬を使ってザガン魔法訓練学校に通い始める。 会川とはその学校の悪徳教師に反抗したことが縁で知り合い、親友同士となり、お互いをパートナーと考えるようになったが、彼の住所など個人的なことは全く知らなかった。 後にカースと同化し、その力を操れるようになる。毒蛾が犯人の情報を知っていることを突き止め十字目を襲撃するが、夏木により返り討ちに遭いニカイドウたちに助けられる。 毒蛾(どくが) 蛾の頭を模したマスクを被る男。素顔はなかなかの美青年で、女装しても違和感がないほど。黒髪で瞳の色はアンバー。23歳。身長177cm、体重72kg。 背中に装置を付ける事で飛ぶことが出来る。仲間を運ぶことも可能。 ボスの側近であったが組織が衰退したため、現在は鉄条、豚、佐治、牛島田の5人で煙に発見されることを避けて内職やバイトをしながら細々と生活している。5人の中では代表者格的存在。魔法はほとんど使えないが、戦士としては有能で直感力や危機察知能力に長けており、藤田からは「クズ(十字目)のくせに生意気」と評された。 毒性のある唾液とナイフで戦う。見かけより力があり、豚と牛島田が二人がかりで運んだ大柄な死体を一人で支えた。彼の唾液は目に触れれば一時的に視力を奪い、ほんの少量でも体内に入れば死亡する。食事に混入させる等によって大人数を暗殺することも可能だが、日常生活では仲間達にとって危険なものでもあるため、大笑いすることが出来ず、厨房は立ち入り禁止、食事は一人だけ皆と離れて床で食べている。 風呂も一人で入らなければならないが、十字目が煙屋敷を奪った後は、十字目幹部5人で煙専用サウナを使っている。 行方不明になる前のボスから直接ナイフを預かっており、それを自分の手で返すことに強い拘りを持っている。 ボスの仲間の命をも省みない態度には戸惑いつつも従う姿勢を見せている。 栗鼠を殺した犯人、栗鼠の魔法、栗鼠の秘密を知っている。 鉄条(てつじょう) 鉄兜を被った男。黒髪で短髪、瞳の色はブラウン。23歳。日本刀を使う。敵の後ろを取るのが上手く、カイマンですら察知出来ないほど素早い。 かつて盗みを働いて捕まったとき、毒蛾をかばって右目を失明している。 毒蛾と行動を共にすることが多い。 豚(とん) 豚のマスクを被った金髪緑眼の男。ナイフ投げの名手。24歳。 笑顔の時が多い。名前の通り、やや食い意地の張った性格で、筋肉質だがやや肥満体。 佐治(さじ) 頬骨の張った銀色のいかついマスクを被った男。ヒゲを生やし、黒髪をトサカのように逆立てた独特の髪型をしている。26歳。 匕首を武器とする。5人の中では大柄で貫禄もあるが、実は老け顔なのを気にしている。また5人の財務を管理している。刺繍を得意とする。 牛島田(うししまだ) 六目の牛のマスクを被ったハゲ頭の男。やや肥満体で長いあごひげを生やしている。5人の中では小柄。26歳。 5人が生活している家の大家さんに惚れられている。大家さんの家の中には牛島田の絵が飾ってあるほど。 鉄格子を押し開き、壁を殴って脱出口を空けるほどの怪力の持ち主。 研人(けんと) ハルの家に住み着いていた男。ボスを狂信する者達とヒドラの森に所在する十字目組織の研究所で生活している。 十字目の残党だが、毒蛾らとは別行動を取り、黒い粉の作成や魔法を使う為の研究を行っていた。 魔法を使えるようにするため、自身の体に何度も手術を施しているが成功はしていない。無理な手術のせいで老人のような醜い外見となっている。 黒い粉の作成も成功せず、皆ノイローゼ気味になっており、ボスの蝋人形と祭壇を作り崇めることで心を落ち着けていた。 夏木(なつき) マステマの町にいた十字目の新入りの若い女。黒い長髪を三編みにしている。糸目。16歳。 武器としてフックを使用している。十字目加入から日が浅いため十字の刺青はまだ右目にしか入っていない。 カイマンの十字目に気づいて接触、偽の黒い粉を捌こうとしていた牧を成敗した彼の強さに惚れ、以後は彼を「アニキ」として慕いベリスの町まで同行した。その後は毒蛾らと合流し、バイトをしながら6人で生活している。 ほとんどが金のために加入したという十字目の組織にあって、弱者を救うという理想を頑なに信じている。 大トカゲに変身した恵比寿に腕を切断されたことで一切の攻撃から身を守る魔法を開花させる。 清水(しみず) 「レストラン丹波」のかつての常連。 「悪魔への冒涜行為」により死刑にされてしまう。栗鼠と知り合い。 牧(まき) マステマの町で夏木と共に黒い粉を売っていた男。 彼自身は金のために十字目の組織に加わっていたようで、黒い粉の供給が尽きたために偽物を売り捌こうとして夏木とトラブルになり、カイマンに成敗された。
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