ホールの人々
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/29 14:06 UTC 版)
カイマン 声 - 高木渉 本作品の主人公。カイマントカゲによく似た頭部を持つ男。推定25歳。身長216cm、体重146kg、足のサイズ38cm。 ガスマスクと銃剣(当初M7を使用していたが、後にM9へ)がトレードマーク。魔法が効かない特殊体質を持っている。怪力の持ち主で刃物の扱いに長けており、ニカイドウには「ナイフを持ってこそ強い」と評価された。 ホール中央病院魔法被害者病棟でアルバイトをしながら、自分の本当の顔と記憶を取り戻すために、自分の顔に魔法をかけた魔法使いの手がかりを求めて、ホールを訪れる魔法使いを狩って生活している。 爬虫類の顔を持つ厳つい大男だが、少年のように素直で明るい性格であり、オバケが大の苦手。食事とビールが大好きで、特に大葉入りのギョーザが心の中の重要なところに位置するほどの大好物。ニカイドウのことは大切な友人だと思っている。 ホールの路地で発見される以前の記憶がなく、本名・生地・年齢などは一切不明。「カイマン」という名前は、彼を見舞いに来たニカイドウによる命名で、カイマン自身もその名を気に入っている。 煙ファミリーの一員である松村を殺害したため、報復として煙ファミリーの掃除屋(殺し屋)である心に首をはねられたが、首をはねられても新たな頭部が再生するという不死に近い身体を持っていることが判明した。 物語が進んで魔法使いの世界で暮らし始めてからは徐々に記憶を取り戻してゆき、魔法使い狩りを繰り返してきた自身もまた魔法使いだったのではないか、自分はかつて誰か大切な友人を傷つけたのではないか、という疑念と恐れを抱くようになる。 ニカイドウを守るために煙と戦う最中、魔法が解け遂に本当の顔を取り戻すが、全身をキノコに貫かれて死亡した。 ニカイドウ(二階堂) 声 - 近藤玲奈 カイマンの友人のグラマーな女性。金髪碧眼。20歳。身長169cm、体重56kg。足のサイズ25cm。 徒手格闘の達人で、縛り付けられてもそのロープを引き千切る、手刀で魔法使いの手や首をはねる、蹴りで煙のキノコマンを真っ二つにする、姿が見えないほどの速度で拳銃の連射を躱せるなど、非常に高い戦闘能力を持つ。 路地で倒れているカイマンを見つけた縁から、彼の魔法使い狩りを手伝っている。 定食屋「空腹虫(ハングリーバグ)」を経営しているものの、店舗がホールの中でも魔法使いが多く出没する治安の悪い地域に位置することや、カイマンが日々のギョーザ代を払わないためにほとんど儲かっていない。カイマンを「ただ一人の大切な友人」と形容し、いつか一緒に店を手伝ってもらいたいと考えている。 実は魔法使いであるが、その事を周囲に隠してホールで生活している。 非常に希少な「時を操る魔法」を持つ魔法使いであるが、 幼少期、はじめて魔法が発動した際に起きた事故のため親友を殺してしまったことから、自らの魔法をとても危険なものだと認識している。 このため魔法は二度と使わないと決めており、自分の魔法を狙う者から逃れるためにホールへとやって来た。しかし、「時を操る魔法使い」であることが煙に知られ、彼に狙われることになる。 煙の屋敷に捕らわれた際に、川尻と共に自分を助けに来た会川にカイマンの面影を認めたが、会川は彼女に「さよなら」と言い残して姿を消す。ニカイドウは川尻と共に会川を追い、自分の魔法を使って失ったものを取り返す決意をした。 その後、川尻の指導と訓練を受け、一生分のケムリを使って自身の魔法をコントロールする「魔法ボックス」を完成させる。しかし巨大コウモリの世話や悪魔試験用ヘッドギアの使用、悪魔肉の常食などの悪魔試験に似た修行を行ったため、悪魔化が進行してしまい、「歯に衣を着せぬ物言い・ポジティブ&クリエイティブ」などの悪魔的な性格となり、表情は常に笑顔、ツノやシッポが生えるなど、身体的にも悪魔に近づいていく。 カスカベ 声 - 市来光弘 魔法使い研究の第一人者。魔法使いの練習台にされて子供の姿になっているが、実年齢は64歳。身長155cm。体重42kg。浅黒い肌を持ち、腕に入れ墨を入れている。 研究室は魔法使いの標本などで溢れており、マッドサイエンティストさながらである。興味があるのは研究だけで、「常に冷静」がモットーであり、煙に捕らえられ拷問を受けても、全く口を割ろうとせず、それどころかこの体験を本にしようとするほどのしぶとい楽観主義者である。 魔法使いの死体で魔法使いの世界に繋がるドアを作る、電流で操作できるフランケンシュタインを造り上げて野球の試合に出場させるなど、悪趣味ながらも研究者としては有能。また、医者としての腕も高く、心曰く「善意はないが腕は確か」。 心の恩人でもあり、10年前、ケムリを出せなかった心に手術を施し、魔法の使用を可能にした。その結果、心の魔法でバラバラにされた被害者が大量に発生したため、急遽「魔法被害者病棟」が設立された。 後に心たちと行動を共にするようになるが、カイマンの窮地にはその身を案じている。 「カスカベ(春日部)」という名前は魔法使いである妻の名からとったペンネームで、本名は「ヘイズ」。彼女の体調が悪かったときに、自分にも何かできることがないかと思ったのが、魔法使いの研究を始めたきっかけである。 ジョンソン 声 - 木村良平 ホールの雨水の影響で巨大化したゴキブリ。2歳。身長268cm、体重271kg。 魔法使いになることを望む男に飼われていたが、飼い主がいなくなった後はカスカベ博士が飼育している。 戦闘能力が高く、身体もナイフが折れるほど硬いが、殺虫剤や喫煙の煙が弱点。 見た目とは裏腹に知能が高く、「ショッキング!」の一言のみではあるが言葉を話すことも可能。 なかなかの主人思い。 バウクス 声 - 江川央生 ホール中央病院の医者。小太りの中年男。記憶を失って倒れていたカイマンを発見し、介抱した。 スキンヘッドで、顔に升目の刺青を彫っている。雇い主であるがカイマンには舐められ気味。 ズースという弟がおり、共に野球チームを結成している。 13(サーティーン) 声 - 梶裕貴 空腹虫の常連。チャラ目のストリートパンク風小僧。25歳。喫煙していることが多い。 ニカイドウを狙っている節があるものの、彼女が魔法使いだと知った今は半ばあきらめ気味である。職業はカジノのディーラー。 アイ・コールマン 15年前、カスカベの元に現れた少年。ホールで生きる理由が見つからないために、魔法使いになることを望んでいた。 1年ほどカスカベの手伝いをしていたが、自ら廃棄湖に飛び込んで致命傷を負い、どうせ死ぬのならばせめて身体だけでも魔法使いにしてくれとカスカベに懇願して、魔法使いの体を自身に移植するという大手術を受けた。手術は奇跡的に成功し、意識が戻ってからは約200日にも及ぶリハビリを経て、歩けるまでに回復した。ある日、「俺、魔法使いになったよ」とカスカベに告げるも、その翌日に死体となって発見された。 しかしその死体は埋葬された墓から消えており、ゾンビとして回収されてもいないため、カスカベは、彼は魔法使いとして魔法使いの世界で生きているのではないかと予想している。 カスカベがヒドラの森の十字目のアジトで見つけた、十字目のボスの蝋人形と顔が酷似している。
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