宇宙人の兵器
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/14 22:17 UTC 版)
地球破壊プログラム実行のため、宇宙人が地球に残した破壊兵器。原作では純粋に機械=ロボットだが、OVA版では機械ではなく「命令を受けて動く細胞のかたまり」で、熱反応のみでレーダーやソナーには反応しない。これらの兵器の情報や地球破壊プログラムは、マーズが眠っていた秋の島新島に設置されたコンピュータ(直径1メートルほどの水晶)に記録されている。ただし、その情報が本当かどうかは不明。 タイタン マーズの覚醒ともに目覚め、地球の調査を行った人間型巨大ロボット。調査結果は絶えずガイアーに送信され、タイタンが破壊された場合は人類がそれほど危険な存在となったことの証明となるため、地球を滅ぼすガイアーが目覚める。武器は持っていないが強固な装甲を持ち、攻撃を受けた際には拳や脚を振るって反撃を行うなど、最低限の戦闘機能はついている。 通常兵器の攻撃には無傷だったが、アメリカ海軍の核魚雷攻撃により破壊される。 名称はギリシア神話の巨神族ティーターンの英語名から。カラーリングは巻頭カラー第2話で上半身の彩色コマがあるため、市販フィギュア(食玩・ソフビ)は基本的にそのコマ準拠で塗装されている。(髪・胴=黒、顔面・首元=赤、腕=青、眼・頰線=黄(金)、胴装飾=白(銀))下半身は2色カラー第5話で上陸時に露出するが、2色彩色の表現具合と上半身との兼ね合いから推定製品化された。(腰=黒、脚=青、靴の周囲=赤) OVA『ジャイアントロボ THE ANIMATION -地球が静止する日』のOPにも登場する。テレビアニメ『六神合体ゴッドマーズ』では六神体(五神ロボ)の一つだが、デザインはまったく異なる。テレビアニメ『神世紀伝マーズ』のOPでは腕の部分にミサイル発射機構が装備されている。 ガイアー マーズの守護ロボットであり、なおかつ宇宙人の最終地球破壊兵器でもある人間型巨大ロボット。タイタンが破壊された事で秋の島新島近辺の海底遺跡より目覚める。永きにわたり海底で眠っていたため表面にびっしり貝や藻が付着していたが、スフィンクスとの対戦時に熱線により全て焼け剥がれ、真の姿を現す。引力装置、光子弾、近接破壊装置を装備し、体内に地球破壊用の爆弾を持つ。マーズの命令に従い、マーズの命を守るように設定されている。 設計構造は人類の理解を超えており、後に人間の技術者が爆弾を無力化すべく解体を試みたが、部品ひとつ外すことはできなかった。 体内の爆弾は「マーズの命令」「マーズの死亡」「ガイアー自体の破壊」「六神体全ての破壊」。いずれかの条件により起爆する。 OVAではマーズの心理的動揺も起爆要因とされ、この場合に限り判定結果は不問に付すとされている。また、マーズの命令で起爆装置を外すことができ、自爆を阻止することが可能。〈戦闘能力・機能〉全身から光子弾を発射する。その威力は触れたものを容易に塵と化し、六神体のバリヤーをも粉砕して破壊する。 強力な引力装置を有する。バリヤーを破壊した神体の体を引きつけ、近接破壊装置で消滅させることもできる。 バリヤーで全面を保護することができる。このバリアーは六神体の武器では突破できないほど強固で、身近のマーズを含めた完璧な安全性を得られる。ただし、バリヤーを張っている際には光子弾や引力装置を使用することができない。 水中の移動、飛行ともに可能。脚部に関節可動機構はあるが漫画中では歩行シーンは無く、常に直立で浮遊移動を行う。 外殻も非常に強固で、他の六神体の攻撃にことごとく耐えた。(OVA版では、六神体でも破壊することが可能。) 人工知能を擁するようで、マーズの命令を聞くだけでなく、マーズを保護するように動作することができる。 名称はギリシア神話の大地母神ガイアから。当初貝殻を纏っていた事もあり連載中にカラー稿は無かったが、チャンピオンコミックス4巻カバーでバストカットが初公開された。(全体=白(銀)、細装飾=黄(金)、眼=橙)また画の端に見切れる形で気付き難いが、胴体の「B」型装飾に囲まれた部分は緑で塗られている(トリミング前の原画で明らか)。豪華版発売時に彩色追加されたページより全身の配色が定まったが、先述の緑部分は再現されていなかったため市販フィギュアでも緑を塗装する物(ソフビ)しない物(食玩)とに分かれている。また豪華版新規イラストでは眼を黄、頰の隈取りを紫とするバリエーションも存在する。 OVA『ジャイアントロボ THE ANIMATION -地球が静止する日』のOPにも登場する。テレビアニメ『六神合体ゴッドマーズ』では「ガイヤー」という名で登場するが、デザインはまったく異なる。 六神体 ガイアーに呼応しペルー、エジプト、オーストラリア、中国、チベット、バハマ諸島から目覚めた。シン以降の三神体は核爆弾を持つ。 その装甲強度は通常兵器をまったく寄せ付けず、核爆発でも爆心地近くにいない限りは破壊できないほど強固であるが、異星人の残した武器(光子砲や破壊光線)ではダメージを受ける。1体でアメリカ大陸を焦土と化すことができる能力を持っているものの、六神体はあくまでガイアーの補助的な存在であり、ガイアーとの力の差は歴然としている。 六神体が1体破壊されるごとにガイアーのあごの、ヒゲを模したランプが対応して一個ずつ灯っていき、全て灯った際にはガイアー内部の爆弾が爆発するようになっている。これは「タイタンを破壊した地球人が、さらに六神体をも破壊できる力を持っていた場合」に、マーズの目覚めに関係なくガイアーを爆発させることができるように設定されていたもので、異星人の深謀遠慮及び、どちらかと言えば地球人を滅ぼす方向性の意思が強かったことが垣間見られる。 ただし、あくまでも「六神体すべてが、外からの攻撃によって破壊された時」にのみ連動して爆発するようになっているらしく、「事故や、内部の故障による機能停止・及び破壊」が1体でもあった場合は、ガイアーの爆弾は爆発しない。第六神体のみが残った時、内蔵の核爆弾で自爆をしなかったのはそのため。また、外部からの攻撃で破壊するだけならば「六神体同士での同士討ち」も取り得る効果的な手段となるはずだが、監視者たちは誰もその手段を試みようとしなかったことから、「同士討ち」は厳禁されているものだと思われる。 テレビアニメ『六神合体ゴッドマーズ』では巨大ロボ・ゴッドマーズを構成するパーツとなるロボに名称が転用されているが、設定やデザインは全く異なる。ウラヌス 第一神体。巨大な顔型をした神体で、ペルーの山岳地帯に彫られていた顔面像の中から出現した(OVAでは中国福建省の無名の遺跡内)。搭乗する監視者と同じ顔をしている。富士山頂での戦いでガイアーの光子弾&近接破壊装置のコンボにより破壊される。 〈戦闘能力・機能〉気象兵器を内蔵しており、カラーテレビの広告アドバルーンに偽装して日本全土を吹雪で襲った。 口から射出する矢のような武器は、空気を旋回させて物を吸いこんで破壊し、真空状態を作り出す機能があり、マーズを苦しめた。 本体を回転させて岩石を砕くことができる。 2足歩行ロボットを内蔵し、富士の測候所員を襲った。 バリヤーを張れるがガイアーの光子弾で破られた。 名称はギリシア神話の天空神ウラヌスから。巻頭カラー第2話扉絵及び同号雑誌表紙に先行登場しているため、カラーリングは確定済み。(全体=緑青色、右目=黄、左目=赤、眉間ランプ=目と左右逆色)食玩で商品化されており、基本配色準拠ながらも顔面+耳を銅鉱色へと良アレンジが施されている。また口から射出する矢(稼働状態)は豪華版収録イラストで紅に彩色されていた。 OVA版では日本政府に「ダルマ」と呼ばれている。OVA『ジャイアントロボ THE ANIMATION -地球が静止する日』では「ウェラヌス」という名でOPやコミカライズ版などに登場する。テレビアニメ『神世紀伝マーズ』では真空を出す矢は「グラスボーの矢」という名称がつけられた。 スフィンクス 第二神体。エジプトのスフィンクスの中に隠されていた神体。スフィンクスその物の形状をしており四脚で疾走する。エジプトでガイアーと戦い光子弾で破壊される。 〈戦闘能力・機能〉六千度もの熱線攻撃で戦車をも溶解するが、ガイアーには効かなかった。 陽炎により分身を作ることができる。 六神体で唯一飛行能力が無く、また海を渡る手段も持たない。 磁気嵐を巻き起こす。航空機の機能を無効化し、また引き寄せることができる。 原作では空を飛ぶことも海を潜ることもできないためエジプトで事件を起こしマーズを呼び寄せるが、OVA版では海中を潜行してマーズが保護されている北海道に現れた。 名称は、ギリシャ神話では人の知恵を試す怪物とし伝承を残し、エジプト神話では王家の守護する聖獣として自身が潜伏していた「スフィンクス」から。連載時の彩色は2色カラー12話に登場するが、偽装状態のため全面赤。チャンピオンコミックス2巻カバーで偽装崩壊の瞬間が描かれており眼が黄に変色。解除後の彩色は豪華版の彩色追加ページで登場。黒いボディは青光沢を帯び、眼と額ランプは橙に発色している。 OVA版では「オルトス」という名で登場する。 第三神体 巨大な長髪に包まれた頭部の、全体的には猛禽をモチーフとしたような形状をした神体。高速で飛行して航空機で移動中のマーズを襲った。ガイアーの光子弾と近接破壊装置のコンボにより破壊される。劇中では全く名称不明。出現地は不明(中国、チベットのいずれか)。 〈戦闘能力・機能〉金属をも溶かす放電弾が主な武器。しかしガイアーには効かなかった。 飛行探知ロボット多数を射出できる。 自動操縦装置があり、切り替えることで無人でもある程度飛行・稼働できる。 モチーフの原典は不明だが、1970年代アメリカのロックバンド「エンジェル(ANGEL)」のエンブレムにも同様のモチーフが採用され、レコードジャケット等に使用されている。神体の彩色は文庫本カバーにて全身金色(眼=赤、ボタン状装飾=緑)と判明。六神体中最も遅れた判明であり、黒か緑を基調とする六神体の中では特異な存在である。なお先述のエンジェル・エンブレムも同様の金色である。搭載される飛行探知ロボットの方がチャンピオンコミックス3巻カバーに登場しており、先に彩色確定(薄緑色)していた。 OVA版では「ヘリオス」、テレビアニメ『神世紀伝マーズ』では「センサーハンター」という名で登場する。テレビアニメ『六神合体ゴッドマーズ』には該当する名称は登場しない。『ジャイアントロボ 地球が燃え尽きる日』では「サリー」と言う名で登場している。『バビル2世 ザ・リターナー』では「ミカエル」という名で登場している。 シン 第四神体。土偶のような形状の神体で四肢に相当する部分は形取られているが可動させる事はなく直立状態のまま浮遊移動する。ガイアーとの戦闘中に地中深く潜り自爆、地震を発生させ、マーズの抹殺を図った。出現地は不明(中国、チベットのいずれか。OVAではオーストラリアキンバレー山脈の無名の山の雪中)。 地震による大地の崩壊に巻き込まれそうになったマーズは、ガイアーの引力光線により救出されるが、一緒に引き寄せられた岩盤に潰され虫の息になる。 〈戦闘能力・機能〉ロボットの目から光線を発して攻撃する。ガイアーのバリヤーには効かなかった。 核爆弾を搭載しており、それを地中で爆発させて地震を発生させる。 地震を引き起こすための地下エネルギー探査機を多数搭載している。 本体を回転させて地面を掘削して進むことができる。 名称はメソポタミア神話の月の神シンから。彩色は豪華版目次ページイラストが唯一で、全身濃緑色(胸のベタ部分のみ黒)。食玩ガイアーの台座として立体化されているが、茶系+黄色の眼という別の彩色がされている。 OVA版では「オイディプス」の名で登場予定であった。OVA『ジャイアントロボ THE ANIMATION -地球が静止する日』では「ウラエヌス」の名で登場する。 ウラエウス 第五神体。バハマ諸島沖(OVAではアメリカハワイ島のダイヤモンドヘッド地下)から出現したとされる目玉模様のついた潜水艦のような神体。体が腐食したマーズの治療を阻むため、秋の島新島を攻撃する。その後東京に現れて破壊行為を行うが、マーズのおとり作戦にかかって警備艦「ゆきかぜ」を攻撃したところをガイアーに攻撃され、最後は核爆弾で自爆した。 〈戦闘能力・機能〉海中を進むことも飛行することも可能。 艦橋?上の触手状の器官から破壊光線を発射する。 核爆弾を内蔵し、投下することも可能。 バリヤーを張って秋の島新島からの攻撃を防いだ。 名称はエジプト神話のイアールト(ウレリト)のラテン語名ウラエウス(Uraeus、ファラオを守る聖蛇)から。シン同様、豪華版目次ページイラストが唯一の彩色。黒い本体に加え、艦首のトーン処理部は紅、巨大な眼の白目部分と鼻は黄、触手状器官の光線発射部も黄(金)。 テレビアニメ『六神合体ゴッドマーズ』には登場しない。 ラー 第六神体。オーストラリアのキンバリー山脈の山の中(OVAではアメリカニューヨークの国連事務局ビル真下)から出現した黒い球体の神体。触手と電磁兵器を主な武装とし、さらに核爆弾(『神世紀伝マーズ』では高エネルギー弾)を装備している。強固な外装を持つ代わりに視界が限定されており、探知ロボットでカバーしていた。マーズにより内部から停止(≠破壊)させられる。 〈戦闘能力・機能〉海中を進むことも飛行することも可能。 球体を利しての体当たり攻撃ができる。 表面の突起が放電機状になって光線攻撃をしたり、触手状に変化して物理攻撃や電撃を行う。しかしガイアーには効かなかった。 核爆弾を内蔵し、投下することも可能。 飛行型探知ロボットを多数搭載。 名称はエジプト神話の太陽神ラーから。初の彩色掲載はチャンピオンコミックス5巻カバーであるが、予想通りの漆黒本体+メタル光沢器官格納部という配色である。ちなみに放電機および触手を展開した状態での彩色稿は1枚も無い。 OVA版では「カオス」の名で登場予定であった。テレビアニメ『神世紀伝マーズ』では過去の回想で同型の量産機が登場した。 秋の島新島 日本領海上の太平洋上(?)に海底火山の噴火でできた新島。モデルは1973年の火山活動で生まれた西之島新島。当時の新島ブームの影響だった。 隆起した島の地下にマーズの格納室があり、人造細胞液装置や学習機器が備えられている。また周囲は自動防衛システムによる光子砲と破壊光線砲で守られており、その威力はウラエウスの破壊光線照射装置を破壊し大ダメージを与え、また自衛艦をも消滅させたほどである。 テレビアニメ『神世紀伝マーズ』では「プロジェクト・ラボ」という名称がつけられた。 時計 OVA版に登場。監視者が本拠地としているニューヨークのビルの一室に設置されている、約1万年前から動き続けている大きな置き時計。監視者たちも知らない重要な秘密を持っており、地球人の狡猾さと邪悪さがマーズと監視者たちの予想を超えていた場合に備えた最後の自爆装置が仕込まれており、予定されたOVA版の最後でマーズを騙し討ちにかけた一部地球人権力者の暴走によって、マーズの死と共に発動する。
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