猛禽とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 同じ種類の言葉 > 生物 > > > 猛禽の意味・解説 

もう‐きん〔マウ‐〕【猛×禽】

読み方:もうきん

肉食性質荒々しい大形


猛禽

作者ジョン・コリア

収載図書ナツメグの味
出版社河出書房新社
刊行年月2007.11
シリーズ名KAWADE MYSTERY


猛禽類

(猛禽 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/03 15:28 UTC 版)

ハクトウワシ
フクロウ

猛禽類(もうきんるい)は、鋭いを持ち、他の動物を捕食(または腐肉食)する習性のある鳥類の総称[1]。獲物を捕まえるための鋭い爪、掴む力が強い(あしゆび)、鉤型に曲がったくちばしを持つことが共通の特徴である。 一般的に生態系の頂点に位置する例が多いことから、強さ・速さ・権力・高貴さの象徴として、猛獣などとともに戦闘機スポーツカー新幹線シンボルマーク、特撮やアニメのヒーローのモチーフになることも多い。

定義の変遷

ワシタカハゲワシハヤブサコンドルフクロウが代表的である。これらの猛禽類はリンネ前後の時代(17~18世紀)には鷲類鷹類・隼類及び梟類に分類された。ちなみにリンネは狩りをする鳥を単一の(もく)にまとめ、vulturコンドルハゲワシ)、falcoワシタカハヤブサなど)、strixフクロウ)、laniusモズ)の4属を含めている。このうち前2者のワシタカ類を昼行性猛禽類、フクロウ類を夜行性猛禽類とも呼んだ。

上記のようにこれらは鋭い爪とくちばしなど共通の特徴を持つが、形態的解剖学的研究が進むと、これらの外見上の類似は表面的なものであることが明らかとなり、狩りという習性に基づく収斂進化の結果とみなされるようになった。ワシタカ類とフクロウ類はタカ目フクロウ目とに分けられた。

近年のDNA分析の結果からハヤブサはワシタカ類よりもスズメ目+インコ目の系統に近縁なことがわかり、タカ目から分離されハヤブサ目というカテゴリーの猛禽類となった[2]。また、ワシタカ類は体の構造ではフクロウ類よりもむしろコウノトリ類に近い構造をもつとされ、1990年代のDNA分析も当初これを支持するとされたが、2010年代以降に行われたDNA分析ではいずれもコウノトリ類よりもフクロウ類に近縁であることが示されている。

系統分類

以下は、猛禽類を含むグループである陸鳥類(en:Telluraves)の分子系統樹[3]。なお、パーカー(2020)[4]ではタカ目コンドル目の系統のみを「猛禽類」としている。

陸鳥類[4]
(狭義の)猛禽類[4]

コンドル目 Cathartiformes

タカ目 Accipitriformes

Accipitrimorphae

フクロウ目 Strigiformes

ブッポウソウ上目[4]

ネズミドリ目 Coliiformes

樹鳥類[4]

オオブッポウソウ目 Leptosomiformes

キヌバネドリ目 Trogoniformes

ゲラ・ブッポウソウ類[4]

サイチョウ目 Bucerotiformes

強カゲラ類[4]

ブッポウソウ目 Coraciiformes

キツツキ目 Piciformes

Picodynastornithes
Picocoraciae
Cavitaves
Coraciimorphae
オーストラリア鳥類[4]

ノガンモドキ目 Cariamiformes

真ハヤブサ形類[4]

ハヤブサ目 Falconiformes

オウム・スズメ類[4]

オウム目 Psittaciformes

スズメ目 Passeriformes

Psittacopasserae
Eufalconimorphae
Australaves
Telluraves

生態的地位

猛禽類は空中を生活の場とする生物の中で生態ピラミッドの頂点に立つものである。実際には獲物として地上の動物を狙うことも多いので、いわゆる肉食獣ともその地位は重なっているが、いずれにせよ、大型の高次消費者の地位にある。

しかし、このことは彼らが多くの個体数を維持できないことを意味する。大型種の多くは広い縄張りを持ち、その内部で狩りを行うが、このような生活が維持されるためには自然な条件が維持された環境が広く続いている場の存在が必要である。人間の活動は必然的にこのような条件を壊し、世界中の多くの地域で大型猛禽類は絶滅を危惧されている。一部の猛禽は人間の生活に順応し、中には都市で狩りをする例も知られている。

人との関わり

大きさは種により様々で、「他の脊椎動物を捕食する」とはいえすべての種が積極的に人や家畜を襲うといったことはない。しかし一部では家畜の子や家禽などが被害を受け、害鳥と見なされる例がある。また先述のとおり飼育下において人が保定等を行なう際は、その鋭い爪や嘴によって危害を受ける確率も高い。

日本国内においては、動物愛護管理法によりタカ目の一部が特定動物に指定されている。飼育を行なうにあたっては各都道府県動物愛護担当部局からの許可が必要となる。

鷹狩

猛禽類を飼い慣らして獲物を捕まえる狩りを鷹狩という。又は、鷹匠とも言う。

文化

猛禽類は、その優れた飛翔力や、鋭い嘴・爪による攻撃力など、精悍なイメージの持たれる動物の代表である。古来より強さ・速さ・権力・高貴さの象徴として、様々な紋章意匠として使われてきた。また、神話伝説においても重要な地位を与えられている例が多い。

また、その飼育そのものが貴族の趣味として捉えられたこともある。剥製を装飾とする例もある。これらを目的とした乱獲は、猛禽類が各地で絶滅の危機に頻している理由のひとつである。

脚注

  1. ^ 鳥類は殆どが肉食であることも注意。魚・貝・水生動物・昆虫・幼虫等を捕食する。むしろ、植物性の食物しかとらない方が少数派である。
  2. ^ “ハヤブサはインコの仲間 意外な間柄、DNAで判明”. 日本経済新聞. (2013年3月19日). https://www.nikkei.com/article/DGXNASDG19004_Z10C13A3CR0000/ 2022年6月17日閲覧。 
  3. ^ Braun, E. L.; Kimball, R. T. (2021). “Data types and the phylogeny of Neoaves”. Birds 2 (1): 1–22. doi:10.3390/birds2010001.
  4. ^ a b c d e f g h i j パーカー, スティーヴ『生物の進化大事典』養老孟司 日本語版監修、日暮雅道・中川泉訳、三省堂、2020年6月9日、371頁。ISBN 978-4385162409

関連項目


猛禽

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/03 05:43 UTC 版)

臨死!!江古田ちゃん」の記事における「猛禽」の解説

主人公と友人Mの一方的なライバルにあたる女性総称名称の由来猛禽類のように狙った獲物(=男)は決し逃さないことから。代表的な猛禽は巨乳天然ボケドジっ娘。話の聞き分け良く、どの仕種可愛らしく異性から、場合によっては同性からも受けが良い。妹猛禽、かくれ猛禽などのパターンもある。

※この「猛禽」の解説は、「臨死!!江古田ちゃん」の解説の一部です。
「猛禽」を含む「臨死!!江古田ちゃん」の記事については、「臨死!!江古田ちゃん」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「猛禽」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ

猛禽

出典:『Wiktionary』 (2021/08/14 05:18 UTC 版)

名詞

もうきん

  1. 大型獰猛

類義語

関連語

翻訳


「猛禽」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。



猛禽と同じ種類の言葉


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「猛禽」の関連用語

猛禽のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



猛禽のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの猛禽類 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの臨死!!江古田ちゃん (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Text is available under Creative Commons Attribution-ShareAlike (CC-BY-SA) and/or GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblioに掲載されている「Wiktionary日本語版(日本語カテゴリ)」の記事は、Wiktionaryの猛禽 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、Creative Commons Attribution-ShareAlike (CC-BY-SA)もしくはGNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS