猛禽類とは? わかりやすく解説

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もうきん‐るい〔マウキン‐〕【猛×禽類】

読み方:もうきんるい

タカ目フクロウ目総称。鉤(かぎ)状の鋭いくちばし鉤爪をもち、小動物や他の捕食する


猛禽類 (もうきんるい)

 獲物捕らえるために、その体を進化させたで、タカフクロウ仲間分けられます。いずれも生態系頂点位置する生き物です。狩りをするために、よく見える目と、鋭い爪とくちばし強くて丈夫な脚を持ってます。ダムの建設周辺にも、イヌワシクマタカなどが生息していることがあり、これらについては、貴重猛禽類として継続的な調査の実施各種保護対策などが行われます。(→日本のダム:イヌワシ・クマタカ・・・

猛禽類

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/03 15:28 UTC 版)

ハクトウワシ
フクロウ

猛禽類(もうきんるい)は、鋭いを持ち、他の動物を捕食(または腐肉食)する習性のある鳥類の総称[1]。獲物を捕まえるための鋭い爪、掴む力が強い(あしゆび)、鉤型に曲がったくちばしを持つことが共通の特徴である。 一般的に生態系の頂点に位置する例が多いことから、強さ・速さ・権力・高貴さの象徴として、猛獣などとともに戦闘機スポーツカー新幹線シンボルマーク、特撮やアニメのヒーローのモチーフになることも多い。

定義の変遷

ワシタカハゲワシハヤブサコンドルフクロウが代表的である。これらの猛禽類はリンネ前後の時代(17~18世紀)には鷲類鷹類・隼類及び梟類に分類された。ちなみにリンネは狩りをする鳥を単一の(もく)にまとめ、vulturコンドルハゲワシ)、falcoワシタカハヤブサなど)、strixフクロウ)、laniusモズ)の4属を含めている。このうち前2者のワシタカ類を昼行性猛禽類、フクロウ類を夜行性猛禽類とも呼んだ。

上記のようにこれらは鋭い爪とくちばしなど共通の特徴を持つが、形態的解剖学的研究が進むと、これらの外見上の類似は表面的なものであることが明らかとなり、狩りという習性に基づく収斂進化の結果とみなされるようになった。ワシタカ類とフクロウ類はタカ目フクロウ目とに分けられた。

近年のDNA分析の結果からハヤブサはワシタカ類よりもスズメ目+インコ目の系統に近縁なことがわかり、タカ目から分離されハヤブサ目というカテゴリーの猛禽類となった[2]。また、ワシタカ類は体の構造ではフクロウ類よりもむしろコウノトリ類に近い構造をもつとされ、1990年代のDNA分析も当初これを支持するとされたが、2010年代以降に行われたDNA分析ではいずれもコウノトリ類よりもフクロウ類に近縁であることが示されている。

系統分類

以下は、猛禽類を含むグループである陸鳥類(en:Telluraves)の分子系統樹[3]。なお、パーカー(2020)[4]ではタカ目コンドル目の系統のみを「猛禽類」としている。

陸鳥類[4]
(狭義の)猛禽類[4]

コンドル目 Cathartiformes

タカ目 Accipitriformes

Accipitrimorphae

フクロウ目 Strigiformes

ブッポウソウ上目[4]

ネズミドリ目 Coliiformes

樹鳥類[4]

オオブッポウソウ目 Leptosomiformes

キヌバネドリ目 Trogoniformes

ゲラ・ブッポウソウ類[4]

サイチョウ目 Bucerotiformes

強カゲラ類[4]

ブッポウソウ目 Coraciiformes

キツツキ目 Piciformes

Picodynastornithes
Picocoraciae
Cavitaves
Coraciimorphae
オーストラリア鳥類[4]

ノガンモドキ目 Cariamiformes

真ハヤブサ形類[4]

ハヤブサ目 Falconiformes

オウム・スズメ類[4]

オウム目 Psittaciformes

スズメ目 Passeriformes

Psittacopasserae
Eufalconimorphae
Australaves
Telluraves

生態的地位

猛禽類は空中を生活の場とする生物の中で生態ピラミッドの頂点に立つものである。実際には獲物として地上の動物を狙うことも多いので、いわゆる肉食獣ともその地位は重なっているが、いずれにせよ、大型の高次消費者の地位にある。

しかし、このことは彼らが多くの個体数を維持できないことを意味する。大型種の多くは広い縄張りを持ち、その内部で狩りを行うが、このような生活が維持されるためには自然な条件が維持された環境が広く続いている場の存在が必要である。人間の活動は必然的にこのような条件を壊し、世界中の多くの地域で大型猛禽類は絶滅を危惧されている。一部の猛禽は人間の生活に順応し、中には都市で狩りをする例も知られている。

人との関わり

大きさは種により様々で、「他の脊椎動物を捕食する」とはいえすべての種が積極的に人や家畜を襲うといったことはない。しかし一部では家畜の子や家禽などが被害を受け、害鳥と見なされる例がある。また先述のとおり飼育下において人が保定等を行なう際は、その鋭い爪や嘴によって危害を受ける確率も高い。

日本国内においては、動物愛護管理法によりタカ目の一部が特定動物に指定されている。飼育を行なうにあたっては各都道府県動物愛護担当部局からの許可が必要となる。

鷹狩

猛禽類を飼い慣らして獲物を捕まえる狩りを鷹狩という。又は、鷹匠とも言う。

文化

猛禽類は、その優れた飛翔力や、鋭い嘴・爪による攻撃力など、精悍なイメージの持たれる動物の代表である。古来より強さ・速さ・権力・高貴さの象徴として、様々な紋章意匠として使われてきた。また、神話伝説においても重要な地位を与えられている例が多い。

また、その飼育そのものが貴族の趣味として捉えられたこともある。剥製を装飾とする例もある。これらを目的とした乱獲は、猛禽類が各地で絶滅の危機に頻している理由のひとつである。

脚注

  1. ^ 鳥類は殆どが肉食であることも注意。魚・貝・水生動物・昆虫・幼虫等を捕食する。むしろ、植物性の食物しかとらない方が少数派である。
  2. ^ “ハヤブサはインコの仲間 意外な間柄、DNAで判明”. 日本経済新聞. (2013年3月19日). https://www.nikkei.com/article/DGXNASDG19004_Z10C13A3CR0000/ 2022年6月17日閲覧。 
  3. ^ Braun, E. L.; Kimball, R. T. (2021). “Data types and the phylogeny of Neoaves”. Birds 2 (1): 1–22. doi:10.3390/birds2010001.
  4. ^ a b c d e f g h i j パーカー, スティーヴ『生物の進化大事典』養老孟司 日本語版監修、日暮雅道・中川泉訳、三省堂、2020年6月9日、371頁。ISBN 978-4385162409

関連項目


猛禽類

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/13 21:19 UTC 版)

愛玩鳥」の記事における「猛禽類」の解説

好んでフクロウや、タカハヤブサなどの猛禽類を飼う人もおり、ハリスホークコキンメフクロウなどが人気がある。インプリント個体刷り込み)のハリスホークベンガルワシミミズクモリフクロウメンフクロウなどは神経質さそれほど感じさせず、ペットとして人気が高い。鋭いクチバシや爪を有するので取り扱いにも多少注意要するが、人になれた中型種であればそれほど危険ではない。ただしイヌワシコンドルなど一部超大型種は特定動物指定されているケースがあるので、飼育を行なうにあたって各地方自治体動物愛護関連部署への許可申請が必要となる。 巣引き大きさゆえスペースを必要とするがチョウゲンボウ類や小型フクロウでは家庭での繁殖例も多く聞かれハリスホークベンガルワシミミズクのような中型種最近では良く聞かれるようになってきた。ちなみに日本オオタカ人工繁殖成功した最古の記録をもつ。 エサマウスウズラヒヨコなどを用いるため(精肉では栄養価問題で健康を保てない)に飼育を断念する者も多いが、現在では専門店からそれらの冷凍品を比較安価にコンスタント入手できるようになった。肉はカロリーが高いので、結果的に猛禽類は他の草食雑食比べて給餌量、排泄量少ない。かなりのスペースが必要ではあるものの、管理程度はむしろ楽な方である。近年各種サプリメントグッズ充実しており、このことが国内で飼育が普及し国内繁殖例が多く聞かれるようになった理由であると考えられる。 猛禽類の魅力なんといってもフリーフライトであろうヒモなどつけず、インコのような羽きりもせずに空に放ち合図で拳に呼び戻す基本的にエサで呼ぶ行為であり、古来鷹狩りのように野生オオタカ用いる例では餓死する寸前にまで餓えさせる例もあり、フリーフライト批判的な意見を持つ者もいるがインプリントハリスホークのようなノスリ類やベンガルワシミミズクなどではむしろ健康的な程度給餌セーブフリーにすることが可能である。 また、鷹狩りも猛禽類飼育の魅力一つ挙げられる鷹狩りというと高度な技術を必要とし、一般人趣味で行うようなものではないという認識が強いかもしれないが、けしてそのようなことはない。趣味猛禽飼育し鷹狩りをしているという者も増えてきており、近年では特に趣味として鷹狩り集まりでの倶楽部団体いくつも作られている。

※この「猛禽類」の解説は、「愛玩鳥」の解説の一部です。
「猛禽類」を含む「愛玩鳥」の記事については、「愛玩鳥」の概要を参照ください。

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猛禽類

出典:『Wiktionary』 (2021/08/15 06:54 UTC 版)

名詞

もうきんるい

  1. 鋭い嘴と爪を持って他の動物捕食する大型総称

類義語

関連語

翻訳


「猛禽類」の例文・使い方・用例・文例

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