名人クイーンとは? わかりやすく解説

名人・クイーン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/01/11 14:43 UTC 版)

名人・クイーン(めいじん・クイーン)とは、小倉百人一首を用いて、一般社団法人全日本かるた協会が定めた規則に則って行う競技である競技かるたにおいて、男性の名人戦、女性のクイーン戦の予選を勝ち抜き、さらに前年の優勝者との対戦に勝利し、男女それぞれに於ける日本一となった者に与えられる称号である。

名人位決定戦・クイーン位決定戦

毎年1月上旬に行われている、名人位とクイーン位を決める大会である。昨年に名人位とクイーン位の称号を獲得した者と、予選を勝ち上がった挑戦者が対戦する(例外は後述)。小倉百人一首の第一番歌を詠んだ天智天皇を祀る近江神宮のある、滋賀県大津市の近江勧学館にて行われる。競技には、競技線の内側が他と異なる色になっている特別な畳が用いられる。また、各試合には審判が置かれ、選手に判断を委ねられた場合のみ判定を行う。

名人位決定戦

近江神宮楼門

1955年昭和30年)から実施されている。毎年10月下旬に東西で、A級四段以上の男性を対象に、東日本予選・西日本予選がトーナメント形式で実施される。11月に東日本予選・西日本予選の勝者が挑戦者決定戦の3番勝負を行い、勝者が名人位決定戦の挑戦者となる。翌年1月に名人と挑戦者で名人位決定戦の5番勝負を近江神宮で行い、勝者が名人、敗者は準名人となる。

クイーン位決定戦

1957年(昭和32年)から実施されている。毎年10月下旬に東西で、A級四段以上の女性を対象に、東日本予選・西日本予選がトーナメント形式で実施される。11月に東日本予選・西日本予選の勝者が挑戦者決定戦の3番勝負を行い、勝者がクイーン位決定戦の挑戦者となる。翌年1月にクイーンと挑戦者でクイーン位決定戦の5番勝負を近江神宮で行い、勝者がクイーン、敗者は準クイーンとなる。以前は「クイン」(長音なし)と称されたこともあったが、その後「クイン」に統一された[注 1][信頼性要検証]

永世名人・永世クイーン

名人を連続5期あるいは通算7期つとめた者には永世名人の称号が与えられる。

クイーンを通算5期つとめた者には永世クイーンの称号が与えられる。

2021年1月9日現在の永世名人・永世クイーンは以下の通り。

永世名人

  • 正木一郎(10期、1955年-10期)
  • 松川英夫(9期、1965年-3期・1970年-1期・1979年-4期・1984年-1期)
  • 種村貴史(9期、1985年-8期・1995年-1期)
  • 西郷直樹(14期、1999年-14期)

永世クイーン

  • 堀沢久美子(8期、1977年-8期)
  • 渡辺令恵(14期、1988年-3期・1992年-11期)
  • 楠木早紀 (10期、2005年-10期)

歴代名人・クイーン

決定戦の結果

  • 以下は、全日本かるた協会主催のもの
    (1955年~)。
  • ★ : 元名人・クイーンの挑戦者。
  • * : 第1期及び名人・クイーンが出場辞退の場合、東日本代表と西日本代表が名人戦・クイーン戦で対戦。
  • ― : 実施せず
  • 出場選手名の括弧内は所属を示す。
  • 背景が色付きの選手はその期の名人位・クイーン位。
    • 桃色の選手は防衛。
    • 橙色の選手は挑戦者の勝利。
    • 白色の選手は準名人または準クイーン。
年度 名人戦 クイーン戦 備考
名人
(* 挑戦者:西日本代表)
勝敗 挑戦者
(* 挑戦者:東日本代表)
クイーン
(* 挑戦者:西日本代表)
勝敗 挑戦者
(* 挑戦者:東日本代表)
1955 1 (* 挑戦者:西日本代表)
鈴木俊夫
(福岡白妙)
1-4 (* 挑戦者:東日本代表)
正木一郎
(白妙)
7番勝負で実施
1956 2 正木一郎
(白妙)
3-0 早川喜市
(横浜隼)
5番勝負に変更
1957 3 正木一郎
(白妙)
4-0 鈴木俊夫
(福岡白妙)
1 (* 挑戦者:西日本代表)
森脇ゑん子
(大阪暁)
1-3 (* 挑戦者:東日本代表)
天野千恵子
(仙台鵲)
名人位決定戦を7番勝負に変更
クイーン位決定戦は5番勝負で実施
1958 4 正木一郎
(白妙)
4-0 鈴木俊夫
(福岡白妙)
2 天野千恵子
(仙台鵲)
1-3 森脇ゑん子
(大阪暁)
1959 5 正木一郎
(白妙)
4-2 鈴木俊夫
(福岡白妙)
3 天野千恵子
(仙台鵲)
1-3 大高悦子
(白妙)
正木 永世名人に
1960 6 正木一郎
(白妙)
4-1 田口忠夫
(白妙)
4 (* 挑戦者:西日本代表)
土田陽子
(神戸田子の浦)
1-3 (* 挑戦者:東日本代表)
天野千恵子
(仙台鵲)
大高クイーン 出場辞退
1961 7 正木一郎
(白妙)
4-1 田口忠夫
(白妙)
5 天野千恵子
(仙台鵲)
0-3 小沢教子
(白妙)
1962 8 正木一郎
(白妙)
3-0 田口忠夫
(白妙)
6 小沢教子
(白妙)
2-0 丹治迪子
(仙台鵲)
名人位決定戦を5番勝負にに変更
クイーン位決定戦を3番勝負に変更
1963 9 正木一郎
(白妙)
4-3 山下義
(大阪暁)
7 小沢教子
(白妙)
3-2 丹治迪子
(仙台鵲)
名人位決定戦を7番勝負にに変更
クイーン位決定戦を5番勝負に変更
1964 10 正木一郎
(白妙)
4-3 奥田宏
(白妙)
8 小沢教子
(白妙)
3-2 石川五倫
(白妙)
1965 11 (* 挑戦者:西日本代表)
山下義
(大阪暁)
2-4 (* 挑戦者:東日本代表)
松川英夫
(東京東)
9 (* 挑戦者:西日本代表)
宮崎嘉江
(金沢高砂)
3-2 (* 挑戦者:東日本代表)
丹治迪子
(白妙)
正木永世名人 出場辞退
小沢クイーン 出場辞退
1966 12 松川英夫
(東京東)
3-2 森洋三
(白妙)
10 丹治迪子
(白妙)
2-1 椿芙美子
(仙台鵲)
名人位決定戦を5番勝負に変更
クイーン位決定戦を3番勝負に変更
1967 13 松川英夫
(東京東)
3-0 椿威
(仙台鵲)
11 丹治迪子
(白妙)
0-2 椿芙美子
(仙台鵲)
1968 14 松川英夫
(東京東)
2-3 田口忠夫
(白妙)
12 椿芙美子
(仙台鵲)
0-2 宮崎嘉江
(金沢高砂)
1969 15 田口忠夫
(白妙)
3-1 山下義
(大阪暁)
13 宮崎嘉江
(金沢高砂)
2-1 沖美智子
(小野田)
1970 16 田口忠夫
(白妙)
2-3 松川英夫
(東京東)★
14 宮崎嘉江
(金沢高砂)
2-0 山下迪子(旧姓:丹治)
(大阪暁)★
1971 17 (* 挑戦者:西日本代表)
川瀬健男
(金沢高砂)
1-3 (* 挑戦者:東日本代表)
遠藤健一
(仙台鵲)
15 宮崎嘉江
(金沢高砂)
1-2 山下迪子
(大阪暁)★
松川名人 出場辞退
1972 18 遠藤健一
(仙台鵲)
3-1 山下義
(大阪暁)
16 山下迪子
(大阪暁)
1-2 沖美智子
(小野田)
1973 19 遠藤健一
(仙台鵲)
0-3 川瀬健男
(金沢高砂)
17 沖美智子
(小野田)
2-1 渡辺登喜子
(白妙)
1974 20 川瀬健男
(金沢高砂)
3-1 松川英夫
(東京東)★
18 沖美智子
(小野田)
2-0 平山芙美子(旧姓:椿)
(仙台鵲)★
1975 21 川瀬健男
(金沢高砂)
3-1 松川英夫
(東京東)★
19 沖美智子
(小野田)
2-0 東野由美
(小野田)
1976 22 川瀬健男
(金沢高砂)
2-3 森洋三
(白妙)
20 沖美智子
(小野田)
0-2 吉田真樹子
(慶応)
1977 23 森洋三
(白妙)
3-1 平田裕一
(大阪暁)
21 吉田真樹子
(慶応)
1-2 堀沢久美子
(小野田)
1978 24 森洋三
(白妙)
3-0 川瀬健男
(大垣むらさき)★
22 堀沢久美子
(小野田)
2-1 鶴谷智子
(吉野)
1979 25 森洋三
(白妙)
2-3 松川英夫
(東京東)★
23 堀沢久美子
(小野田)
2-0 妹尾美枝
(福山)
1980 26 松川英夫
(東京東)
3-0 前田秀彦
(白妙)
24 堀沢久美子
(小野田)
2-0 吉井瑞枝
(ICU若菜)
1981 27 松川英夫
(東京東)
3-1 前田秀彦
(白妙)
25 堀沢久美子
(小野田)
2-1 福田美枝
(福山)
松川 永世名人に
堀沢 永世クイーンに
1982 28 松川英夫
(東京東)
3-1 栗原績
(福井渚)
26 堀沢久美子
(小野田)
2-0 金山真樹子(旧姓:吉田)
(吉野)★
1983 29 松川英夫
(東京東)
1-3 川瀬健男
(大垣むらさき)★
27 堀沢久美子
(小野田)
2-0 山崎みゆき
(福井渚)
1984 30 川瀬健男
(大垣むらさき)
1-3 松川英夫
(東京東)★
28 堀沢久美子
(小野田)
2-0 岸上すみれ
(東京東)
1985 31 松川英夫
(東京東)
0-3 種村貴史
(慶応)
29 (* 挑戦者:西日本代表)
北野律子
(九州)
2-0 (* 挑戦者:東日本代表)
渡辺さゆり
(仙台鵲)
堀沢永世クイーン 出場辞退
1986 32 種村貴史
(慶応)
3-0 牧野守邦
(慶応)
30 北野律子
(九州)
2-1 岸上すみれ
(東京東)
1987 33 種村貴史
(慶応)
3-0 望月仁弘
(慶応)
31 北野律子
(九州)
2-1 中筋規江
(和歌山県協)
1988 34 種村貴史
(慶応)
3-1 鶴田究
(鹿児島県協)
32 (* 挑戦者:西日本代表)
山崎みゆき
(福井渚)
2-0 (* 挑戦者:東日本代表)
渡辺令恵
(横浜隼)
北野クイーン 出場辞退
1989 35 種村貴史
(慶応)
3-0 石沢直樹
(早大)
33 渡辺令恵
(横浜隼)
2-0 川中裕三子
(東大阪)
種村 永世名人に
1990 36 種村貴史
(慶応)
3-1 松川英夫
(東京東)★
34 渡辺令恵
(横浜隼)
2-0 山崎みゆき
(福井渚)
1991 37 種村貴史
(慶応)
3-0 望月仁弘
(慶応)
35 渡辺令恵
(横浜隼)
0-2 山崎みゆき
(福井渚)
1992 38 種村貴史
(慶応)
3-2 中谷昌浩
(福井渚)
36 山崎みゆき
(福井渚)
0-2 渡辺令恵
(横浜隼)★
1993 39 種村貴史
(慶応)
2-3 平田裕一
(大阪暁)
37 渡辺令恵
(横浜隼)
2-1 山崎みゆき
(福井渚)★
渡辺 永世クイーンに
1994 40 平田裕一
(大阪暁)
3-1 中谷昌浩
(福井渚)
38 渡辺令恵
(横浜隼)
2-1 山崎みゆき
(福井渚)★
1995 41 平田裕一
(大阪暁)
2-3 種村貴史
(慶応)★
39 渡辺令恵
(横浜隼)
2-0 金山真樹子
(吉野)★
1996 42 種村貴史
(慶応)
0-3 望月仁弘
(慶応)
40 渡辺令恵
(横浜隼)
2-0 中村恭子
(横浜隼)
1997 43 望月仁弘
(慶応)
3-0 新川彰人
(東大)
41 渡辺令恵
(横浜隼)
2-0 池田実穂子
(九州)
1998 44 望月仁弘
(慶応)
3-0 田口貴志
(横浜隼)
42 渡辺令恵
(横浜隼)
2-0 山崎みゆき
(福井渚)★
1999 45 望月仁弘
(慶応)
2-3 西郷直樹
(早大)
43 渡辺令恵
(横浜隼)
2-0 中筋規江
(和歌山県協)
2000 46 西郷直樹
(早大)
3-0 土田雅
(福井渚)
44 渡辺令恵
(横浜隼)
2-0 片瀬亮子
(九州)
2001 47 西郷直樹
(早大)
3-0 鶴田究
(鹿児島県協)
45 渡辺令恵
(横浜隼)
2-1 中村恭子
(横浜隼)
2002 48 西郷直樹
(早大)
3-0 望月仁弘
(慶応)★
46 渡辺令恵
(横浜隼)
2-1 齊藤裕理
(京都府協)
2003 49 西郷直樹
(早大)
3-0 土田雅
(福井渚)
47 渡辺令恵
(横浜隼)
1-2 齊藤裕理
(京都府協)
西郷 永世名人に
2004 50 西郷直樹
(早大)
3-0 土田雅
(福井渚)
48 荒川裕理(旧姓:齊藤)
(京都府協)
2-1 吉峰翼
(東京東)
2005 51 西郷直樹
(早大)
3-0 土田雅
(福井渚)
49 荒川裕理
(京都府協)
0-2 楠木早紀
(大分県協)
2006 52 西郷直樹
(早大)
3-0 前田秀彦
(府中白妙)
50 楠木早紀
(大分県協)
2-0 上野玲
(京都府協)
2007 53 西郷直樹
(早大)
3-0 土田雅
(福井渚)
51 楠木早紀
(大分県協)
2-0 鋤納麻衣子
(大阪暁)
2008 54 西郷直樹
(早大)
3-1 三好輝明
(福井渚)
52 楠木早紀
(大分県協)
2-0 山下恵令
(東京明静)
2009 55 西郷直樹
(早大)
3-1 岸田諭
(篠山)
53 楠木早紀
(大分県協)
2-0 池上三千代
(東京東)
楠木 永世クイーンに
2010 56 西郷直樹
(早大)
3-2 三好輝明
(福井渚)
54 楠木早紀
(大分県協)
2-0 吉峰翼
(東京東)
2011 57 西郷直樹
(早大)
3-2 川崎文義
(福井渚)
55 楠木早紀
(大分県協)
2-0 山下恵令
(東京明静)
2012 58 西郷直樹
(早大)
3-2 三好輝明
(福井渚)
56 楠木早紀
(大分県協)
2-0 本多恭子
(大津あきのた)
2013 59 (* 挑戦者:西日本代表)
岸田諭
(篠山)
3-0 (* 挑戦者:東日本代表)
千代間大和
(早大)
57 楠木早紀
(大分県協)
2-0 本多未佳
(石川県協)
西郷永世名人 出場辞退
2014 60 岸田諭
(篠山)
3-0 須藤恭平
(巣鴨学園)
58 楠木早紀
(大分県協)
2-0 山添百合
(京都府協)
2015 61 岸田諭
(篠山)
3-1 春野健太郎
(東大)
59 (* 挑戦者:西日本代表)
山添百合
(京都府協)
0-2 (* 挑戦者:東日本代表)
坪田翼(旧姓:吉峰)
(東京東)
楠木永世クイーン 出場辞退
2016 62 岸田諭
(篠山)
1-3 川崎文義
(福井渚)
60 坪田翼
(東京東)
2-0 本多恭子
(大津あきのた)
2017 63 川崎文義
(福井渚)
3-0 三好輝明
(福井渚)
61 坪田翼
(東京東)
0-2 鶴田紗恵
(九州)
2018 64 川崎文義
(福井渚)
3-2 粂原圭太郎
(京大)
62 鶴田紗恵
(九州)
1-2 山下恵令
(東京明静)
2019 65 川崎文義
(福井渚)
2-3 粂原圭太郎
(京大)
63 山下恵令
(東京明静)
3-2 森田真央
(杉並)
クイーン位決定戦を5番勝負に変更
2020 66 粂原圭太郎
(京大)
3-2 岸田諭
(篠山)★
64 山下恵令
(東京明静)
2-3 本多恭子
(大津あきのた)
2021 67 粂原圭太郎
(京大)
3-0 自見壮二朗
(福岡)
65 本多恭子
(大津あきのた)
0-3 山添百合
(京都小倉)
2022 68 粂原圭太郎
(京大)
1-3 川瀬将義
(三島せせらぎ)
66 山添百合
(京都小倉)
3-0 矢野杏奈
(慶應)
2023 69 川瀬将義
(三島せせらぎ)
3–2 粂原圭太郎
(京大)★
67 山添百合
(京都小倉)
3–0 三笘成
(福岡)
2024 70 川瀬将義
(三島せせらぎ)
3-0 堀本秋水
(東大)
68 山添百合
(京都小倉)
1-3 井上菜穂
(早稲田)
2025 71 川瀬将義
(三島せせらぎ)
0–3 自見壮二朗 69 井上菜穂 1–3 矢島聖蘭

1955年以前の名人戦結果(参考)

  • 以下は全日本かるた協会成立以前のもの。
年度 名人戦 備考
名人 勝敗 挑戦者
1952 1 鈴山透(京都浅芽生) 4-0 林栄木(古河明静) 東日本、西日本の両かるた連盟共同
1953 鈴山透(京都浅芽生) 中止 林栄木(古河明静)
1955 2 鈴山透(京都浅芽生) 3-2 林栄木(古河明静) 日本かるた連盟主催

主な記録

  • 連続名人位 : 西郷直樹(13期連続・46-58期)
  • 連続クイーン位 : 渡辺令恵(11期連続・36-46期)
  • 名人位決定戦連勝 : 西郷直樹(27連勝・45期3回戦-53期3回戦)
  • クイーン位決定戦連勝 : 楠木早紀(20連勝・49期1回戦-58期2回戦)
  • 最年少名人位 : 西郷直樹(20歳・45期)
  • 最年少クイーン位 : 楠木早紀(15歳・49期)

脚注

  1. ^ 全日本かるた協会 (2005) には両表記が見られ、全日本かるた協会 (2007) には「クイン」の表記のみ見られる。

参考資料

外部リンク


名人・クイーン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/19 09:54 UTC 版)

ちはやふる」の記事における「名人・クイーン」の解説

若宮 詩暢わかみや しのぶ) 声 - 中道美穂子 / 演 - 松岡茉優クイーン左利きで、競技スタイル守りがるた。京都府・津咲高校生徒で、千早とは同学年美人だが、服をはじめとするファッションセンス良くないため、千早別の意味で「残念」だと思われている。小学6年生までは京都明星会所属していた。真夏でも温かい飲み物を飲む。 小学4年生でA級に昇進し中学3年生のときに史上最年少クイーンになった一札だけに触れる、正確で美し取り持ち味百首すべてのとの特別な繋がり持ち擬人化してそれぞれ対話しながら戦う。モデル中学校3年生15歳)で史上最年少クイーンになった楠木早紀である。作者末次曰く途中で詩暢ちゃんが負ける展開を考えていたが、楠木さんあまりに強い防衛戦をみて、『詩暢ちゃんは負けないわ』と展開を変えてしまったこともある」とのこと試合では美しく圧倒的な強さ見せ高校選手権個人戦では対戦相手をほぼ20差以上で降している。好選手であっても須藤12差で負けて準優勝逢坂14差で準決勝敗退、理音が9差で準決勝敗退3年生時の千早が7差で4回戦敗退している。ただ一人、新だけが2年時2枚差で、3年時1枚差で2年連続優勝奪っているのみである。 小学生全国大会において数年に亘り毎年一回戦全敗していることから、綿谷新を特別視しており、それゆえ再戦強く望んでいる。新と再戦できるのなら頭を下げることも厭わない。新の参戦までは格の違う存在として高校競技かるた界では無敗誇っていたが、2年生時、3年生時でのA級個人戦決勝でも惜敗し、新への雪辱果たせていない。そんな新に高校選手権団体戦千早が土をつけたことについては「カタキとったる」と妙なモチベーション個人戦挑むなど屈折した愛情見せる。公式戦では新に勝てていないが、第41巻でYouTube企画で新に初勝利した際、号泣するほど喜んだ全国大会のA級個人戦対戦して以来少なからず警戒心持って千早意識するうになるが、ことさら自分服装について千早褒められる一女子高生らし照れ見せるといったツンデレ面がある挑戦者猪熊遙(旧姓 千原。元クイーン4期)にクイーン戦で初めて1勝を奪われ激しく動揺するが、名人戦に臨む原田応援会場来ていた千早から襷(後述ダディベアレアもの)を急造用意され送り出されると、接戦制して防衛した。なお襷はその後愛用していることを高校選手権個人戦での対戦時に千早バレた。少なからず千早友達だと意識しているが同時に有力なライバルでもある複雑な関係で本人素直に認めない瑞沢高校とも府中白波会とも無関係なかるた選手の中で千早下の名前で「千早」と呼ぶ数少ない選手である。 本性絵に描いたよう京女かなりの「いけず」。高慢人を人とも思わない独善的自己中心的性格だが、表面には極力出さないようにしている。周防から頻繁に連絡があっても電話に出ることはほぼない。普段クール落ち着いた性格だが、競技において彼女の闘争心を揺さぶる強者現れる一変威圧的な様相転じ周囲が「クイーンスマイル」と称する含みある妖しい微笑み表情見せる。 その生い立ちやかるたの師とも言うべき伊勢方針から、同年代友達がいない孤独な学生時代過ごしてきた。誰か切磋琢磨したり、競い合って強くなるタイプではなく自己突き詰めて一人強くなるタイプ前述したスタイルである「擬人化したたちとの対話」を突き詰めることで無類強さを手にした。こうしたタイプであるため、友達仲間といったものにコンプレックス含めた嫌悪感持っている。そのため、団体戦には新とは全く違う意味で興味無く、「団体戦はかるたを好きではない人がやることだ」と思っている。 マスコットキャラクターの「スノー丸」が大好き。限定グッズ獲得するために、景品応募券つきのアイス食べ続けたせいで激太りし、体重が10kg近く増加した状態でクイーン戦(対山本由美戦)に出場することになり、TV中継観戦していた千早達を驚かせた。数カ月後には元の体型戻した正確にアイス発売終了になったために、自然に痩せた)が、短期間体型激変したことで、新に出会った際すぐに認識してもらえないということもあった。 かるた以外の事が何一つ上手く行かないアルバイトはすぐクビにされてしまい。対人関係も苦手。既に女子選手として頂点にあって将来について真剣に悩むが、祖母助言により「競技かるた界初のプロ選手」を目指すうになる本性見せなければ可愛らしく見えるため、母親後押しTVはじめとするメディアへの露出積極的に図るようになる。しかし理解のない周囲からはタレント気取り嫌味言われている。テレビ出演するようになってからはスノー丸恋人スノー姫を真似た個性的な髪型としている。第40巻からはYouTuber始めている(親が学校呼び出されたことと掲示板アンチスレ立って悪口書かれ凹んだことで一旦休止するが、しばらくして復活した)。 初め一人新幹線乗った時はもの凄く緊張していたが、同じボックス座っていた女性テレビ出ていたかるたクイーンということ気づき助けられる鳥人間コンテスト観戦毎年楽しみにしている。左目付近に泣き黒子がある。 千早夢に出てきた時はスノー丸詩暢とダディベア千早着ぐるみ対決考えていた。 男子目の前でも平気で着替えをする周防 久志(すおう ひさし) 声 - 東地宏樹 / 演 - 賀来賢人名人東京大学4年連続留年。現在はバイト先であった予備校講師をしている(現代文小論文教えている)。 「一字決まり27ある」と発言しているほど登場人物中でも天性の「感じ良さ」を持っているがその外見サングラス無精ヒゲ)や強い人としか戦いたくない、との理由名人戦以外の公式戦には参加していないこと、またかるた協会にも非協力的態度を取るなど、作中ではもっぱら感じの悪い人物」として描かれ「かるた界きっての問題児と言われており、かるた界関係者からは平たく言えば早く負けてとっとと引退して欲しい」とすら思われている。 「感じ良さ」の才能だけで戦っていると誤解されがちであるが、実際に専任読手7名の100首の読み上げデータ揃えているなど研究熱心である。専任読手の中では山城今日子ファンで、「キョコタン」と呼んでいる。新との名人戦山城読手務めた第4戦で勝利し、「あなたの声をずっと覚えているからあなたに最強の僕を覚えていてほしかった」と述べている。山城からは「周防名人強さ見てて、らしくもなく思っちゃったわ。読手じゃなくて40年前戻ってあなたとかるたをしてみたかった」と賛辞送られている。 競技かるたはじめたきっかけは、大学好みタイプである上級生勧誘されたから。その上生に彼氏ができ、かるたへのモチベーション下がっていたころに遺伝性の眼の病気年齢が進むにつれて視野狭くなり、時には失明することもある)を発症。「感じ良さ」という最大武器にもピークがあると感じており、永世名人位を得て早期引退についてはそうした身体的事情が密接に関わっている。 幼少期親元離れ連れてこられた本家親代わりである叔母・兼子(ゆきこ)に面倒を見てもらっていた。上京の日、兼子に言われた「ひとかど人間になりなさい」という一言病気絶望していた周防救い「かるたでならひとかど人間になれると思って」とたった3年名人位を獲得以後連覇成し遂げている。 5連覇果たし永世名人になって引退することを宣言し26巻で達成したがその表彰式で新から「自分来年倒しに来るから辞めないでくれ」と宣言され「じゃああと一年オマケ」とあっさり撤回している。 詩暢が「邪魔な河」と呼んだに対していつかは名人になるが次ではない、見ててもテンションあがらない告げる。 声が小さく和菓子好んで食べている。よく大会顔を出して出場選手和菓子配っている(ただしA級に限る)。予備校マイク使って聞こえないほど声が小さい。それは自身最大武器である「耳」(聴力)を大事にしているがためで、雑音(かるたに無関係な音のすべてが彼にとっての雑音)を嫌って常に耳栓をして生活している。 千早知り合って一目惚れするが、太一から「ボクの彼女です」と嘘をつかれて失恋している(後に嘘だったと真相明かされた)。詩暢にも好意持ち頻繁に電話しているがほとんど相手にされていない若干相手にされていないのを楽しんでいるフシもある。 予備校で偶然再会した太一気まぐれ東大かるた部誘い対戦して負けて心が折れる様子がないことで気に入って練習相手にしてシゴいている。結果的に太一通じて謎だらけだった周防実像浮かび上がることになった母親煙たがる太一に、金銭的に恵まれた環境与え怖じ精神面育んでくれた存在だと戒めている。 詩暢も出演する知ってTV検証番組参加現場で詩暢の「引き立て役」だと悟り検証実験引き立て役太一利用)。そこで周防の持つ抜群聴力発声音の僅かな違い聞き分け即座に動作に移すという超絶能力解析された。 実家長崎県大村市大学入学以降一度帰省していないが、故郷親戚には今の自分の姿を見て欲しいと思ってテレビ出演した。しかし、テレビに出ることを知らせておかなかったため、かるた関係者以外の知り合い誰も観ていなかった。実家は「すおうファーム」という野菜直売をしており親戚大勢集まって暮らしているが、久志の父は離婚してハワイグアム住んでいて実家にはいない。 太一からは「かるたが好きではない周防さんよりもかるたが好きな新が勝ってほしい」という見解述べられているが、新は「かるたが好きではない」というのは嘘であると思っており、名人戦対戦した際に「(視力落ちてきたため)這いくばって確認をする人が、かるたを嫌いなわけがない」と述べている。

※この「名人・クイーン」の解説は、「ちはやふる」の解説の一部です。
「名人・クイーン」を含む「ちはやふる」の記事については、「ちはやふる」の概要を参照ください。

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