決まり字
きまり‐じ【決(ま)り字】
読み方:きまりじ
カルタで、取り札を特定できる文字。読み札の一字目で特定できるものを一字決まり、二字目のものを二字決まりなどという。定まり字。
[補説] 小倉百人一首の一字決まりは7首あり、一般に「むすめふさほせ」と覚える。
む:村雨(むらさめ)の露もまだ干(ひ)ぬ槙(まき)の葉に霧立ちのぼる秋の夕暮(寂蓮法師)
す:住の江の岸に寄る波よるさへや夢の通ひ路人目よくらむ(藤原敏行)
め:めぐり逢ひて見しやそれとも分かぬ間に雲隠れにし夜半(よは)の月かな(紫式部)
ふ:吹くからに秋の草木のしをるればむべ山風を嵐といふらむ(文屋康秀)
さ:寂しさに宿を立ち出でてながむればいづくも同じ秋の夕暮(良暹法師)
ほ:ほととぎす鳴きつる方をながむればただ有明の月ぞ残れる(藤原実定)
せ:瀬を早み岩にせかるる滝川の割れても末に逢はむとぞ思ふ(崇徳院)
決まり字
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/10/02 15:01 UTC 版)
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決まり字(きまりじ)とは、百人一首で札の取り合いをする際に、そこまで読まれればその札だと確定できるという部分である。仮名文字単位で、1字決まり、2字決まり、……と数える。
特に、札を取る早さを求められる競技かるたでは、決まり字の把握は必要不可欠である。
概要
競技かるたで用いる小倉百人一首で、例えば「い」で始まる札が3枚ある。
- いにしへの
- いまはただ
- いまこむと
そのため、決まり字はそれぞれ、「いに」「いまは」「いまこ」となる。
しかし、競技が進むにつれて、読まれた札は考慮外になるので、この決まり字が変化する。もし「いまこ」が読まれると、それまで「いまは」だった決まり字は「いま」になる。そして、さらに「いに」が読まれると、「いま」だった決まり字は「い」となる。
大山札
第一句まで読まれても決まり字が分からない札、すなわち決まり字が6字以上の札を、特に大山札(おおやまふだ)と呼び、小倉百人一首では6字決まりの3組6枚がある。
- 「きみがためは」「きみがためお」
- 「わたのはらや」「わたのはらこ」
- 「あさぼらけあ」「あさぼらけう」
決まり字一覧
※太字までが決まり字
1枚札
かるたを取るときに、上の句の最初の1文字目で取れる札。最初の文字を取って「む・す・め・ふ・さ・ほ・せ」と覚えると、効率よく覚えられる。
2枚札
冒頭の1文字で2首まで限定できる札。「う・つ・し・も・ゆ」と覚える。
- う
- つ
- し
- も
- ゆ
3枚札
冒頭の1文字で3首まで限定できる札。「い・ち・ひ・き」と覚える。
- い
- ち
- ひ
- き
- きりぎりす:後京極摂政前太政大臣
- きみがためはるののにいでて:光孝天皇(大山札)
- きみがためおしからざりし:藤原義孝(大山札)
4枚札
冒頭の1文字で4首まで限定できる札。「は・や・よ・か」と覚える。
- は
- や
- よ
- か
5枚以上
- み(5枚)
- た(6枚)
- こ(6枚)
- お(7枚)
- わ(7枚)
- な(8枚)
- あ(16枚)
決まり字より前に取れる場合
競技かるたのルールとして、取るべき札と同じ陣(自陣にあれば自陣、敵陣は敵陣)にある札に触れてもお手つきにならないというルールがある。そのため、同じ陣に「いに」「いまは」「いまこ」の3枚ともがある場合には、その全てを「い」の段階で取ることができる。同様に、例えば「きみがためは」と「きみがためお」が同じ陣にあれば「きみ」で取ることができる。
下の句の決まり字
上の句と同様に下の句にも決まり字がある。上の句との違いは、上の句は音を基準にするのに対し下の句は表記を基準に判断することである。また、上級者にもなると下の句は決まり字ではなく札の形状で覚えている人が多いので、下の句の決まり字は読んで確かめる初心者向けの判断方法である。
決まり字と同じ種類の言葉
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