能因とは? わかりやすく解説

のういん【能因】

読み方:のういん

988〜?]平安中期歌人俗名永愷(たちばなのながやす)。藤原長能(ふじわらのながよし)に和歌を学ぶ。初め文章生(もんじょうしょう)となったが、のち出家高貴の人の邸に出入りし専門歌人として敬慕された。著「能因歌枕」、私撰集玄々集」、家集能因法師集」がある。


のういん 【能因】

平安中期の歌僧。京都の人。文章生から出家藤原長能に歌を学び中古三十六歌仙一人数えられた。著『能因歌枕』他。(九八八~?)

能因

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/02/11 08:20 UTC 版)

能因

能因(のういん、永延2年(988年) - 永承5年(1050年)あるいは康平元年(1058年))は、平安時代中期の僧侶歌人。俗名は橘永愷(たちばな の ながやす)。法名は初め融因近江守・橘忠望の子で、兄の肥後守・橘元愷の猶子となった。子に橘元任がいた。中古三十六歌仙の一人。

経歴

初め文章生に補されて肥後進士と号したが、長和2年(1013年)、26歳で出家した。和歌に堪能で、伊勢姫に私淑し、その旧居を慕って自身の隠棲の地も摂津国古曽部にさだめ[1]古曽部入道と称した。藤原長能に師事し、歌道師承の初例とする[2]。和歌六人党を指導する一方、大江嘉言源道済などと交流している。甲斐国陸奥国などを旅し、多くの和歌作品を残した。

後拾遺和歌集』(31首)以下の勅撰和歌集に67首が入集している[3]。歌集に『能因集』があり、ほかに私撰集『玄々集』、歌学書『能因歌枕』がある。歌枕に強い関心があったと伝えられており、和歌に対する強い情熱から、様々な逸話が残されている。

有名な逸話が『古今著聞集』にある。

あるとき、能因は「都をば霞とともに立ちしかど秋風ぞ吹く白河の関」という歌を詠んだ。この歌の出来映えに満足したが、能因は白河を旅したことがなかった。そこで自分は旅に出たという噂を流し、家に隠れこもって日焼けをし、満を持してから発表したという。

後冷泉天皇の治世(1045年 - 1068年)に陸奥国を歴遊していた際、竹駒神社(宮城県岩沼市)の神が竹馬に乗った童の姿で示現したとして、社殿に隣接した寶窟山にを結び、後に別当寺となる竹駒寺を開創した[4]

(現大阪府高槻市古曽部町)には、隠棲の地と伝えられる少林窟道場(「正林庵」、「松林庵」)[1][5]や、その墓と伝えられているものが存在する[6]

和歌作品

小倉百人一首

あらし吹く み室の山の もみぢばは 竜田の川の 錦なりけり(69番:「後拾遺集」秋・366)

古今著聞集

都をば霞とともに立ちしかど秋風ぞ吹く白河の関(「後拾遺集」羇旅・518)

脚注

  1. ^ a b 天坊幸彦 1953, p. 33.
  2. ^ 高槻ゆかりの歌人 -伊勢と能因-”. 高槻市立図書館. 2020年3月31日閲覧。
  3. ^ “國學院校訂 勅撰作者部類”. 国立国会図書館デジタルコレクション. https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/992685 2020年3月31日閲覧。 
  4. ^ 岩沼のはじまり | 岩沼市”. www.city.iwanuma.miyagi.jp. 2026年1月20日閲覧。
  5. ^ 入江唯信 1981, p. 31.
  6. ^ 伝能因法師墳”. 高槻市 街にぎわい部 文化財課. 2020年3月31日閲覧。

参考文献

  • 天坊幸彦『高槻市制十周年記念出版 郷土高槻叢書第五集 高槻通史』高槻市役所、1953年。 
  • 入江唯信『わがふるさと古曽部』光月山文庫、1981年。 

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