虚偽報道 その他のメディアにおける虚偽報道

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虚偽報道

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/17 06:14 UTC 版)

その他のメディアにおける虚偽報道

ドキュメンタリー映画

ドキュメンタリー映画ビデオにおいてもテレビと同様に映像と音声の問題を抱えている。例えば初期のドキュメンタリー映画の名作とされるフラハティー監督の『アラン』はアイルランドアラン諸島に生きる人々の過酷な生活を記録したものだが、撮影時より50年も前の島の生活の再現が入っているという[35]。テレビのやらせの原点はドキュメンタリー映画にすでに潜んでいたわけである。

また、レニ・リーフェンシュタール監督のベルリンオリンピックの記録映画『オリンピア』や、市川崑監督の『東京オリンピック』にも再現映像がある。芸術的な映像を追求するために事実性を犠牲にしたわけである[35]。例えば、『オリンピア』での西田修平大江季雄棒高跳の対決(俗に「友情のメダル」と称す)は再現映像である。『東京オリンピック』の場合は(競技自体ではないが)富士山をバックに走る聖火リレーは後日の再現映像であり、また競技の効果音の大半は後付である。

ラジオ

ラジオでは最近は虚偽報道が表面化することは必ずしも多くはないが、音声を扱っていることから、単純な虚偽コメントだけでなく、出演者を巻き込んで演技させるいわゆる「やらせ」による虚偽報道が行なわれている可能性を指摘する者もいる。音声は映像よりはるかに加工しやすく、編集した跡が映像と違って分からないという特性もある。また擬音を用いることもできる。映像の拘束を受けずに細かい編集も簡単なので、編集による虚偽報道は容易である。

エイプリルフール報道

イギリスでは毎年4月1日には新聞各社からテレビのニュース番組で虚偽であるがユーモアに満ちたエイプリルフールのニュースを各マスコミがこぞって報じるのが慣例になっている。英国放送協会(BBC)は、1991年まで朝夕に日本向けに短波ラジオ日本語放送を行っており(BBCワールドサービスを参照)、日本にも毎年4月1日にはエイプリルフールのニュースが放送されていた。1980年に「ビッグ・ベンの時計がデジタル表示化され、針が不要になったので聴取者のみなさんにプレゼントします」と放送したところ、真に受けた日本の聴取者から問い合わせが相次いだ[36]。故意ではあるが悪意のないユーモアに基づいた報道により、視聴者が騙されることになった。ちなみに「ビッグ・ベンのデジタル時計化」は、2008年にも英デイリー・エクスプレス紙がエイプリルフール・ニュースとして掲載した。

日本のメディアでは、1955年4月1日付の英字新聞『ニッポンタイムズ』(現:ジャパンタイムズ)が「ソ連爆撃機が羽田空港に着陸」[37]というエイプリルフールのニュースを掲載したところ、警視庁や一部の外国通信社からも問い合わせの電話がかかる騒ぎになった[38]

テレビのエイプリルフールのジョーク番組としては「第三の選択(Alternative 3)」(製作英・アングリアTV)が、現在に至るまで影響を与えている。詳細はアポロ計画陰謀論の項を参照。


  1. ^ 誤報・虚報
  2. ^ ミドルトン, ジョン (1996年12月25日). “虚報被害者救済法の日本法的アプローチとコモンロー的アプローチ”. 一橋大学. 2014年9月18日閲覧。
  3. ^ Did Social Media Ruin Election 2016? - ナショナル・パブリック・ラジオ
  4. ^ As fake news takes over Facebook feeds, many are taking satire as fact - The Guardian
  5. ^ Who’s to blame for fake news and what can be done about it? - USC News(南カリフォルニア大学)
  6. ^ 米大統領選:ファクト・チェック 報道で話題、権力監視に有効か - 毎日新聞
  7. ^ フェイクニュースは戦争を起こす?! - ニューズウィーク日本版
  8. ^ Pizzagate: What to Know About the Conspiracy Theory - Time.com
  9. ^ あすへのとびら 「ポスト真実」の時代 メディアへの重い問い - 信濃毎日新聞
  10. ^ 「フェイクニュース問題」を巡りFacebookとファクトチェック機関が団結 - Wired
  11. ^ トランプ政権の「事実」と「代替的事実」 - WSJ
  12. ^ 池上彰「第4章 ビジネス文書を書く 38.(5) 「緩やかな演繹法」」『「話す」「書く」「聞く」能力が仕事を変える! 伝える力』PHP研究所、2007年4月18日。ISBN 978-4-569-69081-0
  13. ^ “ネットメディア誤報 影響力自覚した取材とチェック態勢を”. 毎日新聞. (2016年9月19日). https://mainichi.jp/articles/20160919/ddm/004/040/006000c 
  14. ^ “デマ・曲解で野党を叩く「DAPPI(@take_off_dress)」は会社組織が運営か、平日8~21時の完全シフト制に”. (2018年4月22日). https://buzzap.jp/news/20180422-dappi-take-off-dress/ 
  15. ^ “御嶽山被害拡大は「火山観測」仕分けた民主党のせい? 早とちりで「仕分け人」勝間氏がとばっちり”. J-CAST. (2014年9月29日). http://www.j-cast.com/2014/09/29217026.html 2014年10月3日閲覧。 
  16. ^ “民主、御嶽山投稿で自民に抗議 片山さつき氏に謝罪要求”. 共同通信. (2014年10月2日). http://www.47news.jp/47topics/e/257917.php 2014年10月3日閲覧。 
  17. ^ “片山さつき氏が陳謝「事実誤認に基づく発信」 御嶽山の常時監視「事業仕分けで外れた」としたツイートに【UPDATE】”. ハフィントン・ポスト. (2014年10月1日). http://www.huffingtonpost.jp/2014/09/30/satsuki-katayama-ontakesan-tweet_n_5910730.html 2014年10月3日閲覧。 
  18. ^ “片山氏、外交防衛委でも「ご迷惑おかけした」”. 読売新聞. (2014年10月2日). http://www.yomiuri.co.jp/politics/20141002-OYT1T50086.html 2014年10月3日閲覧。 
  19. ^ 事件の原因となった記事の筆者「八戸順叔」の読み方は不明である。詳しくは八戸事件参照
  20. ^ * 姜範錫『征韓論政変 明治六年の権力闘争』(1990年サイマル出版会ISBN 978-4377108606)259頁。
  21. ^ 本田靖春「不当逮捕」、講談社、1983年
  22. ^ 北朝鮮帰国事業 全マスコミが「北朝鮮は天国」と騙されたNEWSポストセブン
  23. ^ a b c 記事を訂正、おわびしご説明します 朝日新聞社 慰安婦報道、第三者委報告書朝日新聞社
  24. ^ 「蔵出し特集 嘘みたいな本当の話 サミットで首脳夫人にも嫌われた森喜朗首相の英会話」『週刊文春』2000年8月5日
  25. ^ 中村真理子「森首相、クリントン大統領に「フー・アー・ユー」失言の真偽」『週刊朝日』2000年8月11日
  26. ^ 「ブッシュ再選と今後の日米関係」『第141回琉球フォーラム』琉球新報社 2004年8月11日
    この講演にて高畑は創作である旨を認めた。
  27. ^ 「マスコミとの387日戦争」『新潮45』2001年6月
  28. ^ 居座り朝日・木村社長の素顔 編集局長時代に虚偽報道で更迭…zakzak
  29. ^ 7月23日産経新聞の自衛隊訓練の記事について 東京都中央区
  30. ^ 「吉田調書」朝日新聞 DIGITAL
  31. ^ “本紙7月報道、ヒマワリで球児応援企画 闘病の女性実在せず”. 茨城新聞. (2014年10月24日). オリジナルの2014年10月24日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20141028013000/http://ibarakinews.jp/news/newsdetail.php?f_jun=14141235033085 2017年8月14日閲覧。 
  32. ^ “「記事の人物実在せず」 茨城新聞がおわび”. NHKニュース (日本放送協会). (2014年10月24日). オリジナルの2014年10月24日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20141024111148/http://www3.nhk.or.jp/news/html/20141024/k10015678301000.html 2017年8月14日閲覧。 
  33. ^ INC, SANKEI DIGITAL (2018年2月8日). “沖縄米兵の救出報道 おわびと削除” (日本語). 産経ニュース. 2019年8月1日閲覧。
  34. ^ 1992年9月30日「第1回 幻の王城に入る」10月1日「第2回 極限の大地に祈る」
  35. ^ a b 今野勉『テレビの嘘を見破る』
  36. ^ 「日本人マジメデスネ!! 英議事堂の時計デジタルになる BBCのエープリルフール放送に 抗議文やら『不要の針下さい』」『朝日新聞』1980年4月7日付東京夕刊、2面。笑えないエープリルフール、ことばマガジン(朝日新聞デジタル)、2014年4月1日。
  37. ^ 見出しの原文は"Russian Multi-Jet Bomber Lands at Haneda Airport"。ちなみにこの記事には"SHIGATSU UMASHIKA"(=四月馬鹿)の署名があった。
  38. ^ 「行き過ぎた?『四月馬鹿(エイプリル・フール)』“ソ連爆撃機、羽田へ” 日本タイムズ報道 内外読者を驚かす」『朝日新聞』1955年4月1日付東京夕刊、3面。笑えないエープリルフール、ことばマガジン(朝日新聞デジタル)、2014年4月1日。


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