HOTELとは? わかりやすく解説

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ホテル 宿泊施設 Hotel/Accommodation

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HOTEL

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/12/21 04:19 UTC 版)

HOTEL
ジャンル 青年漫画
漫画
原作・原案など 紺間宏
作画 石ノ森章太郎
出版社 小学館
掲載誌 ビッグコミック
レーベル ビッグコミックス
小学館文庫
発表号 1984年9月25日号 - 1998年3月10日号
巻数 全37巻
全25巻(文庫版)
テンプレート - ノート
プロジェクト 漫画
ポータル 漫画

HOTEL』(ホテル) は、シナリオ紺間宏(大石賢一)・作画:石ノ森章太郎による日本漫画作品[1]。1990年から2002年にかけてTBS系でテレビドラマ化し、高視聴率を記録する人気作となった。

漫画

小学館ビッグコミックにて1984年9月25日号から1998年3月10日号[2]まで連載された。第33回(昭和62年度)小学館漫画賞受賞。

漫画版は「東京プラトン」のジェネラルマネージャー・東堂や新入社員の赤川一平を中心に、バブル期で羽振りのある利用客とホテル従業員との関わりや、世界展開で肥大化するホテル経営について展開される。開始当初の「プラトン」は平均的なシティホテルとして描かれ、ホテル内で繰り広げられるトラブルをメインに描いていたが、比較的早い段階で一流のサービスを提供するプロのホテルマン集団と客の交流へと作風が変化している。青年誌で連載されていた事もあって性行為などを連想させる表現も少なくなかった。

石ノ森の没後、「HOTEL 〜ミレニアム・サービス編〜」(石森章太郎プロ、脚本:大石健一 作画協力:シュガー佐藤)が『ビッグコミック増刊号』に連載。2011年6月には、描き下ろしの新作「HOTEL 第374話『NEOホテル進化論』」(製作:石森プロ、脚本:大石健一、作画協力:シュガー佐藤)が、ウェブサイト『BIZCOM.』に掲載された。この作品群では「銀座プラトン」や「丸の内プラトン」を舞台としている。

ザ・ウィンザーホテル洞爺リゾート&スパを経営している窪山哲雄が、東堂のモデルとして知られている。

スターシステムとして、石ノ森の別作品でホテルが登場する場合はプラトン系列となる場合が多い。『仮面ライダーBlack』では劇中何度かホテル「プラトン」が登場し、京都では東堂というネームプレートを付けたホテルマンが登場する。また『マンガ青函トンネル』(1988年 日本放送協会出版)の冒頭では「東京プラトン」が登場している。

登場人物

東京プラトン

東堂克生(ジェネラルマネージャー)
主人公。36歳。プリンストン大学卒。ホテル業界では有名な、東京プラトンの生きる伝説。様々なトラブルを解決する手腕は、そのトラブルの大小に関わらず発揮されている。社長から直に問題解決などを命じられる事も多い。プラトンで結婚式を挙げた経験があるが、後に離婚している。
山崎忠邦(サブマネージャー)
最年長従業員であり、大ベテラン。東堂を全力でサポートする。日本橋のレストランからヒルサイドプラトンに引き抜かれ、東京プラトンへ。定年を前にして覇気を無くすが、赤川たちの行動によってプラトンに残ることとなる。頭の回転も速く、第20話では宿泊客が襲われた「密室事件」を解決した。妻の典江は車椅子生活を送っている。
佐伯真理(社長秘書)
第25話で初登場。東堂とはニューヨーク勤務時代からの付き合い。第54話では一億円の損害を被ることとなったプラトンを、文字通り身体を張って救った。
赤川一平(フロント)
第16話で初登場。東堂と共に作品の中心となることも多い。実習では各部署を経験する為、ベルマン、客室係、ドアマン、そしてフロントの順に異動した。会話の中ではクローク業務も行っていたようである。後半では一時営業部に異動となり、その後さらにインターナショナル部へ出向し、ニューヨーク・プラトンに転勤していたこともある。なお、初回登場時での名前は「赤川一兵」であったが、すぐに「赤川一平」となっている。実家は伊豆の旅館で、父が健在なことが第16話で語られている。
松田利春(フロント)
赤川の先輩。東堂や山崎が不在の時は、フロント業務の責任者として張り切る。少々お調子者ではあるが、ベテランらしい観察眼や、難題が降りかかった時の切り抜け方は見事。赤川とはいいコンビともいえる。プラトンを守るためなら土下座も辞さない、という信念を持った熱き男でもある。
倉田裕美(フロント)
第75話から登場。京都プラトンの新入社員だったが、東京プラトンの仕事ぶりを見ようと単身潜入して、ひと騒動を起こす。その後は東京プラトンのフロントに配属される。赤川曰く「可愛いがお転婆」。京都プラトンの新人を引き抜こうとしたメリッツホテルの代表に異を唱え、引き抜きを阻止したこともある。
清水秀樹(フロント)
赤川の後輩。
水野(フロント)
第2話に登場。908号室が永遠にチェックアウトされない理由を知る人物。
田原(フロント)
第5話に登場。宿泊客である女優・倉沢ユリの自殺未遂を発見する。
藤野タツロウ(フロント)
第39話に登場。乱暴な旧友に振り回されていたが、赤川の捨て身のタックルと東堂の鉄拳により救われる。
本丸真(フロント)
赤川の部下。柴田と同期。仮配属である。
柴田直也(フロント)
赤川の部下。本丸と同期。
岡田(クローク)
赤川の後輩。クロークの仕事にやる気を見いだせずにいた。
平野(ドアマン)
ドアキャプテン。重要な宿泊客のデータを頭にたたき込んでいる、プラトンの誇る優秀なドアマン。
立川(バンケット)
宴会部門長。
横山(バンケット)
33歳という若さでバンケットチーフに任命されるも、張り切りすぎてひと騒動を起こしてしまう。
石井(バンケット)
バンケットチーフ。矢野常務によるコストカット騒動と、プラトンのホテルランクをまとめて解決した。
村井淳子(バンケット)
「バンケットのマドンナ」と呼ばれる新人。同期の自称「フロントのマドンナ」倉田との対立が、宿泊部と宴会部の対立に発展しかけてしまう。後に宴会部から営業部へ異動。営業部配属時の赤川の先輩。
森田(レストラン)
第104話に登場。部門長。ウェイターの極意とも言える歩き方を知っている。
ガンテツ(レストラン料理長)
ガンテツとはあだ名であり、本名は不明。一人娘の結婚式であっても、厨房を離れることはない。
村木(コック)
第112話に登場。「メニューに載っていないメニュー」という客のわがままに応えるべく動く。
田島辰男(コック)
田舎の父親は板前で、夢を抱いて上京した。
中村(コック)
第111、112話に登場。料理の名前や調理法を驚くべき早さでマスターした。「メニューに載っていないメニュー」を巡った騒動のきっかけになった。
木村庄助(日本酒ソムリエ)
2階にある日本料理店「黒川」の板前。酒に溺れて包丁を握れなくなり、退職を前にして店の酒の盗み飲みを繰り返していた。厄介者扱いをされているが日本酒の味や知識はもちろん、製造してからの経過期間すら当てることができるほどの舌を持つ。中島とクロードのいざこざがきっかけで、日本酒担当のソムリエとしてプラトンに残ることになる。
和田(バスボーイ)
第111話に登場。レストラン勤務。皿を下げるだけの仕事に不満があったが、コックの中村の夢の為に協力をする。自身の夢はオーダー・テイカー。
三田村(モーニング・ヴッフェ)
第101話に登場。テーブル・ウォッチングに長けたウェイター。
池田(カフェ)
竹田(ラウンジバーテンダー)
48階のスカイラウンジ「バレンシア」のバーテンダー。
望月(ピアニスト)
ラウンジピアニスト。かつては音楽大学の助教授に近い場所にいた。
星野(客室係)
第88話に登場。プロボクサーに右ストレートを叩き込む、「プラトンのビッグママ」。
小林(苦情処理係)
どんなトラブルも、最後には「素晴らしいホテルだ」と言わせてしまうほどの、クレーム処理の達人。
堀田(遺失物係)
第103話に登場。プラトンに残されたあらゆる物を、持ち主に返すまで永遠に保管している。
須田(清掃係)
第4話に登場。ホテル内のあらゆるところに現れては何かをくすねている老婆。
篠田(営繕係)
営繕責任者。ホテル内の電球ひとつひとつの種類や交換時期などを熟知している。
石橋(営繕係)
テレビ取材の最中に起こった客室火災の修復を、一日で行う羽目になる。
南(営繕係)
プラトンのシンボルである「光の塔」の伝説を追う新人。
小杉(エンジニア)
中央監視室エンジニア。かつてはボイラーマンで、東京プラトンの原型とも呼べるホテル・ヒルサイドプラトンで働いていた。
青山(営業部)
赤川の同期で、自信家。
桂木(営業部)
原田(広報部企画課)
プラトンの経営や企画関係で、東堂とことあるごとに激突する。
矢野信太郎(経理担当)
第88話から登場。富井銀行から出向。登場時は経理担当常務で、プラトンのコストカットに力を注いでいた。
山本(オペレーター)
プラトンのテレフォンオペレーター。英語が堪能で、通訳を任せられることが多い。
牧典子(ブライダルコンサルタント)
地図好きが高じて、東京都内の地理情報を熟知している。
井上(メイル係)
吉田(警備員)
神保(契約医師)
第3話より登場。東京プラトンの契約医。離婚歴がある。
西条寺(契約マッサージ師)
「人生のツボ師」と呼ばれるマッサージ師。
町田浩(生花店主)
プラトン内のアーケードにある生花店の店主。

他プラトン関係者

横浜プラトン

  • 渡辺(レジデンシャル・マネージャー)
  • 若山(総料理長)
  • アントニオ(フードディレクター)
  • 竹村(調理師)

札幌プラトン

  • 竹内吾郎(札幌プラトン従業員)
    スキージャンパーでもあり、札幌プラトンの冬季プロジェクトを任せられる。
  • 遠藤(札幌プラトン従業員)

ニューヨーク・プラトン

  • ブルース・ライアン(ニューヨーク・プラトン・マネージャー)
  • クリス(ニューヨーク・プラトン・従業員)
  • アレックス(ニューヨーク・プラトン・ポーター)
  • キャサリン(ニューヨーク・プラトン・フロント)

その他、宿泊客など

市川、二本松、三島(プラトンOB
第38話に登場。十数年前にプラトンを退職するも、インフルエンザによるスタッフの欠勤が相次ぐプラトンを救う為に、東堂が呼び寄せた「オールド・プラトンマン」。市川はヒルサイド出身で「フロントの神様」、二本松は「プラトンの顔」と呼ばれた名ドアマン、三島は何万個もある旅行カバンを自在に操る名物ドアマンと、いずれも大ベテラン。同じくヒルサイド出身で、東京プラトン最年長スタッフの山崎に「こわい大先輩」と呼ばれる。
本山弘康(ホテル評論家)
東堂の高校時代からの友人。国内ホテルの評価をする。
三木(雑誌記者)
ホテル業界誌「THE HOTELMAN」の記者。
吉成
水産会社の社長。ドケチで有名らしい。
中島吾一(和食研究家)
山崎の旧友で、元老舗天麩羅屋。プラトンのハウスキーパー目当てに何度も宿泊する。
クロード
中島の友人。海外のホテル事情に詳しい。中島の恋愛騒動がきっかけで、中島と共にたびたびプラトンに顔を見せるようになる。
丸山(タクシードライバー)
プラトンのスタッフや宿泊客の送迎をしているタクシードライバー。
津島
第60話に登場。長期滞在客である三田財閥の長に仕えていた執事。主の死により、自分が「プラトンのオーナー」と思い込んで行動するようになってしまう。

書誌情報

  • ビッグコミックス『HOTEL』全37巻
    最終巻は石森章太郎プロが著者になった『ANNEX編』となり(話数が「GUEST-」に)、最終話は「GUEST-9/NYプラトン ブルース・ライアン ―プラトンよ永遠に―」となっている。
  • 小学館コミック文庫『HOTEL 1』-『HOTEL 25』
  • 電子書籍「石ノ森章太郎デジタル大全」『HOTEL』全30巻
    ビッグコミックス・小学館コミック文庫版最終巻収録の『ANNEX編』は収録されず、『ビッグコミック』1998年3月10日号の322話「電子会議」が最終話となっている。
  • 「電子会議」・「GUEST-9/NYプラトン ブルース・ライアン ―プラトンよ永遠に―」はいずれも石ノ森没後の発表だが、「電子会議」は通常の話、「GUEST-9」最終ページは明確に「最終回」をイメージしたイラストになっている。

テレビドラマ

HATAGO[旅籠]

『HATAGO[旅籠]』は『HOTEL』シリーズの番外編となる作品(1994年から1995年に『ビッグコミック』増刊号・『ビッグゴールド』で不定期掲載された)。舞台は江戸時代末期の横浜旅籠・江戸屋。「HOTELチョンマゲ版」という副題がついており、第1巻(1994年、ISBN 978-4091891211)と第2巻(1996年、ISBN 978-4091891228)が刊行された。

登場人物の主人公・一平、女将・まり、大番頭・東次郎、女中・おひろは、それぞれ『HOTEL』の赤川一平、佐伯真理、東堂克生、倉田裕美に対応する役名となっている。

また、『HOTEL』に登場する専属医師・神保も神保あけみ役として登場するほか、一平の姉も登場する。

脚注

  1. ^ 但し、後述のテレビドラマ等の二次的著作物では基本石ノ森の単独クレジットで紺間の名前は伏せられるか制作スタッフとしての表記になる。
  2. ^ 電子書籍『石ノ森章太郎 デジタル大全』版の記録から。

関連項目

外部リンク


HOTEL.

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/04/30 02:11 UTC 版)

HOTEL.
対応機種 Windows XP / Vista / 7 日本語版
発売元 暁WORKS-黒-
ジャンル おわりのあいのものがたり
発売日 2011年12月22日
レイティング 18禁
キャラクター名設定 不可
エンディング数 5
セーブファイル数 120
画面サイズ 1024×768 フルカラー
キャラクターボイス フルボイス
CGモード あり
音楽モード あり
回想モード あり
メッセージスキップ あり
オートモード あり

HOTEL.』(ホテル)は、暁WORKS黒より発売の日本Windows用18禁恋愛アドベンチャーゲームである。

概要

暁WORKS-黒-ブランドとしては5作目となり、新黒キャンペーンと題し2011年10月に『イヅナ斬審剣』、11月に『揺り籠より天使まで』に続き、12月に今作と3作連続発売された。原画担当のちょちょはブランド第1作『民族淫嬢』に続いて起用、シナリオ担当の佳奈月しずくは今作がアダルトゲーム初のメインとなる。ホテル・プリメーロ内で繰り広げられる人間模様を描いたグランドホテル方式の恋愛ストーリーで、ストーリーが進むにつれ徐々に世界の実情が明かされていく。

ストーリー

お客は少ないものの、無表情な副支配人の荒城啓介と珍妙な従業員達がいる和気藹々としたホテル・プリメーロ。そんなホテルにギターを持った口数少ない少女、サラ・コルトレーンが訪れたことでその物語は動き出した。

登場キャラクター

ホテル・プリメーロ

物語開始時点で従業員は全員で10人。インフラは全て供給されておらず、電気は太陽電池で賄い、食糧や燃料は少ない備蓄と自給自足で何とか賄っている。ホテル周辺は教会と避難村にのみ僅かに人々が生活しているのみで外の世界がどうなっているかは判っていない。

主人公

荒城 啓介(あらき けいすけ)
声 - 梅咲チャーリー
主人公。ホテル・プリメーロ副支配人。普段から無表情であり、マニュアル至上主義でどんな時もマニュアルを基本に真面目に行動する。
戦時中は軍に所属していたが、仲間とはぐれ(見捨てられ)て死にかけた所をルシールに助けられる。その後暫くはルシールのキャンプと離れた場所に棲んでいたが、ある暴動が起こった際にルシールを殺されてしまう。自身もその時に右目に毒の傷を負い美雨にナイフで抉り出されることで一命を取り留める。しかし傷が治るのと同時に感情を無くしてしまう。その後、副支配人としてプリメーロで働くことになる。
彼の症状はアレキシサイミア(医師がいないため状況判断による仮説)とみられ、曲や歌を聞いている時以外は全ての感情を感じることが出来ない。そのためホテルマニュアルを行動の指針とし、数々の書籍から行動をマニュアル化している。また感情を判ろうとするために寝る前に日記をつけその日の行動を記録している。ルシールが亡くなる直前に形見として彼女のオリジナル曲入りのカセットテープを受け取っており、生きる事で精一杯の中で彼女の名前を忘却しつつも、毎日その曲を聴くのは欠かしておらずその時だけは感情を垣間見る表情をする。まきの死とその後の仲間達の苦悩に積極的に関わっていく内に徐々に感情を取り戻しつつある。

ヒロイン

美雨(めいゆい)
声 - 芹園みや
ホテル・プリメーロ支配人。ホテルの皆に安らぎをモットーに明るく活発だが、その時に思いついたことを突発的にすることが多い。しかし従業員たちからは慕われている。三船に次いで読書家で支配人室には本が山積みされている。アリスとは友人でピアノの経験あり。
父親が亡くなった後ホテルを継ぐものの、従業員との軋轢で当時の副支配人達から信用を失い辞められてしまう。その頃になってインフラが完全に停止したことで戦争が絶望的な状況になっていたことに気付くが時は既に遅く、外の世界の情報を知る手段もなくなっていた。その後僅かの避難民の世話を神父と共に手伝っていたが、ある日暴動が発生し助かったものの、その危機を救った啓介を助けるため右目をナイフで抉ることとなる。その後は啓介を副支配人に、状況が切迫し、マトモにホテル経営をした従業員もいないままホテルを再開する。男っぽい口調は、舐められないため感情を失う前の啓介の口調を(彼女なりに)真似ている。
アリス・ルシア
声 - 小倉結衣
ホテル・プリメーロのバーテンダーで歌姫。啓介にぞっこんでいつもはだらしないものの彼の前では積極的に好意を寄せる。美雨とは友人で日輪とも仲がよく、恋のライバルである彩花とも親しく接する。歌姫としての歌唱力は抜群で啓介だけでなく他の仲間達も賞賛するほど。バーテンダーとしてはそこそこのカクテルなども覚えており。バーの運営上夜型の生活。
過去、戦争で家族と恋人を亡くしており、それゆえ周りの人たちが居なくなる事を嫌い、たとえ恋のライバルであったとしても仲良くしている。啓介に対してはつれない態度をとられることにヤキモキしていたが、彼の病状を知り彼の力になろうと思うようになる。
香月 日輪(こうげつ ひのわ)
声 - 南里一花
ホテル・プリメーロで食事全般を1人で担当するシェフ。マーカスとは義理の父親。彩花とは年齢が近いこともあり仲がいい。
暴動の時にマーカスに助けられ養子になる。助けられた直後にマーカスの妻子の死亡を知るが、彼の生きる希望になるために暴行を受けつつも黙っていた。啓介に対しては公然とはしていないものの密かに憧れている。
桜井 彩花(さくらい あやか)
声 - 卯衣
ホテル・プリメーロのルームメイドでまきの娘。まだ幼さが残る甘えたがりで、場を和ませる明るさがあるものの、仕事は少々不真面目。啓介が好きなことを公言して憚らずよく夜這いなどもしているが中々実は結ばれない。
母の死を契機に、その天真爛漫さはなりを潜め陰気な表情をするようになる。母の死の直前まで自分に病気のことを知らされなかったこともあり、周囲の人たちに対しても敵意を込めた目を向けるようになり、啓介に対しても恋愛感情を見せず同様に接するようになる。それでも暫くはルームメイドの仕事を続けていたものの、その内に母の居ない世界を嫌い死にたいと思うようになる。啓介達と和解後は徐々に元の明るさを取り戻していっている。

その他従業員

桜井 まき(さくらい まき)
声 - 風華
ホテル・プリメーロのルームメイドで彩花の母親。温和で頼りになる母性愛あふれる性格。娘に対しては少々厳しく仕事をしつけつつも温かく見守っている。
謎の病気により衰弱、病魔と闘いつつ娘のために絵を描き残し亡くなる。彼女の死がホテル全員に深い悲しみと影を残すことになる。彼女の病名は謎のままであるが謎の伝染病が疑われており、世界の終わりに関係があると疑われている。
ラヴ・ハーマン
声 - 日向日陰
ホテル・プリメーロのフロントクラーク担当のアフロヘアーの黒人。空気を読まないくらい明るく振舞うムードメーカー。
殆どの仲間には明かしていないものの、基本的な生活習慣以外は全ての記憶を持たない記憶喪失であり、そのため自分の言葉には過去に培われた重さが無いと感じている。
マーカス・ミラー
声 - 小次郎
ホテル・プリメーロのソムリエで日輪の義父。元軍属所属で中佐と呼ばれる。盲目でいつも偏屈な表情をし、地下のワインセラーでワインを磨いていることが多い。いつも不機嫌な態度をしているが、日輪に対しては特に冷淡な態度を取る。
暴動の際に日輪を助けているがその時に目を失明している。またその最中に妻子が行方不明になった。その後、日輪を養子とするが行方不明の妻子が忘れられず、日輪を受け入れられずDVを行っていた。妻子の死亡を知り日輪の心情を知ってからは和解し彼女に対して子煩悩になる。
伊藤 恵(いとう めぐみ)
声 - 桃也みなみ
ホテル・プリメーロのバックヤード担当。良二との結婚を控えているが、結婚への姿勢の違いから喧嘩が絶えない。結婚後は良二とは良好な関係になっている。
斉藤 良二(さいとう りょうじ)
声 - ゆうひ
ホテル・プリメーロの雑務担当で燃料の手配なども行っている。仕事の関係上啓介ともよく仕事をする。恵との結婚を控えているが、結婚への姿勢の違いから喧嘩が絶えない。

宿泊客

サラ入室時点でプリメーロの宿泊客は4人。ただし本当にお客として訪れたのは美雨が支配人になってからはサラが初めて。お客とはいっても宿泊料を取る描写などは存在していない。

メインヒロイン

サラ・コルトレーン
声 - 有栖川みや美
ギターを持って旅をしていた素性不明の少女。右目に怪我をしており当初包帯を巻いていたが、彩花から猫の絵入りの手作りの眼帯を貰ってからそれを着け続けている。
啓介を見るなり(彼女自身原因がわからないまま)刺殺しようとするものの、彼が黙ったままでありまた彼が彼女の弾く曲を知っていたため、プリメールに宿泊することになる。普段からぼんやりして皆から話しかけられても曖昧な受け答えしかしていなかったが、彼らと接しているうちに言葉少ないながらも徐々に打ち解けていく。友人が悲しい気分になっているところを見かけるとギターを弾き聞かせている。
過去ルシールに助けられ一緒に暮らしており、彼女が亡くなった直後に(ルシールを殺した人物ではないかと思っていた)啓介が立ち去るのを見ていた。その後ギターを形見として彼女がしていた歌で皆を救うため、ギターを弾きながら旅を続けていた。

その他宿泊客

三船 徳二郎(みふね とくじろう)
声 - 北条賢
刀を持ち着流しを纏いサングラスをした侍風の客。部屋は和風に改装しておりかなりの読書家でよく本を探しに出かけている。見た目と裏腹に普段はフランクな態度で接するが、ある復讐を誓っている。
妻子を戦争で亡くしており、特定の個人ではなく世界に対して復讐を誓う、終わる世界に対して歯向かうことで生きる希望としている。
藤野 正義(ふじの まさよし)
声 - 立花十四朗
ホテルに宿泊している老夫婦。
藤野 静枝(ふじの しずえ)
声 - 美澄すい
ホテルに宿泊している老夫婦。

その他

フリッツ神父
声 - 祭大!
近郊の教会で奉仕をする温厚で優しい神父。美雨の父と知り合いで、美雨からはおじさまと呼ばれる。ホテルに良く訪れるほか、僅かに残った避難村でも奉仕を続けている。
サラが入室した際は温厚な彼からは考えられないほど厳しく反対したが、それは暴動の後、ホテルに訪れる人間を教会で審査していたからであった。その後はサラに対しても優しく接している。
カリス
声 - 桐谷華
啓介のペットの黒猫。キャットフードは啓介が与えているものの、他の人からも食事を分けてもらっている。気まぐれで神出鬼没で気がつくとそこにいることもしばしば。
名前はルシールから取られたもので啓介が彼女の名前を忘れないためにつけたものだが、生きるために精一杯でいつしかその由来も忘却していた。
エピローグのみカリスが喋るシーンがあり、適度な距離で接する啓介が好きでずっとみていたことを独白する。
ルシール
物語開始時点で故人。啓介やサラの恩人で、ギターを聴かせ数々の人を癒してきた。啓介を助け時々キャンプから離れた場所に居る彼に曲を聞かせていたが、暴徒に襲われ死亡する。サラが持つギターは彼女の形見。

スタッフ

  • シナリオ - 佳奈月しずく
  • キャラクターデザイン・原画・彩色 - ちょちょ
  • BGM制作 - Barbarian On The Groove
  • 制作・著作 - 暁WORKS-黒-
  • 製作・販売 - 有限会社AKABEいSOFT2

主題歌

主題歌「リフレット」
作詞 - wight /作・編曲 - mo2 / 歌 - Barbarian On The Groove feat. カヒーナ
ED曲「太陽の欠片」
作詞 - wight / 作曲・編曲 - mo2 / Sound Produced by Barbarian On The Groove
歌 - アリス・ルシアstarring 小倉結衣、サラ・コルトレーンstarring 有栖川みや美

脚注

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外部リンク


ホテル

(HOTEL から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/31 06:30 UTC 版)

ギャラクシー・マカオのホテル

ホテル: hotel;[ˌhˈtɛl]: hôtel[注釈 1])は、をしている人や観光客に宿泊、食事、その他のサービスを提供する施設[注釈 2]

概説

もともと旅人に寝る場所や食事などを提供していた施設である。英語のhotelは古フランス語の「hostel」から来ており[注釈 2]、このhostelの語源は中世ラテン語の「hospitale ホスピターレ」であり(あるいはhospitaliaであり)、(カトリックの巡礼の旅の途中の人々をもてなし、眠るためのベッドを提供するための)「(無償の)もてなし施設、宿」という意味。日本語では通常カタカナで「ホテル」と表記するが、あえて翻訳して、訳語を探して漢字で表現すると、結局のところ「宿」といった程度の表現に落ち着く。(日本であえて「ホテル」と言うときは、結局(日本風の旅館などではなく)「ヨーロッパやアメリカ風の様式や利用方式の宿」ということである。)

なお、ホテルは宿泊施設の一種で、1日から数日、あるいは1週間程度までの短期間の宿泊を想定して発展してきた宿泊施設である。類似する機能を持つ宿泊施設としてはユースホステルペンションベッド・アンド・ブレックファスト(B&B)民宿などがある。数週間~数ヶ月など長期滞在するような施設(サービスアパートメントなど)とは通常は区別される傾向がある[注釈 3]朝食を提供する機能を有しているものが多いが、食事無しの「素泊まり」のタイプもある。

各国のホテル規模

収容人数(2011–12年統計)[1][2] 1人辺りの客室数[2] 年間の海外観光客数[1][2]
アメリカ合衆国 4,900,000 93 58,000,000
中華人民共和国 1,500,000 132 83,000,000
日本 1,370,000 27 18,000,000
イタリア 1,100,000 32 29,000,000
ドイツ 950,000 27 72,000,000
スペイン 900,000 47 12,000,000
メキシコ 660,000 37 16,000,000
イギリス 650,000 17 57,000,000
フランス 620,000 36 26,000,000
タイ王国 530,000 NA 6,000,000
インドネシア 410,000 25 7,000,000
ギリシャ 400,000 41 5,000,000
ブラジル 400,000 40 8,000,000
トルコ 330,000 117 16,000,000
オーストリア 290,000 22 11,000,000
ロシア 260,000 33 44,000,000
国際平均 21,000,000 41 876,000,000

カジノ・ホテル

カジノ・ホテル英語版とは、カジノを含むホテルのこと。

ブティックホテル

ブティックホテル」に分類されるホテルもある。デザイン・コンセプトを明らかにして工夫を凝らし設計させた個性的でモダンな設計・内装・外観を有するホテル[3]である。(日本でいう「デザイナーズホテル」に相当する。)

分類・種類(海外)

ホテルの分類は国ごとに異なる。各運営事業者もそれぞれ自社のホテル群を自社流に分類している。

ヨーロッパ

3つ星ホテルの表示

フランスでは国がホテルを格付けし分類されている。「1つ星」から「5つ星」まである[4]

長年に渡り、ヨーロッパの中のひとつひとつの国ごとに、格付けの基準や星の数のつけかたが異なっていたが、2009年にHotelstars Unionが設立され、国ごとの選定基準の相違点を調整・統一化することが行われるようになってきている[5]

フランスギド・ミシュランもホテルの格付けを行っている。

シャトー・ホテル / マナー・ハウス

ヨーロッパなどに多い、中世の古城や貴族の邸宅などを改造したホテル[3]。特に大きい規模のものをシャトー・ホテルという[3]

洞窟ホテル

自然の洞窟を利用して作られたホテルであり、地下に部屋が存在する。スペイントルコオーストラリアに建設されている。

アイスホテル
スウェーデンのアイスホテル

湖などから切り出した氷や雪によって作られたホテルである。スウェーデンノルウェーなどの北欧諸国やカナダなどで、冬季の寒さを利用して建設される。春になると溶けてしまうので基本的に冬季限定であり、毎年再建される。どのような施設が作られるかはそのホテルによるが、観光客向けのホテルであり、様々な趣向が凝らされる。

アメリカ

アメリカでは、「メトロポリタン・ホテル(大都市立地ホテル)」「ダウンタウン・ホテル(市街地立地ホテル)」、「コンベンション・ホテル(会議用ホテル)」、「コマーシャル・ホテル(商用)」といった分類がされている[6]。他にも「モーテル」「カジノ・ホテル」などといった分類も。 [注釈 4]

アメリカのホテルの中には、事前に提示される宿泊料のほか、リゾート料金(Resort Fee)や施設利用料(Facility Fee)などの追加料金を要求する施設がある。2020年代にはアメリカ国内でも問題視され、ジョー・バイデン大統領が、これら不透明な手数料を取り締まるための法案を提案したことがある[7]

モーテル
米国で普及しているモーテル。大抵は、道路沿いに大きな看板を設置してあって走行中でも自然とその存在に気付くようになっていて、予約不要なので思い付きで駐車場に入って良い。

国土が広くて早くからモータリゼーションが進んだアメリカ合衆国ではモーテルが非常に普及している。 Motelの元々の意味は「自動車で旅をする人のためのホテル」であり、「Motor Lodge モーターロッジ」「Motor Inn モーターイン」などともいう。アメリカのモーテルはほとんどが高速道路フリーウェイ)の出入り口周辺の町の郊外に立地しており、かなり小さな町にまで存在することも多く、地域の社会インフラの一つとなっている。セルフサービスを基本としたホテルであり、自力での荷物の運搬を楽にするため、宿泊棟のすぐ目の前に駐車場があり、自車を止めた場所から短い距離で客室にアクセスできる構造になっているのが特徴である。平均的な料金が一部屋で一泊40ドルから50ドル前後と比較的手ごろで、予約なしで利用できる(ただし、一部観光地などのハイシーズンを除く)ので、非常にポピュラーな宿泊施設として定着しており、客層も、たとえば移動中のビジネスマン、旅行中の家族連れ、男女のカップルなどと、さまざまである。食品の持ち込みも自由。大手チェーンのモーテルではWi-Fi完備も増えている。

分類・種類(日本)

日本では「#ビジネスホテル」「#シティホテル」「観光ホテル」「リゾートホテル」「カプセルホテル」「#アパートメントホテル」「ラブホテル」などの用語で分類がされることが多い。

ビジネスホテル

日本でいうビジネスホテルとは、ターミナル駅前や都市の繁華街など交通の要所にある、宿泊機能に重点を置いたホテル。シティホテルよりも客室は狭くサービスが簡素化され、そのかわりに低料金なのが特徴。シングルの客室(1人用)が中心となる。かつてはビジネスでの利用が主流であったが、近年の大手チェーンのビジネスホテルは、低料金の上、サービスも充実し、観光等での利用も増えている[8]。日本におけるビジネスホテルは、1920年9月12日に、京都にて1名1室形態の個室旅館を法華クラブが創業したことに始まる。

シティホテル

日本で言うシティホテルとは都市中心部や駅周辺に立地するホテル[6]。また、ウォーターフロントやシティビューなど客室からの景観を重視したホテルも多い。フィットネスジムやスパ、エステ、複数のレストラン、バーなどの館内施設やルームサービスなどが充実しているのが特徴で、宿泊料金も比較的高額[9]。また、結婚式場や大規模な宴会場を備えたホテルもある。シングルの客室は少数、または設定されていないことが一般的で、ツインルームやダブルルームがメインである。「city hotel」の語は、一応1794年ニューヨークに出来たシティ・ホテル(74室)で最初に使われ、以降、各地に普及したものの、近年の米国ではあまり使われていない。日本では都市の中心部などに立地するホテルが「シティホテル」と分類されるようになった。土地代が高い場所なので高層化する傾向があり、21世紀以降は複合ビル内のテナントとしての展開も増えている。多機能なものが多く、宴会場や料飲施設(レストラン、ラウンジ、バー)などを併設する規模の大きいホテルの呼称となっている[6]。全国規模の業界団体として、1903年創立の一般社団法人日本ホテル協会と1971年設立の一般社団法人全日本ホテル連盟があり、前者は(構造上の)シティホテルおよび同等の設備を持った都市型リゾートホテルのみが正会員であるため、ビジネスホテルとの判別の目安となる。近年はヒルトンシェラトンハイアットなどの欧米のラグジュアリーホテルの日本進出が盛んになっている。

観光ホテル・リゾートホテル

観光ホテルは、景勝地温泉地史跡スキー場ビーチ高原山岳地帯などの観光地・リゾート地に立地する遊覧や保養を目的とする観光客のためのホテル[10][11]。観光客向けにプールやプライベートビーチ、テニスコート、カジノなど多くの付帯施設を持つものもある[6]。一方では、ゆっくりとくつろぐことに主眼を置いた、ハウスホテルやヴィラ様式の施設も多い。

  • 日本では旅館業法のホテル営業ではなく旅館営業であることも多く、政府登録国際観光旅館に登録されていたり、あるいは国際観光旅館連盟(通称「国観連」)、日本観光旅館連盟(通称「日観連」)に加盟していたりすることも多い。
    リゾート会員権」の売り出しで資金調達し、その保有者の宿泊(滞在)用途に特化した会員制の施設も多く、便宜的に「会員制リゾートホテル」「会員制ホテル」などと言われている。これらは区分占有型のリゾートマンションとは区別されている。

アパートメントホテル(サービスアパートメント)

アパートメントホテルは、 海外ではコンドミニアムやCo-livingとも呼ばれる、日常生活型ホテルのこと。中長期滞在を想定し、客室内にキッチン洗濯機などといった生活に必要な設備があり、1室4〜8人で宿泊できることが特徴である。日本では長期滞在型ホテル、サービスアパートメントともいう。都市中心部や駅周辺に主に位置する。滞在中は清掃に入らないことが多く、一般のホテルよりも安価で泊まることができる[12]。訪日観光客の滞在日数が長期化傾向にあるだけでなく、家族や友人同士などグループ利用の需要も急増していることから、同様の形態のホテルは日本でも増加傾向にある。[13]

トランジットホテル

トランジットホテルは、通常、国際ハブ空港の空港ターミナル周辺や空港ターミナルビルに直結し、海外からの乗り継ぎなど、出入国手続きをせずにそのまま宿泊できる短期滞在ホテル。次のフライトを待つ間、旅行客は飛行機から降りて部屋にチェックインし、フライトの合間にリフレッシュすることができる。

日本初のトランジットホテルは東京国際空港第3ターミナルの出国エリアに位置する。

カプセルホテル

カプセルホテルの配置

カプセル状の簡易ベッドが提供される宿泊施設。日本独自の形態のホテルである[14]。旅館業法ではホテル営業ではなく簡易宿所営業になる。ほとんどは、ビジネスホテル同様、都市の繁華街に立地する。施設としては単独のものの他、サウナ店に併設されるケースも多く、大部屋の中にカプセルが積み重ねられた形態が多い。ビジネスホテルと比べて比較的安価で宿泊できるのも特徴である。

ラブホテル

日本のラブホテルの室内

基本的にはカップルでの利用を想定しているホテルで、性交目的に利用されると想定しており、宿泊だけでなく2時間(~3時間)程度の短時間の利用(「休憩」)も想定しているものである。他の客や従業員にできるだけ会わずに入室できる工夫がしてあり、コンドームが用意され、客室内の調度品なども一般的なホテルとは異なる。略称「ラブホ」。「ファッションホテル」「カップルズホテル」「ハッピーホテル」「アミューズメントホテル」「レジャーホテル」「モーテル」「ブティックホテル」などとも呼ばれ、和風の呼び方では「連れ込み宿」「同伴旅館」などとも呼ばれる。日本特有の形態のホテルである[注釈 5]。自動車で向かうラブホテルは高速道路のインターチェンジ周辺や幹線道路沿いに立地しており、そうでない場合は歓楽街繁華街の駅近隣の特定地に密集して立地していることが多い。法的には風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(略称・風営法)の適用を受けるが、現状は、日本では警察庁が把握している全国のラブホテルの軒数は約7000軒で、実際にはその5倍に当たる35,000軒が存在していると推定されている。これらは営業に必要な風俗営業法の許可を受けずに一般の旅館として申請されている[15]

デザイナーズホテル

アメリカにおける「ブティックホテル」の日本での呼称。デザイン・コンセプトを明らかにして、工夫を凝らし設計させた個性的でモダンな設計・内装・外観を有するホテル[3]。日本では、当初は「デザイナーズホテル」とばれていたが、最近では米国流に「ブティックホテル」と呼ぶこともある。

日本のその他のホテル

ホテルの客室

客室の形態

  • シングル(シングルルーム) / デラックス・シングル(セミダブルルーム)
    シングルサイズベッドを設けた1名用客室。北米ではセミ・ダブルベッドを設けた客室の場合もあり、アジアやヨーロッパではこれをデラックス・シングルと称する[16]
  • ダブル(ダブルルーム)
    ダブルサイズベッド1台を設けた2名用客室[16]
  • ツイン(ツインルーム)
    シングルサイズベッド2台を設けた2名用客室[16]。ダブルサイズベッド2台を設けた2名用客室は厳密にはダブルダブルというが、北米ではこれをツインとしていることがある[16]
  • トリプル(ツイン・ダブル)
    エキストラベッドという可搬式ベッドをツインルームに設置したり、予めツインルームに備え付けられているソファベッドを用いてベッドを3つ揃えたもの。
  • トリプルルーム
    3名用個室で、予め3台のベッドが備え付けられている客室であるが、決して一般的ではない。
  • フォース・ファミリールーム
    トリプルルームにエキストラベッドまたはソファベッドを追加設置したり、予めベッドが4台以上設置されているもので4名以上が滞在できる客室。リゾートホテルやテーマパーク周辺のホテルに多い。和洋室の場合もあり、2人がベッドで、2人が布団を使用することになることもある。
  • エグゼクティブ / デラックス / コンフォート / スーペリア ルーム
    一般客室(スタンダードルーム)よりも部屋面積が広く、大きめのベッドやソファなどが設置されていたり、バスルームとトイレ・洗面所が仕切られているホテルもある。
  • SOHOタイプ / ビジネスルーム
    部屋内で書類仕事や受験勉強などを行う客のために、明るい直接照明や広い机、パソコンやファクシミリなどのOA設備の設置、OAチェアの採用など、快適な仕事環境を重視したもの。
  • スイート
    広く高級な客室で、クイーンサイズのベッドが1つか2つまたはキングサイズのベッドが1つ以上設置され、大型テレビや広々とした浴槽などが配置されていることが多い。
  • コネクティングルーム
    ドアで隣室と接続しており、2つ以上の客室を一つの客室として使えるようにした部屋[16]。ドアを閉めれば個々の客室として利用できる[16]
  • アジョイニングルーム
    コネクティングルームの対義語で、小グループ向けに利用される、ドアで直接接続されていない隣り合った客室または廊下を隔てた客室[16]

なお、コテージ(ヴィラ)は、近年、リゾートなどでみられる客室ごとに一戸建てにした施設[16]。フロントやレストランなども別棟となっていることが多い[16]

客室ドアのロック方式

オートロックは客室ドアの施錠システムの一種で、部屋(内側)からは自由に開けられるが、外側は解錠しなければドアノブが固定されて開けられないという仕組みが大半であり、外出時に施錠する必要がない。

多くのホテルではメタルキーまたはカードキーを採用している。もともとは金属製の鍵ばかりだったが、プラスチック製のカードキーを使用するホテルが増えている[17]。また2010年代後半より、スマートフォンをキー代わりにする「スマホキー(デジタルキー、スマートキーとも)」も一部で普及しつつある[18]

客室内の設備

PAY-TVのプリペイドカード販売機
  • ライティング・デスク
    チェストや鏡などと一体化した書き物用の机[17]
  • 電話
    外線発信操作をすることで、外部への通話が可能であるが、近年ではスマートフォンの普及、またチェックアウト時の追加精算を省略する意図から、内線専用にしているホテルも多い。
  • テレビ
    通常のテレビ放送は無料であるが、映画の視聴は有料である(一般的に「PAY TV」と呼ばれる)。有料放送の古くはコインタイマーが付随しており、100円硬貨を投入し、専用のVHSレーザーディスクで放映される一般映画・アダルト作品を視聴する形式であったが、現在はプリペイドカードを購入して視聴するか、リモコンのPAY(課金)ボタンを押してチェックアウト時に精算する方式が主流である。
    カプセルホテルや一部のビジネスホテルでは、100円硬貨を投入して視聴するテレビを設置している店舗が多い(この場合、一般放送は無料だが、まれに有料としているホテルもある)。
  • テレビパソコン
    ホテルチェーンを中心に、テレビの代わりに、略して「テレパソ」と呼ばれる様なテレビ一体型のパソコンを設置する所も増えている。基本的にはLANブロードバンド)と接続され、無料の通常テレビ放送の視聴の他にウェブサイト閲覧が一般的に出来る(使用料・オプション料が必要なホテルもある)。
  • VOD
    通常、VODサーバと呼ばれるサーバ群をホテル館内に設置し、客室へLAN配線を行い、テレビに接続されたSTBが映画を再生する。しかし、サーバ費用が導入コストとして非常に高価なことから現在ではインターネット網を利用したNW配信モデルが登場。サーバを設置することなく、高画質な映像を客室にて楽しめるようになった。
    また、「アクトビラ」機能をホテル向けに独自カスタマイズを行いVODのブラウザとして利用するシステムも開発された。
    最近では、客室で利用できるノートパソコンを利用したエンポタ[19] というサービスが開発され、レンタルパソコンを借りることで、ホテル専用ポータルサイトを利用することができ、映画やドラマ、成人向けコンテンツなどを客室で楽しめるサービスも普及している。
  • インターネット回線
    インターネット普及前までは、客室にモジュラージャックがあるホテルは数少なかったが、普及に伴いダイヤルアップ接続用モジュラージャックを設置するホテルが増加した。2010年代以降は、電話回線用のRJ-11に代わって、有線LAN接続用のRJ-45端子を室内に設けるのが一般的になり、客室内で無料Wi-Fiを提供するホテルも増加している。
    ロビーなどに共用インターネット用パソコンや、サイバープチ[20]アットステーション[21]などのコイン式インターネット端末(通常はワープロなどは不可能)を設置しているホテルも存在する。
    客室で利用できるノートパソコンを提供しているホテルもあり、エンポタというホテル専用ポータルサイトを通じて映画やドラマ、成人向けコンテンツなどを配信しているホテルもある。
  • 冷蔵庫
    ミニバーの場合、小型の冷蔵庫の中に複数の飲料(ミネラルウォーターソフトドリンクアルコール)やおつまみが配備されているもので、商品を消費した場合は備え付けの伝票に記帳するなどしてチェックアウトまでに精算する。
    ビジネスホテルを中心に、何も入っていない小型冷蔵庫を設置している所もあり、ホテル内や近隣のコンビニスーパーマーケットで買い出した飲食物などを滞在中自由に入れられる。ホテル用の冷蔵庫は、就寝中の騒音を減らすために電源を止める機能が付いている場合がある。また、コンプレッサーを使わない、ペルティエ効果を使った冷蔵庫を使っている場合もある。
  • キチネット
    長期滞在用のホテルやスイートルームなどに設置される簡易な調理設備[17]
  • レンタルパソコン
  • ドライヤー
  • ズボンプレッサー
  • 電気スタンド
  • 電気ポット
  • (複数の枕を選べるホテルもある)
  • 加湿器
  • バゲージラック
    折り畳み式の荷物置き。畳んだ状態で客室内に置かれており、これを広げた状態にして、上にスーツケースなどの荷物を置く。しばしば椅子やタオル掛けなどと誤解される[22]

アメニティグッズ

アメニティグッズの一例

ホテルには客室内の洗面台(ユニットバス内など)付近に、個別包装されたコットンや耳綿棒化粧水・T字剃刀歯ブラシなどのアメニティグッズが置かれるケースが多い。ただし、国によっては無償提供が法律で禁止されていたり、日本においても、2022年のプラスチック資源循環促進法施行に伴い、部屋への備え付けを止め、フロント等で希望者に配布(もしくは有償で販売)する形態に切り替えるところも増えている[23]

また客室の宿泊約款ファイル内にはホテルの封筒便箋絵葉書が備わっていることが多い。

バスルーム(バスタブとトイレ)

ヨーロッパや米国の中程度以上のランクのホテルでは、客室にバスルームが設置されている。高級ホテルでは広いバスルームで、バスタブとトイレはかなり離れている。中程度の価格帯のホテルでは洗面台、トイレ、バスタブを同室内に設するユニットバスが主流であり、3点ユニットと呼ぶ。格安ホテルでは、バスタブが無くシャワーとトイレのみというものも多い。ヨーロッパの安ホテルではしばしば、配置が悪かったり、お湯が出なかったり、問題だらけのバスルームの割合が多い。

日本のビジネスホテルのバスルームの多くはユニットバスであるが、世界の各地域のホテルのユニットバスと比較しても特に省スペースで、洗面台・バスタブ・洋式トイレが極めて高度に一体化され、きわめて小さくまとめ上げられた形式が多い。2000年代以降は日本の一般的な家庭の浴室のようにバスタブと洗面所・トイレを分離し、バスタブに隣接して洗い場(シャワーブース)を設ける形式も増加しており、ビジネスホテルでもしばしば導入されるようになっている。

客室からの眺望

眺望も付加価値のひとつとして考慮される。海に面している部屋は「オーシャンビュー」、山に面している部屋は「マウンテンビュー」などと呼ぶ[16]

客室へのサービス提供

客室への飲食物の持ち込み

客室への飲食物の持ち込みについては、本来は衛生管理等の理由から「ホテル内の売店で購入したものやルームサービス・ミニバーなどを除いては原則禁止」であるが、実際には部屋の中に空の冷蔵庫が置かれるなど、持ち込みを事実上容認するところが多い[24]。ただし、持ち込みOKだが手数料を支払う必要のあるホテルもあるため、詳細はホテル毎に確認することが推奨される[25]

出前デリバリー)の利用も本来は禁止だが、2020年以降の新型コロナウイルス感染症の流行の影響で、一時館内の飲食店が営業を休止するケースが増えたこともあり、2025年現在は一定の条件下で利用を認めるホテルが多い。ただ、客室フロアのセキュリティとの兼ね合いから、受け渡しはロビーにて行うこととしている場合がほとんどである[26]

ホテルの(客室外の)設備

ヴィラフォンテーヌ東京汐留のロビー
リゾートホテルのロビーの例
  • ロビー
    玄関またはフロントに連続する廊下を兼ねた広間で、宿泊客や施設利用客が応接間や休憩所として利用できる開放的な場所である。大規模ホテルでは喫茶コーナーなどが併設されていることも多い。低層階に置かれることが一般的だが、あえて最上階に置いているホテルもある。
  • ビジネスセンター(ビジネスコート)
    パーティションで区切った施設を「ビジネスセンター」または「ビジネスコート」として客室とは別に用意しているホテルもある。パソコンや広い机、コピー機、プリンタ、LAN、場合によってはドリンクバーや自販機、毛布の貸し出し等がある。会議室が併設される場合も多く、宿泊者は廉価で借用できる。
  • 空調
    ホテルの空調は、大半がセントラルヒーティング方式であり、主としてHigh、Medium、Lowと切り替えが出来るが電気のエアコンのように温度、湿度の微調整は難しい。
    部屋ごとに独立したエアコンを用意している場合でも、室外機が独立していない場合には、季節の変わり目に「寒いが暖房が入れられない」あるいは「暑いが冷房が入れられない」というトラブルが発生することがある。
    まれに、一部民宿のように客室のエアコンが有料サービスのホテル(エアアジア系列のチューン・ホテルズ等)がある。
  • 大浴場
    日本の温泉地などの観光地では必ずある。大都市でもボーリングして温泉が引かれている例もある。ホテル運営側から見た場合「個別の部屋で風呂を使われるよりも光熱費が節約でき、掃除の手間も減る」というメリットも有り、ドーミーインアパホテル等一部のチェーンでは大浴場を積極的に導入している[27]。カプセルホテルはサウナと大浴場がセットになっている場合がほとんどである。
  • コインランドリー
    コインランドリーを併設するホテルがある(ただし、スペースの関係で、洗濯機・乾燥機とも数台程度しか設置されないのがほとんど)。
  • 駐車場
    別料金で、1泊あたりの計算の場合が多い。大都市・繁華街に立地するホテルでは提携しているタワーパーキング等周辺駐車場の利用も多い。地方やその観光地周辺の宿泊施設では廉価または無料であるのが普通である。
  • レストラン(ダイニング)
    宿泊客に食事を提供する目的で設置される。ビジネスホテルでは朝食のみの提供となるのが一般的。シティホテルでは昼食・夕食も提供する場合が多く、また異なる種類の料理を提供する目的で複数の店舗が入居する。
  • 宴会場(バンケット)
    結婚披露宴や各種宴会パーティーなどを行うための部屋。「パーティルーム」「ボールルーム」などと呼ばれる場合もある。宴会以外にも大規模な会議・講演会、試験等の会場などとしても使われる。結婚披露宴需要に対応して、施設内に教会(チャペル)や神社を併設するところもある。
    シティホテルでは、調理場をレストラン(メインダイニング)と兼用とすることが多い。
  • 自動販売機
    市場価格(ホテル外のコンビニ・自動販売機での価格)より割高な場合が多いが、ビジネスホテルでは市価と同水準、もしくは市価より安価の所(東横イン等)も多い。アイスディスペンサー(自動製氷器)や電子レンジが併設される場合もある。
  • クラブフロア・専用ラウンジ
    高級ホテルの会員組織の会員または提携などで利用が認められた者のみ利用可能な施設。飲料サービスや軽食、チェックイン・チェックアウトがその場で行えるものもある。基本的に正規料金での宿泊者に利用が限定され、会員であっても旅行代理店(予約サイト)からの予約や、宿泊プランを用いての宿泊時は利用不可とする施設も多い。
  • エグゼクティブラウンジ
    通常客室とは別の特定階(エグゼクティブフロア等)や、スイートルームの宿泊者のみ利用可能なラウンジで、クラブラウンジと同様のサービスが提供されるものが多い。近年はシングルルームから設定されているものの多い。高級ビジネスマンの利用が多いホテルでは会議室が併設されているケースが多い。
  • プールフィットネスクラブスポーツジム
    特段リゾートホテルでなくともこのような施設を付帯していることがある。スポーツクラブ運営企業が施設を賃借して運営するケースが多い。
  • コンビニエンスストア売店
    正確には付加サービスと呼ぶべきではないが、施設内、もしくは近隣にコンビニエンスストアが立地するか否かを重要視する客も多い。深夜・早朝に買い物をしたい場合や、ホテル内レストランや冷蔵庫の商品の価格に抵抗ある客がいるためである。売店は手っ取り早く特産品を買う場所として重要視する例があり、また地場産業にしても宣伝になる。なお、コンビニ併設のホテルでは、ホテル利用者専用の出入口と公道に面したホテル利用者以外の出入口を設けているコンビニがある。
  • 病院(または診療所
    利用しない部屋室に併設する。患者には利用客に対応。各施設一部地域により設置しないこともある。

料金支払いと関連サービス

  • ルームチャージ
    室料。一人当たりの料金ではなく一部屋当たり料金。
  • ポイントサービス
    各ホテル独自のもので、宿泊料・レストランの飲食料に対し5%程度、または1泊毎にポイントを付加し、ポイントを宿泊・飲食料に充当したり、一定のポイント数に達すると現金のキャッシュバックや景品(主に無料宿泊券・食事券・ホテル専用の商品券など)がプレゼントされる。クイックチェックインサービスが利用できるホテルもある。
  • 会員組織
    ホテル利用者を対象に募集されるもので、上記のポイントサービスの他に会報誌等の送付や、アーリーチェックイン・レイトチェックアウトが無料サービスされたり、下記クラブラウンジの利用が可能である場合もある。提携カード型が多い。

宿泊方法

予約

当日満室で宿泊できない事態を回避するため、宿泊予定が決まっていれば、事前に予約するのが一般的である。

チェックイン

時刻
通常は13時から16時ごろに受付が開始される。アーリーチェックインは宿泊施設規定のチェックイン開始時間よりも早くチェックインを行うもので、原則追加料金の支払いが必要。
宿泊当日は、フロントで氏名・住所・電話番号などを記入し、必要に応じてパスポートなど身分証明書を提出する。
ホテルは「前払い」方式のものと「後払い」方式のものがある。
ルームキー
を受け取り、部屋に向かう。以後、外出時は通常フロントに鍵を預けるが、磁気カード式のホテルにおいては持ち出し自由の場合もある。またカード式の場合、宿泊の記念としてチェックアウトの際に、カードを持ち帰ることが出来るホテルも存在する。一部のホテルでは、客室入口の照明スイッチ脇にある差し込み口にルームキー(キーホルダータイプ・カードキータイプ問わず)を差さないと照明やテレビ・空調機器などが作動しないホテルがある。
クイックチェックイン
リピーター客やホテルの会員を対象に、フロントで会員カードの提示や口頭で氏名・電話番号などを告げる事で、顧客システムに登録されている情報を用いることによって、宿泊カードの記入が省略できるもの。
「自動チェックイン機」が設置されているホテルでは、係員と応対することなくチェックインと前金の支払が完了するものもある。

チェックアウト

時刻
チェックアウトの時刻はホテルにより異なる。世界的に見て11時前後にチェックアウト時刻を設定しているホテルが多い[28]。決められた時刻までにチェックアウトしないと「レイト・チェックアウト」(遅いチェックアウト)となる。超過時間によって追加料金の支払が必要。なお、会員組織や提携カードに入会すると、アーリーチェックイン・レイトチェックアウトの料金が無料となるホテルも多い。
クイックチェックアウト
いくつか方式がある。
  • (前金式のビジネスホテルで追加料金が無い場合に)フロントに出向かずに、ロビー(フロント周辺)に置かれている受け箱にルームキーを投函する事でチェックアウトが完了するもの。カードキー方式のホテルでは「自動チェックアウト機」(精算機能なし)も設置されている。
  • (シティホテル・ビジネスホテルチェーンなど)「自動チェックイン / アウト機」にカードキーを投入すると、自動で料金が計算され、自動精算機で精算を行うとチェックアウトも完了する。
  • (一部のシティホテル)チェックイン時にクレジットカードのインプリント(金額空欄の売上票)が作成されている場合、必要書類に署名をしてキーと共にフロントに提出するだけで、チェックアウトできる。料金は後日クレジットカードに請求される。

各国の法制度

イギリス

ロンドンでは建物用途に応じた防火、耐火、給排水、省エネ等に関する建築基準があり、宿泊施設の新築・増改築、宿泊施設への建物の使用目的の変更には自治体の事前許可が必要である[29]

フランス

パリでは都市計画の観点から建築や事業用途変更等には許認可が必要であるほか、ホテルは公衆受入施設にあたるため構造・避難設備・消火設備など建物内の安全性に係る基準を満たす必要がある[29]

日本

ホテルのレストランの例

日本では、外観・内装や接客が和風の旅館だけでなく、洋式ホテルも旅館業法の規制を受ける[30]

一方で、大型のものでは、会議場やパーティー宴会場、結婚式場プールなどを備え、政府レベルの国際会議が開かれることもある大型ホテルがあり、他方でトレーラーハウスキャンピングカー駐車場に並べたような仮設ホテルまで様々ある[31]

ホテル営業

日本の法令上は旅館業法(昭和23年7月12日法律第138号)に規定する「旅館業」に規定される営業の一種であり(旅館業法2条1項)、「洋式の構造及び設備を主とする施設を設け、宿泊料を受けて、人を宿泊させる営業で、簡易宿所営業及び下宿営業以外のもの」を行う施設を指す(旅館業法2条2項)。旅館業法のホテル営業は客室の形式は、洋式の宿泊施設でありベッドを備えた洋室の個室が基本となる。

ホテル営業を含め旅館業を経営しようとする者は、都道府県知事(保健所を設置する市又は特別区では市長又は区長)の許可を受ける必要がある(旅館業法3条1項)。許可を受ける際には申請書に営業の種別(旅館業法上のホテル営業、旅館営業、簡易宿所営業、下宿営業の種別)を記載しなければならないが、これとは別に営業施設の名称も記載することとなっている(旅館業法施行規則1条)。この営業施設の名称については原則として経営者が申請の際に自由に設定できるため、旅館業法上の営業の種別と営業施設の名称とは一致しない場合もある(営業の種別についてホテル営業として申請しているが営業施設の名称に「旅館」を名乗っている場合、それとは反対に営業の種別につき旅館営業や簡易宿所営業として申請しているが営業施設の名称としては「ホテル」を名乗っている場合など)。なお、都道府県知事の許可の際の構造設備の基準など法令の適用については、営業施設の名称にかかわらず経営者の申請した営業の種別にしたがってなされることになる。

ホテルの営業時間や料金の支払い、暴力団関係者の宿泊拒否に関する事項等、ホテルと宿泊者との間の取り決めについては、宿泊施設側が宿泊約款を策定[32] し、対応している場合がほとんどである。

構造設備の基準

ホテル営業の施設の構造設備の基準については、旅館業法施行令で次のように定められている(旅館業法施行令1条1項)。

  1. 客室の数は、10室以上であること。
  2. 洋式の構造設備による客室は、次の要件を満たすものであること。
    1. 一客室の床面積は、9平方メートル以上であること。
    2. 寝具は、洋式のものであること。
    3. 出入口及び窓は、鍵をかけることができるものであること。
    4. 出入口及び窓を除き、客室と他の客室、廊下等との境は、壁造りであること。
  3. 和式の構造設備による客室は、旅館業法施行令第1条第2項第2号に該当するものであること(和式の構造設備による客室の床面積は、それぞれ7平方メートル以上であること)。
  4. 宿泊しようとする者との面接に適する玄関帳場その他これに類する設備を有すること。
  5. 適当な換気採光照明、防湿及び排水の設備を有すること。
  6. 宿泊者の需要を満たすことができる適当な数の洋式浴室又はシャワー室を有すること。
  7. 宿泊者の需要を満たすことができる適当な規模の洗面設備を有すること。
  8. 当該施設の規模に応じた適当な暖房の設備があること。
  9. 便所は、水洗式であり、かつ、座便式のものがあり、共同用のものにあっては、男子用及び女子用の区分があること。
  10. 当該施設の設置場所が学校等の敷地(これらの用に供するものと決定した土地を含む)の周囲おおむね100メートルの区域内にある場合には、当該学校等から客室又は客にダンスもしくは射幸心をそそるおそれがある遊技をさせるホールその他の設備の内部を見とおすことをさえぎることができる設備を有すること。
  11. その他都道府県が条例で定める構造設備の基準に適合すること。

用途規制

建築基準法による用途規制により、ホテルは第一種住居地域(用途に供する部分が3000平方メートル以下に限る)、第二種住居地域準住居地域近隣商業地域商業地域準工業地域でのみ設置できる。

ホテルの経営

ホテル経営の用語

  • 客室稼働率(OCC:Occupancy rate)
  • 客室平均単価(ADR:Average Daily Rate)
  • RevPAR(レヴパー:Revenue Per Available Room) - OCC × ADR
  • 営業総利益(GOP:Gross Operating Profit) - 売上から経費(建物・備品の減価償却費や税金は除く)を控除した利益を指す。
  • FFE(エフエフイー:Furnitures, Fixtures and Equipments) - ホテルの家具・什器備品
  • FIT(Frequent Independent Traveler)・インディビデュアル(Individual) - 個人旅行者。団体旅行客との対比。
  • 料飲(FB / F&B:food and beverage) - レストラン・バー等の部門

所有・経営・運営

ホテルの不動産・設備の所有、経営、運営の主体と契約に関しては、主に以下のような方式がある[33]。日本では所有と運営が一体の場合も多いが、海外は所有と運営の分離が一般的である。

  • 所有直営方式 - 所有・経営・運営を同一の主体で実施する方式
  • フランチャイズ方式 - 所有・経営・運営会社がフランチャイジーとして、フランチャイザーからブランド名を借りる代わりに、ロイヤリティーを払う方式
  • リース方式 - 運営会社が所有会社に賃料(固定賃料または変動賃料)を払い運営する方式
  • 運営委託方式(マネジメント契約方式、MC方式) - 所有会社・経営会社が運営会社に運営を委託し手数料(フィー)を支払う方式

主要ホテルグループ

国際チェーン

ザ・リッツ・カールトン大阪
ザ・ペニンシュラ東京

ホテル加盟組織

日本

シティホテル中心

以上の3社は「ホテル御三家」。

ビジネスホテル中心

リゾートホテル中心

ホテルの客好感度調査

2014年10月26日付の中国旅游新聞網によると、旅行会社エクスペディアヨーロッパ12か国に対する調査で、最も歓迎する観光客は日本人で2位はアメリカ人スイス人と続き、逆に歓迎されないのはフランス人インド人中国人中華人民共和国)だった。特に日本人はチェックアウト時の部屋の状態の良さや礼儀正しさ、好奇心、現地の習慣を理解しているなどの点で観光客の模範であるとされた。調査によると、かつては無遠慮、がさつ、やかましいなどの点で評価の低かった米国人マナーが改善され、優秀な観光客と評価され、フランス人、中国人、ドイツ人はケチな観光客と評された。またファッションセンスの良さで評価されたのは、フランス人、イタリア人スペイン人で、身だしなみに気を使わない印象を与えたのは、旅での動きやすさや快適さを重視するドイツ人、イギリス人、アメリカ人だった[34][35]

ホテルを扱った作品

映画

テレビドラマおよびテレビドラマ化された作品

アニメおよびアニメ化された作品

その他の漫画

その他の小説

  • 鍵のかかる棺、銀の虚城 ほか(森村誠一、1969年)

舞台作品

その他

  • オーストラリアには、ホテルの看板を掲げているパブが多く存在する。これは入植当初、飲食店が夜に酒を出すことを禁じた法律があり、これを回避するためにホテルの看板を掲げ、ダミーの客室を用意した歴史があるためである[38]

脚注

注釈

  1. ^ フランス語は「h」を決して発音しないのでhôtelは「オテル」と発音する。
  2. ^ a b An establishment providing accommodation, meals, and other services for travellers and tourists.
  3. ^ ただ、近年では、カテゴリーの間を埋めるようなさまざまな施設もあり、境界がはっきりしない場合もある。
  4. ^ (米国の)ビジネスホテルは、エグゼクティブの使用を前提としたホテルを指すケースが一般的で(ビジネスクラスと同義)、広々とした部屋に会議室等のビジネス設備や、フィットネスクラブなどが併設されているケースが多く、日本におけるシティホテルに相当。[要出典]
  5. ^ 香港台湾韓国など他の一部のアジア諸国にも日本のラブホテルを模倣したものが現れた。

出典

  1. ^ a b Tourism Factbook”. UN World Tourism Organization. pp. 3.2, 4.13, 4.14 (2014年). 2019年12月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年12月24日閲覧。
  2. ^ a b c Workers and Guests Have Different Language Needs in a Hotel”. Lang1234.com (2013年). 2019年12月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年12月24日閲覧。
  3. ^ a b c d ホテルのタイプ 地球の歩き方 2017年4月3日閲覧
  4. ^ 星で分かるフランス・ホテルの選び方
  5. ^ A European common hotel classification.
  6. ^ a b c d シティホテル トラベル用語集 x-memory 2017年4月3日閲覧
  7. ^ 「1泊50ドル追加請求」…米国ホテルの隠れ料金、韓国旅行者から苦情殺到”. AFP (2024年12月29日). 2024年12月29日閲覧。
  8. ^ ビジネスホテル トラベル用語集 x-memory 2017年4月3日閲覧
  9. ^ 東京YMCA国際ホテル専門学校「ビジネスホテルとシティホテルの違いとは?」
  10. ^ 観光ホテル トラベル用語集 x-memory 2017年4月3日閲覧
  11. ^ リゾ-トホテル トラベル用語集 x-memory 2017年4月3日閲覧
  12. ^ アパートメントホテルとはどんな業態?開業するメリットや注意点を解説”. 株式会社秀建. 2025年6月29日閲覧。
  13. ^ 愚直に緻密に不動産価値を最大化させる カソク流ホテル開発が、日本を観光立国にする | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)”. forbesjapan.com. 2025年6月29日閲覧。
  14. ^ カプセルホテル トラベル用語集 x-memory 2017年4月3日閲覧
  15. ^ “来年1月の風営法改正で半減?全国のラブホテルが存続の危機”. ダイヤモンド・オンライン (ダイヤモンド社). (2010年11月19日). https://diamond.jp/articles/-/10125 2022年9月9日閲覧。 {{cite news}}: CS1メンテナンス: 先頭の0を省略したymd形式の日付 (カテゴリ)
  16. ^ a b c d e f g h i j 部屋のタイプ 地球の歩き方 2017年4月3日閲覧
  17. ^ a b c 客室の設備 地球の歩き方 2017年4月3日閲覧
  18. ^ スマートキー搭載公式アプリで宿泊客を待たせない - 相鉄フレッサイン - マイナビニュース・2018年2月23日
  19. ^ http://enpota.com
  20. ^ http://www.sofnetjapan.com/
  21. ^ 100円コインでインターネット”. アットステーション. 東洋電子工業株式会社. 2006年2月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2006年2月3日閲覧。
  22. ^ “ホテルでよく見るアイテムの意外に知らない使い方 正解に驚きの声 「全然座ってた」「本気でタオルかけだと」”. Hint-Pot (Creative2). (2024年10月6日). https://hint-pot.jp/archives/232514 2024年10月8日閲覧。 
  23. ^ ホテル・旅館はプラスチック製アメニティをどう減らしていけば良いのか?そのヒントとして - HOTERES Online・2021年10月9日
  24. ^ ホテルでも酒類提供禁止で部屋飲み増加!?【客室への持ち込み】はNGか? - Yahoo!ニュース個人(瀧澤信秋)・2021年5月6日
  25. ^ ホテルにお酒や食事の持ち込みはできる? - 相鉄フレッサイン・2020年8月25日
  26. ^ OKそれともNG ホテルからデリバリー注文 スーパーホテル公式アカウントがスッキリ解決 - デイリースポーツ・2024年11月17日
  27. ^ 「旅行で損をする人」は宿選びで失敗している - 東洋経済ONLINE・2017年9月26日
  28. ^ 7things not to do
  29. ^ a b 諸外国における規制等の事例について 国土交通省 2017年4月3日閲覧
  30. ^ 旅館業法概要 厚生労働省(2018年7月11日閲覧)
  31. ^ 「広がる仮設ホテル/安価なトレーラー▼キャンピングカー/訪日客急増、柔軟に対応」『日経MJ』2018年7月2日(観光・インバウンド面)
  32. ^ モデル宿泊約款”. 国土交通省 (2011年9月1日). 2018年3月17日閲覧。
  33. ^ 今さら聞けない!? ホテル・レストラン業界の基本用語Vol.16 HOTERES 2010.6.25
  34. ^ Yahoo!ニュース 「欧州のホテルが最も歓迎する観光客は?ワースト3はフランス、インド、中国本土―中国メディア」XINHUA.JP 10月27日(月)12時5分配信 Archived 2014年12月30日, at the Wayback Machine.
  35. ^ Focus-Asia 「欧州のホテルが最も歓迎する観光客は?ワースト3はフランス、インド、中国本土―中国メディア」
  36. ^ ホテル(1967) 映画.com
  37. ^ ホテル・インヒューマンズ:「サンデーうぇぶり」マンガが2025年テレビアニメ化 “殺し屋専用ホテル”舞台のヒューマンドラマ 監督にアミノテツロ まんたんWeb 2024年11月8日
  38. ^ 旨い地ビールを!オーストラリア・パブ入門”. ALL ABOUT. 2020年4月29日閲覧。

参考文献

  • 仲谷秀一・杉原淳子・森重喜三雄『ホテル・ビジネス・ブック』中央経済社 2006年 ISBN 4-502-38700-2
  • 下田淳『居酒屋の世界史』講談社現代新書 2011年

関連項目

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