うつ病
大うつ病
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WHOのガイドラインでは、成人のうつ病に対しての選択肢として提案されているが、一方で12歳未満には処方禁止、12歳以上の児童では第一選択肢から除外するとしている。WHO必須医薬品モデル・リストから選択することが望ましい。 英国国立医療技術評価機構(NICE)の2004年のガイドラインは、危険性/利益の比率が悪いという理由で、抗うつ薬を軽症うつ病の初期治療に用いるべきではないとしている;中等度あるいは重度のうつ病では、SSRIのほうが三環系よりも忍容性が高い;重度のうつ病では、抗うつ薬は認知行動療法のような心理療法と組み合わせるべきである。NICEの2009年の改定されたガイドラインは、危険性/利益の比率が悪いために軽症以下のうつ病に抗うつ薬を使用してはいけない(Do not use antidepressants)としている。さらに、セントジョーンズワートは、軽症あるいは中等度で利益がある可能性についても言及している。 アメリカ精神医学会による2000年の大うつ病性障害の患者の治療のための診療ガイドラインは、患者が望むなら、軽症の大うつ病性障害の最初の一次治療に抗うつ薬を投与してもよいとしている;電気痙攣療法が計画されていない、中等度から重度の大うつ病性障害では抗うつ薬を投与すべきである;精神病性うつ病には、抗精神病薬と抗うつ薬の併用、あるいは電気痙攣療法を用いるべきである。有効性は、概して分類間と分類内で同等であると示されており、最初の選択は主に個々の患者、患者の選択、医薬品と費用に関する臨床試験のデータの量と質から予想される副作用に基づく。 日本うつ病学会の2012年の大うつ病障害の治療ガイドラインでは、軽症うつ病の場合、安易な薬物療法は避けるべきであり、中等度から重症のうつ病の場合、1種類の抗うつ薬の使用を基本とし、十分な量の抗うつ薬を十分な期間に渡って投与すべきであるとされる。寛解維持期には十分な継続・維持療法を行い、抗うつ薬の投与の終結を急ぐべきではないとされる。
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大うつ病
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「en:Beck's cognitive triad」も参照 ベックのうつ病病因論によれば、うつ状態にある人々は、かつて小児期および青年期において世界に対してのネガティブな自己スキーマを取得するとされる。うつ病を経験した小児および青年は、このネガティブなスキーマを早期に取得する。 人々は、親の喪失、仲間の拒否、いじめ、親や親からの批判、親の抑うつ的態度、他の否定的な出来事を通じて、そのようなスキーマを取得する。 このようにしてネガティブなスキーマを持っている人物が、何らかの方法でかつて学習したスキーマと状態に似ている状況に再び遭遇すると、その人のネガティブなスキーマが活性化されるという。 ベックのネガティブ認知トライアングル(Beck's cognitive triad)は、うつ病の人々は、自分自身、世界での彼らの経験、そして未来について否定的な考えを持っている事を示している。例えば、うつ病の人々は「面接でへまをしたから、私は職を得られなかったのだ。面接官は決して私を好きになれず、誰も私を雇うことは望んでいないだろう」と考えるだろうが、そうでない人は同じ状況で「面接官は私にあまり注意を払っていなかったようだ、既に他の人を選んでいたのかもしれない。次に運が回ってくるかもしれないし、私ももうすぐ職を得るだろう」と考えるだろう。ベックは他にも論理の飛躍、選択的抽象化、行き過ぎた一般化、拡大解釈と過少解釈など、様々な認知の歪みを挙げ、それらはうつ病を持続させるものであるとしている。 2008年にはベックはうつ病の統合発達モデルを提案しており、それには遺伝学と神経科学の研究が組み込まれている。 NICEの臨床ガイドラインにおいては、特に抑うつに対しては必ずCBT(もしくは他の心理療法・運動療法)を試みるよう勧告している。
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