2005 - 2008:アッバース時代のはじまりとは? わかりやすく解説

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2005 - 2008:アッバース時代のはじまり

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/12 06:09 UTC 版)

パレスチナ問題」の記事における「2005 - 2008:アッバース時代のはじまり」の解説

アラファート議長死後2005年1月自治政府議長選ではマフムード・アッバース当選した。しかし、選挙中に武装部門ファタハ担ぎ上げられたり、その一方で武装闘争誤りであった述べるなどという言動もあったので過激派への対策どのようになるかは不透明である。 2005年4月には、アメリカブッシュ大統領イスラエルアリエル・シャロン首相との会談で、2005年8月目処イスラエル側がガザ地区入植地からの撤退予定する一方でエルサレム隣接しているヨルダン川西岸地区最大のマーレ・アドミム地区への入植地拡大計画していることに対し、「中東和平行程表ロードマップ)に反する」として、強い懸念示したシャロンと「約束の地」への思い入れが強い宗教右派の間には対立存在し更には入植者が強い抵抗を示す中で、治安部隊によるガザからの退去作業8月17日より開始されガザ入植地解体された。しかし、ヨルダン川西岸地区入植地明け渡さず逆に新たな入植地拡大進めている。 2006年1月25日投開票パレスチナ総選挙で、ハマース第一党になった同年3月29日アッバース議長の元でハマースイスマーイール・ハニーヤ内閣成立したハマーステロ組織指定するEUアメリカ日本など援助差し止めファタハハマース武装衝突激化するなど、パレスチナ混迷続いている。 6月27日アッバース議長ハマースのハニーヤ首相1967年国連停戦決議に基づく国境線合意事実上イスラエル承認)で合意した。しかし、イスラエルパレスチナ人対す予防拘禁強化を図る一方兵士拉致理由逆にガザ侵攻拡大ヨルダン川西岸地区では閣僚を含む立法評議員国会議員に相当)、地方首長を約80人を拉致し、評議会機能停止追い込んだカタール国連安保理イスラエルガザ撤退および閣僚等の解放求め決議案提出した。しかし、7月13日アメリカ拒否権否決されている。また、同月12日から13日にかけて、日本小泉純一郎首相イスラエルパレスチナ訪問しイスラエルエフード・オルメルト首相パレスチナアッバース議長会談。しかしハニーヤ首相会おうとはしなかった。小泉首相ヨルダン含めた4ヶ国協議提案しそれぞれの賛同得た。しかし、イスラエルガザ侵攻への自制求めた件については「イスラエル立場明確だ」と退けられている。また、ハマース政権成立後で初めて、パレスチナ対する約3,000ドル人道支援発表した。ただし、直接援助イスラエル反発配慮し行わず国際連合世界食糧計画などを介した形となる。 その後イスラエルパレスチナ断続的な衝突続いた11月1日イスラエルは再びガザ地区侵攻7日までにパレスチナ軍民合わせて50人以上、イスラエル兵士1人死亡したイスラエル撤退表明したが、翌8日すぐに攻撃再開ガザ地区北部のベイト・ハヌーンでパレスチナ市民少なくとも19死亡しアッバース議長は「イスラエルは平和へ機会破壊している」と非難ハマース報復宣言したイスラエル誤爆主張事件解明まで攻撃中止する発表したが、パレスチナ活動家暗殺続けている。ベイト・ハヌーンの事件について、再びカタール国連安保理非難決議案を提出したフランスなどの要求で、パレスチナ側のロケット攻撃非難する修正案改められたが、11月11日、やはりアメリカ拒否権否決された(日本棄権した)。 パトリック・オコナーによると、2000年から2006年11月3日までの、パレスチナ側とイスラエル側の犠牲者数比率39:10である。そして、イスラエル諜報機関の元長官アヴィ・ディクターは、分離壁建設によって自爆テロ90%阻止することが出来た証言している。 実際自爆テロ未遂時点逮捕されているケース多くハマース側が自粛しているのではなく物理的に自爆テロ出来ない状況になっているという主張である。なお、このような状況下でハマースロケット砲による無差別攻撃攻撃転換したとの指摘もある。 パレスチナ内部でも、米欧イスラエル支持を受けるファタハと、ハマース内部抗争続いている。2006年ハマース選挙での多数根拠単独内閣組んだものの、国際社会認知しようとしなかった。ファタハハマースの間で連立政権交渉進められたが、両者抗争2006年中だけで28人の死者出している。 2007年には、両者抗争50人に及ぶ死者出した5月16日には、ハニーヤ首相自宅何者かの発砲事件があり、5月17日には、ハマースによるアッバース議長暗殺計画発覚5度に及ぶ停戦合意なされているが、合意直後抗争再開される状況続いている。6月11日からの抗争は、ハマースガザ地区武力占拠したことで、本格的な内戦突入アッバース大統領非常事態宣言出し内閣解散宣言イスラエルアメリカは、ハマース排除したサラーム・ファイヤード政権正式な交渉相手認めた6月20日アッバース大統領は「人殺しテロリストたちとは対話はしない」と、ハマース相手にしないことを表明した平行してイスラエルによる攻撃続いている。4月24日ハマースイスラエルによるパレスチナ自治区ヨルダン川西岸ガザ地区攻撃への報復として、ガザ地区からイスラエルロケット弾攻撃行ったハマース側はイスラエル攻撃対す応戦であり、停戦そのもの破棄するつもりはないと主張したが、イスラエルガザ地区への空襲繰り返し行い、さらに地上部隊の再侵攻主張する声も強くなった。極右政党わが家イスラエル党首リーバーマン副首相は「イスラエル軍ハマース壊滅のための地上作戦踏み切なければ連立政権から離れる」と主張した5月20日には、ハマースのハリール・アル=ハヤ立法評議員国会議員)宅が空襲を受け、アルハヤはハマースファタハ停戦協議のため不在で難を逃れたが、8人が死亡したイスラエル側はアルハヤを標的したものではなく付近にいた武装集団狙ったものと主張した5月21日パレスチナ側の攻撃イスラエル人1人死亡すると、イスラエルリブニ外相共同記者会見で「停戦幻想で、ロケット弾ハマース平穏に乗じて武器密輸行った結果だ。われわれはハマース戦い続ける」と述べたまた、同国のアビ・デヒテル警察相は、ハマース事実上最高指導者であるハーリド・マシャアルについて、「彼の存在正当な標的である以上だ。困難な使命ではあるが機会さえあればいつでも、彼を我々の前から消すことだろう」と暗殺公言し、さらにハニーヤ首相暗殺についても「(イスラエル対する)攻撃命令出している者の中にハニーヤが連なっているならば、彼も正当な標的となる」と実行含み持たせた(「警察相、ハマース最高指導者殺害予告 - イスラエル * 2007年05月21日 20:10 発信地:イスラエル」)。 さらに、5月31日ユダヤ教スファルディーの前首席ラビであるモルデハイ・エリヤフは、オルメルト首相にユダヤ人戦争倫理によると、個人不道徳な行為について、市全体集団的な責任を負うガザではカッサムロケット発射止めないから、すべての人口責任がある」と主張する手紙出しシナゴーグ内容配布したパレスチナ『エレクトロニック・インティファーダ』紙のアリ・アブニマーは、「イスラエルでこの類のパレスチナ人対す大量虐殺そそのかす憎悪語られるのは珍しいことではない。では、ムスリムパレスチナ指導者このようなことを言ったらどうなるか。イランマフムード・アフマディーネジャード大統領伝えられたところでは、イスラエル取り除くことを述べたときに、国際社会がどう激しく抗議をしたかを私たち知っているイランアフマディネジャド非難してご機嫌取りをしていたすべてのEU官僚は、このイスラエルの前首席ラビに対して同じよう強く公的な立場を取るのだろうか?」と批判した6月28日イスラエルガザ地上部隊侵攻させ、軍民合わせて少なくとも12人を殺害。さらに、15歳から50歳の男性に家から出るように命じ、町の広場集めさせた。 11月27日アメリカ仲介開かれた中東和平国際会議において、アメリカブッシュ大統領イスラエルオルメルト首相パレスチナアッバース議長和平交渉再開確認した。だが、イスラエル交渉再開表明する一方連日ガザ地区攻撃空襲行い11月30日には、ガザ侵攻の準備整ったことを発表した2008年1月ブッシュ大統領イスラエルパレスチナ歴訪1月9日にはイスラエルオルメルト首相会談し1月10日には初めパレスチナ訪問しアッバース議長会談したブッシュ大統領は、イスラエル入植地について「1967年始まった占領終結させる必要がある」と述べ、またパレスチナ自治区入植地分断している現状について「スイスチーズ穴あきチーズ)ではうまくいかない」と批判した一方パレスチナに対して「テロとの戦い」継続と、ハマースからのガザ地区奪還要求した。しかし、イスラエルガザ地区攻撃については「パレスチナ領域テロ組織天国になってならない」と理解示しイスラエル領への帰還を望むパレスチナ難民についてはこれを認めず保証金解決する考え示した入植地についても、具体的にまとまったのはイスラエル政府違法とする入植施設撤去約束したことだけで、既存入植地検問所については追認する考えを示すなど、イスラエル有利な現状追認するに留まった。『東京新聞』『中日新聞』は、これを「イスラエルの『独り勝ち』」と評したパレスチナではブッシュ抗議するデモが行われ、イスラエルでの世論調査では、和平進展懐疑的な意見多数占めた並行してハマース側はイスラエルロケット弾攻撃しイスラエル報復ガザ地区攻撃1月15日にはガザ市街に侵攻し民間人5人を含む17人を殺害したハマース側は、イスラエル集団農場キブツ)で作業していたエクアドル人ボランティア1人殺害した1月18日には、イスラエル空襲ガザにある内務省ビル破壊された。1月の間に、パレスチナ側から少なくとも96人の犠牲者出たイスラエルバラク国防相ロケット弾攻撃報復ガザ地区の完全封鎖指示し国連援助車両閉め出した。燃料供給止まったため、ガザ地区唯一の発電所操業不能となり、ガザ電気の1/3(イスラエル側の主張によれば、1/4)が供給できなくなったまた、食料などの生活必需品も、イスラエル兵糧攻めにより深刻な状況となっているという。17日には、国連潘基文事務総長が「パレスチナ人による襲撃即時停止、ならびイスラエル軍最大限自制求め」る声明出したが、イスラエルハマースはこれを無視した2008年2月28日来日中のオルメルト首相は、コンドリーザ・ライス米国国務長官会談し同日帰国したオルメルトは、攻撃自重求めライス対し、「脅威が去るまでは(攻撃を)続ける」とこれを拒否したまた、2月29日イスラエルマタン・ヴィルナイ国防副大臣は、「カッサムロケット弾がさらに撃ち込まれ遠くまで着弾するようになれば、パレスチナ人はわが身のうえに大規模なהשואה(shoah、ショアーナチスによるユダヤ人大虐殺意味する)を引きよせることになるだろう。というのは、我々は防衛のために全力を使うからだ。」 と述べハマース攻撃止めないならば、パレスチナ人大虐殺すると脅した。この発言にイタン・ギンツブルグ国防副大臣などは、「ショアー災害を表す普通名詞で、ジェノサイド(大量虐殺)を意味しない」 と火消しした。ハマースは、この発言に「(やはりイスラエルは)新しナチスであった反発した3月1日イスラエルガザ地区への地上部隊侵攻本格化させ、この日だけでパレスチナ側に61人の犠牲者出たイスラエル軍は、これを「暖冬作戦」と称している。イスラエル軍が、ハマースロケット弾攻撃による死者出たことを理由攻撃激化させた2月27日以降ガザ地区からひとまず撤退した3月3日までの6日間に、パレスチナ側は116人(約半数非戦闘員)、イスラエル側は3人(1人非戦闘員殺害されている。3月2日国連潘基文事務総長は、イスラエル作戦中止要請し、またハマースロケット弾攻撃を「テロ行為」と批判した。しかし、イスラエルオルメルト首相は「テロとの戦いをやめるつもりはない」と作戦継続宣言し、これを拒否した同日パレスチナ自治政府アッバース大統領は、ガザ侵攻止めるまで和平交渉中断発表した3月3日イスラエル軍ガザ地区から撤退しハマース勝利宣言出した。しかし、オルメルト首相は「寛大な措置を施す時期ではない。(パレスチナへの)応戦続けるが、応戦具体的な作戦日時限ったものではない」と再侵攻意志示し、さらにあるイスラエル政府高官は、3月4日5日アメリカのコントリーザ・ライス国務長官イスラエルパレスチナ訪問する予定触れ、「(ライス長官訪問合わせ二日間中休み取っただけ」と言った3月4日夜、イスラエル軍戦車で再侵攻行い武装勢力幹部宅を襲撃し幹部殺害ライス米国長官は、アッバース大統領対しガザ侵攻中止和平交渉再開条件にはならないとの見解示し、またイスラエルガザ侵攻については、「自衛権利があることを理解する」とこれを容認したアッバースは、和平交渉再開認めたが、双方見解の相違もあり、具体的な日程見通し立っていない。イスラエルは、「暖冬作戦」の第2弾として、都市隠された武器捜索予定しているという。 3月6日イスラエル神学校パレスチナ人の男が乱入生徒ら8人を射殺し、男はイスラエル治安当局射殺された。神学校は、ユダヤ人入植者思想的拠点だった。アッバース大統領ブッシュ大統領、潘国連事務総長らは相次いでテロ非難声明出したまた、ブッシュ大統領は、オルメルト首相に電話弔意伝えと共に、「アメリカイスラエル強く支持する」と述べた一方ハマースは「(パレスチナ人虐殺対する自然な反応だ」と、犯行支持する声明出したアメリカは、国連安保理テロ事件として非難声明採択要求したが、リビアイスラエルによるパレスチナ攻撃非難すべきと主張し採択見送られた。犯行そのものについては、ハマース認めたという報道 と、ヒズボラ関係者とする報道 があり、情報錯綜している。3月10日エジプト仲介で、イスラエルハマース当面攻撃自制同意した。しかし、オルメルト首相は「軍はガザ必要なだけ行動する」と述べており、また停戦条件として、ハマースイスラエルガザ封鎖解除を、イスラエルハマース武器密輸停止要求している。3月12日イスラエルベツレヘムなどでイスラム原理主義組織イスラム聖戦幹部ら5人を暗殺しイスラム聖戦ガザ地区からロケット弾報復攻撃した。イスラエルガザ地区空襲し、イスラム聖戦戦闘員4人を殺害した一方パレスチナ自治区内のイスラエル入植地については、3月9日には、イスラエルは「9年前決定していた」ことを理由に、ギバットゼーブ入植地拡大決定した日本国連などは、入植地拡大懸念表明した3月31日にも、「拡大凍結対象外」と主張し東エルサレム郊外入植地増設発表したライス米国長官は、「入植止めるべきだ」と批判した一方イスラエル設けている400上の検問所道路封鎖について、約50箇所撤去発表した4月入ってガザ地区での攻撃続いており、4月中だけでパレスチナ側は46人以上、イスラエル側は10人の犠牲者出ている。この他4月16日には、ロイター通信ファデル・シャナが、イスラエル軍砲撃殺されている。また、イスラエル国連人権委員会によって調査のためにイスラエル入りする予定であったリチャード・フォーク入国を、「イスラエル行いナチス比べるなど、調査官として不公平」という理由拒否した6月19日エジプト仲介ハマースイスラエルは6ヶ月停戦踏み切った断続的に衝突は続くもののまだ平和であった。しかし、11月4日イスラエルエジプトとの地下通路掘られているという理由空襲した。その結果ハマース停戦中として攻撃手控えたが、イスラーム聖戦などが報復としてロケット弾発射し緊張高まったイスラエル系諜報テロ情報センターは、ハマース注意深く停戦守り一方で他の無法組織イスラム聖戦などのこと)との衝突避け停戦維持させるための政治面からの説得試みていると分析している。

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