入植地とは? わかりやすく解説

入植地

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/09/09 15:58 UTC 版)

入植地(にゅうしょくち)とは、開拓の為に移住した地・植民が移住した地の事を指す。

「移住地」「開拓地」とも言う。

概要

開拓などの為に、移住する地の事。その移住した人は「移民」・「開拓者」・「入植者」とも呼ばれる。国際的には植民地と同じ意味で使われることもあり、国家の支配体制を確立させる為に入植者を送り込もうとする思考は開拓植民地主義(英語版)と呼ばれる。

世界史においては、ヨーロッパの人々が定住を試みたアメリカ大陸やオーストラリア等の新世界、及び南アフリカ等の一部アフリカ地域の土地に対し、入植地と称することがある。

また、第二次世界大戦後の国際情勢を論じる場合、占領地に外部から移住してきた民間人の土地を入植地と称する。占領権力が自国市民を占領地域に移住させる行為はジュネーヴ第四条約第49条に違反する行為だが、特にパレスチナ、キプロス及び西サハラで大規模な入植行為が行われている。

日本

日本では、北海道の開拓において、移住してきた土地を入植地と称することがある[1]。明治には、北海道開拓の為に屯田兵を募り(道央以北に展開)、琴似屯田兵村などで効果を上げた。明治29年(1896年)には会津若松により、入植を行うための「会津植民組合」が設立されて開拓を行い、その入植地は久遠郡せたな町に地名としても残っている。北海道の新十津川町は、十津川村の村民が集団移住し開拓した町である。徳島県には「徳島県北海道移住関係資料」がある。また、上田静一(小学校教師)によって率いられて大正期に京都の被差別部落から人々を集めて実行された北海道移住[2] などの過去から、明らかにしない場合もある。

中東におけるユダヤ人入植地

中東におけるユダヤ人入植地は元々はユダヤ人の移住を図る目的で建設されたキブツ(集団農場)や大規模開発都市が起源であるが、国際社会を論じる際に主に問題となるのは1967年の第三次中東戦争以降にイスラエルが占領した地域における入植地のことを指す。

キプロス

キプロスでは、トルコによって北キプロスへの入植行為が行われている。

キプロスには元々ギリシャ系住民とトルコ系住民が居住していたが、キプロスの将来を巡る対立からキプロス紛争が1955年以降続いていた。1974年にギリシャ系住民によるクーデターが発生すると、トルコはトルコ系住民の保護を名目にトルコ軍をキプロスへ派兵し、同年の停戦までにグリーンライン以北(北キプロス)のキプロス島を占領した。停戦後、北キプロスでは北キプロス・トルコ共和国が建国され、トルコが国家承認を行なってからは両国間での人の移動が盛んになった。だが、トルコ以外の国は北キプロスを依然としてトルコ軍の占領地域と認識しているため、国際社会においてトルコから北キプロスへの移住(入植)行為はジュネーヴ第4条約第49条に違反する行為となる。ただし、北キプロスでは占領者と被占領者が同じ民族(トルコ人)で両者の混合が進んでいることから、「入植地」とその他の土地との区分は曖昧である。

西サハラ

西サハラでは、モロッコによって占領地への入植行為が行われている。

西サハラは元々スペイン領サハラであったが、スペイン撤退後の領有権を巡ってモロッコ・モーリタニアとポリサリオ戦線が対立し、西サハラ戦争(英語版)が発生した。モーリタニアは途中で領有権を放棄したが、モロッコは戦争を継続して1991年の停戦までに西サハラの凡そ7割を占領し、占領地で自国民の入植行為を後援した。西サハラにおける主権の行方は国際的に未確定と認識されているため、モロッコによる自国民の入植行為はジュネーヴ第4条約第49条に違反する行為と国際的に認識されている。だが、モロッコによる自国民の入植行為は続き、2005年までにモロッコ人入植者が西サハラ住民の3分の2以上を占める状態となった[3]。そのため、西サハラにおけるモロッコ人の入植地とその他の土地との区分は曖昧なものとなっている。

出典

  1. ↑ 例:新中札内村史_概要・入植者の経緯
  2. ↑ 大薮岳史著「北海道移住と上田静一」
  3. ↑ Shefte, Whitney (2015年1月6日). “Western Sahara's stranded refugees consider renewal of Morocco conflict”. ガーディアン. 2021年2月13日閲覧。

関連項目


入植地

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/14 05:43 UTC 版)

「イスラエル国防軍軍律」の記事における「入植地」の解説

命令432号(1971年6月1日) 入植地における警備の組織化に関する命令。IDFは、イスラエルの入植地に警備員を配置する命令を発行する権利を持つ。この命令は、そのような警備員の義務を定義する。警備は18歳ないし55歳の入植地居住者の義務とする。 命令669号(1976年6月27日) 入植地における警備の組織化に関する命令。命令432号の改正。「居住者」の用語を再定義。また、第5条で警備員の義務づけ年齢を「18歳ないし55歳」より「18歳ないし60歳」に拡大した。 命令783号(1979年3月25日) 地域評議会の運営に関する命令。5つのユダヤ人地域評議会を設立予定である。これらは、地区司令官によって指定された法律に従って管理される。地域評議会は、その地域のユダヤ人入植地のグループを管轄する。ユダヤ人入植者に対して、イスラエル本国の法律を適用させるための命令。 命令807号(9月30日) 宗教的サービスに関する命令。命令783号の改正。当局は、全ての地方自治体に宗教評議会を設立する権利を有する。これらの宗教評議会は、ユダヤ人入植地の宗教問題に責任を持つ。 命令892号(1981年2月1日) 地域評議会の管理(入植地)に関する命令。地区司令官が、地域評議会を管理するために地方裁判所を設けることは許可される。司令官は、地域協議会の境界を変更することができる。命令561号と761号は、廃止する。ユダヤ人入植者に対して、軍事裁判所とは別の裁判所を設置するための命令。 命令981号(1982年4月11日) ラビ法廷での判決に関する命令。民事行政は、ラビ法廷と控訴裁判所を設置することができる。第9条には、地方裁判所はユダヤ人の身分に関する問題を扱う権限を有していないと規定されている。ラビ法廷は、ユダヤ教徒(ユダヤ人)の婚姻・離婚・相続・養子縁組などを管轄している。ユダヤ人入植者のための設置。 命令1080号(1983年10月3日) イスラエルの火器のライセンスに関する命令。命令180号改正第2号、命令378号改正。命令378に従い、銃器所持のライセンスを付与することができる。軍司令官は、公共の安全のために必要と判断した場合はいつでもライセンスを取り消すことができる。 命令1116号(1984年2月28日) 宗教的サービスに関する命令。命令807号の改正2号。「地方自治体」を「地方委員会」に置き換える。

※この「入植地」の解説は、「イスラエル国防軍軍律」の解説の一部です。
「入植地」を含む「イスラエル国防軍軍律」の記事については、「イスラエル国防軍軍律」の概要を参照ください。

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