1804年任命
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「ナポレオン -獅子の時代-」の記事における「1804年任命」の解説
平民、元貴族、反ボナパルト派、共和主義者、王党派、カトリック、無神論者など、あらゆる人物が取り入れられた人選である。 ベルティエ ヴァンデミエール編で、ナポレオンが勤める本屋に客として訪れた際に、孫子の兵法書を購入し顔見せ登場。その後イタリア編から本格的に活躍する。鼻をほじる癖がある冴えない風貌の小男だが、有能な参謀であり指揮能力も高い。軍務の裏方やナポレオンの命令系統の伝達などの技量に関しては他者の追随を許さない。提出書類にこだわる官僚的側面や、自分の評価を執拗に気にする面を持つ小心なところのある人物であり、上司にあたるナポレオンの横暴や部下の無神経さに振り回され気味である。人使いの荒いナポレオンの元ではオーバーワーク気味で、周囲からも悲惨な境遇だと驚かれるほどである。限界を超えた疲労によるミスも。 独身だがイタリア名門貴族のビスコンティ夫人と愛人関係にある。東方遠征時には恋しさのあまりホームシック気味になり、彼女を崇拝する祭壇まで作って祈る始末であった。ナポレオン皇帝即位時、元帥に昇進した。 クーデター後第一執政となったナポレオンから陸軍大臣に任命されるも、マレンゴの戦いに際して司令官に戻される。カルノーの辞職に伴い、再度陸軍大臣に復職した。 ナポレオンの勧めによりバイエルン王の姪と結婚。同時期に未亡人となったビスコンティ夫人と妻妾同居を始める。妻と愛人は良好な関係であった。 マッセナ 声 - 髙階俊嗣 トゥーロンに派遣された援軍の指揮官で、デュゴミエの部下であった。幼いころは叔父のもとで石けん作りを手伝っており、そこで身につけた腕力をいかしマッセナ団というギャングを結成していた。石鹸を一定の大きさに切るための鍬状の道具を凶器(武器)として振るう。略奪を好み、自身から奪われる・奪われた物を返却されることを異常に嫌う。極めて物欲が強く、密貿易で懐を潤している。部下への年金すら惜しむ吝嗇さは「ドケチ」と軽蔑されている。 戦場まで愛人を同行するほど好色な人物であり、スルトら部下から猛反発を受けることも少なくない。欠点も多いが沈着冷静で極めて有能な指揮官である。 トゥーロン攻囲戦では敵の金庫を襲うべく、ラルティック要塞を襲撃する。イタリア編でも金銭への執着は相変わらずであり、略奪や軍の補給品の横流しを散々やらかした挙句に男装させた愛人を前線に連れて来るなど、問題行動も多かったが随所で活躍した。東方遠征中はスイスで防衛に当たり、ロシア軍のスヴォーロフ相手に粘り強い戦いぶりを見せた。その後圧倒的な不利の中、ナポレオンの救援を待ちながらジェノバで篭城する。限界まで粘る中でもはったりと凄みを見せ敵相手に有利な交渉を行い、ついに開城した。ナポレオンが第一執政となった後は、反ナポレオンの動きを見せるようになる。第一執政時代の兎狩りが原因で隻眼となった。ナポレオン皇帝即位時、元帥に昇進した。 ポルトガル遠征ではウェリントン相手に苦戦し、ウェリントンがリスボン北方に築いたトレス・ヴェドラス線(英語版)を攻めあぐね大敗。罷免され、軍人としての経歴を失意のうちに終えた。 オージュロー 声 - 千葉繁 イタリア方面軍の師団長。粗暴かつ横柄な性格で、母親がドイツ人のためか訛った口調で話す。独特のファッションセンスの持ち主であり、上半身裸か素肌に直接軍服を着用するのが気に入っているようで、乳首毛専用の小型櫛を携帯している。自ら戦うことを好み、サーベルや二挺拳銃で戦闘に参加することも多い。 フリュクチドールのクーデターでは実働部隊として活躍。東方遠征には不参加。ブリュメールのクーデターでは、彼と同じくジャコバンであるベルナドットと共に監禁拘束された。その後は執政政府に忠誠を誓うも、過激なジャコバン派である彼は、カトリック教会の復権を初めとする宗教政策などが原因で徐々にナポレオンに反発を抱くようになる。 書類を一切提出しないなどおおざっぱな性格であるために、神経質なベルティエとは諍いが絶えなかった。一方でランヌと懇意である。ナポレオン皇帝即位時、元帥に昇進した。 気前がよく人情に篤い性質からか部下に大変慕われており、愛妻家である優しい一面も持つ。高熱に浮かされていたアイラウの戦いでは、亡妻の幻を見ていた。 ミュラ 声 - 成田剣 ヴァンデミエール編から登場。猟騎兵連隊隊長。ナポレオンの義弟。 おしゃれで派手好きな長身の美男子で、女にもてるため恋愛には自信を持っている。自分の美貌に誇りを持っており、顔に傷つけられることをひどく嫌っている。一度、ナポレオンが店員を勤める本屋に客として訪れたが、ヴァンデミエールの反乱で彼と再会し、立場が逆となる。以後、ナポレオンの副官の一人として彼に付き添う。 イタリア編では単騎で敵中に取り残された味方の将軍を救出し、敵からの称賛に恍惚とした表情を浮かべる、自分より目立つ者を妬むなど、軽薄で目立ちたがり屋な側面を見せる。性格的にそりの合わないランヌと対立し、妻となるカロリーヌをめぐっては激しい鞘当てを繰り広げた。ナポレオン皇帝即位時、元帥に昇進した。ナポレオンの義弟であることからも順調な出世街道を歩み、パリ司令官、フランス大公、ベルクおよびクレーヴ公などを歴任、ナポリ王となる。皇帝の義弟として権勢を誇るものの、妻カロリーヌの野心と策謀に振り回される。ナポレオン不在時にはタレイランやフーシェに傀儡として担ぎ上げられ、クーデター未遂を起こされている。 ベシェール イタリア遠征より登場。長髪と濃い髭の剃り跡が外見上の特徴である。かつては床屋であり、ミュラとは同郷出身の親友である。騎兵出身であり、ナポレオンの護衛にあたることが多い。ランヌとは大変相性が悪い。ミュラがカロリーヌに求婚した際は、恋敵となったランヌ妨害に協力。怒りに燃えたランヌによって真夜中、自宅を襲撃された。ランヌが30万フランの軍資金を使い込んだ際もナポレオンに密告しており、怨みをかった。ナポレオン皇帝即位時、元帥に昇進した。 ロシア遠征失敗後、リュッツェンの戦いにおいて、胸部に砲弾の直撃を受け戦死。戦死時の本人の回想で、革命時には王党派寄りであったことが語られている。 ベルナドット イタリア編末期にイタリア方面軍に転属となった将軍。過激なジャコバン派であり反ボナパルト派の思想を持つ。ナポレオンの兄・ジョゼフの妻ジュリーの妹デジレと結婚しており、ボナパルト一族の一員である。 一見紳士的で誠実であるが、実際はかなりプライドが高く、蔭でナポレオンやオッシュの活躍に対する妬みや、自身を高く評価しない上層部への不満を小声でぶつぶつと呟き続けるという、狭量な印象を与える癖がある。ブリュメールのクーデターではシェイエスから首謀者に加わるよう勧誘されるが断り、当日はナポレオンに監禁拘束された。ナポレオン皇帝即時、元帥に昇進しのちにポンテコルヴェ公となった。 深刻な軍令違反で味方を窮地に追いやったため、ナポレオンは何度も罰しようとするが、妻・デジレへの後ろめたさから処断できずにいる。 ダヴーはじめ周囲の同僚からは嫌われており、軍人としての素質も優れてはいないが、紳士的な寛大さを持ち合わせている。スウェーデン軍兵士への寛大な処置は相手に深い感銘を与えた。後継者を失ったスウェーデン王室の要請により、スウェーデン王太子となる。 フランスがロシアと戦端を開いた後は、かつての祖国を裏切り秘密裡にロシアと手を結んだ。 スルト 作品冒頭アウステルリッツの戦いにて初登場。第4軍団司令官。ナポレオン曰く“フランス最良の戦略家”。ただし、スルト自身はナポレオンを一歩引いた客観的な目で見ている。 第一執政時代に再登場。この時点では軍務を退いており、腕のよいパン職人としてビクトルのビストロで働き、吝嗇であるとして嫌っていた元上官のマッセナと乱闘になったことがある。カドゥーダルによる第一執政暗殺計画を防いだことが契機となり、軍籍に復帰。ナポレオン皇帝即位時、元帥に昇進した。出世後は貪婪な性質が剥き出しになり、マッセナ以上の掠奪と蓄財に励んでいる。ランヌと不仲。 ネイ 燃えるような赤毛が特徴の将軍。ドイツ語に堪能。樽職人の家に生まれるものの、伝説に残るような英雄になりたいと願ってきた。そのため家業を継ぐことを嫌がり兵士となる。性器名称を好み、やけに口にする癖がある(これは史実準拠)。モローの配下から第一執政となったナポレオンの配下に加わり、ナポレオン皇帝即位時、元帥に昇進した。 女性関連では失敗が多く、モローの愛人イダ、サーカスの娘ジャンヌら相手に失恋を繰り返しては自殺未遂を繰り返していた。マリー・アントワネット侍女の娘にあたるアグラエを娶り、やっとこの悪癖は落ち着いた。酒癖が悪いのも難点。これさえなければ「理想の上司」と部下からは評されている。 戦争と名誉を神聖視し、敵味方問わず勇敢な者を重んじ負傷兵を見捨てるようなことはしない。馬鹿かと思えば賢く、厳しいかと思えば優しく、大胆かと思えば繊細と、はかりかねる部分の多い規格外の男である。非常に勇猛果敢であるがやや思慮に欠ける点があると自他ともに認めており、勇み足で味方を窮地に追い込むこともある。 ランヌ イタリア編より登場。禁欲的な人物で常に「どこでも戦える兵士」たらんと意識している。身体能力も高く、行軍の際に素早く山を駆け下りたり、市街戦の際にオーストリア軍のバリケードに設置された大砲から発射された釘と銃弾を二角帽子で受け止め拡散を防いだりするなど、常人離れした運動能力の持ち主として描かれている。極めて勇敢・実直な性格ではあるのだが、粗暴な一面も併せ持ち、頭に血が上れば無抵抗の女子供をも容赦なく虐殺しかねないため、「狂犬」と非難されることもある。口ばかり動かして働かない奴や軽薄で自分勝手な人間を嫌っており、ミュラと対立している。ミュラの妻となるカロリーヌをめぐっては激しい鞘当てを繰り広げた。ナポレオンに高く評価されており、また彼もナポレオンに心酔しており、階級を越えた真の友人同士である。 積極的で勇猛果敢な性格ゆえに、しばしば前線で部下を叱咤激励し、さらには自ら突撃をも繰り返す。そのため負傷も多く、東方遠征後半で受けた傷が元で首が曲がる障害を負ってしまう。それでも驚異的な生命力の持ち主であるため回復が早く、すぐに前線に復帰する。彼の部下もまた、勇将のもとで類い希な勇気を発揮する。粗暴でけんかっ早いトラブルメーカーでもある。金銭感覚にルーズな面も持ち合わせていて、軍資金から30万フランを無断で使い込みが発覚した際は、ポルトガル大使に左遷されるも、ナポレオン皇帝即位時には元帥に昇進した。なおこの時、トレードマークであったおさげを断髪した。負けん気が強いせいか同僚と対立することが多く、ミュラ、ベシェール、スルトと仲が悪い。特にミュラは「うんこミュラ」と呼ぶほど嫌っているが、何かと行動を共にすることが多い。半島戦争から厭戦傾向を見せるようになる。 最初の妻とは妻側の不貞が原因で離婚。カロリーヌの本性に幻滅したこともあり女性不信気味であったが、ナポレオンの勧めで再婚した愛妻・ルイーズとは温かい家庭を築いた。 アスペルン・エスリンクの戦いで両膝に砲弾の直撃を受け、右脚切断の重傷を負い壊疽が悪化して死亡した。 ダヴー 声 - 大羽武士 作品冒頭アウステルリッツの戦いにて初登場。通称“不敗のダヴー”。ナポレオンの義弟にあたるルクレールの妹と結婚しており、ボナパルト一族の一員である。 貧乏貴族の家庭に生まれる。幼年学校時代にも登場し、ナポレオンとフェンシングで勝負している。「ダヴー外伝 禿鬼」では、頭髪がよく抜けることを気にしながらも、派遣議員暗殺の真相とデュムーリエ将軍の裏切りと内通を見抜くという鋭さを見せた。なお、この作中でダヴーがフェルニッヒ姉妹(英語版)を殺害しているが、史実ではない。 東方遠征編においてドゼーの部下として再登場。身なりに無頓着な性格のためか、頭髪が乱れがちで、服も臭うことがある。初めはナポレオンに反感を抱くものの、その軍人としての力量に圧倒され、熱烈に崇拝するようになる。エジプト遠征の帰路にて、ビクトルらとともに英国海軍に捕縛されるも解放された。 執政政府では調査室長に任命され、ナポレオン皇帝即位時、最年少34歳で元帥に昇進した。元帥の中でもトップクラスの指揮能力を持ち、イエナ・アウエルシュタットの戦いでは倍のプロイセン軍を相手に一歩も退かず見事勝利を収めた。 モンセイ ブリュヌ ヴァンデミエールの反乱勃発時に国民公会側で参戦(名前はイタリア編で登場する)し、ナポレオンの大砲使用については「言いにくいことをあっさり口に出した」と評していたことから、自身でもそのように考えていたと窺わせる。 リヴォリの戦いの少し前にイタリア方面軍へ転属となり、ジュベールと共にナポレオンの幕僚として身近にいた。ジュベール同様長身であるため、2人が近くにいると、ナポレオン曰く「山に挟まれた気分」になる。ナポレオン皇帝即位時、元帥に昇進した。 ジュールダン モルティエ 名誉元帥として、長年の功績が認められた以下の老将軍が任命された。 セリュリエ 単身最前線で敵の矢面に立ち味方を奮起させる(このことは実際のマルモンの手記に記されている)など、革命後の新時代においても、旧貴族本来の気高さや騎士道を守り通す老将軍。士気を高めるために兵士達に略奪を奨励するナポレオンの方針に不服を抱きつつも、従っている。ナポレオン皇帝即時に名誉元帥に昇進した。 ケレルマン(父) マレンゴの戦いで突撃したフランソワ・エティエンヌの父。 ペリニョン ルフェーブル モロー失脚後最も尊敬されている革命戦争の英雄。裏表のない性格で、絵に描いて額に入れたような軍人と評される。軍人としては凡庸だが、堅実性があり誠実さが持ち味。 作中では、元帥就任の幸運を祝福した友人に、千発以上の弾丸をくぐりぬけてきたと返した逸話が紹介された。 周囲から尻に敷かれていると思われるほどの愛妻家。妻は従軍していた元洗濯女で、気取らぬ性格をしている。
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