大公とは? わかりやすく解説

たい‐こう【大公】

読み方:たいこう

1 ヨーロッパの君主の一門の男子をいう語。

2 ヨーロッパの小国の君主をいう語。その国を大公国という。「ルクセンブルク―」

[補説] 作品名別項。→大公


たいこう【大公】

読み方:たいこう

《原題、(ドイツ)Erzherzog》ベートーベンのピアノ三重奏曲第7番の通称。変ロ長調。1811年の作。名称は、優雅で堂々とした曲想であることと、ルドルフ大公に献呈されたことにちなむ。大公トリオ。


大公

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/07/03 16:12 UTC 版)

大公(たいこう)は、称号の一つ。ヨーロッパの称号のうち公、公爵と訳されるものよりさらに上の称号を訳すのに使われる。大公と訳される称号には、「grand duke」などいくつかある(以下、原義を示すのに便宜上原則として英語を用いる)[1]。

grand duke

grand duke は、王(king)の下、公(duke)の上に位置する。王族の王以外のものや、分家の長が称することが多い。grand duke が元首となる国は大公国(grand duchy)。大公爵と訳すこともある。

歴史上の grand duke には、以下の例が挙げられる。

このうち現存するものは、ルクセンブルク大公国のルクセンブルク大公のみである。

grand duke / prince (露великий князь)

ヴェリーキー・クニャージはモスクワ大公などの称号である。もとはキエフ大公にのみ用いられた。諸公(князь)の上に立つ者という位置づけである。

この場合の「公・大公」は当時の現地語で「князь(クニャージ)」といい、英語ではprince、日本語では「公」と訳されているが、これは翻訳当時の都合であり、本来はむしろ「王」に相当するものであった。 キエフ・ルーシ時代には、すべての公の上に立つキエフ大公により派遣される一族によって各公国は治められていた。

その後、ロシア帝国時代にはツァーリ・皇帝の下に置かれる爵位のひとつとして「大公」の称号が用いられた。従って、この両者はキエフ・ルーシ時代のものとはまったく性格の異なるものであるといえる。

英語ではgrand princeが直訳であるが、grand dukeと訳すことが多い。

なお、「大公国」という名称は必ずしも正式のものではない。

archduke (独Erzherzog)

Erzherzog(英語:archduke)は、オーストリアのハプスブルク家の成員が使う称号である。オーストリア大公のほか、オーストリア=エステ大公と称する例もある。オーストリア公ルドルフ4世が自称したことに始まり、16世紀以後はハプスブルク家の全ての男子の成員が使用(女性形はErzherzogin)するようになった。

前ハプスブルク家当主の元オーストリア皇太子オットー・フォン・ハプスブルク、およびその息子で現当主のカール・ハプスブルク=ロートリンゲンも Erzherzog を称する。

prince

君主や諸侯一般を指す語であり、称号として用いられるときには「公」もしくは下記のように「大公」と訳される場合がある。

フランス語圏・英語圏の prince は、フランス語の duc、英語の duke の上位の爵位に位置付けられ、「大公」と訳される場合がある。

duke (仏duc; 独Herzog)

初期中世のドイツやフランスにおける(ラテン語の)dux(英duke、仏duc、独Herzog)に「大公」という訳を当てることもある。この時代の dux は後世と違い、主として各部族の長という意味合いを持っていた(部族大公制)。

しかし、権力のあり方としてはともかく、称号としては後の爵位としての dux の起源であり、実際に承継されている例もある。例えば初期中世のバイエルン大公(バイエルン人の部族長)やロートリンゲン大公(ロートリンゲン地方のフランク人の部族長)は、後世ではバイエルンやロートリンゲン(ロレーヌ)の領主の称号となり、近世の文脈であれば「バイエルン公」や「ロートリンゲン公(ロレーヌ公)」と訳されるのが通常である。

本来の言語ではこのような名称による区別を行ってはおらず、あくまで日本において研究者により訳語が統一されていないということに過ぎない。また、研究者によっては初期中世に限定せずに用いることもあり、また「太公」の訳語を用いる者もいる[2](ただし、この語は漢語では別の意味を有する)。この意味で用いられる「大公」については公を参照。

the Great

「偉大な公」の意味で「大公」を用いることがある(ユーグ大公、シュテファン大公など)。偉大な王という意味の「大王」、偉大な皇帝という意味の「大帝」と同義であり、例えば英語なら、この場合の大公も、大王も大帝もひっくるめて「The Great」と呼ばれており、区別されない。日本語訳の際に公か王か皇帝かで区別されるのである。

脚注

  1. ↑ 新村出編『広辞苑 第六版』(岩波書店、2011年)1677頁および松村明編『大辞林 第三版』(三省堂、2006年)1503頁参照。
  2. ↑ 大仏次郎の小説「詩人」ではロシア帝国のセルゲイ・アレクサンドロヴィチ大公を「セルゲイ太公」と呼んでいる。ただし、これは上述の великий князь の訳である。

参考文献

文献資料


大公

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/06 13:27 UTC 版)

「フランク王国」の記事における「大公」の解説

フランクの地方支配において伯と並び重要な存在として大公(太公、dux)がいた。「アレマン人の大公」や「バイエルン人の大公」と呼ばれるこれらの大公は、形式上はフランク王国の官職位であり、フランク王により任免が行われた。この地位は大公(dux)という称号が完全に一般化するまではしばしば侯(marchio)とも呼ばれた。彼らは軍指揮官として王国軍の一翼を担うとともに、特定地域における行政上の権限を掌握していた。支配地域のすべての伯の上位に立つこの大公がどのような存在であるかについては長い議論が行われている。統一的な国家体制が存在しなかったフランク王国の他の地位と同じく、大公(dux)の性質も時代的、地域的な差異が大きいものであったと考えられている。 ラテン語の史料に表れる大公(dux)位を、ゲルマン古来の部族の中から現れた固有の命令権者(ヘリツォーゴ、Herizogo, 独:Herzog)とするか、またはフランク王国による支配のためにメロヴィング朝の王によって任命された官職保有者として現れたものとするかについては長い議論が行われている。前者の見解を支持する研究者によれば、部族的軍隊王権に基盤を置いた「大公」の支配領域はフランク王国によって征服されたあとも、「国家内国家」的な性格を喪失しなかったとされる。しかし、現代の研究ではこのような「大公」位を各部族による自生的制度と見なす見解は否定的にとらえられている。これらの大公位は、たとえばアレマン人の領域ではクローヴィス1世による征服のあと、旧来の王(rex)に代わって大公(dux)が任命されており、バイエルン大公もまたテウデベルト1世によるザルツブルクおよびイン川上流一帯の軍事的制圧直後に歴史に登場するためである。 しかし、どのような起源を持つにせよ、またフランク王権に従属していたにせよ、バイエルンやアレマンネンの大公はその支配域内において地元の部族的な紐帯に支えられ強大な権限を保有することになった。大公は領内において国王を代表し、伯権力の上に立つとともに、最高位の軍指揮官であり、裁判官であり、教会の長であった。またバイエルンのアギロルフィング家のようなこれを世襲する一族は、法律上も貴族層からも卓越した存在として扱われ、大公領を分割相続することができた。この意味において大公領における大公の存在は「王」そのものであり、同時代史料の中にはバイエルン大公を王(rex)と呼んでいるものも存在する。大公はフランク王に対する軍役と貢納を果たす以外は、独自の内政・外交政策を推し進めることも可能であり、これゆえにフランク王と衝突も繰り返した。彼らはきわめて曖昧な誓約によってかろうじてフランク王と結びついていたにすぎなかった。このため、フランク王の側ではたとえばカール1世によるバイエルン大公タシロ3世(英語版)の廃位のように、大公権力の掣肘が常に試みられた。

※この「大公」の解説は、「フランク王国」の解説の一部です。
「大公」を含む「フランク王国」の記事については、「フランク王国」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「大公」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ。

「大公」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳

英語⇒日本語日本語⇒英語

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「大公」の関連用語

大公のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



大公のページの著作権

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの大公 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのフランク王国 (改訂履歴)、シンデレラ (1950年の映画) (改訂履歴)、獣の奏者 (改訂履歴)、ダウマンタス (リトアニア大公) (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2026 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2026 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2026 GRAS Group, Inc.RSS