ヤール
ヤール
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/01/10 06:45 UTC 版)
| 欧州の貴族階級 |
|---|
| 皇帝 / 女皇 / 王・皇帝 / 女王・女皇 / カイザー / ツァーリ |
| 上級王 / 上級女王 / 大王 / 大女王 |
| 王 / 女王 |
| エァッツヘァツォーク(大公) / 皇女 / ツェサレーヴィチ(皇太子) |
| ヴェリーキー・クニャージ(大公・皇太子) 大公 / 女大公 |
| 選帝侯 / プリンス / プリンセス / クラウンプリンス / クラウンプリンセス / プランス・エトランジェ / 血統親王 / インファンテ/ インファンタ / ドーファン / ドーフィン / クルレヴィチ / クルレヴナ / ヤール |
| 公爵 / 女公 / ヘルツォーク / クニャージ / 諸侯級伯 |
| フュルスト / フュルスティン / ボヤール |
| 侯爵 / 女侯 / 辺境伯 / 方伯 / 辺境諸侯 / 宮中伯 |
| 伯爵 / グラーフ / シャトラン / (カステラン) / 城伯 |
| ヴァイカウント / ヴァイカウンテス / ヴィダム |
| バロン / バロネス / フライヘア / アドボカトゥス / ロード・オブ・パーラメント / セイン / レンドマン |
| バロネット / バロネテス / スコットランドの封建領主 / リッター / 帝国騎士 |
| エクィテス / ナイト / シュヴァリエ / リッデル / レディ / デイム / 自由騎士 / セニャール / ロード |
| ジェントルマン / ジェントリ / エスクワイア / レアード / エードラー / ヨンクヘール / ユンカー / ヤンガー / メイド |
| ミニステリアーレ |
ヤール (スウェーデン語: Jarl) は、中世スウェーデンにおけるステンキル家やフォルクング家などの国王家級の家に与えられた称号。日本語では「将軍」と訳される場合もある[1]。12世紀前半以降は、もっぱらスウェーデン王に準ずる個人の称号となった。
歴史
プロコピオスによれば、数世代にわたってヨーロッパ大陸中を襲撃してまわったヘルール族が、敗北を喫して512年に故地スカンディナヴィアに撤退した。しかし彼らの故地は既にデーン人に占領されていたため、 イェート人 (Geats) の勢力に隣接する今日のスウェーデンに住み着いた。この謎の多い部族が使用したノルド祖語の単語"erilar"[要出典]がヤール (jarl) や英語の伯 (earl) の語源となった。この語は「読み書きができる者」を示していると考えられており、彼らは北ドイツから文字の存在していなかったスカンディナヴィアにルーン文字をもたらした[2]。 おそらくは、ヘルール族のルーン文字を読み解く知識は人々を統率する能力に直結しており、ヘルール族がスカンディナヴィアの人々と少しずつ融和していく過程で、ヤールの称号は指導者の身分を意味するようになった[3]。アイスランドのサガなどでは、ヤールは王の次に身分の高い族長のようなもので、国王軍の中では元帥の役割を果たしている。あらゆる中世の文書において、ヤールは明確に国王直属の指導者と位置付けられていた[3]。その伝説的な起源は、アイスランドのエッダ詩『リーグルの詩』にみることができる(その項を参照)。
スウェーデンの歴史上では、ヤールは地方の支配者とも、国王に任命される副王のようなものともとらえることができる立場で、ヴェステルイェートランドやエステルイェートランド、 Svitjodなどの歴史的なスウェーデンの地域を統治していた。時には、スウェーデン国外の地域のヤールもスウェーデンのヤールと同様に任命されることがあった。このケースの一例がヨーン・ヤールで、記録によれば、彼は東方のノヴゴロドで略奪行為を指揮していた。ノルウェーでは各地域にヤールが存在したが、この名称は14世紀にはオークニー諸島のみで用いられるようになった[要出典]。
10世紀の中ごろから、スウェーデンではヤールは王権に付く一人に与えられる称号となり、地方の支配者はドゥクス (dux) またデューク (duke) すなわち公と呼ばれるようになっていった[要出典]。12世紀後半から13世紀にかけて、スウェーデンのヤールとなったビルイェル・ブローサ、ウルフ・フォース、ビルイェル・ヤール(マグヌソン)らは国王をもしのぐ権力を持ち、実質的なスウェーデン王国の支配者となった[3]。
1250年にフォルクング家がスウェーデン王位を継承するようになって以降、ヤールは公に包含されるようになり、その役割や権限は1266年にビルイェル・ヤールが死去した後に国王のものとなった[要出典]。
スウェーデンのヤール
- 諸家
- ジョン・スヴェルケルソン:スウェーデン王スヴェルケル1世の長子 [要出典]
- カール・スヴェルケルソン:ジョン・スヴェルケルソンの次子、イェータランドのヤール [要出典]
- ヤール・ラグヴァルド・ヘンリクソン:マグヌス2世の兄弟 [要出典]
- ウルフ・ヤール:1020年代のヤール[4][要出典]
- ヤール・グットルム:1160年代のヤール [要出典]
- フォルクング家
- フォルケ(肥満公):1100年ごろ[要出典]
- ベンクト・スニヴィル:12世紀中ごろ?[要出典]
- ビルイェル・ブローサ:1174年 - 1202年[5]
- ヨハン・スヴェルケルソン:1202年 - ?[5]
- ヨーン・ヤール:? - 1206年?[5]
- クヌート・ビルイェルソン:? - 1208年[5] レーナの戦いで戦死
- フォルケ・ビルイェルソン:1208年 - 1210年[5] イェスティールレンの戦いで戦死
- カール・ドーヴ(聾公):1210年? - 1220年[5] リフラの戦いで戦死
- ウルフ・フォース:1220年? - ?年、1231年 – 1240年、1247年死去[5]
- ビルイェル・ヤール(マグヌソン):1248年 - 1266年[5]
ヴェステルイェートランドのヤール
- ステンキル家
- ウルフ・トースティソン
- ラグンヴァルド・ウルフッソン:1010年 - 1020年
現代のヤールを取り上げた作品
- 北欧神話をモチーフとしているThe Elder Scrolls V: Skyrimでは、地方の首長にヤールの名称がもちられている。
- 歴史RPGMount & Blade: Warbandでは、中世ノルマン人をモデルとした「ノルド人」の首長をヤールと呼んでいる。
注記
参考文献
- Lindström, Fredrik; Lindström, Henrik (2006) (Swedish). Svitjods undergång och Sveriges födelse. Albert Bonniers förlag. ISBN 978-91-0-010789-5
- 熊野聰 著「第3章 内乱と王権の成長」、百瀬宏, 熊野聰, 村井誠人 編 『北欧史』〈世界各国史21〉(新)山川出版社、1998年。 ISBN 978-4-634-41510-2。
関連項目
ヤード
(ヤール から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/20 13:33 UTC 版)
| ヤード(英: yard、国際ヤード) | |
|---|---|
| 記号 | yd |
| 系 | ヤード・ポンド法 |
| 量 | 長さ |
| 定義 | 0.9144 m(正確に) |
ヤード(英語: yard、碼)は、ヤード・ポンド法における長さの単位。主要国ではイギリスとアメリカ合衆国で用いられているほか、ゴルフやアメリカンフットボールなど特定のスポーツで用いられている単位である[1]。
後述のように身体尺を起源とする単位ともいわれており基準は不安定であった。しかし、現在では国際単位系のメートルを基準として、1 ヤードは正確に 0.9144 m と定義されている[1]。1 ヤードは 3 国際フィート に等しい。1 国際フィートは 12 インチであるので、1 ヤードは 36 インチになる。1 国際マイルは 1760 ヤードである。
ヤード・ポンド法という名前に使われている通り、ヤードはこの単位系における長さの基本単位であり、その他の単位はヤードの分量・倍量単位となっている。しかし、実際にはフィートを元にして組み立てられた単位が多い。ヤード・ポンド法に時間の単位秒を加えた単位系は、foot, pound, second の頭文字をとってFPS単位系と呼ばれている。
1ヤードはおおよそ成人男性の一歩だと言われている。[要出典]
歴史
起源
ヤードはその長さから、古代ギリシャなどで使われていた長さの単位であるキュビットの二倍のダブルキュビットが元になっているものと考えられる[1]。しかし、ヤードの起源とされる説は多数ある。
これらはダブルキュービットから派生した各種の単位の起源であり、それらを統一するためにヤードという単位が作られたと考えられ、また、ヤードの標準化の過程であるとも考えられる。ヤードという言葉は、まっすぐな枝または棒が語源であるとされている。
初期のヤードの分量単位はヤードを2等分、4等分、8等分、16等分したもので、それぞれ half-yard、span、finger、nail と呼ばれた。
イギリスおよび英連邦では、1855年に青銅製の「帝国標準ヤード原器」を作成し、その長さを帝国標準ヤードと定めた。アメリカでは、1893年にメートルを法律上の正規の長さの単位と定め、ヤードはメートルを基準として (3600/3937) m(約 0.914 401 8288 m)と定めた。こうして、イギリスとアメリカで異なるヤードが用いられることとなった。
国際ヤード
1958年7月に科学・工業の分野で用いる単位については 1 ヤードを正確に 0.9144 m とするという国際協定がカナダ、オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカ、イギリス、アメリカの6か国によって結ばれた。これが国際ヤードである[2]。これによって1フィート(国際フィート)は、正確に0.3048m に、1インチは、正確に0.0254m = 25.4mmとなった。ただし、イギリスでは法律上はヤード原器の長さをヤードとし続けていたが、1963年に度量衡法を改正して(Weights and Measures Act 1963) 1 ヤードを正確に0.9144 m と定めた[3]。
なお、アメリカでは測地測量用に、国際フィートとは少し異なる測量フィート(英語: U.S. survey foot)があるが、アメリカにおいても「測量ヤード」というものはなく、国際ヤードのみが定義されていることに注意すべきである(フィートの項を参照)[4]。
現状
ヤードは、かつて欧米で広く使用されてきたものの、今でも使用されている国家は、イギリスとアメリカ合衆国のみとなっている[1]。日本では少数の例外を除き、他のヤード・ポンド法の単位同様、ヤードの使用は禁止されている(ヤード・ポンド法#歴史)。
スポーツでは、ゴルフやアメリカンフットボールで慣用的に用いられている(アメフト選手のラン及びパスによる「獲得ヤード数」は個人成績データの一つ)[1]。かつてこれらの競技でも、メートル法に移行する動きがみられ、例えば日本のゴルフ界では、当時の通商産業省による単位統一の方針を受けて、1976年(昭和51年)から1984年(昭和59年)にかけて、ゴルフ場のヤード表示を廃止していた[1]。しかし、国際大会では依然としてヤードが使用されていたため、メートル法の使用が定着することはなかった[1]。
単位記号
ヤードの単位記号は、ISOにおいてもJISにおいても「yd」と定められている[5]。これを受けて、日本の計量法でも単位記号は「yd」としている[6]。米国においても同じである[7]。
なお、漢字で碼と書くことがある。日本語では、特に布地の長さについてヤールと呼ぶ場合もある。
組立単位
出典
- ^ a b c d e f g h グループSKIT『これは使える!「○○の単位」事典』PHP文庫、2014年。
- ^ [1]
- ^ [2]
- ^ [3] NIST Handbook 44 - 2013 Edition, Specifications, Tolerances, and Other Technical Requirements for Weighing and Measuring Devices, Appendix B. Units and Systems of Measurement Their Origin, Development, and Present Status, 2.2.5. Status of the Metric System in the United States., Measurements expressed in U.S. statute miles, survey feet, rods, chains, links, or the squares thereof, and acres should be converted to the corresponding metric values by using pre-1959 conversion factors if more than five significant figure accuracy is required. ページB-7
- ^ ISO31-1:1992(翻訳はJIS Z8202-1:2000 量及び単位-第1部:空間及び時間) 付属書A(参考)フート、ポンド及び秒を基本とする単位及びその他の単位 (なお、「これらの単位は、用いない方がよい。」との記述があることに注意)[4]
- ^ “計量単位規則(平成四年通商産業省令第八十号)別表第6(第2条関係)長さ”. 2019年12月21日閲覧。
- ^ U.S. Government Printing Office Style ManualAbbreviations and Letter Symbols、9.58、p.237,p.251
関連項目
外部リンク
| メートル(SI単位) | インチ | フィート | ヤード | 寸 | 曲尺 | 鯨尺 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 m(メートル) | = 1 | ≈ 39.370 | ≈ 3.2808 | ≈ 1.0936 | = 33 | = 3.3 | = 2.64 |
| 1 in(インチ) | = 0.0254 | = 1 | ≈ 0.083333 | ≈ 0.027778 | = 0.8382 | = 0.08382 | = 0.067056 |
| 1 ft(フィート) | = 0.3048 | = 12 | = 1 | ≈ 0.33333 | = 10.0584 | = 1.00584 | = 0.804672 |
| 1 yd(ヤード) | = 0.9144 | = 36 | = 3 | = 1 | = 30.1752 | = 3.01752 | = 2.414016 |
| 1 寸 | ≈ 0.030303 | ≈ 1.1930 | ≈ 0.099419 | ≈ 0.033140 | = 1 | = 0.1 | = 0.08 |
| 1 尺(曲尺) | ≈ 0.30303 | ≈ 11.930 | ≈ 0.99419 | ≈ 0.33140 | = 10 | = 1 | = 0.8 |
| 1 尺(鯨尺) | ≈ 0.37879 | ≈ 14.913 | ≈ 1.2427 | ≈ 0.41425 | = 12.5 | = 1.25 | = 1 |
| メートル (SI単位) |
海里 | ヤード | チェーン | マイル | 尺 | 間 | 町 | 里 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 m | = 1 | ≈ 0.00053996 | ≈ 1.0936 | ≈ 0.049710 | ≈ 0.00062137 | = 3.3 | = 0.55 | ≈ 0.0091667 | ≈ 0.00025463 |
| 1 M | = 1852 | = 1 | ≈ 2025.4 | ≈ 92.062 | ≈ 1.1508 | = 6111.6 | = 1018.6 | ≈ 16.9767 | ≈ 0.47157 |
| 1 yd | = 0.9144 | ≈ 0.00049374 | = 1 | ≈ 0.045455 | ≈ 0.00056818 | = 3.01752 | = 0.50292 | ≈ 0.0083820 | ≈ 0.00023283 |
| 1 ch | = 20.1168 | ≈ 0.010862 | = 22 | = 1 | = 0.0125 | = 66.38544 | = 11.06424 | ≈ 0.18440 | ≈ 0.0051223 |
| 1 mi | = 1609.344 | ≈ 0.86898 | = 1760 | = 80 | = 1 | = 5310.8352 | = 885.1392 | ≈ 14.752 | ≈ 0.40979 |
| 1 尺 | ≈ 0.30303 | ≈ 0.00016362 | ≈ 0.33140 | ≈ 0.015064 | ≈ 0.00018829 | = 1 | = 0.16667 | ≈ 0.0027778 | ≈ 0.000077160 |
| 1 間 | ≈ 1.8182 | ≈ 0.00098174 | ≈ 1.9884 | ≈ 0.090381 | ≈ 0.0011298 | = 6 | = 1 | ≈ 0.016667 | ≈ 0.00046296 |
| 1 町 | ≈ 109.09 | ≈ 0.058904 | ≈ 119.30 | ≈ 5.4229 | ≈ 0.067786 | = 360 | = 60 | = 1 | ≈ 0.027778 |
| 1 里 | ≈ 3927.3 | ≈ 2.1206 | ≈ 4294.9 | ≈ 195.22 | ≈ 2.4403 | = 12960 | = 2160 | = 36 | = 1 |
ヤール(カルビースト)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/13 02:48 UTC 版)
「スターソルジャー」の記事における「ヤール(カルビースト)」の解説
ヤールは赤いトンボ(裏面のカルビーストはハエ)のような形をしたキャラ。大量の編隊で画面上方、シーザーと左右同じ方向の特定の横座標から飛来し、降下途中で個体ごとに左下か右下に分かれて飛び去っていく。連射速度が速ければ簡単に倒せる。1発で破壊可能。200点。
※この「ヤール(カルビースト)」の解説は、「スターソルジャー」の解説の一部です。
「ヤール(カルビースト)」を含む「スターソルジャー」の記事については、「スターソルジャー」の概要を参照ください。
「ヤール」の例文・使い方・用例・文例
- 妹は布を5ヤール買った。
- 彼女はドレスを作る布を6ヤール買った。
- 彼女は1ヤールの布を買った。
- ここに1ヤールの服地ある。
- 1ヤール[ガロン]いくらで売る.
- 服地 2 ヤール.
- リンネル 1 反 《13 ヤール》.
- 壁紙ひと巻き 《12 ヤール》.
- 絹を 1 ヤール切り取る.
- フランネルを一ヤール切る
- この羅紗はヤール十円についております
- 西洋織物はヤールいくらで売買する
- 羅紗が四ヤールあれば洋服ができる
- 布地の幅が1ヤールであること
- ヤールギュレシという,トルコのスポーツ
- ある日,デリンジャーはビリー・フレシェット(マリオン・コティヤール)と出会い,彼女を夕食に誘う。
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